もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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10章 海は広くて冒険いっぱい

382.きび団子はいらない

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 なんだかよくわからない内に、僕は亀さんに乗ることになっていた……いや、ほんとになんで?

 亀さんは一人乗りだったから、スラリンたちは帰還させたよ。隣を歩いてついてきてもらうことはできるけど、なんか変な行進みたいになっちゃう気がして、さすがに人目が気になったのです……。

 ということで、亀さんの甲羅に乗って揺られながらおしゃべり中。亀さんは宮殿に向かってくれてる。

「ねぇねぇ、亀さん」
『なんじゃい、ウサギ』

 亀に乗るウサギって、新たなパターンの昔話みたいだねー。僕たちは競争しないよ?
 そんなことを思いつつ、亀さんと話を続ける。

「僕、モモっていうんだ。亀さんの名前は?」
『キージィじゃ』

 ほうほう、ちゃんと名前があるんだね。
 キージィってキー爺って意味だったりする? キージィのしゃべり方、おじいちゃんっぽいし。

「結局、キージィってなんなの?」
『亀じゃぞ』
「うん、それは見てわかってるけど……鑑定していい?」
『いいぞい』

 聞いても答えがわからなそうだなぁ、と思ってすぐに諦めた。許可をもらったから鑑定しまーす。

——————
カメ
 海底都市リュウグウに出没する謎の亀
 気配が薄く、発見できたらラッキー
 精霊視スキル持ちだと発見しやすいという情報があるため、精霊の一種とみなされている
 様々な色がいるらしい……?
 甲羅に乗ると、一時間幸運値が10アップする
——————

 鑑定でも謎って言われるの!? 精霊っぽい、ってことしかわからなかったなぁ。
 全鑑定のスキルレベルが上がればもっとわかるようになる?

 とりあえず、甲羅に乗ってるだけで幸運値がアップするらしいから、ラッキーだったと思おう。

 キージィは亀なだけあって、歩く速度がゆっくりだ。のんびりすぎてちょっと眠くなっちゃうぞ。

「……モモ?」

 不意に呼びかけられて視線を向けたら、ポカンと口を開けたルトが立っていた。その隣にはニコニコと微笑んでるリリがいて、パシャパシャとスクショを撮ってる音が聞こえてくる。

 反射的に「いぇーい!」とポーズをとりながら、二人に話しかけた。

「こんちゃー。ルトとリリは今日も一緒かぁ。仲良しだねー」
「……おう」

 珍しくルトが素直に頷いた。たぶん僕が亀に乗ってることに気が取られてるせい。
 リリがスクショを撮るのをやめて近づいてくる。
 キージィが進む速度は二人が歩く速度より遅いからすぐ追いついた。

「こんちゃー。モモ、相変わらず不思議なことしてるね」
「うん、僕もこれは不思議だと思ってる」

 リリの言葉に即座に頷く。ほんと、どうして亀さんの上に乗ってるんだろうね?
 ルトが「なんでお前が不思議がってるんだよ」と呆れた顔をした。

「あ、さっきルトにチャット送ったんだけど」
「おう、ありがとな。情報もらったから、すぐに海の水槽買ってきた。ついでにそこでミッション情報ももらったぞ」
「そっか。よかったねー」

 亀に乗るウサギと人間二人が並んで歩く姿は奇妙なようで、プレイヤーが二度見しながら通り過ぎていく。
 僕が乗ってるからか、キージィはみんなに見えやすくなってるみたいだ。

「モモって、息するようにシークレットミッション発見するよな……」

 ルトがなぜか遠い目をしてる。
 そこまでたくさんのシークレットミッションは見つけてないよ? ……でも、ちょっと心当たりがないわけではないから、話題を変えます!

「二人はこれから何をする予定?」
「宮殿図書館ってとこに行ってみようと思ってる。店員に『君たちは宮殿に入れるかわからないなー』って言われたから、無理かもしれないけど。少なくとも、行ってみたら許可をもらえる条件がわかるだろ」

 ルトが肩をすくめて答えた。
 宮殿図書館はやっぱり入るのに何かしら条件があるっぽいね。二人は海精霊シーフェアリーをつれてないし、やっぱり海精霊シーフェアリーとの関係が重要なのかなぁ。

「僕もこれから向かうところだから、一緒に行く? 僕は入れるって感じのこと言われたし、一緒なら行けるかも」
「どういう条件をクリアしたの?」

 リリに興味津々な感じで聞かれたけど、たぶん二人は僕と同じ感じで条件達成はできないと思うなー。

「ここについてすぐに海精霊シーフェアリーと仲良くなって街案内してもらってたんだ。そしたら、海精霊シーフェアリーに気に入られてるから宮殿図書館に入れる、みたいなこと言われたよ」
「……海精霊シーフェアリー?」

 ルトに『またコイツ何かやらかしたな? つーか、あのワールドアナウンス、やっぱりお前かよ』って感じの目で見られた。頭痛そうに額を押さえてる。

 でも、僕、大したことはしてないと思う……いや、結構凄いことだったかも? メーア、海精霊シーフェアリーの女王様だったもんね。うっかり忘れちゃいそうになるけど。

「うん。僕が仲良くなったのは、そこを飛んでる海精霊シーフェアリーたちの女王様だったんだよー!」

 上をふわーっと泳ぐように飛んでる海精霊シーフェアリーを指しながら教えたら、そこで初めてその存在に気づいたのか、二人は「うわっ!?」「わぁ、ファンタジーな感じ!」と喜んだ。
 ……うん、ルトも喜んでるってことでいいよね?

「って、女王様!? 海精霊シーフェアリーってだけで驚きなのに、いきなりトップに会ったのかよ!」

 ルトがハッとした顔で詰め寄ってきた。
 キージィが呑気に『若者は元気じゃのー』と呟いてる。キージィ、やっぱりおじいちゃん?

「ビックリしちゃうよねー。僕も知ったのは別れ際だったけど——あ、海精霊シーフェアリーさんたち、この二人を気に入ったりしない? 二人とも宮殿図書館に行きたいんだって」

 僕たちの視線に気づいたのか、何体かの海精霊シーフェアリーが近づいてきたから声をかけてみる。
 ルトがボソッと「ナンパかよ」と呟いた。確かにそれっぽかったね。
 いぇーい、可愛い子たち、僕たちと仲良くしないー?

『女王様の愛し子が言うなら、祝福をやってもいいけど』
『ふふ、いつか里に来てね』

 海精霊シーフェアリーたちがリリとルトの周りをぐるぐると飛んでから去っていく。これ、気に入ってもらえたってことでいいのかな?

 ルトが額を押さえて俯いてる。リリは「モモといると驚くこといっぱいで楽しいねー」とニコニコ笑ってた。楽しんでもらえて僕も嬉しいよー。

「これで一緒に宮殿図書館に行けそうだね!」
「……おう、ありがとな」
「シークレットミッションをクリアしたいねー」

 頭を抱えてしゃがむルトと、「がんばろうね」と楽しそうにしてるリリという、楽しいお供が増えました。ヤッタネ!

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