もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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10章 海は広くて冒険いっぱい

403.予想しない再会です

 たくさん動いた後は休憩。

 水術のスキルは最大で一日に一つしか習得できないみたいなんだよね。それに、水術鍛錬場では一日一回三十分しか鍛錬できないらしいし。

 水術をレベルアップさせる特訓は、また日を改めて来なきゃ。

 休憩中は、スイちゃんとスラリンと一緒に、偽果物フェイクフルーツを使ったフルフルジュースを飲んだ。

 二人ともフルフルジュースをすごく気に入ってくれたみたいで、スイちゃんからはフレンドカードを渡されたよ。
 食べ物をあげたら、モンスターじゃなくても友好度が上がりやすいのかな?

 そして「ついでにこれも」と、うさぎマークの旗もプレゼントされた。

 もふもふウサギの噂が広まって、魚人たちに人気のようだからって、スイちゃんの知り合いの商人が試作したらしい。

 ……僕の影響力すごいー。

 スイちゃんはそれをたくさん受け取ったようで、「友だちにもあげなよ」と僕は三本もらっちゃったよ。
 タマモにあげようかな? それとも増産して、もふもふ教のみんなに行き渡る数を用意した方がいい?

 まぁ、それについてはボチボチ考えることにして──

「じゃあ、また来るねー」
「ああ、いつでも鍛えてあげるよ! ウサっ子、またなー」

 友だちになったのに、名前を呼んでくれないのはちょっと不満だけど……水術を鍛えればいずれは呼んでもらえるよね。がんばろー。

 ちょうどログアウトしないといけない時間になってたし、第二の街のホームまで転移スキルで戻って、その日は終了。

 ──そして、日を変えてログインした時には、タマモからびっくりする連絡がきていた。

「え、無人島ゲット……?」

 フレンドチャットを眺めながら、ポカンと口を開ける。
 その内容は──

――――――
タマモ:
こんちゃー!
カジノでメダル(金)が集まり、もふもふ教念願の無人島を入手することができました。
早速、王都の教会に無人島へ転移できる転移魔法陣を設置しましたので、お時間がある時に遊びに来てくださいね!
うさぎと卵の遊具も設置済みです!

王都の教会内部も完成していますので、お好きにご覧ください!
案内が必要な場合は、ぜひぜひお声がけを!
――――――

「まじかー。みんながんばったねぇ」

 ついしみじみとしちゃう。
 僕だけだったら無人島ゲットなんて、絶対達成できなかっただろう。だって、交換に必要なメダル数が半端なかったもん。

 せっかくだし、見に行ってみようかな。
 王都の教会も確認したいし。

「──あっ、ついでに神殿に行って、リュウグウの秘宝について聞いてみよう」

 ふとルトたちと探索した中で発見したタスクを思い出して決めた。
 神殿での聞き込みなら、ルトたちがいなくても、しちゃっていいよね? これについては二人とスケジュールを決めてなかったし。

 いい情報があったら教えてあげよーっと。
 ルンルンと鼻歌を歌いながら転移スキルを使って、王都の教会にひとっ飛び。
 海上レイドイベントの打ち上げで行った時に、転移ピンを設定しておいたんだよー。

 一瞬で変わった景色。
 ザ・教会、って感じの流麗な建物を眺める。
 外から見ても、ステンドグラスで飾られているのがわかる。第二の街の教会同様、僕をモチーフにしたデザインのようだ。

 ……僕がもふもふ教の神(?)だからしかたないね。
 天兎アンジュラパは可愛いし!

「きゃー、モモさん!」
「今日ももふもふ、かわゆい……!」
「こんちゃー!」

 教会から出てきた女の子二人に手を上げて挨拶。
 即座に「こんちゃー!」と返ってきたから、ほんとに公式挨拶になってるっぽい。今後、コンサートをする時にはこの挨拶が必須かな?

「まずは神殿にゴー。ラファイエットさんがいたら、スムーズに話が進みそうなんだけど」

 トテトテと歩いて神殿に向かう。
 前はここでラファイエットさんに偶然会えたんだよね。今日もいたらいいなー。

 ぽかぽか暖かな日差しと柔らかに吹く風を感じて、ふあぁ、とあくびが漏れた。
 いい昼寝日和だけど、寝たらログアウトしちゃうから我慢。

 目をクシクシとこすって眠気をこらえながら歩いていると、不意に「おや?」と声が聞こえてきた。

「あなたは、モモさん?」
「えーっと……誰だっけ?」

 ビシッとした貴族っぽい身なりの紳士が神殿前に立っていて、僕に微笑みかけてきた。

 見覚えはあるよ! でも、どこの誰だったか、全然出てこない!
 たぶんあんまり会ってないと思うんだけど──

「私はダーロンですよ。娘のリカエラが、『最近モモと会えないわ』と嘆いておりました。たまには会いに行ってやってくださいね」

 ダーロンさん。リカエラ。

「……あ! シーアイ機関のトップ! リカちゃんのパパ!」

 思い出して、ビシッと指しちゃう。
 ダーロンさんはニコニコと微笑みながら受け入れてくれた。

 この国の王様に紹介されて、パーティーでダーロンさんに会ったんだよね。
 シーアイ機関はこの国の情報機関で、スパイ組織みたいなもの。ダーロンさんはその元締めらしい。

 リカエラ──リカちゃんはテイマー仲間。
 モンちゃんのところであって、いろいろと情報をくれたんだ。思い出したら会いたくなったよ。

 最近モンちゃんとも会ってないし、今度遊びに行こう。どんなドッキリアイテムを持っていこうかなー?
 モンちゃんにドッキリを仕掛けるのは、僕の趣味です!

「思い出していただけたようでなにより。いつ情報を求めていらっしゃるか楽しみにしていたのですが、忘れられていたのですね……」

 よよよ、と泣き真似をするダーロンに、思わず「えっ!?」と驚いちゃった。
 情報が欲しい時に行くかもー、とは確かに伝えていたけど、待ってくれているとは思わなかった。

 予想以上に好感度高かったのかな? パーティーで一度会っただけで、特殊な会話はしてないんだけど。

「──モモさんからいい情報を得られたら、それをエサに陛下に執務をがんばってもらおうと思っていたんですけどね」
「それが目的か……」

 泣き真似をやめたダーロンさんが半眼で呟くから、僕もスンッとした顔でツッコミを入れた。

 ダーロンさん──たぶんそれ以外の貴族さんたちも、王様の扱いに苦労してるらしい。
 この国の王様って少年がそのまま大人になったみたいな人だったもんね。イグニスさんの話をキラキラとした目で聞いていた姿が脳裏に浮かぶ。

 ……仕事、あんまりちゃんとしてないんだ? 簡単に想像できるよ。

「んー、古竜エンシェントドラゴンの情報はないよー? あ、でも、白嵐竜ホワストドラはテイムした!」

 なにかエサにできる情報はあるかなー、と記憶を辿りながら言ってみる。
 王様なら、古竜エンシェントドラゴン以外のドラゴンの話にも食いつきそうだよね。

 案の定、ダーロンさんは目をキラッと輝かせ、真剣な表情で顔を寄せてきた。

「それは以前、第三の街・北の霊峰で確認されたというドラゴンのことですね?」
「あ、知ってるんだ?」
「もちろん。私のもとには国中から様々な情報が集まりますから。ですが、あなたが如何にしてドラゴンをテイムするに至ったかは存じ上げません」
「そうなんだ……?」

 モンちゃんには教えてあげた気がするんだけど、ダーロンさんや王様には報告してないのかな?
 個人情報だし、ってことで秘密にしてくれてたのかも? モンちゃん、そういう優しいところあるからなー。好き!

 とりあえず、ストルムをテイムした流れをダーロンさんに教えてあげた。
 これで王様がちょっとは働いてくれるといいね。
 
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