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13 私は今を生きていきます
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とある事件の後、俺はテロリストに加担したという罪で事情聴取をされることになった。
せっかく見つけた仕事だったが、そのせいで今後の仕事をする機会さえ失ってしまった。
もう田舎に帰るしかない。夢だった作家の仕事にやっとたどり着いたと思ったのに。
もう何度も暴れて、暴れてそうしてボロボロになった部屋でヤケ酒を飲んでいたところで、部屋の扉をノックする音が聞こえた。
「鍵は開いてるよッ!」
「それでは失礼しますね」
俺の声に答え、扉を開けたのは騎士を引きつれた美しい少女だった。
どこかで見た覚えが……。
「俺に何の用だよ」
「お仕事の依頼ですわ」
「はぁ、仕事?」
貴族に嫌われた俺を雇用するところが、どこにあるんだよ!
「これはあなたの書いたものでしょう?」
少女が俺に見せてきたのは、やっとのことで掴んで、そしてこれのせいで人生をぶち壊しにされた『巡り合う運命』という本だ。
初版は好評だった。
少女と少年が純粋に少しずつ愛し合う話だ。前世というものはあったものの、そんなもの関係なしに二人は惹かれ合っていく。
少年には婚約者がいたものの、つとめて冷静にそして様々な条件とともに彼らは平穏に分かれる。
婚約者は胸にチクりとトゲが刺さったが、元々愛のない結婚だと知っていたので凛々しく物語から退場した。
しかも評判が悪くなってきたと思ったら魔法を使って、無理に流行させるだなんて最悪だ。
だが、それを読んで納得しなかったクライアントたちに修正に修正を重ね――ってこの方は修正した結果、悪役令嬢にされたエミリアさまじゃないか!!??
書いている時になんども釣り書きを見せられた少女が目の前にいた。
俺は酒を放り出して、少女の足元にひれ伏した。
「申し訳ございませんでしたー--!!!!」
「いえ、私は謝ってほしいのではないの。うちの商会でも出版事業をはじめたいのよね。それで作家を探しているの」
「へ?」
少女――エミリアさまは天使のように微笑んで、俺の手を取った。
「うけてくれるわよね?」
天使の後ろでは、騎士たちが剣に手をかけている。
生活が成り立たなくなった俺に、選択肢などあろうはずもなかった。
選択肢などない選択のはずなのに、俺の目からは涙が流れていた。天使の手をとって、床に頭を付ける。
生きてて良かった!!!!
☆
貴族たちにとってあの事件は黒歴史となった。
皇族や貴族から反逆者を出さなかったことでアーサー殿下の評判がとても良くなった。
市民の間では、本を回収する時にきちんと代金が返金されたことで、みな必死に本を探し出していた。本を見つけ出して回収してもらい、少しの収入にする人間もいたという。
おかげで回収がはかどるとエリックも喜んでいた。
あの本の初版を苦々しく見ては、しかし悪役レミリアの元である婚約者の行動には納得できるものがあったらしく、複雑な表情をしていた。
あの本に魔法を付与していた魔法使いたちは、正規の勉強をした魔法使いではなかった。
怪しい集団に依頼していたという。
不正を摘発した時にその組織は壊滅したと伝え聞いた。
「これで俺もお役ごめんだな」
私は報告書から目を離さずに、少し考えた。
「何言ってるのよ」
優秀な情報屋集団、暗殺を請け負うこともあるという。偶然にも見つけた情報屋が、とても優秀だったは幸運なのでしょうね。
「これからもよろしく頼むわね」
私はそんな幸運を逃すほど甘くはない。
「うちは高くつきますよ」
男が微笑んだ。私も釣られるように微笑む。
「もっと稼ぐから大丈夫よ」
商会も順調だ。男が見つけてくれた人材は、とても役に立っている。
前世だとか、何だとか関係ない。
私は今のエリックが好きなのだから。
ただ、今回のことがあって両親たちが心配したことによって、私たちは学園卒業後にすぐに結婚することになった。
マリアベルのせいで婚約が破談になった令嬢たちともとても良好な関係を気づいている。
彼女たちも私たちのことを祝福してくれるだろう。
私はこれからを見つめて生きていく。
せっかく見つけた仕事だったが、そのせいで今後の仕事をする機会さえ失ってしまった。
もう田舎に帰るしかない。夢だった作家の仕事にやっとたどり着いたと思ったのに。
もう何度も暴れて、暴れてそうしてボロボロになった部屋でヤケ酒を飲んでいたところで、部屋の扉をノックする音が聞こえた。
「鍵は開いてるよッ!」
「それでは失礼しますね」
俺の声に答え、扉を開けたのは騎士を引きつれた美しい少女だった。
どこかで見た覚えが……。
「俺に何の用だよ」
「お仕事の依頼ですわ」
「はぁ、仕事?」
貴族に嫌われた俺を雇用するところが、どこにあるんだよ!
「これはあなたの書いたものでしょう?」
少女が俺に見せてきたのは、やっとのことで掴んで、そしてこれのせいで人生をぶち壊しにされた『巡り合う運命』という本だ。
初版は好評だった。
少女と少年が純粋に少しずつ愛し合う話だ。前世というものはあったものの、そんなもの関係なしに二人は惹かれ合っていく。
少年には婚約者がいたものの、つとめて冷静にそして様々な条件とともに彼らは平穏に分かれる。
婚約者は胸にチクりとトゲが刺さったが、元々愛のない結婚だと知っていたので凛々しく物語から退場した。
しかも評判が悪くなってきたと思ったら魔法を使って、無理に流行させるだなんて最悪だ。
だが、それを読んで納得しなかったクライアントたちに修正に修正を重ね――ってこの方は修正した結果、悪役令嬢にされたエミリアさまじゃないか!!??
書いている時になんども釣り書きを見せられた少女が目の前にいた。
俺は酒を放り出して、少女の足元にひれ伏した。
「申し訳ございませんでしたー--!!!!」
「いえ、私は謝ってほしいのではないの。うちの商会でも出版事業をはじめたいのよね。それで作家を探しているの」
「へ?」
少女――エミリアさまは天使のように微笑んで、俺の手を取った。
「うけてくれるわよね?」
天使の後ろでは、騎士たちが剣に手をかけている。
生活が成り立たなくなった俺に、選択肢などあろうはずもなかった。
選択肢などない選択のはずなのに、俺の目からは涙が流れていた。天使の手をとって、床に頭を付ける。
生きてて良かった!!!!
☆
貴族たちにとってあの事件は黒歴史となった。
皇族や貴族から反逆者を出さなかったことでアーサー殿下の評判がとても良くなった。
市民の間では、本を回収する時にきちんと代金が返金されたことで、みな必死に本を探し出していた。本を見つけ出して回収してもらい、少しの収入にする人間もいたという。
おかげで回収がはかどるとエリックも喜んでいた。
あの本の初版を苦々しく見ては、しかし悪役レミリアの元である婚約者の行動には納得できるものがあったらしく、複雑な表情をしていた。
あの本に魔法を付与していた魔法使いたちは、正規の勉強をした魔法使いではなかった。
怪しい集団に依頼していたという。
不正を摘発した時にその組織は壊滅したと伝え聞いた。
「これで俺もお役ごめんだな」
私は報告書から目を離さずに、少し考えた。
「何言ってるのよ」
優秀な情報屋集団、暗殺を請け負うこともあるという。偶然にも見つけた情報屋が、とても優秀だったは幸運なのでしょうね。
「これからもよろしく頼むわね」
私はそんな幸運を逃すほど甘くはない。
「うちは高くつきますよ」
男が微笑んだ。私も釣られるように微笑む。
「もっと稼ぐから大丈夫よ」
商会も順調だ。男が見つけてくれた人材は、とても役に立っている。
前世だとか、何だとか関係ない。
私は今のエリックが好きなのだから。
ただ、今回のことがあって両親たちが心配したことによって、私たちは学園卒業後にすぐに結婚することになった。
マリアベルのせいで婚約が破談になった令嬢たちともとても良好な関係を気づいている。
彼女たちも私たちのことを祝福してくれるだろう。
私はこれからを見つめて生きていく。
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