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寝起き
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瞼の裏がぱっと明るくなる。続いて赤く、黄色く滲んで、目をくらませた。眉根がぴくぴくと動き、ゆっくりと目を開ける。自室のカーテンが風でなびき、朝日が差し込んでいた。
寝る前に窓を閉め忘れたのだろうか。
覚醒し切っていない頭で当たりをつけ、俺は布団を引き上げた。頭からかぶってしまえば、陽光も遮り二度寝の邪魔もなくなるはずだ。
そのまま寝返りをうとうとするも、下半身が持ち上がらない。寝起きで上手く動けないのかと思い、もう一度試すと太ももをぐっと抑えつけられた。
瞬間、俺の脳に血液がめぐる。すぐさま布団をめくり、下半身を確認する。そこには女のシルエットがあった。
聞こえてきたのは、粘り気のある水音だ。じゅぷりじゅぷりと棒状のものがねぶられている音。
人影は俺の股の間を陣取り、四つん這いで俺の両足を抱え込んでいる。顔を俺の股間部にうずめており、水音もそこからも聞こえていた。
「トマリ!」
人影は夕鶴トマリ、俺の幼馴染である。
トマリは俺の顔を一瞥すると、また俺の股間に視線を戻した。先ほどとは違い、見せつけるように大きく口をひらき、勃起――朝勃ち――をしているそれを咥えこんだ。
勃起しているそれに負けず劣らず、トマリの口内は温かい。唇で幹の半場ほどを挟まれ、そこから浅くストロークされる。カリに引っかかる直前で上昇を止め、また同じところへ下降する。快楽としては弱い動きだが、劣情をより煽るには効果的な動きだった。
ふつふつと湧いてくる情欲に流されそうになるが、覚醒し始めた頭が自分の状況を思い出す。今の俺はオナ禁六日目だ。今射精してしまっては、これまでの禁欲が泡となってしまう。
「離れんかー!」
叫びとともに、渾身の力でトマリを引き剥がす。「やんっ」と小さな悲鳴をあげて、彼女はベッドから転がり落ちた。
俺が荒い息を吐いていると、頭を擦りながらトマリが立ち上がる。
「痛いじゃん! 人がせっかく起こしてあげたのにぃ」
半分ほど後に流した前髪をリボンでまとめ、後髪ごと一本にして背中に垂らしている。不満げに尖らせた唇はふっくらとしており、唾液で濡れて赤く照っていた。
柔らかそうな頬はじょうきして桜色に染まり、和やかなイメージとは裏腹にどこか色っぽく感じさせる。
視線をさげれば一番に目につくのが大きな胸部だ。学校指定のカッターシャツを贅沢に使い、限界まで布を張りつめさせている。
腰つきこそくびれが見当たる程度だが、骨格がよいおかげか、だらしない印象は与えない。
少し前傾すればスカートを押し上げる尻はよく締まっており、そこから伸びる太ももは白く眩しい。スキンケアのたまものであろう、染みひとつ見つからなかった。
「やん、ススムちゃんにねっとり見られてるぅ」
俺の視線を悟り、トマリがくねくねと身をよじる。胸を抱えて強調し、明らかに嫌がっていない様子だ。
「見とらん! 危うくオナ禁が無駄になるところだったわ……」
下ろされていたパンツとズボンを上げ、性器の無事を確認する。今回は射精させられる前に引き剥がすことができたようだ。
「大丈夫だよぉ。もう二回だしたし」
「だしたの!?」
トマリがべーっと舌をだし、俺に見せつける。「濃かったよぉ」と嬉しそうにのたまった。
「ま、また邪魔されてしまった……」
「ごめんねぇ。でもススムちゃん、こうしないと起きないから」
「二回だしたんだろ!? じゃあ起きてねえじゃねえか!」
「三度目の正直って言うしぃ」
「朝からチャレンジ精神発揮してんじゃねえ!」
反省した様子もなく「んふふ」と笑うトマリを見て、俺は溜め息を吐いた。彼女はどういうわけか、俺の禁欲を直接的に邪魔してくるのである。
トマリの誘惑は中学生のころから始まった。
性欲全開の思春期であるから、俺自身、禁欲がうまくいかなった。それに加えトマリの誘惑はどんどんエスカレートしていき、卒業にいたるまで性欲の昇華ができなかったのだ。
そして現在、高校生になった今でもトマリの妨害は続いている。
今のように部屋に侵入するのは当たり前、学校だろうとどこだろうとトマリは俺を誘惑する。なんなら意思に関係なく搾り取ることだってある。
正直にいえば嬉しい思いもある。幼馴染で気心知れているし、容姿だって悪くない。なにより肉付きのよい体で積極的に迫られるのは、男として満足感がある。
それでも俺は自らの夢を忘れるわけにはいかない。俺の才能はあらゆる機関から望まれており、これを使って人類に貢献するのはもはや使命といっても過言ではないのだ。
今までなあなあにしてきたが、そろそろトマリにもしっかりと理解してもらって――そう、よく理解してるじゃないか。そこが気持ちいいんだ。
「いや、なにしてんの!?」
「二回だしたらぁ、三回も同じでしょ?」
いつの間にか、俺の股間にトマリがしゃぶりついている。再び彼女を押しのけようとするが、彼女の口内で舌が妖しくうごめいた。
体がびくりと痙攣し、思考が霧散する。そうだ。俺は今、トマリに弱点を握られているのだ。
トマリは俺の秘部の先っぽを包むように咥え、ぬらりぬらりと舌を動かした。裏筋を舌先でこすり、幾度も往復する。
舌裏を亀頭に被せ、時計回りに撫でまわされる。鈴口からカウパーがぷくりと溢れるたび、トマリの舌が犬のようにかすめとっていく。
「がまんしちゃ、だめぇ。んふふ」
起きるまでずっと舐められていたせいか、俺の我慢はすっかりと限界を超えていたらしい。いつも以上にこらえ性がなく、トマリの舌腹にぶちまけたいと本能が叫んでいる。
「だそう? だしてぇ、またあしたから、がまんしよ?」
トマリの言葉が真っ当な提案に思えた。そう、また明日から禁欲すればいい。今日はこのまま、彼女に抗う必要などない。
そう思った瞬間、陰嚢がぐっと持ち上がる。腰が細かく震え、尿道から熱い液体が昇ってきた。
「んぶっ、うぐぐぐ……ちゅぷ、んふふ……」
三度に分けて放出された精を、トマリは難なく受け止めた。そのまま目尻を下げてうっとりとしながら、喉を鳴らして飲み込んだ。
トマリは俺に顔を近づけると「んばぁ」と吐息混じりに口内を見せつける。ピンク色の粘膜に、ところどころ黄ばんだ白い汚れが見え隠れしていた。
「み、見せんでいい」
「あれぇ、ススムちゃん賢者タイム?」
「アホなこと言うな」
照れ隠しに言ってから、さっさと下着とズボンをはく。
「飯、どうせ母さんが用意してるから食ってけよ」
「んふふ、ありがと」
今日だけ、今日だけだ。明日からは必ず、禁欲してみせる。
かたく胸に誓い、俺はトマリと食卓へ向かった。
寝る前に窓を閉め忘れたのだろうか。
覚醒し切っていない頭で当たりをつけ、俺は布団を引き上げた。頭からかぶってしまえば、陽光も遮り二度寝の邪魔もなくなるはずだ。
そのまま寝返りをうとうとするも、下半身が持ち上がらない。寝起きで上手く動けないのかと思い、もう一度試すと太ももをぐっと抑えつけられた。
瞬間、俺の脳に血液がめぐる。すぐさま布団をめくり、下半身を確認する。そこには女のシルエットがあった。
聞こえてきたのは、粘り気のある水音だ。じゅぷりじゅぷりと棒状のものがねぶられている音。
人影は俺の股の間を陣取り、四つん這いで俺の両足を抱え込んでいる。顔を俺の股間部にうずめており、水音もそこからも聞こえていた。
「トマリ!」
人影は夕鶴トマリ、俺の幼馴染である。
トマリは俺の顔を一瞥すると、また俺の股間に視線を戻した。先ほどとは違い、見せつけるように大きく口をひらき、勃起――朝勃ち――をしているそれを咥えこんだ。
勃起しているそれに負けず劣らず、トマリの口内は温かい。唇で幹の半場ほどを挟まれ、そこから浅くストロークされる。カリに引っかかる直前で上昇を止め、また同じところへ下降する。快楽としては弱い動きだが、劣情をより煽るには効果的な動きだった。
ふつふつと湧いてくる情欲に流されそうになるが、覚醒し始めた頭が自分の状況を思い出す。今の俺はオナ禁六日目だ。今射精してしまっては、これまでの禁欲が泡となってしまう。
「離れんかー!」
叫びとともに、渾身の力でトマリを引き剥がす。「やんっ」と小さな悲鳴をあげて、彼女はベッドから転がり落ちた。
俺が荒い息を吐いていると、頭を擦りながらトマリが立ち上がる。
「痛いじゃん! 人がせっかく起こしてあげたのにぃ」
半分ほど後に流した前髪をリボンでまとめ、後髪ごと一本にして背中に垂らしている。不満げに尖らせた唇はふっくらとしており、唾液で濡れて赤く照っていた。
柔らかそうな頬はじょうきして桜色に染まり、和やかなイメージとは裏腹にどこか色っぽく感じさせる。
視線をさげれば一番に目につくのが大きな胸部だ。学校指定のカッターシャツを贅沢に使い、限界まで布を張りつめさせている。
腰つきこそくびれが見当たる程度だが、骨格がよいおかげか、だらしない印象は与えない。
少し前傾すればスカートを押し上げる尻はよく締まっており、そこから伸びる太ももは白く眩しい。スキンケアのたまものであろう、染みひとつ見つからなかった。
「やん、ススムちゃんにねっとり見られてるぅ」
俺の視線を悟り、トマリがくねくねと身をよじる。胸を抱えて強調し、明らかに嫌がっていない様子だ。
「見とらん! 危うくオナ禁が無駄になるところだったわ……」
下ろされていたパンツとズボンを上げ、性器の無事を確認する。今回は射精させられる前に引き剥がすことができたようだ。
「大丈夫だよぉ。もう二回だしたし」
「だしたの!?」
トマリがべーっと舌をだし、俺に見せつける。「濃かったよぉ」と嬉しそうにのたまった。
「ま、また邪魔されてしまった……」
「ごめんねぇ。でもススムちゃん、こうしないと起きないから」
「二回だしたんだろ!? じゃあ起きてねえじゃねえか!」
「三度目の正直って言うしぃ」
「朝からチャレンジ精神発揮してんじゃねえ!」
反省した様子もなく「んふふ」と笑うトマリを見て、俺は溜め息を吐いた。彼女はどういうわけか、俺の禁欲を直接的に邪魔してくるのである。
トマリの誘惑は中学生のころから始まった。
性欲全開の思春期であるから、俺自身、禁欲がうまくいかなった。それに加えトマリの誘惑はどんどんエスカレートしていき、卒業にいたるまで性欲の昇華ができなかったのだ。
そして現在、高校生になった今でもトマリの妨害は続いている。
今のように部屋に侵入するのは当たり前、学校だろうとどこだろうとトマリは俺を誘惑する。なんなら意思に関係なく搾り取ることだってある。
正直にいえば嬉しい思いもある。幼馴染で気心知れているし、容姿だって悪くない。なにより肉付きのよい体で積極的に迫られるのは、男として満足感がある。
それでも俺は自らの夢を忘れるわけにはいかない。俺の才能はあらゆる機関から望まれており、これを使って人類に貢献するのはもはや使命といっても過言ではないのだ。
今までなあなあにしてきたが、そろそろトマリにもしっかりと理解してもらって――そう、よく理解してるじゃないか。そこが気持ちいいんだ。
「いや、なにしてんの!?」
「二回だしたらぁ、三回も同じでしょ?」
いつの間にか、俺の股間にトマリがしゃぶりついている。再び彼女を押しのけようとするが、彼女の口内で舌が妖しくうごめいた。
体がびくりと痙攣し、思考が霧散する。そうだ。俺は今、トマリに弱点を握られているのだ。
トマリは俺の秘部の先っぽを包むように咥え、ぬらりぬらりと舌を動かした。裏筋を舌先でこすり、幾度も往復する。
舌裏を亀頭に被せ、時計回りに撫でまわされる。鈴口からカウパーがぷくりと溢れるたび、トマリの舌が犬のようにかすめとっていく。
「がまんしちゃ、だめぇ。んふふ」
起きるまでずっと舐められていたせいか、俺の我慢はすっかりと限界を超えていたらしい。いつも以上にこらえ性がなく、トマリの舌腹にぶちまけたいと本能が叫んでいる。
「だそう? だしてぇ、またあしたから、がまんしよ?」
トマリの言葉が真っ当な提案に思えた。そう、また明日から禁欲すればいい。今日はこのまま、彼女に抗う必要などない。
そう思った瞬間、陰嚢がぐっと持ち上がる。腰が細かく震え、尿道から熱い液体が昇ってきた。
「んぶっ、うぐぐぐ……ちゅぷ、んふふ……」
三度に分けて放出された精を、トマリは難なく受け止めた。そのまま目尻を下げてうっとりとしながら、喉を鳴らして飲み込んだ。
トマリは俺に顔を近づけると「んばぁ」と吐息混じりに口内を見せつける。ピンク色の粘膜に、ところどころ黄ばんだ白い汚れが見え隠れしていた。
「み、見せんでいい」
「あれぇ、ススムちゃん賢者タイム?」
「アホなこと言うな」
照れ隠しに言ってから、さっさと下着とズボンをはく。
「飯、どうせ母さんが用意してるから食ってけよ」
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