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ゲームセンターを出て商店街に戻り、俺と夕鶴トマリは住宅街のほうへ歩いていた。
トマリは「んふふ」と笑いながら、スマホを手にもって眺めている。そのスマホは画面を地面に向けられており、はたから見ると彼女の姿はスマホの裏側を見てにやける不審者にも思えた。
「いつまでプリクラ見てんだよ」
「穴があくまでかなぁ」
「あくわけねえだろ」
ゲームセンターで撮ったプリクラを、トマリはさっそく自分のスマホに貼りつけていた。
「ススムちゃんも貼りなよぉ。お揃いにしよ?」
「あほ。恥ずかしくて貼れねえよ」
「みんなやってるよ? 少しくらい大丈夫だよぉ」
「怪しい勧誘かっ!」
道路を挟み、反対側の歩道の先に公園が見えてきた。その前に横断歩道が敷かれており、トマリとは帰り道がそこで別れるはずだった。
「それじゃ、また明日な」
「なに言ってるの、ススムちゃん。まだまだ家は先じゃんかぁ」
「お前がなにを言ってるんだ……一緒に帰るときは、この辺りで別れてただろ」
禁欲のためにトマリと帰る頻度は、昔と比べて少なくなっている。それでも記憶が薄れるほど少ないわけではない。彼女の家は公園のあたりで間違っていないはずだ。
「私たち幼馴染だよ? 家は隣に決まってるよぉ」
「うちはマンションだぞ。両隣の部屋は長いこと空き部屋だ」
「両隣とも私が借りてるからね」
「怖いわ! 意味不明過ぎて怖いっ!」
言ってる間、トマリの歩みは止まっている。実のところ、彼女の意図は察しがついていた。冗談を言って足止めしているのも、それが理由だろう。――冗談のはずだ。おそらくは。
トマリと一緒に帰るのは久々のことだった。だから俺も少しばかりはしゃいでしまって、プリクラだって撮ってしまった。平常時であれば、恥ずかしいからと却下していたはずである。
そして今もまだ、俺ともう少し一緒にいたいというトマリの想いを、くみ取ってもいいかと考えていた。
「トマリ。久しぶりに、公園にでも寄っていくか」
あるいは、俺がトマリと一緒にいたいと思っていたことを、彼女に投影しただけかもしれない。
公園内にはブランコが二台と背の低いベンチが一つ、それから隅に砂場が一つ設置してある。
俺とトマリは並んでいるブランコに腰を下ろした。
「懐かしいねぇ。小学生のときは、ここでよく遊んでたのに」
「そうだな。その時のお前はまともだった」
「ひっどいなぁ。私はずっと変わらないよぉ」
「鏡を見てこい」
トマリは胸を強調するように体を抱いて、「体の話だったのぉ?」と俺をからかいにかかる。
返事を間違えたと思い嘆息して、俺はトマリから目をそらした。
「中学からだよな。お前が色々しだしたの」
トマリとの付き合いは小学生のときから始まった。そのころの彼女はひかえめで内気な、有り体に言えば地味な女の子だった。同じクラスで席が近かったから、特に切っ掛けもなく仲良くなった。
五年生になってクラスが別になり、トマリとは一度疎遠になった。しかし中学生になると彼女から声をかけられ、再び幼馴染として話すようになった。
それだけでなく、トマリは消極的から積極的な女の子に変貌していた。隙あらば俺に話しかけ、ボディータッチの多いコミュニケーションを好み、あげく性的な誘いをにおわせる。
そのギャップに、当時の俺は戸惑っていたはずだ。
「ススムちゃんが中学校のこと話すの珍しいねぇ」
「ぐっ……」
俺の口から呻き声が漏れる。中学生のころには思い出したくない記憶が多くあるため、俺はそのころの話を避ける傾向にあった。
「あのころのススムちゃんは、私にいっぱぁいかまってくれたのになぁ」
トマリの言葉でいやがおうにも思い起こす。中学時代の俺は禁欲初心者であり、おぼえたての性的発散を我慢せずにはいられなかった。
そんな俺の身近な異性がトマリだったのである。中学生になって胸と尻に肉がつき、女らしくなった体の幼馴染が積極的に接してくる。彼女のことを頭の中で犯した回数は数えきれない。
そしてある日。トマリに誘われるがまま、俺は彼女の手で絶頂に達した。その日を皮切りにおこなわれる誘惑の数々に、思春期の俺はためらいながらも飛びついた。それからの日々はまさしく淫蕩の生活である。
「可愛かったなぁ。ちゅってしただけでぇ、びゅっびゅってしちゃったこともあったねぇ」
「い、言うなっ!」
中学生二年目が終わるころ、とある切っ掛けがあり俺はようやく思い直した。このままではいけないと。
改めて自分の使命を心に刻み、トマリの誘いを断るようになった。そうして今のような関係に至る。
「というか、その、なんであんなに積極的になったんだ?」
「そうだねぇ……ススムちゃんの夢を知ったからかなぁ」
「俺の夢?」
「人類の役に――ってやつだよ。ススムちゃんがいつか遠くに行っちゃうのかもって思った」
その夢が形になったのは、自分の才能を理解してからだ。小学五年か六年のころ、トマリとは疎遠になっていた時期のはずである。俺がおぼえていないだけで、話す機会があったのだろうか。
それにしても、トマリの変貌にそんな理由があったとは知らなかった。
仲のよかった幼馴染が手の届かない存在になるかもしれない。そこで気を惹くためにアピールするなんて、いじらしい話である。そのような意図があったと知れば、男として悪い気はしない。
「だから邪魔しなきゃって」
俺が優越感にひたりかけたところで、トマリがそう言葉を続けた。
「なに?」
「そんなたいへんな人生だと疲れちゃうじゃん。だから骨抜きにして、私に一生養われて過ごすようにしなくちゃって」
「お、お前! なに、恐ろしいことを口走ってるんだ!?」
「私はススムちゃんといれて幸せ。ススムちゃんは大変な夢から解放されて幸せ。なにも怖いことないよぉ」
トマリの瞳によどみは一切なく、その声音から迷いは感じられない。彼女は俺が夢を捨て、堕落の道に走ることを最善だと信じている。
「つまりあれか、トマリが俺を誘惑し始めたのは、俺の才能を使わせないためか?」
「そうだよぉ」
「そして一生養われる?」
「ススムちゃんは私と一緒にいてくれるだけでいいからねぇ」
「よくねえよ!」
立ち上がってトマリから距離をとる。ブランコを支えるチェーンががちゃがちゃと音をたてた。
トマリが好意をもっているのは察していた。しかしここまで深いものだとは思ってもみなかった。
「いいかトマリ、改めて言うぞ。俺はこの才能をもって生まれたからには、人類に貢献すべきだと思う。これは夢というか使命だ! 諦めるつもりはない!」
「私はススムちゃんと一緒にいたいなぁ。すごい人になんかならないでほしい」
トマリがブランコを離れ、俺に近づいてくる。
「だからいっぱいえっちして、ススムちゃんを普通の男の子にしてあげる」
俺の正面で立ち止まると、トマリはカッターシャツのボタンを外しだした。その動きは下駄箱で見せた誘惑の再現だ。
「言ったよねぇ? 続き、してあげるって」
乱れたシャツの合間に見える、二本の淫靡な曲線。それらが重っているだけで、男の視線を吸い寄せる。
ゲームセンターでのキスと先ほど思い返した淫らな記憶も相まって、実のところ俺の股間は熱くたぎっていた。
「お胸でしよっかぁ」
啖呵を切ったばかりにも関わらず、俺はトマリの誘いを断れなかった。
トマリは「んふふ」と笑いながら、スマホを手にもって眺めている。そのスマホは画面を地面に向けられており、はたから見ると彼女の姿はスマホの裏側を見てにやける不審者にも思えた。
「いつまでプリクラ見てんだよ」
「穴があくまでかなぁ」
「あくわけねえだろ」
ゲームセンターで撮ったプリクラを、トマリはさっそく自分のスマホに貼りつけていた。
「ススムちゃんも貼りなよぉ。お揃いにしよ?」
「あほ。恥ずかしくて貼れねえよ」
「みんなやってるよ? 少しくらい大丈夫だよぉ」
「怪しい勧誘かっ!」
道路を挟み、反対側の歩道の先に公園が見えてきた。その前に横断歩道が敷かれており、トマリとは帰り道がそこで別れるはずだった。
「それじゃ、また明日な」
「なに言ってるの、ススムちゃん。まだまだ家は先じゃんかぁ」
「お前がなにを言ってるんだ……一緒に帰るときは、この辺りで別れてただろ」
禁欲のためにトマリと帰る頻度は、昔と比べて少なくなっている。それでも記憶が薄れるほど少ないわけではない。彼女の家は公園のあたりで間違っていないはずだ。
「私たち幼馴染だよ? 家は隣に決まってるよぉ」
「うちはマンションだぞ。両隣の部屋は長いこと空き部屋だ」
「両隣とも私が借りてるからね」
「怖いわ! 意味不明過ぎて怖いっ!」
言ってる間、トマリの歩みは止まっている。実のところ、彼女の意図は察しがついていた。冗談を言って足止めしているのも、それが理由だろう。――冗談のはずだ。おそらくは。
トマリと一緒に帰るのは久々のことだった。だから俺も少しばかりはしゃいでしまって、プリクラだって撮ってしまった。平常時であれば、恥ずかしいからと却下していたはずである。
そして今もまだ、俺ともう少し一緒にいたいというトマリの想いを、くみ取ってもいいかと考えていた。
「トマリ。久しぶりに、公園にでも寄っていくか」
あるいは、俺がトマリと一緒にいたいと思っていたことを、彼女に投影しただけかもしれない。
公園内にはブランコが二台と背の低いベンチが一つ、それから隅に砂場が一つ設置してある。
俺とトマリは並んでいるブランコに腰を下ろした。
「懐かしいねぇ。小学生のときは、ここでよく遊んでたのに」
「そうだな。その時のお前はまともだった」
「ひっどいなぁ。私はずっと変わらないよぉ」
「鏡を見てこい」
トマリは胸を強調するように体を抱いて、「体の話だったのぉ?」と俺をからかいにかかる。
返事を間違えたと思い嘆息して、俺はトマリから目をそらした。
「中学からだよな。お前が色々しだしたの」
トマリとの付き合いは小学生のときから始まった。そのころの彼女はひかえめで内気な、有り体に言えば地味な女の子だった。同じクラスで席が近かったから、特に切っ掛けもなく仲良くなった。
五年生になってクラスが別になり、トマリとは一度疎遠になった。しかし中学生になると彼女から声をかけられ、再び幼馴染として話すようになった。
それだけでなく、トマリは消極的から積極的な女の子に変貌していた。隙あらば俺に話しかけ、ボディータッチの多いコミュニケーションを好み、あげく性的な誘いをにおわせる。
そのギャップに、当時の俺は戸惑っていたはずだ。
「ススムちゃんが中学校のこと話すの珍しいねぇ」
「ぐっ……」
俺の口から呻き声が漏れる。中学生のころには思い出したくない記憶が多くあるため、俺はそのころの話を避ける傾向にあった。
「あのころのススムちゃんは、私にいっぱぁいかまってくれたのになぁ」
トマリの言葉でいやがおうにも思い起こす。中学時代の俺は禁欲初心者であり、おぼえたての性的発散を我慢せずにはいられなかった。
そんな俺の身近な異性がトマリだったのである。中学生になって胸と尻に肉がつき、女らしくなった体の幼馴染が積極的に接してくる。彼女のことを頭の中で犯した回数は数えきれない。
そしてある日。トマリに誘われるがまま、俺は彼女の手で絶頂に達した。その日を皮切りにおこなわれる誘惑の数々に、思春期の俺はためらいながらも飛びついた。それからの日々はまさしく淫蕩の生活である。
「可愛かったなぁ。ちゅってしただけでぇ、びゅっびゅってしちゃったこともあったねぇ」
「い、言うなっ!」
中学生二年目が終わるころ、とある切っ掛けがあり俺はようやく思い直した。このままではいけないと。
改めて自分の使命を心に刻み、トマリの誘いを断るようになった。そうして今のような関係に至る。
「というか、その、なんであんなに積極的になったんだ?」
「そうだねぇ……ススムちゃんの夢を知ったからかなぁ」
「俺の夢?」
「人類の役に――ってやつだよ。ススムちゃんがいつか遠くに行っちゃうのかもって思った」
その夢が形になったのは、自分の才能を理解してからだ。小学五年か六年のころ、トマリとは疎遠になっていた時期のはずである。俺がおぼえていないだけで、話す機会があったのだろうか。
それにしても、トマリの変貌にそんな理由があったとは知らなかった。
仲のよかった幼馴染が手の届かない存在になるかもしれない。そこで気を惹くためにアピールするなんて、いじらしい話である。そのような意図があったと知れば、男として悪い気はしない。
「だから邪魔しなきゃって」
俺が優越感にひたりかけたところで、トマリがそう言葉を続けた。
「なに?」
「そんなたいへんな人生だと疲れちゃうじゃん。だから骨抜きにして、私に一生養われて過ごすようにしなくちゃって」
「お、お前! なに、恐ろしいことを口走ってるんだ!?」
「私はススムちゃんといれて幸せ。ススムちゃんは大変な夢から解放されて幸せ。なにも怖いことないよぉ」
トマリの瞳によどみは一切なく、その声音から迷いは感じられない。彼女は俺が夢を捨て、堕落の道に走ることを最善だと信じている。
「つまりあれか、トマリが俺を誘惑し始めたのは、俺の才能を使わせないためか?」
「そうだよぉ」
「そして一生養われる?」
「ススムちゃんは私と一緒にいてくれるだけでいいからねぇ」
「よくねえよ!」
立ち上がってトマリから距離をとる。ブランコを支えるチェーンががちゃがちゃと音をたてた。
トマリが好意をもっているのは察していた。しかしここまで深いものだとは思ってもみなかった。
「いいかトマリ、改めて言うぞ。俺はこの才能をもって生まれたからには、人類に貢献すべきだと思う。これは夢というか使命だ! 諦めるつもりはない!」
「私はススムちゃんと一緒にいたいなぁ。すごい人になんかならないでほしい」
トマリがブランコを離れ、俺に近づいてくる。
「だからいっぱいえっちして、ススムちゃんを普通の男の子にしてあげる」
俺の正面で立ち止まると、トマリはカッターシャツのボタンを外しだした。その動きは下駄箱で見せた誘惑の再現だ。
「言ったよねぇ? 続き、してあげるって」
乱れたシャツの合間に見える、二本の淫靡な曲線。それらが重っているだけで、男の視線を吸い寄せる。
ゲームセンターでのキスと先ほど思い返した淫らな記憶も相まって、実のところ俺の股間は熱くたぎっていた。
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