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第1話 異世界転生
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俺の名前は城島(きしま)ジュン、今は5歳の見た目はいたって普通の少年だ
人と違う所は…いわゆる転生者ってやつだ。
しかも3回目
初めて転生した日、それは27歳の夏だった
俺の身に何が起こったのか…実ははっきりと覚えていない…
俺はその日の夜、暑さのせいか夜ふと目が覚めてしまい、寝つきが悪かったので何となくコンビニに買い物に行こうと外に出た
ジメジメとした空気が身体にまとわりつく
コンビニに行く途中切れかけて点滅している電柱の電灯が目に付く
…?電灯の下に誰か立っている
男性か女性か分からないが、このくそ熱い時期にまるで全身を覆うようなコートを着ている
『こりゃやばそうな奴がいるな…』位にしか考えず、少し距離を取ってその人物を避ける様に俺は通り過ぎた
俺が通り過ぎる時にその人物は何となくだが俺の方を向いて、
「………ケタ」
良く聴きとれなかったがそう言っている様に聞こえた
その後もブツブツと独り言を言ってる様で気味が悪い
万が一後ろから付いて来たり、襲われたらどうしようと不安があったがその人物はその場から動かなかった
その後は何事も無くコンビニで飲み物やちょっとした食べ物を買い、家に戻る事にした
先程不審者がいた場所に差し掛かる
『まだいるかな…』と思っていたが、そこには誰もいなかった
ホッと胸を撫でおろし家に着く
家に着いた俺は、何となく自室にあるパソコンを起動させニュース記事を見ていた
『そう言えばさっきの不審者とかの情報ってどっかに出てないかな?』と思い検索すると、同じ地域で2件の目撃情報があったので投稿内容を見てみた
1件目は、
”夜歩いてたらコートを着た長い髪の男性が電柱の下でずっとブツブツ何か言ってた。気持ちが悪かったんで引き返した。この時期不審者増えるんかな?一応注意喚起しとします。”
という様な投稿
2件目は、
”こんなクッソ暑いのにコートなんか来た奴が電柱の下でブツブツ言ってたw なんか「じゃない」なんて事言ってたみたいだったけど、面白かったんで話し掛けたらお姉さん?にめっちゃ睨まれたw 何だよっ!って思って通り過ぎた後振り向いて見たら誰も居なくて超ビビったw 幽霊かな? 他にも見た人いる?”
と言うような投稿だった
男性?女性?同じ様な人物を俺も見たが、性別まで分からなかったんだが、女性だったのか?
詳細が気になり俺は不審者に接触した様な事が書いてある2件目の投稿主にコンタクトを取ろうと思い、返信しようとした
その時だった…
パソコンの画面が強く光り、俺は気を失ってしまった
覚えているのはそこまでだった
次に目が覚めるとそこはだだっ広い白い空間で、遠くの方に祭壇の様な物が見えた
俺は何となく引き寄せられる様にその祭壇へ歩き出す
近づいてみると、それは祭壇ではなく真っ白な玉座?だった
俺は何も意識せずその玉座に座ると、どこからか声が聞こえて来る…
【………よ、あなたは選ばれました… そして選択をするのです…】
!?誰だろう…、そう思うも声は出せずただ聞き入るのみだった
その声は続けて言う
【あなたには力を授けます… 自らその行く末を見届けなさい…】
そう一方的に俺に言うと、再び強い光りに包まれる
…………そして気が付くと俺は赤ん坊として生まれ変わっていた
今まで起きた事を覚えている…不思議な感覚だった
様々な疑問が浮かんでくるが答えをくれる存在が無いと思い、深く考えるのを止めた
『…なんか色んな事を言ってたな…良くは分からないが、もしかしてこれが噂に聞いた異世界転生ってやつか?』
『ちょっとテンション上がって来たな~異世界に転生した奴って凄い能力で活躍するんだろ?俺にもそんな能力があるんじゃないか?』
『うまい事やれば楽しい人生送れるんじゃないか!?』
最初はそんな事を思っていた
だがこの転生をきっかけに、俺はとんだ人生を歩む事になってしまったのは言うまでもないだろう…
…さて、ここから色々な事が起こる訳だが、現在に至るまでをざっと説明しておこう
まず初めて転生したのはRPGで見る様なファンダジーな世界
敵もモンスターや四天王やら神を名乗る者、魔王なんかもいる
俺は転生の際に得たスキル(後で詳しく説明する)でいかんなく活躍、っていうか魔王軍を壊滅まで追いやった位の英雄にまでなれた
もちろん1人で戦った訳ではないが、ずば抜けて活躍したのは間違いないだろう
その後、俺は意気揚々と人生を謳歌したしていたそんなある日、魔王軍残党の呪術使いが突然現れ俺は呪いをかけられてしまった
呪いを掛けた後に何か言っている様だったが、ハッキリとは聞き取れなかった
その時からだろうか、左の胸に違和感を感じ始めたのは…
数年が経過した時に俺は左胸に痣の様な物が出来ている事に気付く
その痣は時間の経過と共に濃くなり、まるで紋様の様になっていった
年を追う毎にその痣は色濃くなり、痣の色も変化していった
更に時が経ち、胸の痣が黒くなってからは変化はなくなったが、徐々に俺は精神的な苛立ちを感じる様になった。
そして俺は40歳の誕生日に突如原因不明の発作を起こしあっという間にこの世を去った
次に気が付いたのはまた赤ん坊として生まれ変わった時で、その時にも前世の記憶と得たスキルがそのまま残っていた
『この感覚は以前の転生した時と同じだ。』
『また何処かで転生をしたのか?』
…どうやら今度は別の世界線に転生したようだ
1度目の転生でも驚いたが、2度目の転生なんてあるのか?
なんて思ったが、暫くすると今の状況をすんなり受け入れていた
胸の痣が気になり見てみたが、痣は無かった
『あの痣は何だったんだろう…』
『掛けられた呪いに関係していたのだろうか…』
そう当初は考えていたが、その事を俺は忘れていった
今度の世界は中世フランスの様な所で、転生した際に継続して得られたスキルで無双してここでも皆に称えられた
…そういえば、この世界は対人間の他にも以前の世界で戦っていたモンスターとかも出て来たな?
…何処の世界でも同じ様な相手と戦うんだなぁ、位にしか思っていなかった
しかしこの事が後々俺が巻き込まれる最悪の事態になるとは…この時までは思いもしなかった
俺の活躍は世界中に広がり英雄として称えられ、更には『軍神』として祀りあげられている程だ
今では王都にどでかい家を構え、王直属の騎士隊長として今でも日々研鑽して過ごしている
そんな生活をしていた俺は、35歳を過ぎた辺りから同じ夢を見るようになった
内容は決まって以前の世界で俺に呪いを掛けた呪術使いが、
「お前の人生は40年で終わる」
「そしてお前は永遠に安息を得ることは出来ない」
という内容だ
最初は何の事だか全く理解出来なかった
しかし、その夢を見る様になってから俺の左胸にあの痣が再び浮かんできた
『!この痣…やはりあの呪いと関係がありそうだな…』
…なぜかこの時妙に冷静になっていた俺は、この現象を受け入れていたようだ…
この痣は何かの警告なのだろうか?
痣の変化には何か意味があるのだろうか?
痣に対する謎は深まるばかりで、解決に至る答えを得る事は無かった
37歳の時にたまたま俺が住んでいる街に来た旅をしているのという女性の占星術師に興味本位で占ってもらった所、開口一番に、
「……貴方は呪いを掛けられていますね?それもとても強く厄介な」
俺は突然告げられた内容にドキッとした。
「えっ、呪い?…一体何の事ですか?」
続けて占星術師が、
「…! …これは普通の呪いではありませんね…」
「この呪いは特定の条件を満たすと発動するようです」
「……あなた自身には自覚が無い様ですが、今あなたには負のエネルギーが集中している」
「その負のエネルギーが溜まってしまうと、あなたに掛けられた呪いが発動する様に仕組まれている」
…どういう事だ?
俺はあっけに取られてしまった。
呪い?あの呪術師が俺に掛けたあの呪いの事か?
それ以外に思い当たる節が無かった俺は占星術師に対し質問した
「普通じゃない呪いって…それに負のエネルギーって何ですか?」
と聞いた
占星術師は神妙な顔をしてこう答えた
「…他人に注目されるというのは称賛だけではなく、嫉妬や妬み等も含まれている。」
「その感情が時に人体に影響を与える程のエネルギーとなる事があります」
「…そうですね、例えば『皆の応援が俺に力を与えてくれる!』的なやつですよ」
「そして貴方は呪いにより、負の感情をより強くエネルギーとして吸収してしまっているのでしょう」
「貴方の存在が世界中に認知され、名が知れ渡れば渡るほど負の影響も大きくなって行くはずです」
俺は少し混乱していた
…要するに俺が活躍すればする程、あの呪術師が掛けた呪いが勝手に発動してしまうって事か?
転生した際の能力を使って生活する事は、それだけでも周りからはもの珍しく思われてしまうのか…
という事はこの痣も呪いに関係しているって事か…
「……この呪いを解く方法はありますか?」
と聞いたが、占星術師は俯いた表情で、
「残念ながら解呪の方法を私は知りません…」
「しかし、解呪を専門にしている術師がいると聞いた事はあります」
「ですが、私の占星術ではその術師が何処にいるか、ハッキリとは分からない」
「特殊な能力を持った者は、その能力を狙った者達から身を隠している様で、見つける事はとても難しい」
と申し訳なさそうに言った
占星術師は更に、
「私が貴方の呪いを視れたのは、それ程強力な呪いだったからです」
「私より力のある占星術師であれば、もっと詳しくこの呪いについて視る事が出来る筈です」
「私の占星術では、貴方に視えている事を伝えるのはここまでが限界の様です…」
と言ったので俺はまだ色々と聞きたい事があったが、これ以上の事は分からなさそうなので、
「…そうですか、でも此方も貴方のお陰で色々と分かった事がありました」
「ありがとう、他の占星術師にも聞いてみます」
と言うと占星術師はこちらに頭を下げ去って行った
占星術師のおかげで色々と呪いに関して分かったが、肝心の解呪方法は分からなかったか…
俺は自分なりに今までの事を整理して、自分の置かれている状況を理解してきた
…夢に出て来た呪術師、間違いなくこいつが掛けた呪いが今でもその効力を失っていないという事か…
そしてこの痣もその呪いによって現れた物には間違いなさそうだ…
呪術師が俺を狙ったのは、魔王軍の壊滅する程の力を持っていたからなのだろうか…
何故40歳かは分からなかったが、それでも呪いを解くにはどうすれば良いか色々と試したが効果的な物は無かった
…やはり解呪の出来る術師を見つけないと駄目みたいだな…
せめてもっと呪いの事を早く、更に詳しく解れば何かしらの対処も出来るのかもしれなかったが…
この年齢になってから判明した呪いは今の俺にとってもう手遅れだった
隠居しようにも若い頃の活躍のせいで何処へ行っても注目されてしまう
何ならちょっとした信仰宗教みたいのも出来ちまってる
40歳を目前に考えた
恐らくこの命はもうすぐ尽きてしまうが、また違う世界に転生するのだろうか?
2度ある事は3度あるって言うし…
もし転生した場合、次の世界でこの呪いを解く為に…いや、まずは発動させない為にはどうするのか…
思いついたのは単純な事だった
”目立たない”
人々に注目されなければ負の影響を受けずに済むのではないか?
だったら目立たない様に過ごし、尚且つ呪いを解く方法を探すしかない
ただ、注目されなかったら40歳で命が尽きないと確証があるわけではない
助かる事は転生した際は過去の記憶や能力等を引き継がれると言う事
次に来る(はずの)40年という時間の中で必ず呪いを解いてみせる!
第2話に続く
人と違う所は…いわゆる転生者ってやつだ。
しかも3回目
初めて転生した日、それは27歳の夏だった
俺の身に何が起こったのか…実ははっきりと覚えていない…
俺はその日の夜、暑さのせいか夜ふと目が覚めてしまい、寝つきが悪かったので何となくコンビニに買い物に行こうと外に出た
ジメジメとした空気が身体にまとわりつく
コンビニに行く途中切れかけて点滅している電柱の電灯が目に付く
…?電灯の下に誰か立っている
男性か女性か分からないが、このくそ熱い時期にまるで全身を覆うようなコートを着ている
『こりゃやばそうな奴がいるな…』位にしか考えず、少し距離を取ってその人物を避ける様に俺は通り過ぎた
俺が通り過ぎる時にその人物は何となくだが俺の方を向いて、
「………ケタ」
良く聴きとれなかったがそう言っている様に聞こえた
その後もブツブツと独り言を言ってる様で気味が悪い
万が一後ろから付いて来たり、襲われたらどうしようと不安があったがその人物はその場から動かなかった
その後は何事も無くコンビニで飲み物やちょっとした食べ物を買い、家に戻る事にした
先程不審者がいた場所に差し掛かる
『まだいるかな…』と思っていたが、そこには誰もいなかった
ホッと胸を撫でおろし家に着く
家に着いた俺は、何となく自室にあるパソコンを起動させニュース記事を見ていた
『そう言えばさっきの不審者とかの情報ってどっかに出てないかな?』と思い検索すると、同じ地域で2件の目撃情報があったので投稿内容を見てみた
1件目は、
”夜歩いてたらコートを着た長い髪の男性が電柱の下でずっとブツブツ何か言ってた。気持ちが悪かったんで引き返した。この時期不審者増えるんかな?一応注意喚起しとします。”
という様な投稿
2件目は、
”こんなクッソ暑いのにコートなんか来た奴が電柱の下でブツブツ言ってたw なんか「じゃない」なんて事言ってたみたいだったけど、面白かったんで話し掛けたらお姉さん?にめっちゃ睨まれたw 何だよっ!って思って通り過ぎた後振り向いて見たら誰も居なくて超ビビったw 幽霊かな? 他にも見た人いる?”
と言うような投稿だった
男性?女性?同じ様な人物を俺も見たが、性別まで分からなかったんだが、女性だったのか?
詳細が気になり俺は不審者に接触した様な事が書いてある2件目の投稿主にコンタクトを取ろうと思い、返信しようとした
その時だった…
パソコンの画面が強く光り、俺は気を失ってしまった
覚えているのはそこまでだった
次に目が覚めるとそこはだだっ広い白い空間で、遠くの方に祭壇の様な物が見えた
俺は何となく引き寄せられる様にその祭壇へ歩き出す
近づいてみると、それは祭壇ではなく真っ白な玉座?だった
俺は何も意識せずその玉座に座ると、どこからか声が聞こえて来る…
【………よ、あなたは選ばれました… そして選択をするのです…】
!?誰だろう…、そう思うも声は出せずただ聞き入るのみだった
その声は続けて言う
【あなたには力を授けます… 自らその行く末を見届けなさい…】
そう一方的に俺に言うと、再び強い光りに包まれる
…………そして気が付くと俺は赤ん坊として生まれ変わっていた
今まで起きた事を覚えている…不思議な感覚だった
様々な疑問が浮かんでくるが答えをくれる存在が無いと思い、深く考えるのを止めた
『…なんか色んな事を言ってたな…良くは分からないが、もしかしてこれが噂に聞いた異世界転生ってやつか?』
『ちょっとテンション上がって来たな~異世界に転生した奴って凄い能力で活躍するんだろ?俺にもそんな能力があるんじゃないか?』
『うまい事やれば楽しい人生送れるんじゃないか!?』
最初はそんな事を思っていた
だがこの転生をきっかけに、俺はとんだ人生を歩む事になってしまったのは言うまでもないだろう…
…さて、ここから色々な事が起こる訳だが、現在に至るまでをざっと説明しておこう
まず初めて転生したのはRPGで見る様なファンダジーな世界
敵もモンスターや四天王やら神を名乗る者、魔王なんかもいる
俺は転生の際に得たスキル(後で詳しく説明する)でいかんなく活躍、っていうか魔王軍を壊滅まで追いやった位の英雄にまでなれた
もちろん1人で戦った訳ではないが、ずば抜けて活躍したのは間違いないだろう
その後、俺は意気揚々と人生を謳歌したしていたそんなある日、魔王軍残党の呪術使いが突然現れ俺は呪いをかけられてしまった
呪いを掛けた後に何か言っている様だったが、ハッキリとは聞き取れなかった
その時からだろうか、左の胸に違和感を感じ始めたのは…
数年が経過した時に俺は左胸に痣の様な物が出来ている事に気付く
その痣は時間の経過と共に濃くなり、まるで紋様の様になっていった
年を追う毎にその痣は色濃くなり、痣の色も変化していった
更に時が経ち、胸の痣が黒くなってからは変化はなくなったが、徐々に俺は精神的な苛立ちを感じる様になった。
そして俺は40歳の誕生日に突如原因不明の発作を起こしあっという間にこの世を去った
次に気が付いたのはまた赤ん坊として生まれ変わった時で、その時にも前世の記憶と得たスキルがそのまま残っていた
『この感覚は以前の転生した時と同じだ。』
『また何処かで転生をしたのか?』
…どうやら今度は別の世界線に転生したようだ
1度目の転生でも驚いたが、2度目の転生なんてあるのか?
なんて思ったが、暫くすると今の状況をすんなり受け入れていた
胸の痣が気になり見てみたが、痣は無かった
『あの痣は何だったんだろう…』
『掛けられた呪いに関係していたのだろうか…』
そう当初は考えていたが、その事を俺は忘れていった
今度の世界は中世フランスの様な所で、転生した際に継続して得られたスキルで無双してここでも皆に称えられた
…そういえば、この世界は対人間の他にも以前の世界で戦っていたモンスターとかも出て来たな?
…何処の世界でも同じ様な相手と戦うんだなぁ、位にしか思っていなかった
しかしこの事が後々俺が巻き込まれる最悪の事態になるとは…この時までは思いもしなかった
俺の活躍は世界中に広がり英雄として称えられ、更には『軍神』として祀りあげられている程だ
今では王都にどでかい家を構え、王直属の騎士隊長として今でも日々研鑽して過ごしている
そんな生活をしていた俺は、35歳を過ぎた辺りから同じ夢を見るようになった
内容は決まって以前の世界で俺に呪いを掛けた呪術使いが、
「お前の人生は40年で終わる」
「そしてお前は永遠に安息を得ることは出来ない」
という内容だ
最初は何の事だか全く理解出来なかった
しかし、その夢を見る様になってから俺の左胸にあの痣が再び浮かんできた
『!この痣…やはりあの呪いと関係がありそうだな…』
…なぜかこの時妙に冷静になっていた俺は、この現象を受け入れていたようだ…
この痣は何かの警告なのだろうか?
痣の変化には何か意味があるのだろうか?
痣に対する謎は深まるばかりで、解決に至る答えを得る事は無かった
37歳の時にたまたま俺が住んでいる街に来た旅をしているのという女性の占星術師に興味本位で占ってもらった所、開口一番に、
「……貴方は呪いを掛けられていますね?それもとても強く厄介な」
俺は突然告げられた内容にドキッとした。
「えっ、呪い?…一体何の事ですか?」
続けて占星術師が、
「…! …これは普通の呪いではありませんね…」
「この呪いは特定の条件を満たすと発動するようです」
「……あなた自身には自覚が無い様ですが、今あなたには負のエネルギーが集中している」
「その負のエネルギーが溜まってしまうと、あなたに掛けられた呪いが発動する様に仕組まれている」
…どういう事だ?
俺はあっけに取られてしまった。
呪い?あの呪術師が俺に掛けたあの呪いの事か?
それ以外に思い当たる節が無かった俺は占星術師に対し質問した
「普通じゃない呪いって…それに負のエネルギーって何ですか?」
と聞いた
占星術師は神妙な顔をしてこう答えた
「…他人に注目されるというのは称賛だけではなく、嫉妬や妬み等も含まれている。」
「その感情が時に人体に影響を与える程のエネルギーとなる事があります」
「…そうですね、例えば『皆の応援が俺に力を与えてくれる!』的なやつですよ」
「そして貴方は呪いにより、負の感情をより強くエネルギーとして吸収してしまっているのでしょう」
「貴方の存在が世界中に認知され、名が知れ渡れば渡るほど負の影響も大きくなって行くはずです」
俺は少し混乱していた
…要するに俺が活躍すればする程、あの呪術師が掛けた呪いが勝手に発動してしまうって事か?
転生した際の能力を使って生活する事は、それだけでも周りからはもの珍しく思われてしまうのか…
という事はこの痣も呪いに関係しているって事か…
「……この呪いを解く方法はありますか?」
と聞いたが、占星術師は俯いた表情で、
「残念ながら解呪の方法を私は知りません…」
「しかし、解呪を専門にしている術師がいると聞いた事はあります」
「ですが、私の占星術ではその術師が何処にいるか、ハッキリとは分からない」
「特殊な能力を持った者は、その能力を狙った者達から身を隠している様で、見つける事はとても難しい」
と申し訳なさそうに言った
占星術師は更に、
「私が貴方の呪いを視れたのは、それ程強力な呪いだったからです」
「私より力のある占星術師であれば、もっと詳しくこの呪いについて視る事が出来る筈です」
「私の占星術では、貴方に視えている事を伝えるのはここまでが限界の様です…」
と言ったので俺はまだ色々と聞きたい事があったが、これ以上の事は分からなさそうなので、
「…そうですか、でも此方も貴方のお陰で色々と分かった事がありました」
「ありがとう、他の占星術師にも聞いてみます」
と言うと占星術師はこちらに頭を下げ去って行った
占星術師のおかげで色々と呪いに関して分かったが、肝心の解呪方法は分からなかったか…
俺は自分なりに今までの事を整理して、自分の置かれている状況を理解してきた
…夢に出て来た呪術師、間違いなくこいつが掛けた呪いが今でもその効力を失っていないという事か…
そしてこの痣もその呪いによって現れた物には間違いなさそうだ…
呪術師が俺を狙ったのは、魔王軍の壊滅する程の力を持っていたからなのだろうか…
何故40歳かは分からなかったが、それでも呪いを解くにはどうすれば良いか色々と試したが効果的な物は無かった
…やはり解呪の出来る術師を見つけないと駄目みたいだな…
せめてもっと呪いの事を早く、更に詳しく解れば何かしらの対処も出来るのかもしれなかったが…
この年齢になってから判明した呪いは今の俺にとってもう手遅れだった
隠居しようにも若い頃の活躍のせいで何処へ行っても注目されてしまう
何ならちょっとした信仰宗教みたいのも出来ちまってる
40歳を目前に考えた
恐らくこの命はもうすぐ尽きてしまうが、また違う世界に転生するのだろうか?
2度ある事は3度あるって言うし…
もし転生した場合、次の世界でこの呪いを解く為に…いや、まずは発動させない為にはどうするのか…
思いついたのは単純な事だった
”目立たない”
人々に注目されなければ負の影響を受けずに済むのではないか?
だったら目立たない様に過ごし、尚且つ呪いを解く方法を探すしかない
ただ、注目されなかったら40歳で命が尽きないと確証があるわけではない
助かる事は転生した際は過去の記憶や能力等を引き継がれると言う事
次に来る(はずの)40年という時間の中で必ず呪いを解いてみせる!
第2話に続く
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