28 / 67
第27話 セヴィオルナにて
しおりを挟む
アスカ達が起きてからは特に何も起こらず無事にセヴィオルナに到着した。そして、持ってきていた荷物を持って荷台から降りる。
「ありがとうございました」
「いいってことよ。そんじゃ」
レンがお礼を言った後、御者の人は馬車をアスカ達がいる街の入口とは別の馬車専用の入口に向かって馬を走らせて行った。
馬車が行ったのを確認するとアスカ達は荷物を持って街の中に入って行く。
「さて、まずは宿を探さなければなりません」
「……そうだな」
「……ずっと気になっていたんですが、その手袋はどうしたんですか?」
「今朝の手を隠すためにな。本来は銃を持ちやすくするために買ったものなんだが」
「まあ、アスカさんも女の子ですからね。見られたくない気持ちはわかりますよ」
そうじゃない、と言いたかったアスカだがこの手の痣がアスカ以外に見えていないのであればどれだけ話したところで理解はしてもらえない。この右手についての話をしたところで無駄だろう。
それに、女の子という発言に対してももう何も思わない。今の自分を見て男と言う方も中々におかしい。
だが、それが今の自分に対して慣れてきているという証拠でもある。
「おーい!!」
「ん、あれは……」
「姉さんもといソニアさんですね」
「あー、確かここに来てたんだっけ」
ここでアスカ達は数日前に裁判のため来ていたソニアと偶然合流する。
ソニアの持ち物である大きな巾着袋を見る限り、裁判も終わって帰る頃であったのだろう。
「ふぅー、やっぱり重いわ」
「今から村に戻る予定だったのですか?」
「そ。貴方達はどうしてここに?」
「少しここのギルドマスターに呼び出されまして、態々1日かけて来ました」
「……呼び出されたのは変異種についてよね?」
「知ってたんですか」
「そりゃね。昨日それについてで結構騒がしかったから」
変異種についての説明が省けて楽だった。なんて考えているアスカだが、それは同時にアスカの予想を遥かに超えるほど大問題になっているという事だ。
そんなことはわかっている。だが、ここで大事なのは大問題だからこそいつもより気を引き締めなければならない。
「ソニア、この人達は?」
アスカ達がソニアと話していると、黒髪が特徴の男がソニアに近付いてくる。ソニアの名を知っているということは、恐らくソニアの知り合いか何かだろう。
「昨日話したアスカちゃんとレン君よ。偶然ナチュランに戻ろうと思ってたら遭遇しちゃって」
「なるほど、君達がソニアの言っていた2人か」
そう言うなり男は2人をまじまじと見つめる。
「あの、貴方は誰ですか?」
見つめられることに関しては別にどうでもよかったアスカは男の名前を聞く。
向こうだけ名前を知っていてこっちは名前を知らないというのは何かズルい。
「俺か? 俺の名前はフレアだ。本名はもっと長いんだが俺自身言うのが面倒なんでな」
「フレアさんですか」
「さん付けは止めてくれ。できればその敬語も。あまり慣れない」
「あ、すみません」
「フレア……この名前どこかで見たことが……」
フレアという名前を聞いてレンは何故か見覚えがあった。どこかに載っていた気がするのだが、この時のレンには一体どこに載っていてどんな内容だったのかを思い出せなかった。
「フレアはソニアさんとはどういう関係?」
「まさか、恋び──」
「友人よ」
「あ、そうですか」
レンの恋人ではという予想をソニアに秒で否定される。実際それが事実なのだが、それはそれで傷付いたフレアであった。
***
あれからアスカ達はソニアが泊まっていた宿まで案内してもらい、無事に寝床をゲットする。
ソニアについてはダンジョンについての話をこの歳しておきたいということでこの街に残ることになった。
「にしても……」
「いらっしゃいませー」
「これって宿というかはホテルですよね?」
「ほてる? 何それ新種の虫か何かしら?」
「そうだった……この世界にホテルはないんだ……」
アスカがソニアに案内された宿はよくある西洋チックな宿ではあるのだが、まるで豪邸のような大きさの宿であった。そしてその宿には噴水があったり宿の建物が大理石を主体に使われていたりと、言えばホテルであった。
流石、この世界の中心とも言われる街だ。
「4人で2部屋お願いできるかしら?」
「はい。宿泊代は1部屋2人以上で1名半額になっておりますので、2部屋ですと1泊計11万5000コルです」
「はいはーい」
やはりこの豪華さもあってか普通に止まる宿よりは遥かに高額だ。しかし、そんな大金をはいはーいと軽く支払うソニアも中々である。
「確かに金額ぴったりお預かり致しました。お部屋についての要望はありますか?」
「そうねー、両部屋隣ってできる?」
「……今現状ですと可能です。3階と7階が2部屋隣合って空いています」
「なら7階の方でお願い」
「わかりました」
受付の人がソニアが言ったことをパソコンのような魔具でカタカタと入力していき、入力し終えると後ろに掛けている部屋の鍵を2つ取り、ソニアに手渡す。
「705号室と706号室です。上へはここを真っ直ぐ行った所にある転送装置をお使いください」
「ありがとね」
ソニアは鍵を受け取ると、片方の鍵をフレアに手渡す。
「フレアとレン君、私とアスカちゃんってペアで1部屋ね」
「え!?」
「うーん、そこまで驚くことじゃないと思うんだけどな~」
「いや、まぁそうですけども……」
今まで1人で寝ていたこともあってかそこまで意識はしていなかったが、アスカは今はただの17歳の少女。こういう場合に男2人と一緒の部屋というのは世間的には少しばかりおかしい。それについてはまだいい。
しかし、アスカがこうも乗り気ではないのはソニアという1人の女性と一緒の部屋だということだ。
本来それが普通なのだが、アスカの精神は男だ。言わばアスカにとってこの事態は、すこーし仲がいい女性と一緒の部屋で過ごし一緒に眠るということなのだ。
そういう系が大歓迎な人ならまだしも、アスカはどちらかと言えばそういう系の人間ではない。何気に過呼吸とまでは行かないが少なからず緊張している。
「それじゃあ各自部屋に荷物を置いて夕方まで自由行動。夕方には温泉に入った後に夕食よ」
「温泉!?」
「そうよ。それも天然のね」
「近くに山があってそこから汲んでいるらしいぞ」
「この宿の食事は夕食と朝食が付くわ」
温泉、食事と来ればもう完全にホテルである。
しかし、アスカにとってはまた温泉という言葉に悩みを感じていた。
ここだけの話、アスカはこの世界に来てから1度としてお風呂というものに入っていない。勿論シャワーも浴びていない。汗などはそこらのタオルでふき取っていたくらいだ。
この世界においてお風呂とは日本とは違い毎日入るのが当たり前なんて考えはない。故に、どの家にも絶対にバスルームが付いているなんて家は珍しいのだ。
そしてこれが本題。アスカはお風呂に入ったことがないということで自身の裸体を見たことは無い。温泉に入るということは自身の女になった裸体を見ることは確定しているも同然。
それに、恐らくソニアも一緒に入ろうだなんて言い出すに違いない。そうなってしまえば自分の裸体どころかソニアの裸体をも見ることになってしまう。
そう、アスカにとっては温泉に入るということは試練なのだ。
「それじゃあ、私とアスカちゃんは705号室だから」
「おう、そんじゃまた夕方に」
転送装置を使って宿の7階に移動し、部屋の前に着くとソニアとアスカはフレアとレンと別れる。
ソニアとアスカは部屋に入るとアスカはその部屋の広さに驚きを隠せなかった。
「ひっろ……」
部屋の広さはアスカがいつも寝ていたあの部屋の倍はあった。ベッドもふかふかで枕ももふもふ。宿としては十分すぎる部屋であった。
「さて、アスカちゃん。荷物を置いたら出掛けるわよ」
「どこにですか?」
「勿論、買い物よ」
「……あー」
この瞬間、アスカにまた新たな試練がやってくるのだとわかった途端、もういいやとアスカは男としてのプライドを一瞬投げ出した。
その光景を見ていたソニアにはアスカが何故これほどまでに何かを投げ出したような表情になっているのかがわからず、10秒もしないうちにソニアは考えるのをやめた。
「ありがとうございました」
「いいってことよ。そんじゃ」
レンがお礼を言った後、御者の人は馬車をアスカ達がいる街の入口とは別の馬車専用の入口に向かって馬を走らせて行った。
馬車が行ったのを確認するとアスカ達は荷物を持って街の中に入って行く。
「さて、まずは宿を探さなければなりません」
「……そうだな」
「……ずっと気になっていたんですが、その手袋はどうしたんですか?」
「今朝の手を隠すためにな。本来は銃を持ちやすくするために買ったものなんだが」
「まあ、アスカさんも女の子ですからね。見られたくない気持ちはわかりますよ」
そうじゃない、と言いたかったアスカだがこの手の痣がアスカ以外に見えていないのであればどれだけ話したところで理解はしてもらえない。この右手についての話をしたところで無駄だろう。
それに、女の子という発言に対してももう何も思わない。今の自分を見て男と言う方も中々におかしい。
だが、それが今の自分に対して慣れてきているという証拠でもある。
「おーい!!」
「ん、あれは……」
「姉さんもといソニアさんですね」
「あー、確かここに来てたんだっけ」
ここでアスカ達は数日前に裁判のため来ていたソニアと偶然合流する。
ソニアの持ち物である大きな巾着袋を見る限り、裁判も終わって帰る頃であったのだろう。
「ふぅー、やっぱり重いわ」
「今から村に戻る予定だったのですか?」
「そ。貴方達はどうしてここに?」
「少しここのギルドマスターに呼び出されまして、態々1日かけて来ました」
「……呼び出されたのは変異種についてよね?」
「知ってたんですか」
「そりゃね。昨日それについてで結構騒がしかったから」
変異種についての説明が省けて楽だった。なんて考えているアスカだが、それは同時にアスカの予想を遥かに超えるほど大問題になっているという事だ。
そんなことはわかっている。だが、ここで大事なのは大問題だからこそいつもより気を引き締めなければならない。
「ソニア、この人達は?」
アスカ達がソニアと話していると、黒髪が特徴の男がソニアに近付いてくる。ソニアの名を知っているということは、恐らくソニアの知り合いか何かだろう。
「昨日話したアスカちゃんとレン君よ。偶然ナチュランに戻ろうと思ってたら遭遇しちゃって」
「なるほど、君達がソニアの言っていた2人か」
そう言うなり男は2人をまじまじと見つめる。
「あの、貴方は誰ですか?」
見つめられることに関しては別にどうでもよかったアスカは男の名前を聞く。
向こうだけ名前を知っていてこっちは名前を知らないというのは何かズルい。
「俺か? 俺の名前はフレアだ。本名はもっと長いんだが俺自身言うのが面倒なんでな」
「フレアさんですか」
「さん付けは止めてくれ。できればその敬語も。あまり慣れない」
「あ、すみません」
「フレア……この名前どこかで見たことが……」
フレアという名前を聞いてレンは何故か見覚えがあった。どこかに載っていた気がするのだが、この時のレンには一体どこに載っていてどんな内容だったのかを思い出せなかった。
「フレアはソニアさんとはどういう関係?」
「まさか、恋び──」
「友人よ」
「あ、そうですか」
レンの恋人ではという予想をソニアに秒で否定される。実際それが事実なのだが、それはそれで傷付いたフレアであった。
***
あれからアスカ達はソニアが泊まっていた宿まで案内してもらい、無事に寝床をゲットする。
ソニアについてはダンジョンについての話をこの歳しておきたいということでこの街に残ることになった。
「にしても……」
「いらっしゃいませー」
「これって宿というかはホテルですよね?」
「ほてる? 何それ新種の虫か何かしら?」
「そうだった……この世界にホテルはないんだ……」
アスカがソニアに案内された宿はよくある西洋チックな宿ではあるのだが、まるで豪邸のような大きさの宿であった。そしてその宿には噴水があったり宿の建物が大理石を主体に使われていたりと、言えばホテルであった。
流石、この世界の中心とも言われる街だ。
「4人で2部屋お願いできるかしら?」
「はい。宿泊代は1部屋2人以上で1名半額になっておりますので、2部屋ですと1泊計11万5000コルです」
「はいはーい」
やはりこの豪華さもあってか普通に止まる宿よりは遥かに高額だ。しかし、そんな大金をはいはーいと軽く支払うソニアも中々である。
「確かに金額ぴったりお預かり致しました。お部屋についての要望はありますか?」
「そうねー、両部屋隣ってできる?」
「……今現状ですと可能です。3階と7階が2部屋隣合って空いています」
「なら7階の方でお願い」
「わかりました」
受付の人がソニアが言ったことをパソコンのような魔具でカタカタと入力していき、入力し終えると後ろに掛けている部屋の鍵を2つ取り、ソニアに手渡す。
「705号室と706号室です。上へはここを真っ直ぐ行った所にある転送装置をお使いください」
「ありがとね」
ソニアは鍵を受け取ると、片方の鍵をフレアに手渡す。
「フレアとレン君、私とアスカちゃんってペアで1部屋ね」
「え!?」
「うーん、そこまで驚くことじゃないと思うんだけどな~」
「いや、まぁそうですけども……」
今まで1人で寝ていたこともあってかそこまで意識はしていなかったが、アスカは今はただの17歳の少女。こういう場合に男2人と一緒の部屋というのは世間的には少しばかりおかしい。それについてはまだいい。
しかし、アスカがこうも乗り気ではないのはソニアという1人の女性と一緒の部屋だということだ。
本来それが普通なのだが、アスカの精神は男だ。言わばアスカにとってこの事態は、すこーし仲がいい女性と一緒の部屋で過ごし一緒に眠るということなのだ。
そういう系が大歓迎な人ならまだしも、アスカはどちらかと言えばそういう系の人間ではない。何気に過呼吸とまでは行かないが少なからず緊張している。
「それじゃあ各自部屋に荷物を置いて夕方まで自由行動。夕方には温泉に入った後に夕食よ」
「温泉!?」
「そうよ。それも天然のね」
「近くに山があってそこから汲んでいるらしいぞ」
「この宿の食事は夕食と朝食が付くわ」
温泉、食事と来ればもう完全にホテルである。
しかし、アスカにとってはまた温泉という言葉に悩みを感じていた。
ここだけの話、アスカはこの世界に来てから1度としてお風呂というものに入っていない。勿論シャワーも浴びていない。汗などはそこらのタオルでふき取っていたくらいだ。
この世界においてお風呂とは日本とは違い毎日入るのが当たり前なんて考えはない。故に、どの家にも絶対にバスルームが付いているなんて家は珍しいのだ。
そしてこれが本題。アスカはお風呂に入ったことがないということで自身の裸体を見たことは無い。温泉に入るということは自身の女になった裸体を見ることは確定しているも同然。
それに、恐らくソニアも一緒に入ろうだなんて言い出すに違いない。そうなってしまえば自分の裸体どころかソニアの裸体をも見ることになってしまう。
そう、アスカにとっては温泉に入るということは試練なのだ。
「それじゃあ、私とアスカちゃんは705号室だから」
「おう、そんじゃまた夕方に」
転送装置を使って宿の7階に移動し、部屋の前に着くとソニアとアスカはフレアとレンと別れる。
ソニアとアスカは部屋に入るとアスカはその部屋の広さに驚きを隠せなかった。
「ひっろ……」
部屋の広さはアスカがいつも寝ていたあの部屋の倍はあった。ベッドもふかふかで枕ももふもふ。宿としては十分すぎる部屋であった。
「さて、アスカちゃん。荷物を置いたら出掛けるわよ」
「どこにですか?」
「勿論、買い物よ」
「……あー」
この瞬間、アスカにまた新たな試練がやってくるのだとわかった途端、もういいやとアスカは男としてのプライドを一瞬投げ出した。
その光景を見ていたソニアにはアスカが何故これほどまでに何かを投げ出したような表情になっているのかがわからず、10秒もしないうちにソニアは考えるのをやめた。
0
あなたにおすすめの小説
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる