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第39話 ありがとう
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トントン導師と「呪い」と今後の計画についてもう少し話した後、彼女はさっぱりと手を振り、彼らに言った。「さて、今日はここまで。覚えておきなさい、これからは週に一度、私に会いに来ればいいわ」
四人は恭しく、この底知れぬ導師に別れを告げた。
彼らが実験室を出た時、空はすでに夕暮れに近かった。四人は寮へ帰る道を歩いていたが、誰も何も言わなかった。その日の、まるでジェットコースターのような浮き沈みに、まだ心が浸っているかのように、どこか上の空だった。
まさにその時、ずっと黙っていたクレイが、突然、足を止めた。
彼は顔を上げ、夕日で優しいオレンジ色に染まった空を見つめ、それから、全員の、その驚愕に満ちた視線の中、彼は極めて大きな、胸が張り裂けるような叫び声を上げた。
「——ああああああああああああああ!」
クスマとふゆこは、彼のこの突然の行動に度肝を抜かれた。その叫び声は、怒りというよりは、彼の心の中に長年溜まっていた、全ての苦痛、不安、そして重荷を、一度に、体の中から完全に吐き出しているかのようだった。
叫び終えた後、クレイの胸は激しく上下していた。それから、彼はゆっくりと振り返り、まだ呆然としているクスマとふゆこに向かって、深く、そして丁重に、お辞儀をした。
「……ありがとう」
彼の声は、初めて、全ての傲慢さとひねくれた様子を脱ぎ捨て、ただ最も純粋な、心からの感謝だけが残っていた。その声は抑圧されていたせいで少ししゃがれていたが、異常なほどはっきりしていた。
「ありがとう、ふゆこ。君の提案がなければ、僕たちはトントン導師に会いに行くことさえなかっただろう」
「ありがとう、クスマ。君がいなければ、僕たちは絶対にあの謎を解けなかった」
彼の傍らで、ずっと静かに立っていたみぞれも、二人に向け、優しい微笑みを浮かべ、クレイと共に、深くお辞儀をして感謝を述べた。
最後に、二人はゆっくりと顔を上げた。
クスマとふゆこが見たのは、クレイとみぞれの、まだ涙の跡が残るその瞳に、しかし、安堵と安心に満ちた笑顔だった——それは、まるで長年心に重くのしかかっていた、魂さえも押し潰さんばかりの巨石を、ついに下ろした時にだけ見せる、そんな、肩の荷が下りたような笑顔だった!
─ (•ө•) ─
時は流れ、一ヶ月が過ぎた。
この一ヶ月、クスマは毎日を非常に充実して過ごした。午前は、アカデミーの先生に従い、秘境と魔物に関する基礎知識を学び、午後は、練武場で、みぞれの圧倒的な技術によって、無慈悲な「手合わせ」を行い、そして夜は、部屋で2時間から3時間の冥想をしていた。
あえて粗探しをするならば、この充実したアカデミー生活の中で、唯一、玉に瑕な点があった……
昼食の時間、彼の周りには、いつも、招かれざる「ファン」たちが、大勢現れるのだ!
─ (•ө•) ─
彼のおかげで「棚ぼた」で合格した新入生たちは、感謝を表すためか、毎日、熱心に食堂から、彼のために山のような粟粥を運んでくるのだった。
「クスマ君、どうして食べないの?遠慮しないで!好きなだけ食べて!」
ファンたちはなおも熱心に粥を注ぎ足し、その一回一回の動作が、まるで彼の心臓をえぐる一刀のようだった。
(……この匂いをまた嗅いだら吐いちまう……なんで……なんで運命は俺にこうなんだ!王都……食堂……粟粥……ふざけるな!)
クスマは言い訳を試みた。彼は翼で腹を押さえ、顔に極度の苦痛を浮かべて言った。「僕……実はあまりお腹が空いてなくて……胃の調子が少し悪いんだ……今は少し水が飲みたいだけ……」
ファンA:「あら、それならなおさらお粥を飲んで胃を休ませないと!粟は一番体にいいんですよ!」(また熱心に彼の椀に一杯注ぎ足した)
クスマの表情が、その一瞬、完全に石化した。彼は椀の中の、再び高くなった山を見つめ、絶望的に、最後のカードを切った。
「僕、思い出したんだけど……」彼は極めて弱々しい口調で言った。「僕、どうやら……粟に……少しアレルギーがあるみたいで……」
ファンB(真顔で):「そんなはずないですよ、クスマ君!粟は最も穏やかな食べ物で、生まれたばかりのひよこでさえ食べられるんですよ!ほら、ふゆこさんとみぞれさんがどれだけ美味しそうに食べているか!」
ふゆこは「粟の美味しさと安全性」を証明するため、すぐさま協力し、スプーンで粥を大きく一口すくって口に詰め込んだ。その可愛らしい小さな顔は、詰め込みすぎて、幸せなハムスターのように膨らんでいた。彼女はもぐもぐしながら、満足げに「うんうん」と頷いた。
そして傍らのみぞれも、そっと頷き、その優しく、一点の曇りもない澄んだ瞳でクスマを見つめ、まるで「ほら、本当に美味しいのよ」とでも言っているかのようだった。
仲間からの、その、純粋無垢な「裏切り」が、クスマの最後の心の防衛線を、完全に打ち砕いた……。
四人は恭しく、この底知れぬ導師に別れを告げた。
彼らが実験室を出た時、空はすでに夕暮れに近かった。四人は寮へ帰る道を歩いていたが、誰も何も言わなかった。その日の、まるでジェットコースターのような浮き沈みに、まだ心が浸っているかのように、どこか上の空だった。
まさにその時、ずっと黙っていたクレイが、突然、足を止めた。
彼は顔を上げ、夕日で優しいオレンジ色に染まった空を見つめ、それから、全員の、その驚愕に満ちた視線の中、彼は極めて大きな、胸が張り裂けるような叫び声を上げた。
「——ああああああああああああああ!」
クスマとふゆこは、彼のこの突然の行動に度肝を抜かれた。その叫び声は、怒りというよりは、彼の心の中に長年溜まっていた、全ての苦痛、不安、そして重荷を、一度に、体の中から完全に吐き出しているかのようだった。
叫び終えた後、クレイの胸は激しく上下していた。それから、彼はゆっくりと振り返り、まだ呆然としているクスマとふゆこに向かって、深く、そして丁重に、お辞儀をした。
「……ありがとう」
彼の声は、初めて、全ての傲慢さとひねくれた様子を脱ぎ捨て、ただ最も純粋な、心からの感謝だけが残っていた。その声は抑圧されていたせいで少ししゃがれていたが、異常なほどはっきりしていた。
「ありがとう、ふゆこ。君の提案がなければ、僕たちはトントン導師に会いに行くことさえなかっただろう」
「ありがとう、クスマ。君がいなければ、僕たちは絶対にあの謎を解けなかった」
彼の傍らで、ずっと静かに立っていたみぞれも、二人に向け、優しい微笑みを浮かべ、クレイと共に、深くお辞儀をして感謝を述べた。
最後に、二人はゆっくりと顔を上げた。
クスマとふゆこが見たのは、クレイとみぞれの、まだ涙の跡が残るその瞳に、しかし、安堵と安心に満ちた笑顔だった——それは、まるで長年心に重くのしかかっていた、魂さえも押し潰さんばかりの巨石を、ついに下ろした時にだけ見せる、そんな、肩の荷が下りたような笑顔だった!
─ (•ө•) ─
時は流れ、一ヶ月が過ぎた。
この一ヶ月、クスマは毎日を非常に充実して過ごした。午前は、アカデミーの先生に従い、秘境と魔物に関する基礎知識を学び、午後は、練武場で、みぞれの圧倒的な技術によって、無慈悲な「手合わせ」を行い、そして夜は、部屋で2時間から3時間の冥想をしていた。
あえて粗探しをするならば、この充実したアカデミー生活の中で、唯一、玉に瑕な点があった……
昼食の時間、彼の周りには、いつも、招かれざる「ファン」たちが、大勢現れるのだ!
─ (•ө•) ─
彼のおかげで「棚ぼた」で合格した新入生たちは、感謝を表すためか、毎日、熱心に食堂から、彼のために山のような粟粥を運んでくるのだった。
「クスマ君、どうして食べないの?遠慮しないで!好きなだけ食べて!」
ファンたちはなおも熱心に粥を注ぎ足し、その一回一回の動作が、まるで彼の心臓をえぐる一刀のようだった。
(……この匂いをまた嗅いだら吐いちまう……なんで……なんで運命は俺にこうなんだ!王都……食堂……粟粥……ふざけるな!)
クスマは言い訳を試みた。彼は翼で腹を押さえ、顔に極度の苦痛を浮かべて言った。「僕……実はあまりお腹が空いてなくて……胃の調子が少し悪いんだ……今は少し水が飲みたいだけ……」
ファンA:「あら、それならなおさらお粥を飲んで胃を休ませないと!粟は一番体にいいんですよ!」(また熱心に彼の椀に一杯注ぎ足した)
クスマの表情が、その一瞬、完全に石化した。彼は椀の中の、再び高くなった山を見つめ、絶望的に、最後のカードを切った。
「僕、思い出したんだけど……」彼は極めて弱々しい口調で言った。「僕、どうやら……粟に……少しアレルギーがあるみたいで……」
ファンB(真顔で):「そんなはずないですよ、クスマ君!粟は最も穏やかな食べ物で、生まれたばかりのひよこでさえ食べられるんですよ!ほら、ふゆこさんとみぞれさんがどれだけ美味しそうに食べているか!」
ふゆこは「粟の美味しさと安全性」を証明するため、すぐさま協力し、スプーンで粥を大きく一口すくって口に詰め込んだ。その可愛らしい小さな顔は、詰め込みすぎて、幸せなハムスターのように膨らんでいた。彼女はもぐもぐしながら、満足げに「うんうん」と頷いた。
そして傍らのみぞれも、そっと頷き、その優しく、一点の曇りもない澄んだ瞳でクスマを見つめ、まるで「ほら、本当に美味しいのよ」とでも言っているかのようだった。
仲間からの、その、純粋無垢な「裏切り」が、クスマの最後の心の防衛線を、完全に打ち砕いた……。
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