22 / 29
愛のカタチ
愛のカタチ(6)
しおりを挟む
写真はジップロックに入っていて、聡子の部屋にあったものより、ずっと傷んでいるようだ。
「これね、私と雅子。高校生の時よ、バカだった、ほんとに」
でも、写真の2人は、今よりずっと楽しそうで、幸せそうに見える。やんちゃながらも、彼女たちなりに、必死で生きてたんだろう。
「今とは別人だな」
「そうね、ひどいメイク」
「そうじゃない、2人とも、幸せそうだ。キミの部屋にもあっただろう。一緒に、オトナになったキミたちの写真もあった。綺麗にはなってるけど、心から笑えてないように見えた」
俺の言葉に、聡子はため息をついた。
「この写真ね、雅子が持っててくれたの。事件の夜に、2人で同じ写真をね……ほら、昔は焼き増しとかあったでしょ? まさか、こんなものまだ持ってるなんて思わなかった。遺品整理の時に、社長が……もう雅子の過去のことは、消してくれって……この写真は処分しろって」
「宮川が社長をゆすってたネタはなんだったんだ」
「雅子の過去のことと、クスリよ。でも、あの火事からはネタが変わったみたい。保険金詐欺がどうとかって。私はよくわかんなかったけど、定期的にお金を渡してたわ」
「キミのことじゃなかったのか」
「違うわ、私のことなんて、クビにすれば済む話でしょ。たぶん……」
「真犯人は雅子さんだってことか」
聡子はそれきり、黙ってしまった。
「友達を守りたいか」
「償いたいの、どうにかして……どうしたらいいの?」
「そうだなあ、どうしたらいいんだろうな。俺も教えてほしいよ、どうやったら……償えるのか、俺もずっとわからないままだ」
窓から西陽が差し込んできて、聡子は眩しそうに目を細めた。
「社長、罪になる?」
「話を聞いてみないとなんとも言えないな。キミが帰った後、何があったのか、今の段階じゃわからない」
ブラインドを閉めると、聡子は俺の顔をじっと見て、左の掌を広げた。ひどい火傷だったんだろう、ぼこぼこと、ケロイドが広がっている。
「火事の時ね、雅子、言ってくれたの、友達だって。友達って思ってるって。私、雅子のこと、これ以上傷つけたくないの、もし社長が捕まったりしたら、雅子のことを悪く言う人がいると思うの。雅子ね、体が昔から弱かったの、きっと、辛かったんだと思う。私もこんな体になってよくわかるの、思うように体が動かないのってね、こんなに辛いんだって。雅子はわがままだとか言う人もいたけど、仕方ないの、辛いんだもん、だからね……」
「だから?」
聡子はその写真に握りしめて、ごめんなさい、と震える声で呟いた。
「ずっと謝ってるのか、友達に」
俺もそうだ。俺も、ずっと謝ってる。
「過ちは、消えない。でも、誰でも間違えることはある、キミだけじゃない。俺もそうだ」
「辰巳さんも? 辰巳さんも、間違えたの? その、先輩のこと?」
「そうだな、いつまでも消えない十字架を背負ってる。おろしてもいいって言われるけど、ダメなんだよ。もしおろしたら、自分がいなくなるんじゃないかって、なんのために生きてるのかって、怖いんだ」
「……だから、悲しい顔なのね」
「そうかもしれないな、心から笑ったのは、ずっと昔のような気がするよ」
聡子はティッシュで目を拭って、化粧の落ちた顔で、悲しそうに微笑んだ。
「もう帰っていい?」
「ああ、送らせようか、暇なやつがいる。新人だけど、運転くらいはできるから」
「辰巳さんじゃないの?」
「ごめん……まだ、仕事が残ってて……じゃあ、御堂に送らせるよ、もう帰ってる頃だ、それなら安心だろ?」
でも聡子は、首を横に振った。
「いい、ひとりで帰れるから」
外に出ると、すっかり雲が厚くなっていて、小雨が降っている。強く風が吹いて、聡子の髪がなびく。
「雨だな、風間先生に来てもらう?」
「あの人、キライなの」
聡子は、振り返って、頭を下げた。
「ご迷惑をおかけしました」
なんだよ、そんな……そうだよな、俺たちは、警察官と参考人、それだけの関係だった。
「ご協力、ありがとうございました」
俺も敬礼をして、ケジメだよな、これが。
ふらふらと小雨の中を歩く聡子の後ろ姿を見送る。あ、危ない! 後ろから来た車に、ぶつかりそうになってるじゃないか。やっぱり送って行こう。
「野江さん!」
大声で呼び止めたけど、聡子は、軽く会釈をして、そのまま門を出て行った。
しばらく見えなくなった聡子に耽っていると、雨がどんどん強くなっていく。傘くらい貸してやればよかったかな……濡れてまた、熱が出たら……可哀想なことしたな。
「あれ、一真、何してんの?」
ちょうど御堂が帰ってきたらしい。
「雨降ってきてさ、最悪だよ、スーツ濡れた」
「野江聡子が来てた」
「えっ、聡子ちゃんが? なんだよ、待っててくれてもいいじゃん!」
「事件のことを話にきた。裏どりして、梅木をひっぱる」
「それそれ、目撃者、やっと見つけたよ。あの夜、男同士で口論してたらしい。夜中の1時すぎだ、時間的にはおかしくない」
「やったな、よし、これで解決だ。あとは御堂、頼んだ」
デスクに戻ると、中津がパソコンをたたいていた。
「野江聡子、来てたらしいね」
「ああ、証言がとれた。それに、御堂が目撃者見つけたらしい」
「そう、よかった、これで解決だね」
「ああ、おまえにもいろいろやってもらったな、ありがとう」
うん、と一言言って、またパソコンに向かう。なんだかいつもと様子が違うけど……
「中津、どうかしたか」
「異動願を出した」
「え、なんで、ちょっと待ってくれ、どうしてだよ」
「うちは旦那も刑事だしね、不規則でしょ、子供のことはばあちゃんに任せっきりでさ、もう年だし、子供にも寂しいなんて言われて」
「そんな……や、夜勤が問題なら外すよ、ヤロウ3人でどうにかするさ。だから、頼むよ、いてくれよ」
「そんな迷惑かけらんないよ、今でもかなり融通聞いてもらってる。それにさ、あんただってわかるだろ? 休みでも事件が起こったら呼び出し、帰れない時もある。もう、旦那と話し合って決めたことだから……警察学校の教官の席があるって、前から言われてたんだよ。それなら時間も決まってるし……」
「一言くらい相談してくれてもよかっただろう。勤務体系のことなら俺がどうにかするから。それとも、この仕事が嫌になったか?」
「そんなわけないだろ! 私だって、できるなら現場にいたいよ、だけど、そうはいかない、自分だけじゃないから」
そうか……そうなんだよな。結婚って、家庭を持つって、自分だけじゃなくなるんだよな。
「納得できねえけど、仕方ないのか……ごめんな、俺、おまえに頼りきりで、それに、全然考えれてなかったな」
昔、はるか昔、俺はこいつに惚れてた。だけど、他の男にとられて、でもその男は俺が殺した。本当は俺が支えてやらなきゃいけなかったのに、俺は逃げた。こいつから……
「またそんな顔する。辰巳、もういいから。あんたさ、まだあのこと気にしてんだろ? 私に負い目なんか感じることないし、あんたはあんたで、自分の幸せ探しなよ。家庭もいいもんだよ、制限はあるけどね、家族がいるって、それだけで生きる意味が見出せる」
「俺は、家族がいたことねえから……わかんねえけど、きっといいもんなんだろうな。でも、自信ないんだよ。俺なんか、家庭を持てるなんて到底思えない。それに……幸せが何かもわかんねえ」
中津は、ふと、笑った。なんだよ、そんな女っぽい顔すんなよ。
「あんたは御堂とお似合いだよ」
「やめろ! き、キモい!」
「冗談だよ。あの子、野江聡子、あんたに惚れてるよ」
「頼ってるだけだ、一時的なもんだよ、よくあることだ」
「そう、お似合いだと思うけどね、似たもの同士でさ」
何がお似合いだ。何が似たもの同士だ。それより、中津がいなくなるのか……また悩みごとが増えたなあ。
「これね、私と雅子。高校生の時よ、バカだった、ほんとに」
でも、写真の2人は、今よりずっと楽しそうで、幸せそうに見える。やんちゃながらも、彼女たちなりに、必死で生きてたんだろう。
「今とは別人だな」
「そうね、ひどいメイク」
「そうじゃない、2人とも、幸せそうだ。キミの部屋にもあっただろう。一緒に、オトナになったキミたちの写真もあった。綺麗にはなってるけど、心から笑えてないように見えた」
俺の言葉に、聡子はため息をついた。
「この写真ね、雅子が持っててくれたの。事件の夜に、2人で同じ写真をね……ほら、昔は焼き増しとかあったでしょ? まさか、こんなものまだ持ってるなんて思わなかった。遺品整理の時に、社長が……もう雅子の過去のことは、消してくれって……この写真は処分しろって」
「宮川が社長をゆすってたネタはなんだったんだ」
「雅子の過去のことと、クスリよ。でも、あの火事からはネタが変わったみたい。保険金詐欺がどうとかって。私はよくわかんなかったけど、定期的にお金を渡してたわ」
「キミのことじゃなかったのか」
「違うわ、私のことなんて、クビにすれば済む話でしょ。たぶん……」
「真犯人は雅子さんだってことか」
聡子はそれきり、黙ってしまった。
「友達を守りたいか」
「償いたいの、どうにかして……どうしたらいいの?」
「そうだなあ、どうしたらいいんだろうな。俺も教えてほしいよ、どうやったら……償えるのか、俺もずっとわからないままだ」
窓から西陽が差し込んできて、聡子は眩しそうに目を細めた。
「社長、罪になる?」
「話を聞いてみないとなんとも言えないな。キミが帰った後、何があったのか、今の段階じゃわからない」
ブラインドを閉めると、聡子は俺の顔をじっと見て、左の掌を広げた。ひどい火傷だったんだろう、ぼこぼこと、ケロイドが広がっている。
「火事の時ね、雅子、言ってくれたの、友達だって。友達って思ってるって。私、雅子のこと、これ以上傷つけたくないの、もし社長が捕まったりしたら、雅子のことを悪く言う人がいると思うの。雅子ね、体が昔から弱かったの、きっと、辛かったんだと思う。私もこんな体になってよくわかるの、思うように体が動かないのってね、こんなに辛いんだって。雅子はわがままだとか言う人もいたけど、仕方ないの、辛いんだもん、だからね……」
「だから?」
聡子はその写真に握りしめて、ごめんなさい、と震える声で呟いた。
「ずっと謝ってるのか、友達に」
俺もそうだ。俺も、ずっと謝ってる。
「過ちは、消えない。でも、誰でも間違えることはある、キミだけじゃない。俺もそうだ」
「辰巳さんも? 辰巳さんも、間違えたの? その、先輩のこと?」
「そうだな、いつまでも消えない十字架を背負ってる。おろしてもいいって言われるけど、ダメなんだよ。もしおろしたら、自分がいなくなるんじゃないかって、なんのために生きてるのかって、怖いんだ」
「……だから、悲しい顔なのね」
「そうかもしれないな、心から笑ったのは、ずっと昔のような気がするよ」
聡子はティッシュで目を拭って、化粧の落ちた顔で、悲しそうに微笑んだ。
「もう帰っていい?」
「ああ、送らせようか、暇なやつがいる。新人だけど、運転くらいはできるから」
「辰巳さんじゃないの?」
「ごめん……まだ、仕事が残ってて……じゃあ、御堂に送らせるよ、もう帰ってる頃だ、それなら安心だろ?」
でも聡子は、首を横に振った。
「いい、ひとりで帰れるから」
外に出ると、すっかり雲が厚くなっていて、小雨が降っている。強く風が吹いて、聡子の髪がなびく。
「雨だな、風間先生に来てもらう?」
「あの人、キライなの」
聡子は、振り返って、頭を下げた。
「ご迷惑をおかけしました」
なんだよ、そんな……そうだよな、俺たちは、警察官と参考人、それだけの関係だった。
「ご協力、ありがとうございました」
俺も敬礼をして、ケジメだよな、これが。
ふらふらと小雨の中を歩く聡子の後ろ姿を見送る。あ、危ない! 後ろから来た車に、ぶつかりそうになってるじゃないか。やっぱり送って行こう。
「野江さん!」
大声で呼び止めたけど、聡子は、軽く会釈をして、そのまま門を出て行った。
しばらく見えなくなった聡子に耽っていると、雨がどんどん強くなっていく。傘くらい貸してやればよかったかな……濡れてまた、熱が出たら……可哀想なことしたな。
「あれ、一真、何してんの?」
ちょうど御堂が帰ってきたらしい。
「雨降ってきてさ、最悪だよ、スーツ濡れた」
「野江聡子が来てた」
「えっ、聡子ちゃんが? なんだよ、待っててくれてもいいじゃん!」
「事件のことを話にきた。裏どりして、梅木をひっぱる」
「それそれ、目撃者、やっと見つけたよ。あの夜、男同士で口論してたらしい。夜中の1時すぎだ、時間的にはおかしくない」
「やったな、よし、これで解決だ。あとは御堂、頼んだ」
デスクに戻ると、中津がパソコンをたたいていた。
「野江聡子、来てたらしいね」
「ああ、証言がとれた。それに、御堂が目撃者見つけたらしい」
「そう、よかった、これで解決だね」
「ああ、おまえにもいろいろやってもらったな、ありがとう」
うん、と一言言って、またパソコンに向かう。なんだかいつもと様子が違うけど……
「中津、どうかしたか」
「異動願を出した」
「え、なんで、ちょっと待ってくれ、どうしてだよ」
「うちは旦那も刑事だしね、不規則でしょ、子供のことはばあちゃんに任せっきりでさ、もう年だし、子供にも寂しいなんて言われて」
「そんな……や、夜勤が問題なら外すよ、ヤロウ3人でどうにかするさ。だから、頼むよ、いてくれよ」
「そんな迷惑かけらんないよ、今でもかなり融通聞いてもらってる。それにさ、あんただってわかるだろ? 休みでも事件が起こったら呼び出し、帰れない時もある。もう、旦那と話し合って決めたことだから……警察学校の教官の席があるって、前から言われてたんだよ。それなら時間も決まってるし……」
「一言くらい相談してくれてもよかっただろう。勤務体系のことなら俺がどうにかするから。それとも、この仕事が嫌になったか?」
「そんなわけないだろ! 私だって、できるなら現場にいたいよ、だけど、そうはいかない、自分だけじゃないから」
そうか……そうなんだよな。結婚って、家庭を持つって、自分だけじゃなくなるんだよな。
「納得できねえけど、仕方ないのか……ごめんな、俺、おまえに頼りきりで、それに、全然考えれてなかったな」
昔、はるか昔、俺はこいつに惚れてた。だけど、他の男にとられて、でもその男は俺が殺した。本当は俺が支えてやらなきゃいけなかったのに、俺は逃げた。こいつから……
「またそんな顔する。辰巳、もういいから。あんたさ、まだあのこと気にしてんだろ? 私に負い目なんか感じることないし、あんたはあんたで、自分の幸せ探しなよ。家庭もいいもんだよ、制限はあるけどね、家族がいるって、それだけで生きる意味が見出せる」
「俺は、家族がいたことねえから……わかんねえけど、きっといいもんなんだろうな。でも、自信ないんだよ。俺なんか、家庭を持てるなんて到底思えない。それに……幸せが何かもわかんねえ」
中津は、ふと、笑った。なんだよ、そんな女っぽい顔すんなよ。
「あんたは御堂とお似合いだよ」
「やめろ! き、キモい!」
「冗談だよ。あの子、野江聡子、あんたに惚れてるよ」
「頼ってるだけだ、一時的なもんだよ、よくあることだ」
「そう、お似合いだと思うけどね、似たもの同士でさ」
何がお似合いだ。何が似たもの同士だ。それより、中津がいなくなるのか……また悩みごとが増えたなあ。
0
あなたにおすすめの小説
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!
satomi
恋愛
昼夜問わずに働く18才の主人公南ユキ。
働けども働けどもその収入は両親に搾取されるだけ…。睡眠時間だって2時間程度しかないのに、それでもまだ働き口を増やせと言う両親。
早朝のバイトで頭は朦朧としていたけれど、そんな時にうちにやってきたのは白虎商事CEOの白川大雄さん。ポーンっと25億で私を買っていった。
そんな大雄さん、白虎商事のCEOとは別に白虎組組長の顔を持っていて、私に『姐』になれとのこと。
大丈夫なのかなぁ?
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
《完結》「パパはいますか?」ある日、夫に似た子供が訪ねて来た。
ヴァンドール
恋愛
嫁いですぐに夫は戦地に赴いた。すると突然一人の男の子が訪ねて来た「パパはいますか?」
その子供の顔は戦地に行った夫にそっくりだった。
一億円の花嫁
藤谷 郁
恋愛
奈々子は家族の中の落ちこぼれ。
父親がすすめる縁談を断り切れず、望まぬ結婚をすることになった。
もうすぐ自由が無くなる。せめて最後に、思いきり贅沢な時間を過ごそう。
「きっと、素晴らしい旅になる」
ずっと憧れていた高級ホテルに到着し、わくわくする奈々子だが……
幸か不幸か!?
思いもよらぬ、運命の出会いが待っていた。
※エブリスタさまにも掲載
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる