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【本屋】幻の本屋
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人見知りな僕は高校を卒業してから職を転々とし、今はフードデリバリーの仕事で生計を立てている。昔から人と関わっているとどうしても敏感に色々感じ取ってしまい一人で勝手に疲弊してしまう。そんな僕にとって今の仕事は本当に天職だ。自転車を使っての配達は毎日黙々と身体を動かせるから体力維持に役立っているし、人との関わりは必要最低限、たまに配達がキャンセルになればその商品を食べられたりもする。ただその反面、不安になる事もあった。この先もずっとこのままの生活でいいのかなって・・・。
年を重ねるたびに遠くに感じるものがあった。それが『夢』だ。夢・・・僕の夢って一体何だったっけ?高校卒業してすぐはまだあれが欲しいとか、ここに行ってみたいとかあったけど最近の僕はただこの世界を漂って生きてるだけだった。
ある日配達を終えて休憩しているとふと目に入ってくる建物があった。こんな所に本屋なんてあったっけ?何回も通った事があるはずの通りには古びた本屋が建っていた。僕は導かれるかのようにその本屋に入った。沢山の本が置かれている中で奥に進むとレジがあったがそこには誰もいなかった。僕は何の気無しにその場にあった本に触れる。あれ・・・これは・・・。
遠い昔に見た記憶のある文章がそこにはあった。
『僕の夢』
僕の夢は小説家になる事です。
・・・ああ、そうか、忘れていた。そういえば昔から本を読むのが好きでいつかはこの本を書いている側の人になりたいって思ってたんだ。見ている人をわくわくしたり、感動したり、あっと驚かせたりも出来る。誰かに夢や希望を与えられるなんて、何て素敵な職業なんだろうって思ってた。
でも、なんであの頃の卒業文集がこんな所に?
そう思ってふと周りを見るとそこにはあったはずの本屋の姿は無く、ただの空き地が広がっていた。さっきまで持っていたはずの本も手元から姿を消していた。
・・・・・。
僕はそれから急いで家に帰り押し入れの中から使って無かったペンとノートを探し出した。
今の僕には一体どんな物語が書けるんだろうか?
そう考えるだけで何年振りか胸がとても高鳴った。そして僕はそのまま夢中でペンを走らせた。
三ヶ月後・・・。
あの日から僕は日中フードデリバリーの仕事をして夜に執筆活動をするようになった。今の時代はネットに小説を投稿出来る。僕はひっそりと毎日投稿に勤しんでいた。少しずつではあるが見てくれる人も増え、その人達とサイトを通して交流したりするようになった。子供のお小遣い程度ではあるけれど自分が書いた物語で収入を得る事も出来ている。
あの日現れた幻の本屋で僕は夢を思い出した。これからも誰かに楽しんでもらえるような作品を書いていこうと思う。
年を重ねるたびに遠くに感じるものがあった。それが『夢』だ。夢・・・僕の夢って一体何だったっけ?高校卒業してすぐはまだあれが欲しいとか、ここに行ってみたいとかあったけど最近の僕はただこの世界を漂って生きてるだけだった。
ある日配達を終えて休憩しているとふと目に入ってくる建物があった。こんな所に本屋なんてあったっけ?何回も通った事があるはずの通りには古びた本屋が建っていた。僕は導かれるかのようにその本屋に入った。沢山の本が置かれている中で奥に進むとレジがあったがそこには誰もいなかった。僕は何の気無しにその場にあった本に触れる。あれ・・・これは・・・。
遠い昔に見た記憶のある文章がそこにはあった。
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僕の夢は小説家になる事です。
・・・ああ、そうか、忘れていた。そういえば昔から本を読むのが好きでいつかはこの本を書いている側の人になりたいって思ってたんだ。見ている人をわくわくしたり、感動したり、あっと驚かせたりも出来る。誰かに夢や希望を与えられるなんて、何て素敵な職業なんだろうって思ってた。
でも、なんであの頃の卒業文集がこんな所に?
そう思ってふと周りを見るとそこにはあったはずの本屋の姿は無く、ただの空き地が広がっていた。さっきまで持っていたはずの本も手元から姿を消していた。
・・・・・。
僕はそれから急いで家に帰り押し入れの中から使って無かったペンとノートを探し出した。
今の僕には一体どんな物語が書けるんだろうか?
そう考えるだけで何年振りか胸がとても高鳴った。そして僕はそのまま夢中でペンを走らせた。
三ヶ月後・・・。
あの日から僕は日中フードデリバリーの仕事をして夜に執筆活動をするようになった。今の時代はネットに小説を投稿出来る。僕はひっそりと毎日投稿に勤しんでいた。少しずつではあるが見てくれる人も増え、その人達とサイトを通して交流したりするようになった。子供のお小遣い程度ではあるけれど自分が書いた物語で収入を得る事も出来ている。
あの日現れた幻の本屋で僕は夢を思い出した。これからも誰かに楽しんでもらえるような作品を書いていこうと思う。
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