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ソファの上、少しあった距離を縮めボクはミキにキスをした。少し震えてるのが唇ごしに伝わってきた。

「・・・大丈夫だよ。」

ボクはミキの頭を優しく撫で、手を握って寝室へと案内した。そこは元々、姉さんの寝室だった場所だ。部屋の真ん中には大きなお姫様ベッドがある。

入口で立ち尽くしているミキをお姫様抱っこしてベッドに寝かせてあげた。

「サトルさん・・・私」

何か言おうとしているミキを唇で塞ぎボクはミキを押し倒した。もうあまり会話はしたくないしするつもりもなかった。ただ唯一、ミキにとってこの光景がいい思い出になればいいなあとは思ったよ。

ボクは自分が着ていた服を脱ぎながらミキのピンク色のニット、黒いキャミソール、花柄のスカート、淡い色の下着もスムーズに脱がしてあげた。産まれたままの姿になったミキはかなり恥ずかしそうにしていた。

ボクは優しく微笑んで軽いキスの後ミキの身体全体をゆっくり愛撫してあげる。

「・・・・・んっ・・・。」

震えていたミキの身体が少しずつボクを感じ始めているのを見た時は可愛いなと思ったよ。身体は正直だよね。

姉さんには到底及ばないけど、無駄な肉がついていないミキの身体は若くて肌にハリがあり抱き心地は良かった。

ああ、小さい頃はさ、このベッドの上で姉さんとよく一緒に寝たもんさ。あの頃は・・・幸せだったなあ。

ミキになのか姉さんとの思い出になのかは定かではないが気付いたらボクの一部ははち切れんばかりに膨張していたよ。

横のテーブルに用意しておいたコンドームを手に取り慣れた手つきで装着した。いちいち面倒くさいな。でも今のボクは只の紳士。夢を見させるのがお仕事。

そう自分に言い聞かせて気を取り直し、ボクはミキと視線を合わせ対峙した。

「・・・ゆっくりいくよ。深呼吸して、身体の力を抜いてね。」

あれから寂しいのもあり何人もの女性を抱き、殺してきた。ボクはもう、進路に迷う事は無くなっていた。

「・・・痛くないかい?」

「・・・・・ハイ・・・。」

頷いたミキを確認した後、ボクはミキの表情を見ながら滑らかに腰を動かした。生きている人間を抱く時、ボクは真っ直ぐにその女性を見るようにしているんだ。多くの女性は恥ずかしがるけどね。でもせっかく短い時間でも繋がりあった者同士、幸せな時間を過ごしたいなあって思って。

しばらくの営みの後ボクはミキの顔の横、枕の上に顔をうずめる。

ボクには誰にも言ってない秘密があった。

ボクは興奮する事があっても最後に姉さんが頭の中に無いとゴールに辿り着けない身体になっていたんだ。

目を閉じて激しい腰つきの中で思い出すはあの日の姉さんの姿だった。ああ、姉さん・・・貴方ほど美しい人間には今後二度と巡り会えないだろうね・・・今でも、愛しているよ・・・。

「サトルさん・・・。」

ミキの切ない声が遠くの方で響いた気がした。そうしてボクは無事に果てる事が出来たんだ。

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