【完結】ブラック企業で働く私が落ちた落とし穴の先はイケメン御曹司が住むお屋敷へと繋がっていました。

望月ナナコ

文字の大きさ
17 / 89

16 【時継視点】

しおりを挟む
うーん・・・。

夜空を見ながら私はゆきが来てからの事を思い出していた。

あの日屋敷の中が騒がしいと思い牢屋へ着くと何やら家臣達が沢山集まっているではないか。

中に入ると一人の女性が不安そうな顔でこちらを見ていた。なにやら灰色の見た事もない服を着ている。頭の後ろにあるふくらみは一体なんなのだ?話を聞こうとするとどうやら怪我をしているようだった。足が腫れてしまっているではないか!

困っている人がいたら手を差し伸べる。それが父上と母上の教えだ。それに直感でゆきが悪い事をする人だとはどうしても思えなかった。

だからジタバタするゆきを無理矢理抱っこして治療にあたらせる事にしたのだ。

翌日話を聞くと落とし穴に落ちて別の世界から来たという。もちろんその話をそのまま全て信じた訳では無い。それでもゆきにも何かしら事情があるのだろう。

そこで話にもあった地蔵が屋敷にもあることを教えてあげた。すると足を庇ってでもそこに行きたいと言うではないか・・・前日は特別気にしなかったが千代以外でこの距離で女性に触れた事は無い。思わず少し、ドキドキしてしまった。

その後すぐに千代が出てきてびっくりしたがおおよそヤキモチでも妬いてくれているのだろう。ゆきの言う事が真実であればこの子は今とても大変な目にあっているのだ。申し訳ないが千代には我慢してもらうしかない。

そうして無事に地蔵まで辿り着いた。

屋敷にある地蔵とゆきの時代にあった地蔵はよく似ているらしい。ならば案内してやってよかったなとは思ったが残念ながらいろいろしてみても何も手がかりは無さそうだった。

おんぶが断られたので手を離すと言ってゆきを困らせた。昨日と同じゆきを抱っこして屋敷に連れ戻す。

正直不可解な話ばかりを話すゆきの事は気になってしょうがなかったがそれは違う時代から来たと言うゆきの壮大な話につられてしまっているのかと思っていた。

そう、先程ゆきと秋道が楽しげに帰ってくるのを見るまでは。

あの後秋道と少し話をしたら手に見た事の無い花の腕輪を着けていた。聞けばゆきからもらったと言うではないか!

『そ、そうか、よかったではないか・・・。』

そう言って平然を装った。

家臣の中でも秋道を選んだのはその中でも秋道が一番ゆきを毛嫌いしていたからではないか。それなのに何故本当に仲良くなって帰ってくるのだ!モヤモヤした気持ちが収まらないがかと言って今の状況では誰に当たることも出来ない・・・それに、私には千代という許嫁もいるのだ。

ため息をつき夜空を見上げると沢山の星が見えるがそこに月は無い。

そうか、今日は新月か・・・そんな事を考えていると向こうの方に提灯を持ちながら走っている人影が見えた。

あ、あれば・・・ゆき、ゆきではないか!

『ゆきっ!おい、ゆき!どこへ行くのだ。』

呼びかけても聞こえてないのかゆきはどんどん走っていってしまう。一体どこへいくつもりだ。と、とにかく私も後を追いかけないと!

そうして私も急いでゆきを追いかけた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

おばさんは、ひっそり暮らしたい

蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

オマケなのに溺愛されてます

浅葱
恋愛
聖女召喚に巻き込まれ、異世界トリップしてしまった平凡OLが 異世界にて一目惚れされたり、溺愛されるお話

乙女ゲームの世界に転移したら、推しではない王子に溺愛されています

砂月美乃
恋愛
繭(まゆ)、26歳。気がついたら、乙女ゲームのヒロイン、フェリシア(17歳)になっていた。そして横には、超絶イケメン王子のリュシアンが……。推しでもないリュシアンに、ひょんなことからベタベタにに溺愛されまくることになるお話です。 「ヒミツの恋愛遊戯」シリーズその①、リュシアン編です。 ムーンライトノベルズさんにも投稿しています。

辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました

腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。 しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。

冷酷騎士団長に『出来損ない』と捨てられましたが、どうやら私の力が覚醒したらしく、ヤンデレ化した彼に執着されています

放浪人
恋愛
平凡な毎日を送っていたはずの私、橘 莉奈(たちばな りな)は、突然、眩い光に包まれ異世界『エルドラ』に召喚されてしまう。 伝説の『聖女』として迎えられたのも束の間、魔力測定で「魔力ゼロ」と判定され、『出来損ない』の烙印を押されてしまった。 希望を失った私を引き取ったのは、氷のように冷たい瞳を持つ、この国の騎士団長カイン・アシュフォード。 「お前はここで、俺の命令だけを聞いていればいい」 物置のような部屋に押し込められ、彼から向けられるのは侮蔑の視線と冷たい言葉だけ。 元の世界に帰ることもできず、絶望的な日々が続くと思っていた。 ──しかし、ある出来事をきっかけに、私の中に眠っていた〝本当の力〟が目覚め始める。 その瞬間から、私を見るカインの目が変わり始めた。 「リリア、お前は俺だけのものだ」 「どこへも行かせない。永遠に、俺のそばにいろ」 かつての冷酷さはどこへやら、彼は私に異常なまでの執着を見せ、甘く、そして狂気的な愛情で私を束縛しようとしてくる。 これは本当に愛情なの? それともただの執着? 優しい第二王子エリアスは私に手を差し伸べてくれるけれど、カインの嫉妬の炎は燃え盛るばかり。 逃げ場のない城の中、歪んだ愛の檻に、私は囚われていく──。

お久しぶりです旦那様。そろそろ離婚ですか?

奏千歌
恋愛
[イヌネコ] 「奥様、旦那様がお見えです」 「はい?」 ベッドの上でゴロゴロしながら猫と戯れていると、侍女が部屋を訪れて告げたことだった。

拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました

星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎ 王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝―― 路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。 熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。 「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」 甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。 よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、 気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて―― しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!? 「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」 年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。 ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。

処理中です...