雇われ者の小唄

杉田杢

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足を使う。手も使う。

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 シャワーを終えて、俺はパソコンを立ち上げる。ここ数年、人探しもネットの重要性が格段に上がった。ソフトを開いて写真をスキャンし、日付と施設の住所を入れる。
 これだけで、SNSや掲示板から、関係のありそうな情報を拾い上げてくれる。精度は高くないので、取捨選択の手間は掛かるが、自分で検索をかけるよりは幾分マシだ。
 ついでに、懇意にしている同業者にも見つけたら知らせてほしいとメールする。持ちつ持たれつだ。有力情報の場合は結構な額奢る羽目になるが。
 ネットでの情報収集はパソコンに任せて俺は身支度を整えた。現実での情報収集は結局足で稼ぐしかない。
 駐輪場のホバーバイクに跨り、チェッカーに息を吹きかける。アルコールはしっかり抜けていた。
ナビを起動させ、施設の住所を教える。初めての場所だが、これで迷う気遣いはない。


 冬の空には厚い雲が立ち込めていた。ホバーバイクを走らせていると、ダウンを着ていても冷たい空気が染み込んでくる。ヒーター
 体の熱がすっかり奪われた所で目的地にたどり着いた。
 建物の造り学校の親戚と言った風体だが、収容施設という先入観のせいか天気のせいか、どんより暗い印象を俺に与えた。それを少しでも払拭しようという努力なのか、花壇には原色の花々が植えられていたがミスマッチゆえに異様な雰囲気を漂わせていた。
 俺の姿を認めて、門のすぐそばの守衛室から小太りの警備員が出てきた。
「何か用ですか?」
 お世辞にも歓迎しているようには見えないその男に、俺は探偵免許証を見せる。
「先週、出所した娘がそのまま行方不明になったでしょう。親御さんに捜査依頼を受けましてね」
「ああ、私が見送りましたよ」
 警備員はつまらなそうに言った。
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