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話
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しおりを挟むロクサーヌ南部、その中の鉱石が取れる町レドラティに朝日が昇って少し経った頃、そんな町の中に一軒の武器屋があった。
その武器屋の中で少女が売り物を物色していた。
その時、武器屋の出入り口に郵便屋の男が立っていた。
「ゴルゴス、荷物が届いてたよ」
「おう、ありがとよ!ラリー」
武器屋の店主改めゴルゴスに近づいて荷物を渡す郵便屋の男改めラリーであった。
「じゃあこれで失礼するよ、次はアンバーに手紙を渡さなきゃいけないからね!」
「お、なんだ?アンバーならその端に居るのがそうだぞ」
ゴルゴスはラリーの言葉にすぐに少女改めアンバーが売り物を物色してる方を指差す。
「あ、本当だ!アンバー!君に手紙だよ」
「……わたしにー?ありがとー」
アンバーはラリーの声に気づき、手紙をもらいお礼を言う。
「じゃ、僕は次の配達に行くね」
ラリーは武器屋の出入り口から出て行った。
アンバーはもう興味ない様に売り物に目を移しまた物色し始めた。
「アンバー手紙見なくてもいいのかい?」
「……あ、そっかー、緊急かもしれないもんねー。じゃあまたねー」
ゴルゴスの言葉に手紙をもらった事を思い出したのか、そっちに興味が移ったのか分からないが、アンバーは武器屋の出入り口に向かい外に出た。
そしてアンバーは泊まっている宿屋に着き、鍵をもらい自分の泊まっている部屋の扉の鍵を開けて中に入った。
アンバーは椅子に腰かけ、机の上にあるペーパーナイフを取り、封筒の封を開ける。
〈親愛なるアンバー・バーベッチ様へ。今日手紙を認めたのは、あなた様に頼み事があって手紙を書きました。詳しい事は私の家に来ていただきたく思います。場所はロクサーヌ南部のエスポワです。詳しい場所は地図を同封しました。それでは1月10日に来る事を首を長くして待っています。イカルガ・ランスより〉
イカルガという人はアンバーの知り合いには居なかった。
ならばこの人は誰でどうしてこの場所が分かったのか。
アンバーは疑問に思ったがすぐにそんな事は気にもしなかった。
アンバーは孤児で幼い頃からのんびりとした性格だったが、戦闘となると容赦しない子どもだった。
それからのんびりと出発の準備をして、レドラティから乗合馬車に乗りエスポワまで行くのであった。
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