同姓同名のあの人は

白銀優実華

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一年生・春

春5

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数学の時間に約束の通り机と机をくっ付け、教科書を千田くんに見せていた。

最初は真面目に授業を受けていたが、千田くんがノートを見せてきたそこにはこう書かれていた。

『さっきはノートありがとう。…松下さんって絵描くの上手だよね?』

よく休み時間とかに描いているのを見た事があるのだろう。

『どういたしまして。そうかな?ありがとう。千田くんもバレー上手だよね?体育の時見たよ』

と私もノートに書いて、千田くんの方に見せた。

『ありがとう!…でも僕はバレー部ではヘタな方なんだよね、よく先輩に怒られてるんだ…』

『そうなんだ、全然そんな風に見えなかったよ?』

『本当?ありがとう、そう言ってもらえると嬉しいよ』

私は話が終わったと思って、授業に戻ったが右肩をチョンチョンっと突かれたので、千田くんの方を少しだけ向いた。

『よかったら、バレー部の練習見に来ない?』

私は千田くんのノートを見て、何でそんな事を書いたのか分からなくて私は困惑した。

『ごめん、急だったよね…でも松下さんに見に来てほしくてさ!1人で来づらかったら友達と一緒でもいいからさ、ダメ…かな?』

確かに急だ。

でもここまで言われてダメとも言えないのでこう書いた。

『友達と一緒に今日、見に行くね?』

『本当!?ありがとう!ギャラリーで見ててね?他にも人が見に来たりしてるけど気にしないでね?』

『分かったわ』

私は今度こそ話は終わったと思い授業に戻った。

今度は肩を突かれる事なく授業を受けていた。

私は何故か放課後が、楽しみにしているかの様にワクワクしていた。
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