同姓同名のあの人は

白銀優実華

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一年生・春

春6

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放課後になり、掃除を終わらせて教室に戻る途中である。

千田くんと葵と私、それと後の3人は掃除の班が同じな為一緒に戻っていた。

教室に戻り自分の席に行って、筆記用具やスケッチブックなどをスクールバックに入れる。

スクールバックを机の上に置いたら、千田くんに話かけられた。

「先に行ってるから、後から来てくれる?つまらなかったら途中で帰ってもいいから、じゃ行くね」

千田くんは私の返事も聞かずに体育館へ行ってしまった。

私は少しの間固まっていたが、気を戻して前に居る葵に話かけた。

「葵!」

「何?」

葵は私の方に振り向いてくれた。

「あのね、一緒にバレー部の練習見に行かない?」

「…ああ、さっき千田くんが言ってた、後から来てってやつの?」

葵は何か納得した感じにそう言った。

「そう!一緒に来て?」

お願い!と言って、私は両手を合わせた。

「んー、小説のネタになるかもしれないから、いいよ行っても」

「…よかったー、断られたらどうしようかと思ったよ」

私は両手を合わせるのを止めて、少し脱力した感じに言った。

「はいはい、ほら行くんでしょ?行こう」

「うん」

私と葵はスクールバックをそれぞれ持って、体育館へと歩いて行った。
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