好きを好きなだけ

鈴卜優

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「じゃあさ、俺どう?」

その言葉を理解できず、固まる

(え?え?)

目の前の朝也は先程までのにこやかにしていた表情ではなく真剣な顔で碧をみてくる

ギシッと朝也が立ち上がる

朝也は碧の持っているビールの缶を取りベッド横の机に置き、固まってる碧の肩に手を置いて軽く後ろに押した。

びっくりした碧はそのままベッドの後ろに倒れ、押し倒される形となった。

「どう?ってこういう事だよ」

(こういう事…?)

酔っているのもあり、今の状況がわからず頭も回らない。

気がついた時にはもう遅かった。

朝也は碧の両手を握りそのまま顔を近づけてきた。

反射的に目をつぶる。

ちゅっ

柔らかくしっとりしたものが唇に当たる。

ちゅく。
唇に甘く吸い付いてくる。

聞き慣れない音が碧の耳に響く。

(うそ…朝也さんにキスされてる…!?)

ふっと熱い息が吹きかかる

碧は胸が高鳴り何が起きているかわからないのに熱い口付けに陶酔してしまいそうだった。

ちゅっくちゅと碧の唇を執拗に吸い上げる

碧は初めての経験に抵抗できずにいた。

(初めてなのに、嫌じゃない…)

むしろ…

朝也は唇を少し離し「唇を開いて」と耳元で囁きまた口付けを落としてきた


「ふぁ…っあ」

喘いだ隙に朝也の舌が碧の口に侵入してきた

「ん、…んんっ」

ざらりとした舌が碧の口内を犯し自分の舌と重なり合うと甘い痺れが身体中に広がった。

(これがキス?気持ちいい…)

甘い刺激が碧の心に沁み込んでくる。

深い口付けに碧の唇の端から唾液がこぼれ落ちる

くちゅくちゅと淫らな音が部屋中に響く。

「…んっ…はぁ…っん」

朝也は碧をうっとり見つめ、碧の口腔を余す事なく弄り、大人の口付けを刻みこんでいく。

(ああ、頭が回らない、気持ちいい。朝也さんもこんな顔するんだ……。)

甘い刺激に碧の意識が薄れていく。

「っは、…あぁっ…あ、朝也さぁ…んっ」

「っかわいい、碧くんにもっと触れたいな。」
朝也は唇を話し碧の耳元で甘く囁く

すごい事を囁かれているのに意識が保てない。
どうにかしなきゃと考えているのに…

(ああ、もう無理だ…)

そこで碧は意識を手放した

「あ、碧くん…。落ちちゃったか。」
意識を手放した碧を優しい瞳で見つめながら体勢を整えてやり寝かせる。そして朝也は碧の前髪をするっと撫でた。

「もう見てるだけじゃ我慢できないよ。君の心に近づきたい」

朝也の言葉は甘い不思議な夜に溶けていった











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