AR・SURVIVORS━エーアール・サバイバーズ━

勇崎シュー

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2、この世界はゲームだ。

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 太陽が俺達を暖め始める、心地好い朝。
 わりと朝は嫌いじゃない俺だが、今朝は何かと騒がしかった。

「お兄ちゃん起きて!お兄ちゃん!」
 
 騒がしい原因である妹の千夏が、俺を揺らし強制的に起こす。
 目覚まし時計が鳴ればほぼ確実に起きるので、今は6時前であることが分かる。 

「なんだ千夏。もう腹減ったのか?」

 今朝の食事当番は俺なので、まだ本調子じゃない脳を必死に働かせ、導いた問いを妹にそのまま聞く。

「そんなことじゃないわよ!電気もつかないしガスも使えない!おまけに変なのが目の前に出てるし!もうワケわかんない!」

 俺は取り敢えず、興奮気味の妹を落ち着くよう促た。
 そして、俺も何度かゆったりと深呼吸し、落ち着いて目を開くと。

「うわ......」

 やはり、消えてなどいなかった。
 メッセージボックスも、スキル欄も、名前とレベルの表示も、全て。

「取り敢えず、この事がニュースになってるかも知れないから、一階でテレビを見よう」

「う、うん」

 俺達は一階へ降り、リモコンを押した。
 何度か押すが、点く気配はない。

「あ、そう言えば、電気使えないんだっけ」

 電気が使えないのは知っていた筈だが、つい日常的にテレビをつけようとしてしまった。
 やはりこういうのは身体に染み付いてしまっているのだろう。

「お兄ちゃん、どうしよう」

 千夏が泣きそうになりながら俺に聞いてくる。
 
 そういや、昔から父さんに言われ続けてきたな。
 いざとなったら、お前が千夏を守れって。

「任せろ。二人が戻ってくるまで、俺が千夏を守るから」

 どこからそんな自信が出てくるのかは分からないが、兎に角、今は千夏を守ることだけを考えよう。
 そう言えば、メッセージボックスに何か届いてたな。確認しておこう。
 俺はメッセージボックスをタップし、画面を開く。

『アリュウスさん。おめでとうございます。貴方はサバイバル×サバイバー正式サービス開始前にプロトタイプをプレイされたので、その時のアイテムやレベルをそのままでゲームを開始出来ます。』

 画面には、そう書かれていた。
 因みにアリュウスとは、俺のゲーム内での仮名だ。
 いや、ちょっとまて、ここに書かれていることが本当だったら、かなり有利じゃないか?
 俺がそう考えていると、閉じて小さいアイコンに戻ったメッセージボックスの下に、プレゼントボックスのようなものが表示された。
 そこには右上に小さく〝1〟と書かれていた。
 プレゼントが一つあることを意味しているのだろう。
 俺は躊躇なくそのアイコンをタップすると、目の前に俺がゲーム内で手に入れたアイテムがそのまま出てきた。

「うおっ?」

「きゃっ、なにこれ」

 一瞬怯んだ俺達だったが、危害を加えてきそうなものではないので、すぐ近寄った。
 うん。改めて見ても俺の装備そのままだ。
 サバサバにはアイテムボックスというものも無いので、基本持てるものは最小限にしている。
 荷物が多いと速度が落ちるしな。
 そんな理由もあり、アイテムはお手製のリュックに入っているのだが、それと装備していた長剣が出てきたのである。

「うーん。リュックの中身もやっぱりゲームと同じだ。当分は食料も......ってそういや朝飯まだだったな。なに食う?」

「いや、朝ご飯食べてる時間なんてないでしょ」

「いや、今はしっかり飯食って力をつけるべきだ。飯食わないと頭も回らないしな」

 俺がなにか無いかとリュックを漁る。
 いや、その前に冷蔵庫にあるものから食べた方がいいな。冷蔵庫も止まっちゃってるし、生ものはすぐ腐る。
 そう思い、今度は冷蔵庫を開け、漁り出す。

「むぅ、どれが腐りやすくて、どれが日保ちするのかわからん」

「取り敢えず納豆とかは日保ちするんじゃない?もう腐ってるし」

「じゃあまずは明らかに日保ちするやつを出すか」

 俺達は日保ちしそうなのと僧でなさそうなものを分けた。
 ラベルとかも確認しつつ行ったが、結構な量が集まり驚いた。
 これなら暫くは持ちそうだ。

「取り敢えずハムでも食うか。生ものだし、ダメになる前にとっとと消費しとこうぜ」

 ガスも使えないらしいので、生肉や生魚は基本食べれなくなってしまったわけだ。
 しかし、唯一ハムは食べられそうなので、食えるうちに食べておこうということだ。

「今日の朝ごはんは質素になりそうだね」

「しょうがないって。それより、飯食い終わったら外に出てみよう。今必要なのは何よりも情報・・だからな」

 俺は頷く千夏を見て、安心して食事を作り始めた。

 食事も終わり、作戦会議に入る。

「っつーことで、多分外にはモンスターがうじゃうじゃいる筈だから、俺から基本離れるなよ」

「う、なんか話聞いてたらちょっと怖くなって来ちゃった」

 俺達が椅子から立った瞬間、外から悲鳴が聞こえた。

「な、なんだ!?」
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