転生悪魔の復讐譚

勇崎シュー

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12:強襲の魔獣

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「大変です! 大型魔獣がこちらに近づいております!」

 思い切り扉を開け、そう報告した少女は、長く美しい金髪の揺れるエルフだった。
 いや、エルフにしては少し肌が濃いし、耳の尖り具合もややマイルドだ。俺達と同じく混じっているのだろう。

「魔獣? ここら辺の奴となると……フォレストヴォルフかい」
「はい! そうです」
「フォレストヴォルフ……厄介な奴が来たね……どうやらここは奴の縄張りの内だったらしい」

 フォレストヴォルフ……確か三メートルの高さを誇る獰猛な狼型モンスターの種名だった筈だ。別名森林の主とも言われる。

「僕がいく。君たちも来て。万が一が合ったとき、屋内だと倒壊して下敷きになる可能性がある」
「は、はい。分かりました」

 俺達は指示に従い、屋外に出た。
 それにより気づく。確かに森がざわついていることに。

「フォレストヴォルフの居た方角は?」
「あっちの方です」

 エルフの少女は、左手を真っ直ぐ上げ、方向を指した。
 すると、軽い地響きが起こる。

「な、なに?」

 アミちゃんがそう口に出すと、小さめの狼型モンスターが何匹か森から出現した。
 あれはウッズルフというモンスターで、フォレストヴォルフの子分的モンスターだった筈だ。
 と、いうことは……。

「やば、多分近いぞ、フォレストヴォルフ!」
「だね。三人とも、馬車に武器が積んであったの覚えてる? 自衛用にひとりひとつずつ好きなの持ってて!」

 俺の叫びのあとそう促され、俺達は馬車の積み荷台に向かった。
 駆け足の勢いそのままに飛び乗り、カーテンを開け武器の入っている木箱に近づく。

「うおっ、本当に色々入ってるんだな……」
「ヴル、関心してないで早く何か持たないと……」
「あっ、私はこの弓矢にするっ……」

 アミちゃんに続き、リグも武器を手にした。鍔に赤い宝石の付いた短剣だった。短剣にしては刃が長めだが。
 いや、ふたりのことも気になるが、早く俺も武器を手にしなければ。

「くっ、なんかいい武器もんが……!」

 木箱を漁っていると、あるものが目に移った

 ━━それは、鮮烈に。

「ヴル、そって……」

「━━あぁ、だ」

 真剣を見たのは、生まれて初めてだ。前世の、少なくとも小学生までは。

 でも━━持つと妙に手に馴染んだ。

「刀って、東方特有のあれ……?」

 俺はアミちゃんの問いに頷く。
 そう、この世界にも日本のような文化が栄えており、刀もその国に存在していたのだ。何故ここにあるのかまでは知り得ないが……。

「よし、皆武器持ったみたいだし、一旦出よう」

 俺は頷く二人と共に再び外へ。
 しかし、カーテンを開いた瞬間。

「危ないッ!」
「うおっ!?」

 レグルスの声が響き、飛び込んできたウッズルフが目に飛び込む。
 俺は反射的に抜刀し、敵を斬り伏せた。
 生々しい嫌な感触の後、生き血が俺に降り注いだ。妙に温くて顔をしかめる。

「すごっ……!」

 アミちゃんの称賛を一先ず流し、荷台から降りる。

「ありがと、ヴル。……それにしても多いね、モンスター」
「あぁ、異常だな、こりゃ」

 俺は顔に付着した血を拭いながら、リグにそう応えた。

「戦うしかなさそうだ……アミちゃんは弓で後方から支援して。リグ、近接戦闘は大丈夫か?」
「了解」
「……頑張るよ」

 リグの背中を優しく叩いた俺は、アミちゃんを庇うように前に出る。

「来るよヴルっ!」
「あぁ、裏穿っ!」

 俺はリグの声かけに応じるように裏穿を放った。
 裏穿に切り裂かれた獣は、力なく地面に打たれる。
 ちら、と横を見ると、リグもなんとか一匹仕留めたらしい。

「ナイス。次いくぞ」
「……うん」
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