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三章ー鋼鉄の王国ー
59 瞬く攻防
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「コイツの名前は聖光大剣エクスケイン。お前の黒い剣と、どっちが強いかな」
金の装飾で施された、美しき白い大剣。
大地に突き刺さったそれを抜きながら、青年は俺に向けて笑みを浮かべた。
「くっ……!」
右手の黒剣を強く握り締め、苦い顔をする。先程の一撃を防がれた時点で、俺の勝機は皆無に等しくなってしまったからだ。
まだ奴に見せていないものといえば、次元一文字以外の攻撃スキルか、次元を大きく切り裂いた時に出てくる触手のみ。
これらを上手く使ったところで、奴に勝てるのか……?
いや、迷うな。
ガンゾルドや、今までと同じだ。諦めず頭を働かせろ。
彼女がここに戻ってきた時、死んでしまっていたらきっと怒られるだろうから。
「ふぅ……よし」
短く深呼吸し、目線を真っ直ぐに投げつける。
「やる気むんむんだな。いいぜ……来いよ!」
「言われなくても……ッ!」
俺は思い切り踏み込み、目の前へ向かい飛び出した。
剣をやや後ろに構え、空気中の魔力を剣に取り込ませる。
それが眩く輝く頃には、もう奴の目の前まで肉迫していた。
「うぉお……っ!」
向こうも剣を構え、迎撃しようとしているのが見て取れるが、足は止めない。
代わりに、あと五歩で射程圏内に入るといった所で、息を吸いつつ左方向へ視線を移した。
すると、敵もちらりと目が移ろったので、その隙にスキルを発動させる。
「おぉおお……〈重輪〉っ!」
重輪。俺が使えるようになった剣技のひとつ。
次元一文字と同じく横斬りの技だが、違う点は所謂回転斬りであることだ。
因みに次元一文字も重輪も、ユズリ含め他の会得者は使えないらしい。理由は不明だが、転移者だから通常とは違う技を覚えたのだろうか。
「随分せこい真似するなぁ」
九十度程斬りかかったところで、敵がそんな言葉と共に剣を盾にする。
これで防いだつもりのようだが、俺自身こんなセコい手にかかると思っていない。
狙いは別だ。
「お、りぁあああっ!」
俺は青年ではなく、その手前の次元を割いた。
しかし向こうも読んでいたのか、剣を地面に突き刺して体勢を保つ。
だが、それでは吸収されずに済むだけだ。
「……ん? な、なんだこりゃ!?」
青年は驚いた。突如として裂け目から現れた、蔦のような触手に。
ゆっくりと畝りながら近づいていき、離れようとする対象を逃さぬようじっくり身体を這わせていく。
そして、俺はこの瞬間を見逃す施されたお人好しでは無い。
「終わりだ。ーー〈次元一文字〉」
剣の使用者である為吸収力に影響されず、百パーセントの力でスキルを使用する。
魔力に後押しされた猛攻が、敵の背中に差し掛かったその時。
「くっ……《移扉》ォ!」
光に包まれながら、青年はどこかへ消え去った。
「やられた……!」
念の為周囲を見渡すも、奴の影は見えない。
どこか遠くの地域へ移動してしまったのかと考えるも、近くに潜伏されていた時が怖いので再度見回す。
目線を上げ隆起した台地へも追うと、奴が消えた時と同じ光が輝いている箇所を見つけた。
もしかしなくてもあそこに現れるのだと思われるが、俺に遠距離攻撃は……
……ある。ひとつだけ。
この世界に来て初めての戦闘の時。サイクロプスの攻撃を受け半ば戦意喪失した後、身体が勝手に動くような感覚に見舞われた。
その時の斬撃は、大地を張って遠くの位置で次元を開いたのだ。
あの攻撃が出来ればいいが、あれから一度も成功した事は無い。
だが、俺と違って奴は遠距離の魔法も多く取り揃えているはず。つまり……ここを逃せば、本当に終わりだ。
ならば、ここで限界を超えるしかない……!
「ど、ぅらぁあああァァァアアっ!」
光の位置を確り見据え、斬撃が届く瞬間をはっきりイメージしつつ思い切り剣を振るう。
「届けぇえええっ!」
その想いが届いたのか、切っ先から放たれた斬撃は、地面を這い、切り立った地面を登っていき、そして……。
奴が現れた瞬間、そこに次元の裂け目が現れた。
「よし! これで……」
「あぁ、終わりだ。《ライトニング・ボルト》」
瞬間、背後から焼き付くような痛みが全身に広がった。
金の装飾で施された、美しき白い大剣。
大地に突き刺さったそれを抜きながら、青年は俺に向けて笑みを浮かべた。
「くっ……!」
右手の黒剣を強く握り締め、苦い顔をする。先程の一撃を防がれた時点で、俺の勝機は皆無に等しくなってしまったからだ。
まだ奴に見せていないものといえば、次元一文字以外の攻撃スキルか、次元を大きく切り裂いた時に出てくる触手のみ。
これらを上手く使ったところで、奴に勝てるのか……?
いや、迷うな。
ガンゾルドや、今までと同じだ。諦めず頭を働かせろ。
彼女がここに戻ってきた時、死んでしまっていたらきっと怒られるだろうから。
「ふぅ……よし」
短く深呼吸し、目線を真っ直ぐに投げつける。
「やる気むんむんだな。いいぜ……来いよ!」
「言われなくても……ッ!」
俺は思い切り踏み込み、目の前へ向かい飛び出した。
剣をやや後ろに構え、空気中の魔力を剣に取り込ませる。
それが眩く輝く頃には、もう奴の目の前まで肉迫していた。
「うぉお……っ!」
向こうも剣を構え、迎撃しようとしているのが見て取れるが、足は止めない。
代わりに、あと五歩で射程圏内に入るといった所で、息を吸いつつ左方向へ視線を移した。
すると、敵もちらりと目が移ろったので、その隙にスキルを発動させる。
「おぉおお……〈重輪〉っ!」
重輪。俺が使えるようになった剣技のひとつ。
次元一文字と同じく横斬りの技だが、違う点は所謂回転斬りであることだ。
因みに次元一文字も重輪も、ユズリ含め他の会得者は使えないらしい。理由は不明だが、転移者だから通常とは違う技を覚えたのだろうか。
「随分せこい真似するなぁ」
九十度程斬りかかったところで、敵がそんな言葉と共に剣を盾にする。
これで防いだつもりのようだが、俺自身こんなセコい手にかかると思っていない。
狙いは別だ。
「お、りぁあああっ!」
俺は青年ではなく、その手前の次元を割いた。
しかし向こうも読んでいたのか、剣を地面に突き刺して体勢を保つ。
だが、それでは吸収されずに済むだけだ。
「……ん? な、なんだこりゃ!?」
青年は驚いた。突如として裂け目から現れた、蔦のような触手に。
ゆっくりと畝りながら近づいていき、離れようとする対象を逃さぬようじっくり身体を這わせていく。
そして、俺はこの瞬間を見逃す施されたお人好しでは無い。
「終わりだ。ーー〈次元一文字〉」
剣の使用者である為吸収力に影響されず、百パーセントの力でスキルを使用する。
魔力に後押しされた猛攻が、敵の背中に差し掛かったその時。
「くっ……《移扉》ォ!」
光に包まれながら、青年はどこかへ消え去った。
「やられた……!」
念の為周囲を見渡すも、奴の影は見えない。
どこか遠くの地域へ移動してしまったのかと考えるも、近くに潜伏されていた時が怖いので再度見回す。
目線を上げ隆起した台地へも追うと、奴が消えた時と同じ光が輝いている箇所を見つけた。
もしかしなくてもあそこに現れるのだと思われるが、俺に遠距離攻撃は……
……ある。ひとつだけ。
この世界に来て初めての戦闘の時。サイクロプスの攻撃を受け半ば戦意喪失した後、身体が勝手に動くような感覚に見舞われた。
その時の斬撃は、大地を張って遠くの位置で次元を開いたのだ。
あの攻撃が出来ればいいが、あれから一度も成功した事は無い。
だが、俺と違って奴は遠距離の魔法も多く取り揃えているはず。つまり……ここを逃せば、本当に終わりだ。
ならば、ここで限界を超えるしかない……!
「ど、ぅらぁあああァァァアアっ!」
光の位置を確り見据え、斬撃が届く瞬間をはっきりイメージしつつ思い切り剣を振るう。
「届けぇえええっ!」
その想いが届いたのか、切っ先から放たれた斬撃は、地面を這い、切り立った地面を登っていき、そして……。
奴が現れた瞬間、そこに次元の裂け目が現れた。
「よし! これで……」
「あぁ、終わりだ。《ライトニング・ボルト》」
瞬間、背後から焼き付くような痛みが全身に広がった。
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