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四章ー血地の戦場ー
77 アルウェス参道
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女性陣と合流してから外に出ると、天幕から少し離れた場所にて、大勢の騎士達が集まっているのが見えた。
固まってその場へ行くと、一足先に到着していたアルティ隊長と鉢合わせる。
「集まったな。もう暫くの後に出発だ。用意を怠るなよ」
「了解!」
四人が号令に応じた後に、俺もたどたどしく応えた。
それから隊長と副隊長は作戦の擦り合わせるべく話し合いを始め、他の者は装備の最終確認を始める。
何となく手持ち無沙汰になってしまったので、一応応急手当の小道具等をチェックしていく。
「アルティ」
隊長を呼び捨てにしたのは、俺達の誰でもなく、芯の通った女性の声だった。
「ルウナか。どうした、何か問題でもあったか?」
隊長にルウナと呼ばれた女性は、長い金髪を振り払って答える。
「いや、馴染みの顔を少し見に来たのと……その子は何だ?」
その子、というのは紛れもなく俺の事だろう。
「タクマだ。私の隊の新メンバーさ」
アルティさんに肩を叩かれながら紹介されたので、慌てて名乗る。
「新団員か。しかし、入隊式にはいかなかった筈だが、審査はどうなっている?」
確かに、書類とか全く書かされていないのだが、ちゃんと組織に認知されているのだろうか。
「まぁ、その辺はな。仮入隊という形で申請をした。きちんと本部からの許諾も得られたさ」
「成程。捩じ込んだわけか。全くお前は……いつもやる事が豪胆だな」
それ大丈夫なのかよ、と思ったが、ここは隊長を信じよう。
「タクマ。アルティが見込んだのなら、私からの文句は無い。精進してくれ」
「は、はい! ありがとうございます」
すると、ルウナさんは踵を返して自身の隊へ帰って行った。
舞い上がる金色の髪に見蕩れそうになるが、瞬間、ブブゼラのような法螺貝のような音が周囲に響く。
「総員、注目ッ!!」
遠くから聞こえる号令により、騎士達は一斉に隊列を揃える。
全員の向く先に現れたのは、一際強そうな騎士。アルティさんや、もしかしたらレアルで出会ったバスターヴさんよりでかいかもしれない。
「ボルガー……」
近くのイクスが、ぼそりと呟いた。
「ここ数年、戦況は変わらん。だが、我々がすべき事も変わらん。皆の者、我が国に勝利をもたらすぞ!」
ボルガーという名前らしき大男が剣を抜刀し天に掲げると、全員が剣を掲げ声を上げる。
しかし、うちの隊は例外で、隊長以外は抜刀するのみだった。
その後、三部隊程前線に進み、それに続くよう俺達遊撃隊も進み始める。
「再確認するぞ。今回の戦場は、アルウェス参道を突破し、その奥にある重要拠点に突撃する為の施設を確保するのが目的だ」
「はいっス。その為にアルウェス参道に配置された敵を倒してくんスよね?」
「あぁ。皆、気を引き締めて行くぞ!」
「「「「了解っ!」」」」
そうこう確認している間に、敵影が見え始めた。
アルウェス参道は崖の間にある道で、幅は百五十メートルはある。
崖の高さは十五メートル程で、あの上に敵陣が現れないのか不安だったが、どうやら崖の上は魔瘴という異世界系ラノベにありガチな霧のせいで、人も魔物も近づけないらしい。
つまり、俺達は只管目の前の敵を斬っていけば良いのである。
改めて思考している間に、先頭集団と敵軍が斬り合い始めた。
叫び声や金属音が鳴り響く。
俺達遊撃隊は劣勢の隊に加勢するのが目的だが、今回のような戦える場所が限られている場合は、あまり頼られないそうだ。
これだけ密集していれば、先頭の隊が代わる代わる戦う事になり、結果俺達の存在意義が揺らぐらしい。
もしものケースを考え、俺達も出撃したが、今回は本当に出番が無さそうに見える。
と、素人が舐めた事を考えたからか、それともフラグを立ててしまったのか……。
戦況は、一気に覆る事になる。
「フ、ォ、ォオオォオオ……フォオオオオオオ…………」
不気味な、風の通る音。
いや、恐らくこれは鳴き声だ。しかも、モンスターの声。
更に厄介な事に、その声は前方では無く、“後方”から聞こえてきたのだ。
「……な、なに……?」
マクロちゃんと同時に振り向くと、周辺の大地が小刻みに揺れる。
何か、来る。
そう悟った瞬間、乾いた地面から……腐りかけの、巨大な右腕が飛び出した。
「……っ!?」
「フ、ォオオオオオオォォオオ…………!」
地面に這い出たそれは、二メートル半はある巨体の死人……。
つまり、巨人のアンデッドモンスターだった。
固まってその場へ行くと、一足先に到着していたアルティ隊長と鉢合わせる。
「集まったな。もう暫くの後に出発だ。用意を怠るなよ」
「了解!」
四人が号令に応じた後に、俺もたどたどしく応えた。
それから隊長と副隊長は作戦の擦り合わせるべく話し合いを始め、他の者は装備の最終確認を始める。
何となく手持ち無沙汰になってしまったので、一応応急手当の小道具等をチェックしていく。
「アルティ」
隊長を呼び捨てにしたのは、俺達の誰でもなく、芯の通った女性の声だった。
「ルウナか。どうした、何か問題でもあったか?」
隊長にルウナと呼ばれた女性は、長い金髪を振り払って答える。
「いや、馴染みの顔を少し見に来たのと……その子は何だ?」
その子、というのは紛れもなく俺の事だろう。
「タクマだ。私の隊の新メンバーさ」
アルティさんに肩を叩かれながら紹介されたので、慌てて名乗る。
「新団員か。しかし、入隊式にはいかなかった筈だが、審査はどうなっている?」
確かに、書類とか全く書かされていないのだが、ちゃんと組織に認知されているのだろうか。
「まぁ、その辺はな。仮入隊という形で申請をした。きちんと本部からの許諾も得られたさ」
「成程。捩じ込んだわけか。全くお前は……いつもやる事が豪胆だな」
それ大丈夫なのかよ、と思ったが、ここは隊長を信じよう。
「タクマ。アルティが見込んだのなら、私からの文句は無い。精進してくれ」
「は、はい! ありがとうございます」
すると、ルウナさんは踵を返して自身の隊へ帰って行った。
舞い上がる金色の髪に見蕩れそうになるが、瞬間、ブブゼラのような法螺貝のような音が周囲に響く。
「総員、注目ッ!!」
遠くから聞こえる号令により、騎士達は一斉に隊列を揃える。
全員の向く先に現れたのは、一際強そうな騎士。アルティさんや、もしかしたらレアルで出会ったバスターヴさんよりでかいかもしれない。
「ボルガー……」
近くのイクスが、ぼそりと呟いた。
「ここ数年、戦況は変わらん。だが、我々がすべき事も変わらん。皆の者、我が国に勝利をもたらすぞ!」
ボルガーという名前らしき大男が剣を抜刀し天に掲げると、全員が剣を掲げ声を上げる。
しかし、うちの隊は例外で、隊長以外は抜刀するのみだった。
その後、三部隊程前線に進み、それに続くよう俺達遊撃隊も進み始める。
「再確認するぞ。今回の戦場は、アルウェス参道を突破し、その奥にある重要拠点に突撃する為の施設を確保するのが目的だ」
「はいっス。その為にアルウェス参道に配置された敵を倒してくんスよね?」
「あぁ。皆、気を引き締めて行くぞ!」
「「「「了解っ!」」」」
そうこう確認している間に、敵影が見え始めた。
アルウェス参道は崖の間にある道で、幅は百五十メートルはある。
崖の高さは十五メートル程で、あの上に敵陣が現れないのか不安だったが、どうやら崖の上は魔瘴という異世界系ラノベにありガチな霧のせいで、人も魔物も近づけないらしい。
つまり、俺達は只管目の前の敵を斬っていけば良いのである。
改めて思考している間に、先頭集団と敵軍が斬り合い始めた。
叫び声や金属音が鳴り響く。
俺達遊撃隊は劣勢の隊に加勢するのが目的だが、今回のような戦える場所が限られている場合は、あまり頼られないそうだ。
これだけ密集していれば、先頭の隊が代わる代わる戦う事になり、結果俺達の存在意義が揺らぐらしい。
もしものケースを考え、俺達も出撃したが、今回は本当に出番が無さそうに見える。
と、素人が舐めた事を考えたからか、それともフラグを立ててしまったのか……。
戦況は、一気に覆る事になる。
「フ、ォ、ォオオォオオ……フォオオオオオオ…………」
不気味な、風の通る音。
いや、恐らくこれは鳴き声だ。しかも、モンスターの声。
更に厄介な事に、その声は前方では無く、“後方”から聞こえてきたのだ。
「……な、なに……?」
マクロちゃんと同時に振り向くと、周辺の大地が小刻みに揺れる。
何か、来る。
そう悟った瞬間、乾いた地面から……腐りかけの、巨大な右腕が飛び出した。
「……っ!?」
「フ、ォオオオオオオォォオオ…………!」
地面に這い出たそれは、二メートル半はある巨体の死人……。
つまり、巨人のアンデッドモンスターだった。
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