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四章ー血地の戦場ー
78 新戦法
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「フ、ォオオオオオオォォオオ…………!」
地面に這い出たそれは、二メートル半はある巨人のアンデッドモンスターだった。
「アンデッド……!?」
なぜ、どうして。
様々な疑念や疑問を一言に表している内に。
遊撃隊は既に動いていた。
「ふイィィイイィイイイっ!」
副隊長ユージンが跳躍すると共に、スキルを発動させ巨大アンデッドの右腕を屠る。
腐った肉塊は重苦しい音と共に地面に転がり、アンデッドはバランスを崩し片膝を付いた。
「フォオオ…………!」
「後は頼むっス!」
ユージンさんに応えて、アズサさんとマクロちゃんが飛び出す。
「いくよ」
「うん」
短い呼応の刹那。
瞬く間に、巨人は細切れになった。
「なっ……!?」
剣筋が、全く見えない。
更に恐ろしいのが、先程の攻撃は……スキルを使用していなかった。
つまりこの二人も、副隊長と同じくらい強い!
と、集中を途切れさせた罰か。
「ウヴァアァアアっ!」
後方からの攻撃に、俺は気づけなかった。
「ふんッ!」
遅かれながら《剣招来》しようとするも、それより一歩先にアルティさんが敵である小型アンデッドを叩き落とした。
「タクマ、戦闘中だ。呆けるな」
隊長の一喝により、止まっていた呼吸が再開される。
短く謝罪した後に見回すと、どうやら小さいアンデッド達が次々に地上に上がって来ているようだ。
「なぁあっ! 誰か来てくれぇえっ!」
声に振り向くと、そこに居たのは崖を背に三体のゾンビを相手にする別部隊の騎士。
俺達の部隊は少し余裕があるが、ここは。
「俺が行きます! 《剣招来》ッ」
みんなばかりにいい格好はさせられない。
そんな思いを剣に滾らせ、数メートルの距離を瞬時に詰める。
「……おぉおッ!」
腹に力を込め、一秒にも満たない時間で三体のゾンビを斬り裂く。
瞬間、辺りに突風が起きたが、それだけだ。
そう、時空断裂は起きていない。いや、正確には起きたのだが、素早く切り裂くことによって極薄くしか生じなかったのだ。その為裂け目は直ぐ閉じる。
密集した戦闘に置いて、前迄のスタイルでは敵味方関係なく悪影響を及ぼしてしまう。そんな危惧を解消するべく生み出した新戦法。
それがこの、断裂を極々最低限にするというものだ。
“展開”を未だにコツを掴めない代わりに、夢世界で会得した剣技。実戦で初めて使ったが、上手くいって一安心する。
「大丈夫ですか!?」
「あ、あぁ。ありがとう」
騎士の無事を確認した後に直ぐ皆の元へとんぼ返りし、隊員の安否を確認した。
どうやら全員元気に殲滅を続けているようだ。
……いや、一人足りない。
その事に気づいた俺は、近くの隊長に詰め寄った。
「隊長! イクスが居ません。まさか……!?」
「安心しろ。ほら、あそこをよく見るんだ」
隊長に促された方向に視線を移すと、そこには、一筋の赤い閃光が宙を切り裂いて居た。
まさかあれは……イクス?
目を凝らすと、少年が赤いマフラーをたなびかせ、次々に、そして的確に敵の急所を付いては移動、その先でまた敵を穿っているのが視認出来た。
動きがあまりに速いので、始めは赤い線が通っている様にしか見えなかったのだ。
やはり少年と言えど、イクスも凄い。
ただ一つ気になるとすれば、彼に先日の明るさは全く無く、只管に敵を撃つ姿は冷徹そのものにしか見えない点だが……。
「ウォオオゥ……ッ!」
「タクマぁ!」
隊長の野太い声が響く頃には、俺は既にスキルを発動させていた。
「〈重輪〉……っ」
手元の剣を閃かせ、またも背後に迫っていたアンデッドを回転斬りで屠る。
「大丈夫です。何度も同じミスはしません」
そう隊長に伝えつつ、ディメンテイターにこびり付いた肉片を払った。
「ふっ。頼もしいじゃないか。その調子で頼むぞ」
はい! と返答したところで、またも戦況は変わる。
我ら遊撃隊の活躍もあってか、アンデッドの奇襲はだいぶ片付ける事が出来た。
しかし、それすらも陽動だったのだ。
「うぁあっ!」
「づあァっ……!」
「ひぐぁ……っ」
次々と悲鳴を上げていく騎士達。
今度は何事かと、辺りを確認すると……。
「隊長、アレ……!」
マクロちゃんの指差す方向に、それらは陣取っていたのだった。
地面に這い出たそれは、二メートル半はある巨人のアンデッドモンスターだった。
「アンデッド……!?」
なぜ、どうして。
様々な疑念や疑問を一言に表している内に。
遊撃隊は既に動いていた。
「ふイィィイイィイイイっ!」
副隊長ユージンが跳躍すると共に、スキルを発動させ巨大アンデッドの右腕を屠る。
腐った肉塊は重苦しい音と共に地面に転がり、アンデッドはバランスを崩し片膝を付いた。
「フォオオ…………!」
「後は頼むっス!」
ユージンさんに応えて、アズサさんとマクロちゃんが飛び出す。
「いくよ」
「うん」
短い呼応の刹那。
瞬く間に、巨人は細切れになった。
「なっ……!?」
剣筋が、全く見えない。
更に恐ろしいのが、先程の攻撃は……スキルを使用していなかった。
つまりこの二人も、副隊長と同じくらい強い!
と、集中を途切れさせた罰か。
「ウヴァアァアアっ!」
後方からの攻撃に、俺は気づけなかった。
「ふんッ!」
遅かれながら《剣招来》しようとするも、それより一歩先にアルティさんが敵である小型アンデッドを叩き落とした。
「タクマ、戦闘中だ。呆けるな」
隊長の一喝により、止まっていた呼吸が再開される。
短く謝罪した後に見回すと、どうやら小さいアンデッド達が次々に地上に上がって来ているようだ。
「なぁあっ! 誰か来てくれぇえっ!」
声に振り向くと、そこに居たのは崖を背に三体のゾンビを相手にする別部隊の騎士。
俺達の部隊は少し余裕があるが、ここは。
「俺が行きます! 《剣招来》ッ」
みんなばかりにいい格好はさせられない。
そんな思いを剣に滾らせ、数メートルの距離を瞬時に詰める。
「……おぉおッ!」
腹に力を込め、一秒にも満たない時間で三体のゾンビを斬り裂く。
瞬間、辺りに突風が起きたが、それだけだ。
そう、時空断裂は起きていない。いや、正確には起きたのだが、素早く切り裂くことによって極薄くしか生じなかったのだ。その為裂け目は直ぐ閉じる。
密集した戦闘に置いて、前迄のスタイルでは敵味方関係なく悪影響を及ぼしてしまう。そんな危惧を解消するべく生み出した新戦法。
それがこの、断裂を極々最低限にするというものだ。
“展開”を未だにコツを掴めない代わりに、夢世界で会得した剣技。実戦で初めて使ったが、上手くいって一安心する。
「大丈夫ですか!?」
「あ、あぁ。ありがとう」
騎士の無事を確認した後に直ぐ皆の元へとんぼ返りし、隊員の安否を確認した。
どうやら全員元気に殲滅を続けているようだ。
……いや、一人足りない。
その事に気づいた俺は、近くの隊長に詰め寄った。
「隊長! イクスが居ません。まさか……!?」
「安心しろ。ほら、あそこをよく見るんだ」
隊長に促された方向に視線を移すと、そこには、一筋の赤い閃光が宙を切り裂いて居た。
まさかあれは……イクス?
目を凝らすと、少年が赤いマフラーをたなびかせ、次々に、そして的確に敵の急所を付いては移動、その先でまた敵を穿っているのが視認出来た。
動きがあまりに速いので、始めは赤い線が通っている様にしか見えなかったのだ。
やはり少年と言えど、イクスも凄い。
ただ一つ気になるとすれば、彼に先日の明るさは全く無く、只管に敵を撃つ姿は冷徹そのものにしか見えない点だが……。
「ウォオオゥ……ッ!」
「タクマぁ!」
隊長の野太い声が響く頃には、俺は既にスキルを発動させていた。
「〈重輪〉……っ」
手元の剣を閃かせ、またも背後に迫っていたアンデッドを回転斬りで屠る。
「大丈夫です。何度も同じミスはしません」
そう隊長に伝えつつ、ディメンテイターにこびり付いた肉片を払った。
「ふっ。頼もしいじゃないか。その調子で頼むぞ」
はい! と返答したところで、またも戦況は変わる。
我ら遊撃隊の活躍もあってか、アンデッドの奇襲はだいぶ片付ける事が出来た。
しかし、それすらも陽動だったのだ。
「うぁあっ!」
「づあァっ……!」
「ひぐぁ……っ」
次々と悲鳴を上げていく騎士達。
今度は何事かと、辺りを確認すると……。
「隊長、アレ……!」
マクロちゃんの指差す方向に、それらは陣取っていたのだった。
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