異世界転生したけど殺されました

勇崎シュー

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最悪のプロローグ

1話 いざ、転生!

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「すまんの、手違いで君を殺してしまって」

 白髪、白髭の老人が、俺にそう言う。

「あぁ、まぁ、いいですよ。気にしないで下さい、神様」

 そう、この老人は、何を隠そう神様だ。
 何故平凡な高校生である俺が、神様に謁見しているのかというと、まぁ、皆さんお察しの通り、なんかの手違いで俺が死に、ごめんねと神様が謝っているからである。
 
「何か君、妙に落ち着いておるな」
「そうですね。死んだときのこととかあんま覚えてないし、そもそもあの世界への思い入れとかそんなに無いですからね」

 俺は当然のようにそう答えた。

「そ、そうか。では、君への待遇だが......」

 はい、来ました。
 もうお決まりのやつですね。もう皆さん分かってますね。てかタイトルで分かってますよね。

「地球で転生でどうかな?」
「えっ?」
「えっ?とはなんじゃ。普通は前世と同じ世界でまた人間できるなんて、あり得ないのじゃぞ?」

 暫く沈黙が走る。

「いや、あの、地球?しかも転生って、記憶消えちゃう系の転生ですか?」
「うん」
「......えぇぇぇぇぇぇっ!?」

 俺は飛び出しそうな程目を見開く。

「いや、さっきも言ったけどかなり優遇しとるぞ」

 そうだ。これは神様の好意なのだ。
 それを無下にするわけにも......。
 わけにも............!。

「お願いします!剣と魔法のファンタジーな世界に転生させて下さい!できれば記憶そのままで!できれば身体能力底上げして!できれば俺しか使えない魔法とか使えるようにしたりしてお願いします!」

 俺はその場で綺麗に土下座した。
 土下座程度で異世界にいけるのなら、何度でもしてやる。
 俺は何度も額を打ち付けながら、神様に懇願する。

「図々しいな君......まぁ、儂のせいだからべつにいいけど」
「良いんですかっ!?」
 
 俺がばっと顔を上げ、神様を引かせる。

「う、うん。いいけど、二つ条件があるぞ」

 神様は俺に軽蔑の目を向けながらも、説明をしてくれた。
 一つ目は、俺オリジナル魔法は与えられないこと。
 二つ目は、その世界の魔王を俺がもう一度死ぬ前に倒すことだった。

「良いか?魔王を殺せず死んだら、君はすぐ地獄行きだからの」
「えっ、マジですか。まぁ、だいぶわがまま融通してくれたし、それくらいはしょうがないのか」

 とにかく、俺は魔王を倒せさせすれば、俺の楽しい楽しい異世界ライフが待ってるってこった。
 いや、その前の魔王討伐の旅とかも楽しそうだな。
 一体どんな奴が仲間になるのだろう。
 俺がそんな想像を膨らませていると、神様がよいしょと腰を上げた。

「では、早速転生するからの」

 そういわれ、神様に手を翳されると、俺の意識はふっと消える。

━━━━━━━━━━━━━━━

「......うぅ」

 気がつくと、そこは森だった。
 確かに、街中で転生なんかされても困るが、もう少しましな所にしてほしい。
 俺は倦怠感と共に立ち上がった。

「さて、まずは町......いや、村探しからだな。日が暮れる前に見つけとかないと」

 お天道様は、丁度天辺だ。
 この世界が1日何時間なのかは知らないが、時間が多いとは言いにくそうだ。
 ここは剣と魔法のファンタジーな世界の筈だし、モンスターも出そうだ。昼間とはいえ気をつけて行こう。
 ......ん?魔法?
 そうだ。魔法を使ってみよう。
 やり方わからないけど、体内のマナを外に出すイメージでなんとかしてみよう。
 俺は右手を前にだし、掌から炎を出すイメージをした。

「んっ!くぅぅぅ、おおおっ!」

 駄目だ。出ない。
 何だろう、この世界の魔法は詠唱するタイプなのか?

「ファイア!フレイム!ヒート!」

 それっぽいことをしてみても、何も出ない。
 と、いうか、かなり無駄な時間を過ごしてしまった。
 魔法は一旦諦め、俺は村探しを再会した。
 そういえば、村とか見つからなかったら俺、今日野宿だな。
 村も探しつつ、念のため今日の寝床も確保しておかないと。
 あ、てかその前に、神様に底上げしてもらった身体能力、ためしてみよう。
 俺は左足を後ろに引き、思い切り地面を蹴り、駆け出した。
 やはり身体が軽く素早く動けたが、少し怠く感じる。
 きっとまだ、この身体に慣れていないからだろう。

「おっと」

 俺が森の中を駆けていると、丁度良い洞穴を見つけた。
 そろそろ日が暮れ始める時間なので、今日はここに寝泊まりすることにした。
 バリケードみたいなのをはったりしてれば、モンスターに襲われるのも極力避けることができるだろう。
 そんな事を考えながら、俺は洞穴に踏み入れる。
 やべぇ、異世界楽しい。まだサバイバルみたいな感じだけど。
 俺がそう思った刹那。

「......ッ!?」

 言葉に出来ない程の痛みが、うなじに走った。
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