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「スマホ」
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今日は2月5日の日曜日だ。天気予報では雲しか見えない暗黒の世界が広がり、こんなに水分補給ができる日はないと言っていいほどの土砂降りの歴史に残る日。
こんな日はゆっくり家でのんびりとくつろいでいようと思ってたのに、うっすら明るい朝日が出てきた頃、俺はまだ寝ていたいのにレインはこいつ何を血迷ったか起きて部屋を散らかしながら何かの準備をしている。
「あー早く起きすぎた。だけど8時からサニーとデートだから今日はがんばろうっと!」いやいやこいつは何を言っているんだ。
こんな雨の日に(rain) サニー(晴れ)とデートだと?朝から爆笑を運んできてくれるじゃねえか。傘もさせない俺の気持ちにもなってくれよ。
「服はどれがいいかな?こっちもいいけどこっちもいいな。ちゃんと歯磨きもして顔も洗ってかっこよくいこう。」2年経ってもこいつはまだ初心を忘れちゃいない。少年のような心を持っているんだ。これは君たちはあまり気づかないけどすごいことだぜ?
あっというまに7時だよ。玄関に立て掛けてある鏡に自分をうつし最後のチェックをしてから傘を持ちこいつは家を出ていく。鍵はいつものことだが開けたままだ。
待ち合わせの場所には、こいつらどこを選んだと思う?こんな雨の日に屋根もないちっちゃな公園のブランコだぜ?俺の身にもなってくれびしゃびしゃだよ。もう木の下で雨宿りするしかねえじゃねえか。おっと、こいつ早く来すぎたみたいだな。まだ8時になってねえ。だけど彼女はもういたんだよそれが。ブランコに座って1人で傘を指して。
「会いたかったよー!」こいつ2年目でこのテンション素晴らしいわ。そして、隣のブランコに傘を指して座る。
「私も会いたかったわ!今日は遊園地に行こうとしてたのにね。こんな雨になっちゃったわ。もう映画見に行くしかないわね。」サニーは笑ってるんだ。雨になって気分は下がらない。好きな人に会えるだけで幸せなんだよ。この気持ちは俺にはわからない。好きな人なんて俺にはいない。
「映画かー!それはいい!雨だからすいてるかもしれないしね。2人で映画は久しぶりだねー!いっつもアウトドアな所ばっかり行くもんねっ!」俺は雨で濡れてたからそろそろ凍え死んでしまいそうだ。なのにこいつら話を始めようとしてるえらいこっちゃだほんとに。
こいつらは30分くらい楽しそうに嬉しそうに話し込んでいた。スマホなんかはいらないんだ。俺は30分くらい辛そうに悲しそうに生死をさまよっていた。寒すぎてな。
やっと映画館に向けて公園を2人で相合い傘をして並んで話ながら出ていこうとしているときに、俺はこの公園の銅像が微笑んでいるのを見落としてはいなかった。
こんな日はゆっくり家でのんびりとくつろいでいようと思ってたのに、うっすら明るい朝日が出てきた頃、俺はまだ寝ていたいのにレインはこいつ何を血迷ったか起きて部屋を散らかしながら何かの準備をしている。
「あー早く起きすぎた。だけど8時からサニーとデートだから今日はがんばろうっと!」いやいやこいつは何を言っているんだ。
こんな雨の日に(rain) サニー(晴れ)とデートだと?朝から爆笑を運んできてくれるじゃねえか。傘もさせない俺の気持ちにもなってくれよ。
「服はどれがいいかな?こっちもいいけどこっちもいいな。ちゃんと歯磨きもして顔も洗ってかっこよくいこう。」2年経ってもこいつはまだ初心を忘れちゃいない。少年のような心を持っているんだ。これは君たちはあまり気づかないけどすごいことだぜ?
あっというまに7時だよ。玄関に立て掛けてある鏡に自分をうつし最後のチェックをしてから傘を持ちこいつは家を出ていく。鍵はいつものことだが開けたままだ。
待ち合わせの場所には、こいつらどこを選んだと思う?こんな雨の日に屋根もないちっちゃな公園のブランコだぜ?俺の身にもなってくれびしゃびしゃだよ。もう木の下で雨宿りするしかねえじゃねえか。おっと、こいつ早く来すぎたみたいだな。まだ8時になってねえ。だけど彼女はもういたんだよそれが。ブランコに座って1人で傘を指して。
「会いたかったよー!」こいつ2年目でこのテンション素晴らしいわ。そして、隣のブランコに傘を指して座る。
「私も会いたかったわ!今日は遊園地に行こうとしてたのにね。こんな雨になっちゃったわ。もう映画見に行くしかないわね。」サニーは笑ってるんだ。雨になって気分は下がらない。好きな人に会えるだけで幸せなんだよ。この気持ちは俺にはわからない。好きな人なんて俺にはいない。
「映画かー!それはいい!雨だからすいてるかもしれないしね。2人で映画は久しぶりだねー!いっつもアウトドアな所ばっかり行くもんねっ!」俺は雨で濡れてたからそろそろ凍え死んでしまいそうだ。なのにこいつら話を始めようとしてるえらいこっちゃだほんとに。
こいつらは30分くらい楽しそうに嬉しそうに話し込んでいた。スマホなんかはいらないんだ。俺は30分くらい辛そうに悲しそうに生死をさまよっていた。寒すぎてな。
やっと映画館に向けて公園を2人で相合い傘をして並んで話ながら出ていこうとしているときに、俺はこの公園の銅像が微笑んでいるのを見落としてはいなかった。
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