MY LIFE

れん

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「帰れ!」

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 映画館に行く道の最中で俺はこいつらの後ろを歩いている男に気づいていた。ずっと後ろにいるんだ。おかしいと思わないやつがどこにいる?しかも服装はというと黒いジャージにマスクをつけて、不審者です。と言ってるようなもんだ。この不審者さんには名前をつけてあげよう。スペンスと呼ぶことに決めた。スペンスは傘も指してないんだぜ?結構やばいやつだ。だがこいつらは気づかないんだよそれが。どこまでもバカだ。話に夢中で気づく気配はどこにもない。雨の音で何を話しているのかは聞こえない。

 そんな中映画館が見えてきた。やっと着いたよ。早く中に入りたいよ。だがこいつら何の映画を観るんだろう?普段おかしなことを話しているこいつらからすると、コメディ映画か?それとも逆に純愛ラブストーリーか?ちなみにスペンス映画館まで来てるぜ。

「こちら映画の一覧表でございます。何をご覧になられますか?当映画館は昔の映画から最近の映画、洋画から邦画、ジャンルはなんでも揃っています。」受付がめんどくさそうに言っている。名札を見てみるとヤンショーと書いている。こいつの名前か?まあいい気にしないでおこう。ヤンショーは多分マニュアルであろうこの台詞を毎日々々、次の日にはいや一時間後には顔を忘れているであろう客に言っているんだ。そりゃ疲れるよ。なんでこんな仕事してるんだ。
「もうレインと観る映画は前から決めてたのよ。絶対に観るって!これよ!」サニーが指差しているのは『部活で顧問に帰れ!と言われたときは逃げ場はないよね』という意味のわからん映画だ。こんなものつまらないに決まっている。サニーは本気で言ってるのか?前から決めてたんだぜ?彼氏と観る映画。これかよ。
「いや、ダメだ。その映画は観たくない。前から決めてたのならまた次の機会に観よう。今日はこれが観たい。」レインいつになく真剣な顔してる。賭けにでたか?気になるその映画は『君が好き』。はい!ナイスだ!こいつやっと分かってきたか。このタイトルからしてめちゃくちゃ恋愛映画感がする。意外とこんな一面もあるんだよこいつは。
「え、、、ま、まあいいけど。今日はその映画にしましょっ!」そりゃ驚くわ。いつもヘラヘラしてて意味のわからんやつなのに、いつもと違うんだよ。サニーもびっくりするよそりゃ。だがここで断らなかったのがこいつもいつもと違うけどな。いつもなら、『部活で顧問に帰れ!と言われたときは逃げ場はないよね』の映画をごり押しするに決まってる。こいつも大人になったものだ。

 映画館に来る道中のヘラヘラした雰囲気とはまた違う雰囲気になっているお二人さん。レインは何かしら賭けにでているのは表情とか態度とかでわかる。それに気づいているのかいないのか、サニーもいつもと違うんだ。人間は不思議なものだ。

 おっと忘れちゃならねぇ。スペンスはこのお二人さんをチラチラ見ている。不審すぎて気味が悪い。なんなんだこいつは。
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