Awakening

Awakening〝覚醒者〟

はるか昔…
食べる、寝る、走る、等の
通常、人間が持つ普通の力を100%発揮することができたなら…
そう考え、たゆまぬ努力の結果100%の力を発揮することができた男は
後世の子孫達に
100%の力を遺伝させていった…

世界は
人間が持つ通常の力を100%発揮できるAwakening〝覚醒者〟達の世界へと生まれ変わり
その力を奪い、支配する側のRuler〝支配者〟と
その支配から抵抗するResister〝抵抗者〟
の２つの覚醒者が争う世界となった


当然ながら中には非覚醒者達もいたが
皆、覚醒者達に殺されるか
耐えきれず支配者になるか
抗う事を覚悟して抵抗者になるか
いずれかの選択を迫られた…。





～町の酒場～



ハァハァハァ…

『おい、どうするんだよこれから！』

「なんとか私の力で切り抜けられたわね…でもそろそろ次のRulerルーラーが来るわよ…なんとかしないと…」

“フ…フォーグの能力…ここ…怖いよ…なんでそんな簡単に記憶を奪えるのさ…”

「アンタがビビリすぎなだけよメモリー
私は相手が敵だからそうしてるだけ、それに私の能力は触れた者の記憶を消すだけ、ルーラー達とは違って奪ったりはしない！
まぁ、消えた記憶がどこに行くのかはわからないけどね…

それより#Ex_エックス__#そろそろ〝慣れ〟てきた？」

『…あぁ…じゅうぶんだ…ありがとう、フォーグ、メモリー…』



ガシャンパリン



「！？追っ手！」


《おうおうおうおうおうおうおうおうおうおうおうおうおうおう！
テメェェェラか⁉︎ コイツの記憶を奪った連中は！》

『おうおうがなげぇよ…それにフォーグの力は人間が持ってる忘れる力を100%発揮した力で、ただただ、自分自身か触れた者の記憶を忘れさせるだけの力なんだ…
記憶を奪うなんて真似なんかしない…
お前らと違ってな！』

《なんだテメェェェ…まさかその手に持ってるフォークだけでオレとヤろうってんのか！？》


『82回…』

《あ！？》

『82回……俺はこの店に入ってから豆が入ったスープの豆を一粒ずつ丁寧にフォークを使って食べた…』

《それがどうしたっつぅんだよ！死ね！》


チンピラルーラーの拳がエックス達に直撃しテーブルごと吹き飛ばされる



《どうだテメェェェラ！土下座して謝りゃあルーラーに入れてやらんでもねぇぞゴルァ！》


『誰が…そんなとこ…入るかよ…俺たちは抵抗者…Resisterレジスターだ！！』

上半身裸で無傷で出てくるエックス

《！？馬鹿な！無傷だと！？切傷や火傷の痕が多い身体だが、今俺様がつけた傷じゃねぇ…一体…どういうことだ！》

『俺が持つ力は〝慣れ〟これも人間が通常持っている力さ…
それが100%発揮できる！
この意味がわかるか？』

《…？？？？》

『やはりチンピラルーラーごときじゃバカすぎてわからないみたいだな…

1度殴られたら1回殴られた痛みに慣れ
1度火傷したら1回火傷の痛みに慣れる
その他にも裂傷や凍傷…
ありとあらゆる痛みを経験し慣れたら
肉体が痛みを覚え効かなくなるんだよ！』

『そしてこれが82回使い慣れたフォークだぜっ！』
そう言いながらトドメを刺すエックス


《バカな…ありとあらゆる痛みを…経験し…慣れただと…？そんなこと…絶対…ありえ…ねぇ……っ………》

倒れるチンピラルーラー





第1章   完