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第一章:生活基盤を整えます
4.フリーター、空腹を訴える ※
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ちょっとした通り雨だったのか、ザアザアと降っていた雨が1時間ほどで止み、ぴちょんぴちょんと響く水滴の音とか、生暖かく湿った夕べの空気の匂いを感じながら、私はある重大なことに気が付いた。
「おなか空いた…」
…いや、仕方ないと思いませんか?
今日は朝の10時に会社の面接の予定があって、朝の8時から何もたべていないんですから。今は…スマホの時計を見ると『18:10』…。ちょっと早い気もするけど、立派に夕飯のお時間ですよ。
会社面接に行った後、どこかでランチでもしようかと思っていたので、バッグには食べ物なんてブレスケア的なタブレットやら、キャンディやらしか入っていないんです。
後は、逃げ回った時にちょっと飲んだミネラルウォーターが200ml程度残ってる位で。…必死に走ってる時は空腹なんてどうでもよかったんだけど、安全地帯でホッと一息ついてると、急に自覚しちゃうもんですね。さっきまで大人しかった私のおなかも『ちきしょう、思い出したぜ!』とばかりに、グゥグゥと自己主張のドラムロール演奏を始めてるし。
とりま、先ほどダウンロードしたアプリに、『おなかが空きました。何かありませんか?』という訴えをしてみようかと思っているのですが……それが、ちょっとね。
いや、さっきまで走り回っていた森を思い出してみてくださいな。 ゴブリンは原住民を襲うし、生態系のよくわからない獣が跋扈してるし、虫ですら巨大なのですよ?ドッヂボール大のカナブンとか、フツーに飛んでいるし、ヒグマサイズのカマキリとか、マジ無理じゃない?
頭蓋骨よりデカいカナブンに体当たりされたら、私の頭蓋骨が陥没しそう。巨大カマキリなんて、マジで『首ちょんぱ★』確実………ああ、私、やっぱり生態系の底辺になってるんだ…というよりも、その辺が差し出されたら、食べられる自信がないです。
あれ?なんか生きるの辛くね?
そんなことを考えながら、きれいにベッドメーキングされた自室のベッドで、「おなかすいたなー、外出たくないなー」と、何とはなしにつぶやきつつゴロゴロしながら、私はちょっと前のことを思い出していた。
家本体に魔力?で住人登録を行い、スマホにもユーザー登録が必要だったので、自分の名前を入力する運びになり、『|支倉はせくら》 麻衣』と本名を入力した。…こういう異世界テンプレだと、真名を取られると支配される…みたいな流れがあるかもと少し考えたが、この場合は自分が主人のようなので、支配力が云々とかあるかもしれないとも考え、とりあえず本名を登録してみた。
…大丈夫ですよね?(不安)
その後精霊さんの案内で、見違える程クリーンな空気に満たされて明るくなったこの家の探検を始めた結果、ここが広めな平屋の2LDKであることが分かった。
外観は一見木造の小屋のようであるが、登録者の魔力で更新すると、とてつもない強度になるらしく、外壁は真っ白の可愛いおうち風で、内壁はナチュラルウッド系の色調でおちつきのある雰囲気だが、外壁の守りは下手な魔獣の体当たりや火炎放射程度じゃビクともしないし、刺突や打撃の物理攻撃のみならず、魔法攻撃なんかも跳ね返すそうだ。
…………攻撃を跳ね返す…攻撃…ですか……いえ、いいですけど。
で、以前住んでいた住人が本の虫だったらしく、住人登録を行った部屋には書き物机と壁を埋めるような本棚の他に、セミダブルサイズのベッドも置いてあった。どうも、書斎兼寝室といった趣だったようで、前住人は本を読みながら寝てしまうような、割とものぐさな研究者というイメージがある。
まあ、私もあんまり広い部屋で寝るのも怖いので、そのままここを寝室にさせてもらおうと思っているのだが。
はい、貧乏性でビビりなんで。
あと、机に設置されてる玉から離れたくないのもあるし。というのも、なんとこの玉、スマホの充電ができるのだ!充電器の上に載せるだけで充電できるシステムのスマホだったからだろうか? 立てかけておくだけであら不思議。電池満タンでございます。ありがたやありがたや…。
ちなみに、クローゼットもこの部屋にあり、数枚のローブらしきものがまだ着れそうだったので、家精霊さんにクリーニングしてもらってから部屋着にさせてもらっている。サイズは結構大きいんだけど、スーツじゃゴロゴロ寝られないからね。
で、もう一部屋は研究室…みたいなものだったのだろうか? この家に入ってきたときに微かに漂っていた薬草というか乾燥ハーブみたいな匂いは、ここに貯蔵されていた葉っぱ類から薫っていたと思われる。ただ、住民不在期間が何十年だか何百年だかの単位なので、一部魔法で劣化しないよう処理されていたもの以外の植物やナマモノはほぼ全滅。しかし、鉱石や鉱物などはの経年劣化するようなものではないので、このあたりは無事なようだ。
……魔法、魔法ね……
後はお風呂にトイレに台所…。この辺は、家電アプリでの操作が可能らしく、なんかスマートリモコンで色々調節してくれるらしい。
…オール家電ならぬオール家精霊……うむ。まさかこんな異世界で夢のような家電生活が送れるとは…なんだろう、そんなに喜びがわかない……とりあえず、感謝を込めて家の隅っこにミルクでも置いておいた方がいいんですかね………あれは妖精だっけ? どう違うんだろ……
……あ、いえ、ゴホン、本題に戻ります。
えーっと、まず、トイレは洋式便座のような座るタイプだった。一度小用で使用してみたが、水音もバキュームする音も、ましてボットン的な音もしなかったので、システムを聞いてみたら、家精霊さんが空気分解してくれているそうな。
…究極にエコですな。ただ、空気に分解された物質は、そのまま換気扇的な何かからお外の風に流されてくれると信じていますから…。
そして、お風呂は割と広めで、足を延ばして入れるネコ脚のバスタブが可愛かった。洗い場にはヘッドが動くシャワーがあって、洗い場と浴槽がセパレートしているタイプだったのが、日本人的にはものすごくうれしい。お高いホテルみたいな内装にテンションを上げていると、
≪風呂は準備しておくから後で呼ぶ≫
と、メッセージ越しではあるものの、黒電話さん直々のお言葉に、思わず90度の角度で「ありがとうございます!」と最敬礼で感謝の意を表してしまった。
最後にキッチンは…ちょっとカマドとかだったらどうしようかと思っていたが、やはりそこも家精霊さんが…というよりも、前住人さんのセンスがブレイク。コンロのスイッチをひねると発火し、細かい火加減とかも自由自在。グリルやオーブンも設定されており、ホント、こんなに私の心をくすぐりつつ、ライフスタイルがバッチリ合ってしまう前住民さんってナニモノだったのかすごく気になった。 …これが異世界標準レベルなんだろうか…? それにしても、
私、この家出たら生きていけないんじゃね?
そんな不安に陥りつつも、私はベッドで「腹減ったなー…」とつぶやきながらゴロゴロしている。
時間は19時を回った所で、窓の外は夕闇に閉ざされかかっていた。
その時。
『シュパッ』
一瞬窓の外が光り、何かが空を切り裂く音がした。私は上体を起こして耳を澄ませると、数秒後に
『ドゴォーーンッ!!』
と、家の前に何か巨大なものが落下したような音が響いた。家は特に揺れたりしなかったが、ものすごい落下音にビックリして、スマホを持って急いで玄関まで走って行った。
≪みてみて、ばんごはん≫
≪ばんごはん、とれた≫
≪とてもしんせんなおにく≫
≪どうぞめしあがれ≫
このタイミングでヒュコッヒュコッと着信するメッセージを見るのも恐ろしいが、扉を開けつつ見るしかあるまい。
私は、家の前にある庭の中央に膝を震わせつつ佇みながら、先ほどの炸裂音に落とされたと思しき巨大な生物をボー然となって見下ろした。体の厚みの半分以上が地面に埋まっているため、目の高さよりは下に位置しているのだ。
≪ひとのこ、おなかぐーぐー≫
≪いきものはいきものをたべないといきられないんだって≫
≪だめだめ、しんじゃだめ≫
≪やだやだしなないで≫
≪おなかいっぱい、めしあがれ≫
おなかいっぱいて……
「………ごめんなさい…胸がいっぱいで……こんな大きなドラゴンさんなんて食えません……」
私は膝から崩れ落ちて天を仰ぎ、涙にくれた……。
禍々しい牙を剥き出しにして口をパッカリ開け、だらりと舌を垂らしているドラゴン氏の無念そうな白目が怖かったです。
その後、精霊ミサイルに撃ち落された不幸なドラゴンの死体は家精霊さんが文字通り瞬く間に回収し、庭にはドラゴンの形をした穴がポッカリ空いたままになったため、それを目にする私を大変いたたまれない思いにさせた。
そして、涙にくれる私に、家精霊さんが庭に生えてる木からリンゴのような果実を取ると良いと教えてくれたので、早速2つ程もぎ取っては貪り食い、精霊的処理して作ってくれた飲み水で喉を潤す。
…家精霊さんには感謝しかない……(/_;)
ようやく私が人心地をつけた時、スマホの時計は20時を回っていた。
それなりに満たされた後、私は再びスマホ片手にベッドでゴロゴロしながら、あまりにも濃すぎる一日に何とはなしに思いを馳せていた。
なんかもう、就職とか……別世界のようだな……。
フリーター生活を脱却しようと、あれだけ就職活動頑張っていたというのに…
まだ半日も経っていないとはいえ、生命の危機を乗り越えると、人はこうも変わってしまうのか……
………とかなんとか、なんとなくそれっぽいこと言ってみた。
すみません、何も変わってません。やっぱり就職して安定したいです、ごめんなさい。
やはり、人間なんて早々変われるものじゃないなとか、つらつらと考えていると、
≪風呂の用意ができた。入りに来るといい≫
と、黒電話さんからメッセージが入って飛び起きた。
「待ってました。すっごく待っていましたよ!!」
私は小躍りして部屋から出た。タオルっぽい布などは脱衣所に用意されているそうなので、私は鼻歌を歌いながら化粧ポーチ一つで浴室に向かう。
精霊的不思議な力があるらしいのに、割と時間がかかっていた様であるが。
こんな水道も完備されてなさそうな山の中でお風呂に入るなんて、きっと贅沢なんだろうなと、申し訳ない気持ちもあったが、とりあえず今日の疲れを落としてリフレッシュしたいとの思いが強く、好意を謹んで受け取らせていただこうと思った所存である。
え?知らない家で裸とか恥ずかしい? いやいや、精霊さんですよ?
それなりに成人を迎えてるとは言え、人外さんがこんな小娘の裸なんて興味ないでしょう。
私はフンフンと上機嫌で、バサーっとサイズオーバーなローブを脱ぎ去った。すると、何もつけていない裸体が露わになり、思わず我に帰って目をそらしてしまう。
…はい、下着類は洗ってもらって乾かしているので、下はマッパです。
…どうか、非常事態の乙女の事情は、あまり追及しないでほしいと思います。
気を取り直して、浴室の扉を開けると中は程よい湿気に包まれており、まずは洗い場で体を洗う。…とはいっても、洗剤類は置いてないので、布でこすってお湯で流すだけなんだけど…
それでも気分は違うので、お湯で流せるだけでもうれしい。
シャーーッ とシャワーで頭からお湯を浴び、化粧ポーチに入れていた少量チューブの洗顔料で顔を洗い、残りの泡を何とか引き延ばして体や足なども洗うと、爽快感が半端ない。
はぁーーーー生き返った。気持ちいい。
そしてある程度体を流した後、私はいよいよ透明無色なお湯を張ったネコ脚の浴槽に手を入れた。
トローーリ…
…? お湯にトロみがある? …入浴剤でも入れたのかな?
不思議とトロンと粘りのある感触がしたが、そういう入浴剤なども使ったことがあるため、そんなものかと特に疑問に思わず右足のつま先を入れた。
チャプン。………サワワッ……
……?今、ちょっと足首あたりにまで上がってこなかった?…気のせい…?
そう思いながらも、そのまま右足を浴槽に入れると、急にお湯がパッと透明なピンク色に染まり…
「ええっ!? 色が変わっ…きゃっ!」
突然トロトロのお湯が、私の全身に被さってきた。
なにそれっ!?
私は声もなく、タルンタルンと波打つお湯に浴槽へ引きずり込まれて出られない。
「い、いやっ!何このお湯!?お湯じゃないのっ!?ヌルヌル滑って出られない!」
ピンクのお湯は私の全身に絡みつき、まるで生き物のようにブルブルと蠕動を始めると、私の体を這いずり始めた。
「い、いやっ!…あ、あぁっっ!!」
咄嗟に何が起こっているのかわからず、私は混乱してされるがままとなった。
すると、こいつは、ぐっちょぐっちょ と、音を立てながら私の体を飲み込み、つま先から腿にかけて這いあがると同時に腰から背中にかけてぞわぞわと刺激してくるではないか。
私は不意に背筋に感じる感触に、ゾクゾクと体を震わせた。
「あっ、あっ。やめっ、そこ、やめてっ」
どういう仕様なのか、程よく温かいお湯のフリした何某かは、徐々に胸やお尻を揉みしだくような動きを見せ始める。
無機質な液体のくせしてやたらと慣れた動きを見せ、私は妙な気持ちよさを感じ始めてグネグネとくねって体を離そうともがいてみたが、相手は一枚上手のようだ。
「ちょっ、だめぇっ!それ以上だめっ!」
どんなに抵抗しても、粘体のようなお湯は私の抵抗の全てを絡めとってあらゆる場所を揉みしだき、抵抗の力を徐々に奪っていくと、更にきわどい部分をなぶり始めた。
「いや、乳首いじっちゃいやっ!」
きゅっきゅっきゅっ と、お湯は私の胸をやわやわと揺さぶりながら乳首に吸い付き、時折硬度のある部分でクリクリと弄ぶので、私は思わずゾクリと背筋をそらして無防備な胸をさらけ出す。
そして、お湯はそんなさらけ出された私の胸を下から揉み上げては敏感になったとがりの先っぽを絶え間なく刺激し続けた。
「あ、あ、あっ。やだっ、何かクる。」
それと同時に、お湯はそれまで一向に触れなかった陰部の花弁に割入って、その隘路を上下にこすり始め、上部に触れる陰核もチュコチュコと責めたてたので、私はたまらず
「あぁっ、やぁぁあっ!!」
と声を上げて絶頂し、体をビクンビクンと痙攣させて、はぁはぁと運動した後のように呼吸を乱した。お湯の中でも自分の股間がひどいことになっているだろうと自覚する。
すると、私の股間のあたりからピンクのお湯が徐々に淫靡なまでに色濃くなり、全身にさざ波を起こしてざわめき出し、私の両手両足を開くように拘束したと思ったら、全身を激しく愛撫し始めたではないか。
「あんっ、あんっ、いや、さっきイッたから、イッてるからぁっ!!」
この如何わしい粘体はこれだけ人の体を弄びながらも、不思議と口腔や膣などの体内には入ってこないのだが、耳介や耳たぶを舐め上げ、脇やへそのくぼみををくすぐっては背中の敏感な部分を舐るような感触を加えるので、私は身悶えをして震えあがった。
「もう、いや、いやっ!ああンっ!」
そして、お湯の責め苦は勢いを止めず、柔らかくも硬度を持った一部で私の花弁から陰核にかけて何度もしつこく弄び擦り上げ、胸を揉みこみながら乳首をピンピンと弾いて捻り上げる。それだけでも、狂う程もどかしい快感に晒され
「もうだめ、だめだめだめぇっ!!助けてっ!!」
と絶叫して、背中を弓なりに反らせて再び達し、その後私の意識は途切れた………。
………何が起こったんでしょうかね……。
ふと、意識が浮上してくる感覚があり、気づくと私はベッドの上で覚醒した。
どうもあの後気絶して、そのまま疲れから眠ってしまったらしい。
深い眠りについたためか、案外体も頭もスッキリしている。
風呂場で何某かに性的に襲われ、私は気絶した所を精霊さんたちに救われてベッドに運ばれた様だ。
一体、風呂場で何が起こったのか、私は精霊さんに尋ねた。
≪ごめん、ごめんね。しげきがつよすぎた≫
≪でも、からだはすべすべ≫
≪ひゃくせんれんまのすごうでなんだよ≫
≪むかしむかしから、あのすらいむはだいにんき≫
≪おふろのおともにだいにんき≫
は? なんだって?
≪あの種のスライムは、生物の老廃物や体液を糧として生きているため、他種族の体の表面を滑らかにする。特に貴族と言われる人の子の雌に人気があるため、人の子が喜ぶだろうと連れてきたのだ≫
なんだ、そのドヤな感じ…っ
あまりにも無邪気な発言に、私の顔は盛大にひきつった。きっと額には青筋がたっているだろう。
ちょっ、おまっ…何人に無断でスライムけしかけてるんだよっ!?
しかも、あいつ絶対エロ同人誌で大人気系のヤバいやつじゃねっ!?
貴族の女子に人気って…絶対それエマ〇エル夫人とかチャタ〇イ夫人とか、昭和の雰囲気漂うエロ洋画系御用達なんじゃないですか!?
それってホントにマダムたちは美肌だけが目的なんでしょうかね!?
≪ねーねー、おはだすべすべでしょ?≫
≪むだげのしょりもとくいなんだって≫
≪りぴーたーぞくしゅつのかりすますらいむ≫
ムダ毛とか、誰が言ってるんだよ!?おまえらに毛なんて生えねーだろうがっ!!
スライム姦で全身脱毛エステなんて、異世界女子どうなってんの!?
そして、誰が人としての尊厳かなぐり捨ててまで下の毛も全部処理してくれって言いましたか!?
お見せすることはありませんけど、すっかりツルツルにされてるんですが!
そしてピカピカの処女になんつー汚らわしい粘体けしかけてくれてるんですか、あんたたちっ!!
怒涛の様にまくしたてたいが、あまりの衝撃に声が出ない。
すると、黙っている私に何を勘違いしたのか、無邪気な人外さんたちは嬉しそうに言葉を続ける。
≪「お嬢ちゃんいい匂いするから、おじさんはりきっちゃったよ。でも大事なところは彼氏に慰めてもらいな」と言っていたな。仕事人のスライムに我を忘れさせるとは、さすがだな、人の子≫
≪さすがさすが!≫
≪ひゅーひゅーっ!≫
ぉおおおいっ!! あいつスライムのくせにおじさんなのかよっ!?もっといやだわ!!
おまえみたいな穢れきったピンクの粘液に彼氏とかいわれたくねぇからっ!!
その伝説のAV男優みたいなスライムが本当にそんなこと言ったんですか!?
っていうか、さすがじゃねぇからっ!!!
「………おまえら、ホントにいい加減にしてください!!!」
私は泣きながら怒りを訴えたが、精霊さんたちにはイマイチ通じなかった。
その後、憤死しそうな位怒り狂った私にお願いされ、家精霊さんによってあのおっさんスライムは浴室から放り出された。その後、ドラゴンが落ちた庭の穴にブッ込まれ、そこから移動しないように結界で拘束された。
そのうち干からびるといいなと思ったが、きっとあいつはしぶとい。
精霊の棲む家の庭には竜の形の池があり、そこに百戦錬磨のエロスライムが常駐することとなる。
時々忙しなく色を変え、風もないのに水面がざわめいている姿を目に入れると、私は無性に埋め立ててやりたい衝動にかられた。
「おなか空いた…」
…いや、仕方ないと思いませんか?
今日は朝の10時に会社の面接の予定があって、朝の8時から何もたべていないんですから。今は…スマホの時計を見ると『18:10』…。ちょっと早い気もするけど、立派に夕飯のお時間ですよ。
会社面接に行った後、どこかでランチでもしようかと思っていたので、バッグには食べ物なんてブレスケア的なタブレットやら、キャンディやらしか入っていないんです。
後は、逃げ回った時にちょっと飲んだミネラルウォーターが200ml程度残ってる位で。…必死に走ってる時は空腹なんてどうでもよかったんだけど、安全地帯でホッと一息ついてると、急に自覚しちゃうもんですね。さっきまで大人しかった私のおなかも『ちきしょう、思い出したぜ!』とばかりに、グゥグゥと自己主張のドラムロール演奏を始めてるし。
とりま、先ほどダウンロードしたアプリに、『おなかが空きました。何かありませんか?』という訴えをしてみようかと思っているのですが……それが、ちょっとね。
いや、さっきまで走り回っていた森を思い出してみてくださいな。 ゴブリンは原住民を襲うし、生態系のよくわからない獣が跋扈してるし、虫ですら巨大なのですよ?ドッヂボール大のカナブンとか、フツーに飛んでいるし、ヒグマサイズのカマキリとか、マジ無理じゃない?
頭蓋骨よりデカいカナブンに体当たりされたら、私の頭蓋骨が陥没しそう。巨大カマキリなんて、マジで『首ちょんぱ★』確実………ああ、私、やっぱり生態系の底辺になってるんだ…というよりも、その辺が差し出されたら、食べられる自信がないです。
あれ?なんか生きるの辛くね?
そんなことを考えながら、きれいにベッドメーキングされた自室のベッドで、「おなかすいたなー、外出たくないなー」と、何とはなしにつぶやきつつゴロゴロしながら、私はちょっと前のことを思い出していた。
家本体に魔力?で住人登録を行い、スマホにもユーザー登録が必要だったので、自分の名前を入力する運びになり、『|支倉はせくら》 麻衣』と本名を入力した。…こういう異世界テンプレだと、真名を取られると支配される…みたいな流れがあるかもと少し考えたが、この場合は自分が主人のようなので、支配力が云々とかあるかもしれないとも考え、とりあえず本名を登録してみた。
…大丈夫ですよね?(不安)
その後精霊さんの案内で、見違える程クリーンな空気に満たされて明るくなったこの家の探検を始めた結果、ここが広めな平屋の2LDKであることが分かった。
外観は一見木造の小屋のようであるが、登録者の魔力で更新すると、とてつもない強度になるらしく、外壁は真っ白の可愛いおうち風で、内壁はナチュラルウッド系の色調でおちつきのある雰囲気だが、外壁の守りは下手な魔獣の体当たりや火炎放射程度じゃビクともしないし、刺突や打撃の物理攻撃のみならず、魔法攻撃なんかも跳ね返すそうだ。
…………攻撃を跳ね返す…攻撃…ですか……いえ、いいですけど。
で、以前住んでいた住人が本の虫だったらしく、住人登録を行った部屋には書き物机と壁を埋めるような本棚の他に、セミダブルサイズのベッドも置いてあった。どうも、書斎兼寝室といった趣だったようで、前住人は本を読みながら寝てしまうような、割とものぐさな研究者というイメージがある。
まあ、私もあんまり広い部屋で寝るのも怖いので、そのままここを寝室にさせてもらおうと思っているのだが。
はい、貧乏性でビビりなんで。
あと、机に設置されてる玉から離れたくないのもあるし。というのも、なんとこの玉、スマホの充電ができるのだ!充電器の上に載せるだけで充電できるシステムのスマホだったからだろうか? 立てかけておくだけであら不思議。電池満タンでございます。ありがたやありがたや…。
ちなみに、クローゼットもこの部屋にあり、数枚のローブらしきものがまだ着れそうだったので、家精霊さんにクリーニングしてもらってから部屋着にさせてもらっている。サイズは結構大きいんだけど、スーツじゃゴロゴロ寝られないからね。
で、もう一部屋は研究室…みたいなものだったのだろうか? この家に入ってきたときに微かに漂っていた薬草というか乾燥ハーブみたいな匂いは、ここに貯蔵されていた葉っぱ類から薫っていたと思われる。ただ、住民不在期間が何十年だか何百年だかの単位なので、一部魔法で劣化しないよう処理されていたもの以外の植物やナマモノはほぼ全滅。しかし、鉱石や鉱物などはの経年劣化するようなものではないので、このあたりは無事なようだ。
……魔法、魔法ね……
後はお風呂にトイレに台所…。この辺は、家電アプリでの操作が可能らしく、なんかスマートリモコンで色々調節してくれるらしい。
…オール家電ならぬオール家精霊……うむ。まさかこんな異世界で夢のような家電生活が送れるとは…なんだろう、そんなに喜びがわかない……とりあえず、感謝を込めて家の隅っこにミルクでも置いておいた方がいいんですかね………あれは妖精だっけ? どう違うんだろ……
……あ、いえ、ゴホン、本題に戻ります。
えーっと、まず、トイレは洋式便座のような座るタイプだった。一度小用で使用してみたが、水音もバキュームする音も、ましてボットン的な音もしなかったので、システムを聞いてみたら、家精霊さんが空気分解してくれているそうな。
…究極にエコですな。ただ、空気に分解された物質は、そのまま換気扇的な何かからお外の風に流されてくれると信じていますから…。
そして、お風呂は割と広めで、足を延ばして入れるネコ脚のバスタブが可愛かった。洗い場にはヘッドが動くシャワーがあって、洗い場と浴槽がセパレートしているタイプだったのが、日本人的にはものすごくうれしい。お高いホテルみたいな内装にテンションを上げていると、
≪風呂は準備しておくから後で呼ぶ≫
と、メッセージ越しではあるものの、黒電話さん直々のお言葉に、思わず90度の角度で「ありがとうございます!」と最敬礼で感謝の意を表してしまった。
最後にキッチンは…ちょっとカマドとかだったらどうしようかと思っていたが、やはりそこも家精霊さんが…というよりも、前住人さんのセンスがブレイク。コンロのスイッチをひねると発火し、細かい火加減とかも自由自在。グリルやオーブンも設定されており、ホント、こんなに私の心をくすぐりつつ、ライフスタイルがバッチリ合ってしまう前住民さんってナニモノだったのかすごく気になった。 …これが異世界標準レベルなんだろうか…? それにしても、
私、この家出たら生きていけないんじゃね?
そんな不安に陥りつつも、私はベッドで「腹減ったなー…」とつぶやきながらゴロゴロしている。
時間は19時を回った所で、窓の外は夕闇に閉ざされかかっていた。
その時。
『シュパッ』
一瞬窓の外が光り、何かが空を切り裂く音がした。私は上体を起こして耳を澄ませると、数秒後に
『ドゴォーーンッ!!』
と、家の前に何か巨大なものが落下したような音が響いた。家は特に揺れたりしなかったが、ものすごい落下音にビックリして、スマホを持って急いで玄関まで走って行った。
≪みてみて、ばんごはん≫
≪ばんごはん、とれた≫
≪とてもしんせんなおにく≫
≪どうぞめしあがれ≫
このタイミングでヒュコッヒュコッと着信するメッセージを見るのも恐ろしいが、扉を開けつつ見るしかあるまい。
私は、家の前にある庭の中央に膝を震わせつつ佇みながら、先ほどの炸裂音に落とされたと思しき巨大な生物をボー然となって見下ろした。体の厚みの半分以上が地面に埋まっているため、目の高さよりは下に位置しているのだ。
≪ひとのこ、おなかぐーぐー≫
≪いきものはいきものをたべないといきられないんだって≫
≪だめだめ、しんじゃだめ≫
≪やだやだしなないで≫
≪おなかいっぱい、めしあがれ≫
おなかいっぱいて……
「………ごめんなさい…胸がいっぱいで……こんな大きなドラゴンさんなんて食えません……」
私は膝から崩れ落ちて天を仰ぎ、涙にくれた……。
禍々しい牙を剥き出しにして口をパッカリ開け、だらりと舌を垂らしているドラゴン氏の無念そうな白目が怖かったです。
その後、精霊ミサイルに撃ち落された不幸なドラゴンの死体は家精霊さんが文字通り瞬く間に回収し、庭にはドラゴンの形をした穴がポッカリ空いたままになったため、それを目にする私を大変いたたまれない思いにさせた。
そして、涙にくれる私に、家精霊さんが庭に生えてる木からリンゴのような果実を取ると良いと教えてくれたので、早速2つ程もぎ取っては貪り食い、精霊的処理して作ってくれた飲み水で喉を潤す。
…家精霊さんには感謝しかない……(/_;)
ようやく私が人心地をつけた時、スマホの時計は20時を回っていた。
それなりに満たされた後、私は再びスマホ片手にベッドでゴロゴロしながら、あまりにも濃すぎる一日に何とはなしに思いを馳せていた。
なんかもう、就職とか……別世界のようだな……。
フリーター生活を脱却しようと、あれだけ就職活動頑張っていたというのに…
まだ半日も経っていないとはいえ、生命の危機を乗り越えると、人はこうも変わってしまうのか……
………とかなんとか、なんとなくそれっぽいこと言ってみた。
すみません、何も変わってません。やっぱり就職して安定したいです、ごめんなさい。
やはり、人間なんて早々変われるものじゃないなとか、つらつらと考えていると、
≪風呂の用意ができた。入りに来るといい≫
と、黒電話さんからメッセージが入って飛び起きた。
「待ってました。すっごく待っていましたよ!!」
私は小躍りして部屋から出た。タオルっぽい布などは脱衣所に用意されているそうなので、私は鼻歌を歌いながら化粧ポーチ一つで浴室に向かう。
精霊的不思議な力があるらしいのに、割と時間がかかっていた様であるが。
こんな水道も完備されてなさそうな山の中でお風呂に入るなんて、きっと贅沢なんだろうなと、申し訳ない気持ちもあったが、とりあえず今日の疲れを落としてリフレッシュしたいとの思いが強く、好意を謹んで受け取らせていただこうと思った所存である。
え?知らない家で裸とか恥ずかしい? いやいや、精霊さんですよ?
それなりに成人を迎えてるとは言え、人外さんがこんな小娘の裸なんて興味ないでしょう。
私はフンフンと上機嫌で、バサーっとサイズオーバーなローブを脱ぎ去った。すると、何もつけていない裸体が露わになり、思わず我に帰って目をそらしてしまう。
…はい、下着類は洗ってもらって乾かしているので、下はマッパです。
…どうか、非常事態の乙女の事情は、あまり追及しないでほしいと思います。
気を取り直して、浴室の扉を開けると中は程よい湿気に包まれており、まずは洗い場で体を洗う。…とはいっても、洗剤類は置いてないので、布でこすってお湯で流すだけなんだけど…
それでも気分は違うので、お湯で流せるだけでもうれしい。
シャーーッ とシャワーで頭からお湯を浴び、化粧ポーチに入れていた少量チューブの洗顔料で顔を洗い、残りの泡を何とか引き延ばして体や足なども洗うと、爽快感が半端ない。
はぁーーーー生き返った。気持ちいい。
そしてある程度体を流した後、私はいよいよ透明無色なお湯を張ったネコ脚の浴槽に手を入れた。
トローーリ…
…? お湯にトロみがある? …入浴剤でも入れたのかな?
不思議とトロンと粘りのある感触がしたが、そういう入浴剤なども使ったことがあるため、そんなものかと特に疑問に思わず右足のつま先を入れた。
チャプン。………サワワッ……
……?今、ちょっと足首あたりにまで上がってこなかった?…気のせい…?
そう思いながらも、そのまま右足を浴槽に入れると、急にお湯がパッと透明なピンク色に染まり…
「ええっ!? 色が変わっ…きゃっ!」
突然トロトロのお湯が、私の全身に被さってきた。
なにそれっ!?
私は声もなく、タルンタルンと波打つお湯に浴槽へ引きずり込まれて出られない。
「い、いやっ!何このお湯!?お湯じゃないのっ!?ヌルヌル滑って出られない!」
ピンクのお湯は私の全身に絡みつき、まるで生き物のようにブルブルと蠕動を始めると、私の体を這いずり始めた。
「い、いやっ!…あ、あぁっっ!!」
咄嗟に何が起こっているのかわからず、私は混乱してされるがままとなった。
すると、こいつは、ぐっちょぐっちょ と、音を立てながら私の体を飲み込み、つま先から腿にかけて這いあがると同時に腰から背中にかけてぞわぞわと刺激してくるではないか。
私は不意に背筋に感じる感触に、ゾクゾクと体を震わせた。
「あっ、あっ。やめっ、そこ、やめてっ」
どういう仕様なのか、程よく温かいお湯のフリした何某かは、徐々に胸やお尻を揉みしだくような動きを見せ始める。
無機質な液体のくせしてやたらと慣れた動きを見せ、私は妙な気持ちよさを感じ始めてグネグネとくねって体を離そうともがいてみたが、相手は一枚上手のようだ。
「ちょっ、だめぇっ!それ以上だめっ!」
どんなに抵抗しても、粘体のようなお湯は私の抵抗の全てを絡めとってあらゆる場所を揉みしだき、抵抗の力を徐々に奪っていくと、更にきわどい部分をなぶり始めた。
「いや、乳首いじっちゃいやっ!」
きゅっきゅっきゅっ と、お湯は私の胸をやわやわと揺さぶりながら乳首に吸い付き、時折硬度のある部分でクリクリと弄ぶので、私は思わずゾクリと背筋をそらして無防備な胸をさらけ出す。
そして、お湯はそんなさらけ出された私の胸を下から揉み上げては敏感になったとがりの先っぽを絶え間なく刺激し続けた。
「あ、あ、あっ。やだっ、何かクる。」
それと同時に、お湯はそれまで一向に触れなかった陰部の花弁に割入って、その隘路を上下にこすり始め、上部に触れる陰核もチュコチュコと責めたてたので、私はたまらず
「あぁっ、やぁぁあっ!!」
と声を上げて絶頂し、体をビクンビクンと痙攣させて、はぁはぁと運動した後のように呼吸を乱した。お湯の中でも自分の股間がひどいことになっているだろうと自覚する。
すると、私の股間のあたりからピンクのお湯が徐々に淫靡なまでに色濃くなり、全身にさざ波を起こしてざわめき出し、私の両手両足を開くように拘束したと思ったら、全身を激しく愛撫し始めたではないか。
「あんっ、あんっ、いや、さっきイッたから、イッてるからぁっ!!」
この如何わしい粘体はこれだけ人の体を弄びながらも、不思議と口腔や膣などの体内には入ってこないのだが、耳介や耳たぶを舐め上げ、脇やへそのくぼみををくすぐっては背中の敏感な部分を舐るような感触を加えるので、私は身悶えをして震えあがった。
「もう、いや、いやっ!ああンっ!」
そして、お湯の責め苦は勢いを止めず、柔らかくも硬度を持った一部で私の花弁から陰核にかけて何度もしつこく弄び擦り上げ、胸を揉みこみながら乳首をピンピンと弾いて捻り上げる。それだけでも、狂う程もどかしい快感に晒され
「もうだめ、だめだめだめぇっ!!助けてっ!!」
と絶叫して、背中を弓なりに反らせて再び達し、その後私の意識は途切れた………。
………何が起こったんでしょうかね……。
ふと、意識が浮上してくる感覚があり、気づくと私はベッドの上で覚醒した。
どうもあの後気絶して、そのまま疲れから眠ってしまったらしい。
深い眠りについたためか、案外体も頭もスッキリしている。
風呂場で何某かに性的に襲われ、私は気絶した所を精霊さんたちに救われてベッドに運ばれた様だ。
一体、風呂場で何が起こったのか、私は精霊さんに尋ねた。
≪ごめん、ごめんね。しげきがつよすぎた≫
≪でも、からだはすべすべ≫
≪ひゃくせんれんまのすごうでなんだよ≫
≪むかしむかしから、あのすらいむはだいにんき≫
≪おふろのおともにだいにんき≫
は? なんだって?
≪あの種のスライムは、生物の老廃物や体液を糧として生きているため、他種族の体の表面を滑らかにする。特に貴族と言われる人の子の雌に人気があるため、人の子が喜ぶだろうと連れてきたのだ≫
なんだ、そのドヤな感じ…っ
あまりにも無邪気な発言に、私の顔は盛大にひきつった。きっと額には青筋がたっているだろう。
ちょっ、おまっ…何人に無断でスライムけしかけてるんだよっ!?
しかも、あいつ絶対エロ同人誌で大人気系のヤバいやつじゃねっ!?
貴族の女子に人気って…絶対それエマ〇エル夫人とかチャタ〇イ夫人とか、昭和の雰囲気漂うエロ洋画系御用達なんじゃないですか!?
それってホントにマダムたちは美肌だけが目的なんでしょうかね!?
≪ねーねー、おはだすべすべでしょ?≫
≪むだげのしょりもとくいなんだって≫
≪りぴーたーぞくしゅつのかりすますらいむ≫
ムダ毛とか、誰が言ってるんだよ!?おまえらに毛なんて生えねーだろうがっ!!
スライム姦で全身脱毛エステなんて、異世界女子どうなってんの!?
そして、誰が人としての尊厳かなぐり捨ててまで下の毛も全部処理してくれって言いましたか!?
お見せすることはありませんけど、すっかりツルツルにされてるんですが!
そしてピカピカの処女になんつー汚らわしい粘体けしかけてくれてるんですか、あんたたちっ!!
怒涛の様にまくしたてたいが、あまりの衝撃に声が出ない。
すると、黙っている私に何を勘違いしたのか、無邪気な人外さんたちは嬉しそうに言葉を続ける。
≪「お嬢ちゃんいい匂いするから、おじさんはりきっちゃったよ。でも大事なところは彼氏に慰めてもらいな」と言っていたな。仕事人のスライムに我を忘れさせるとは、さすがだな、人の子≫
≪さすがさすが!≫
≪ひゅーひゅーっ!≫
ぉおおおいっ!! あいつスライムのくせにおじさんなのかよっ!?もっといやだわ!!
おまえみたいな穢れきったピンクの粘液に彼氏とかいわれたくねぇからっ!!
その伝説のAV男優みたいなスライムが本当にそんなこと言ったんですか!?
っていうか、さすがじゃねぇからっ!!!
「………おまえら、ホントにいい加減にしてください!!!」
私は泣きながら怒りを訴えたが、精霊さんたちにはイマイチ通じなかった。
その後、憤死しそうな位怒り狂った私にお願いされ、家精霊さんによってあのおっさんスライムは浴室から放り出された。その後、ドラゴンが落ちた庭の穴にブッ込まれ、そこから移動しないように結界で拘束された。
そのうち干からびるといいなと思ったが、きっとあいつはしぶとい。
精霊の棲む家の庭には竜の形の池があり、そこに百戦錬磨のエロスライムが常駐することとなる。
時々忙しなく色を変え、風もないのに水面がざわめいている姿を目に入れると、私は無性に埋め立ててやりたい衝動にかられた。
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