【R18】「いのちだいじに」隠遁生活ー私は家に帰りたいー

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第三章:巻き込まれるのはテンプレですか? ふざけんな

2-1.森の姫君(笑)、酒は飲んでも呑まれるな。…そうありたいものです ※

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「ふふふ、どう? 気持ちいい?」

 そう言いながら、スマホの画面に映っている黒髪の女は、全裸になった犬耳の少年を組み敷いてお腹の上にのしかかっており、しきりにほんのり赤く色づいた乳首をチュパチュパ舐めしゃぶりながら、後ろ手で固くなった少年の股間を上下にさすっている。

『あ、あるじ……もう、もうむりっ…うっうっ…』


 頬を染めて悩ましく悶えながらビクビクと腰を跳ね上げ、抵抗できずに少年はすすり泣いて許しを請う。
 しかし、その女はそんな哀れを誘う泣き顔すらも愉悦の混じった表情を浮かべて見守り、固くなった乳首に軽く歯を立てながら無言で股間を責める手のスピードを上げた。

『ああっ、や、や、やらっ。…ひぃんっ!』

 声変わりしかかりながらも高い部分のある声で、凌辱される少女のような悲鳴を上げて、少年の性器から白濁が弾ける。
 その手に飛沫を受け、女は欲情に染まった目を細め、口角を上げてペロリとその手を………



「だあぁぁーーーっ!!!それ、私じゃねーかっ!!!」

 スマホに配信された【昨日のハイライトそのいち】というインチキ臭い動画を視聴させられ、私はスマホを抱えて悶え狂って、ベッド上でバタ狂った。

 何故私が、こんな真昼間からR18相当のエロ動画を見て悶えているかと言うと、事の起こりは昨日の夕食時。
 テルミ村からおすそ分けされたおいしい果実酒を飲みすぎて記憶を失った後、何故か気づいたら私もうちのペット2匹も全裸になっており、2匹がベッドでシクシクと泣いていた。 
 …その常ならぬ様子に、なんか嫌な予感しかしなかったけれど、放っとくわけにもいかないので、どうしたのか尋ねてみたのだが

『主は、我々の事を性奴隷だと……。 あんなに辱めておいて覚えていないとはあんまりではないか……うっうっ』

『あんなに情熱的に求めて来たのに、朝になったらポイだニャンて……ご主人はひどいニャ……シクシク』

 などと、恨めしそうにじっとりなじられた。

 本当に申し訳ないんだけど…私、何しちゃったのかな……?

 なんて、当事者たちに重ねて尋ねようものなら、またジメジメと責められそうだったので、仕方ないからここは…と、精霊さんたちに事の説明をお願いしたのだった。そしたらヒュコッとメッセージと共に動画が配信されたので、確認してみたら…

 ………話は冒頭に戻ります…。

 ごめんなさい。誰か私を殺して埋めてください(/ω\)

 私はスマホの画面の中で、少年たちにえっちな悪戯をして悦んでいるエロ女の正体が自分であるなどと信じたくなかったが、本番には至っていなかったという事実に少しだけホッとする。

 そして、衝撃の事実に私の脳が現実逃避を始めたせいだろうか、突如過去の悪夢がフラッシュバックされて思い出したくなかった過去を思い出す。

 あああ……これか、これのせいだったのか


『麻衣ちゃんは、僕の体が目当てだったんだね…。ごめん、君にはついていけないよっ!!』

 かつて、初めての彼氏となったユウ君に去って行かれた時の情景が頭を過ぎって行った。

 大学生の頃バイト先で仲良くなり、付き合って1か月で初めてのキスをして…とある聖なる夜のイベント時に学生カップルなりにオシャレなお店でディナーを楽しみながら…『今日はキメる』と気合十分で会話を楽しんでいたのだが、ついつい緊張の余りワインを飲みすぎて意識を消失した後…ユウくんは先ほどの言葉を叫んで涙ながらにホテルの一室から去って行ったのだ。残された私は胸元のボタンが幾つか外れていた状態ではあったが、それ以上の着衣の乱れはなかったため、その後の詳しい事情は分からなかったのが一層の不安を煽ったのだが。
ただ、当然こちらも本番には至れていなかった…らしい。………蛇足である。

 今となっては彼の事自体は何とも思っていないのだが、ただただ女として悔やまれる過去でもあり、時折思い出しては身悶えするトラウマとなっている。

 謎は全て解けた!

 とか、過去の過ちを掘り起こして往年の人気漫画の名探偵少年のようなセリフを言っている場合ではない。

 とりあえず、なんであの程度の酒で記憶を失う程酔っ払ったのかとか、後で考えるとして…だ。
 今はそんなことよりもあの後に、解放されし性の野獣と化した私の餌食となった2匹をどうしようかということを考えるべきだろう。

 ………というか、有体に言ってなんだかメンドくさいことになってしまっているのだ。



『ふにゃぁ~ん…ゴロゴロ…』

 ペットの猫の様に甘え切った鳴き声をあげ、ひっきりなしに家猫ボディをこすりつけては、移動する私の足元にまとわりつき、座っていると膝の上に乗ってゴロゴロと喉を鳴らしたり、

『くぅ~ん、くぅ~ん』

 と、ちょっとでも離れようものなら寂しそうに鼻声で鳴き出し、移動時はビッタリと離れないように引っ付いて常に足元で待機している。 トイレ時も一緒に入ろうとしてくるので、さすがにそれはたたき出したのだが。

 そして、極めつけは夜。

 入浴後、寝間着に着替えて寝室兼書斎の扉を開けると…今まで使っていたセミダブルのベッドとは比較にならない程大きなベッドが部屋を占拠していた……

「…ちょっと、何勝手にベッド交換してんの!? 部屋が狭くなっちゃったじゃない!」

 ついさっき、部屋を出るまでは、使い慣れたベッドが置いてあったはずなのに、突然こんな王様ベッド(天蓋付き)が部屋の半分も占拠していては、邪魔でしょうがないではないか。
 照明までもがどこぞのアヤシイお店のごとく、間接照明風で薄暗い………どこのラブホだ…。

『ご主人に奉仕するには、あの寝台は手狭だったので、交換したのニャ』

『うむ。我々の奉仕を余す所なく受けてもらうためにはこの位の広さが欲しかったのだ』

 シレっと悪びれることもなく何を言っているんだ、こいつらは…と、やたらとムーディで如何わしい風情のある部屋の中でベッド横に佇む二匹の姿を二度見し、目を剥いて吹き出した。

 2匹は人化しているのだが、テルミ村から送られてきた、際どいカットのスケスケ下着やエロ下着を装着しているではないか。
 あまりのエグさに、クローゼットのこやしと化してしたやつ。
 二人の育ち切らない身長や体格が、現在の私とあまり大差がないため、共有することができている様だが…女性用のパンツってやけに伸びるよね……と改めて思う。

 マーリンは、一見普通の白い光沢のある素材の紐パンでありながら、よく見ると大事な所がパックリ割れているという、下着の存在意義を疑わせるようなパンツーーーいや、これはやはりパンティとかランジェリーとか言う代物だろうーーーに、乳首もスケスケでレースフリフリのベビードールという、どこの風俗嬢か!?といういで立ちでモジモジしている……。

 タロウは…というと、こちらはそれ程エグイ仕様ではないのだが、布面積が極端に少なく、一見黒い紐の様なパンツで、申し訳程度に隠した局部の後ろ、滑らかでぷりぷりしたお尻が剥き出しになっている。こちらもうっすうすの黒いナイトローブを装着して、どこのAV男優だ!? の様な姿でふんぞり返っている。 マジやめろ。

「………ぅおぅ…」

 なんかもう、ベッドの怪しさと2匹のあんまりな姿を認識して、思わず息を呑んで一歩下がりそうになってしまったのだが、それよりも早く、2匹にやんわりと両腕を絡み取られてベッドに誘導されてしまう。

『ご主人、精いっぱいご奉仕させてほしいのニャ』
『うむ。我らもようやく下僕としての本分を理解することができた。今まで至らず、申し訳ないことをした』

 NASA]に捕獲された宇宙人のように、左右から体を密着された状態で腕を絡ませられ、私は「あぅあぅ」と言葉にならない声をあげながら無抵抗にベッドへ導かれた。
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