【R18】「いのちだいじに」隠遁生活ー私は家に帰りたいー

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その後のお話編:彼女にまつわるエトセトラ

エ□フ編その 11:種族的習性なんだろうか…いいや、カルマですー1ー※※

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 カポーーーーーン……

 どこからか、そんな幻聴が聞こえてきそうな程、まったりとした空気の流れる浴室内。

 ジョボボボボボ……

 と、石造りのドラゴンの口から豊富なお湯が湯舟に流れ込み…

 …ああ、こっちはライオンじゃなくてドラゴンなのね…これ、温泉かなー…

 そう思いながら、私はぼんやりとお湯が水面を打ち付ける音を聞くとはなしに聞いては目を閉じた。



「マイカさま……温まりましたか?」

 そう言って、ちょっとした温泉旅館の大浴場のような、地面を掘った形式の湯舟の中で、後ろから全裸の私をそっと抱きしめる逞しい腕の人物は、特に不埒な動きをするでもなく、ただただ心配そうに囁きかける。

 私は、その展開の速さと一種異様とも言える雰囲気について行けず、居た堪れなさを感じながら

「は、はぁ…」

 と、若干混乱気味に首を傾げつつ、その腕に手を置いた。



 遠距離でのやり取りとは言え、私には転移の腕輪というチート魔道具がついている。
 転移ポイントになり得る場所に、転移先の魔石を置いてもらえれば、そこがどこであろうとも瞬時に移動が可能なのだ。
 私は、レオーネ経由で新国王に働きかけてもらい、転移先の魔石をヨナさんに渡すことに成功した。
 魔石の箱の中に入れた手紙は、最近習得しつつある、こちらの文字で頑張って書いてみたのだが―――成功したということは、ちゃんと読んでもらえたようでよかった。

 魔石を置いてもらう場所を水鏡にしたのは、――ヨナさんに聞いた話によると――そこに山の精霊さんたちが集まり、そのため良質な魔力が集まっていたから。
 大き目の盥に貯まった水を想像していたから、多分少し濡れるんだろうな…とは思ったけど、まさか、ずぶ濡れになるなんて思っていなかった。
 ていうか、想像していた大きさとそんなに変わらない大きさ――直径1.5m位の盥みたいなもの――だったんだけど……明らかに盥の容量以上の水を浴びたと思う。

 いやいやいや、おかしいだろう!? 
 なんで、水たまりに足突っ込んで、有りもしない上からザバーっと水が流れてくるんだよ!?
 ていうか、今、冬よ!?  ここ、標高高いから、普通に氷点下ですよ!?
 ヌクヌクの自室から転移してきたから、あんまり分かんなかったけど、この部屋ですら寒すぎて、息白いんですけど!?
 …流水なんか掛けられたら、ショック死するかもしれない位冷たいですよ!?
 

 突然現れた私の姿を見て、挨拶の声も出ない程驚いていたヨナさんだったが、私がガクガク震えながら濡れネズミの様になっている有様を見て、

「ちょっ…すぐ温めますから!」

 と、自分も飛沫を浴びていただろうに、サッと私を横抱きにして浴室へ連れて行ってくれたのだった……のだが。



 何故か一緒に入ってるんだよね―――――。
 この辺りには混浴の文化でもあるのかな―――――このお風呂、温泉っぽいし……いや、ないよね―――多分。



「えっと…あの、なんか、精霊様がちょっと面白がってらっしゃったようで…すみません…」

 ヨナさんは、申し訳なさそうにしどろもどろに謝った。
 この人が悪い訳ではないだろうに、真面目な人なんだなぁ…と、思いながら、

「いえ、もういいんです。実際、何ともなかったし。 あの人(?)たち、ちょっと悪ふざけが過ぎるから…。
 ふふ…こっちの精霊さんたちも同じようなものなんですね……」

 肩越しに振り向いて、笑って答えると、ヨナさんは、お湯に漂う私の髪を一房持ち上げて私を見つめ、

「ああ、やっぱり髪も瞳も黒くて…艶めいていて、美しい…」

 なんて、うっとりした様子で微笑むので、その儚くも美しい笑顔の破壊力に、私は鼻から何か噴き出るかと思い、慌てて俯いた。

 ヤバい…やばいやばいやばいっ!
 何なの、コレ?
 今更ながらなんだけど、これ、どういう状況なの?
 いや、まあ、そういう事になることもあるかとは思ってたけど……
 ちょっと、この人普通過ぎやしませんか?
 なんで裸でこんなに密着してるのに、全く平常心なわけ!?
 神官長だから!? 聖職者だからなの!? 
 この辺のセレブは混浴オッケーな土地柄なの!?

 そう思いながら、己の内面の汚れや小市民的価値観を自覚しつつやるせない思いに襲われて、落ち着きなく微かに身動ぐと……腰のあたりで何やら固いものに触れた瞬間、背後でビクリと騒めいた気配が水面に小波を立てたのだった。

「……………案外、平常心じゃなかったんですね…」

 腰に触れたモノの正体にピンと来て、私は思わずグリグリと腰を押し付けながら平静を保ちつつ問いかける。

「ぁっ………っ……平常心…なんかでいられないですよ…」

 私が動くたびにビクビクと反応する声と姿が面白くて、私はニヤリと嗤いながらゆっくり背後の体にもたれ掛かって、いきり立った性器に腰を押し付け、私の体の両脇から膝を立てて出ている太ももをサワサワと撫でながら、グイグイと腰を揺らしてやった。

「あっ……やめっ…はぁっ…」

 ヨナさんは、私の上半身にしがみ付きながら、自分からもグリグリと固い股間を押し付けては、イイ声で啼いてくださる。

「へっへっへ…体は正直ですなぁ…すっかりビンビンじゃないですか」

 とか言ってみたいが、なんとなくオッサン臭すぎて、自重した。

 その代わりと言うわけではないが、両脇で腿の内側を擦りながら、徐々に股間のきわどいところまで下げていくと、ヒクヒクと内腿の筋肉が引きつれるように反応し、性器の固さがいや増したのを感じる。

「自分からこんなところに連れ込んでおいて、随分初心な反応してくれるんですねぇ…ここって、そういう所なんですか?」

「…ぁっ…ちがっ……ここ……私の……ぁあっ…ン」

 低めのイイ声が耳元で喘ぐ声とか…やだ、滾る。 
 
 そんな反応を返されてしまっては、思わず後ろ手で鼠経を擦る手に力が籠り、悪戯に指でグリグリしてしまうではないか。

「私の……なに?……神官長のヒミツのお部屋ですか?…ふふ…やらしぃ…」

「はぁっ……自室の…浴室……な…だけ…ぁあっ……焦らさないでください……」

 腰をゆらゆらと緩慢な動きで押し付けながら、ガッチガチになった性器を刺激しつつも、手では一切核心部分に触れないように、あえてもどかしい触れ合いを繰り返しているのだが…、もう我慢できないらしい。
 段々と私を抱き締める腕の力が増してきて、ちょっと苦しくなってきた。

「やぁ……そんなに強く抱きしめられたら…潰れちゃう…」

 そう言うと、ヨナさんは「はっ」と声を上げて、腕の力を緩めてくれたので…その瞬間、私はお湯の浮力を利用してスルリと体を反転させ、

「ありがと…」

 と、細身ながらも引き締まった胸に手を添えて、正面に向き直って耳元で囁くと、長い耳にゾロリと舌を這わせた。

「ひゃぅっ!」

 ヨナさんは、耳を舐め上げられた刺激で声を上げながら反射的に私の体を抱きしめて、胸に顔を押し付けて来たので、私の目の前に差し出された長い耳の先っぽをチュクチュクと舐めしゃぶる。
 すると、ビクビクと耳を震わせて、

「あぁっ……だめ…みみ……ふぁあっ…」

 と、湯舟の縁に背中をもたれかけさせながら、寄りかかる私の体を受け止めて、勃ち上がった性器を互いのお腹に挟んで小刻みに揺らす。

 私は、背中に回った手の動きや、お腹で擦られる固くて熱いモノの存在、何よりも低い男声の喘ぎ声に興奮し、ゾワゾワと興奮が腰から背中に駆けあがって行くのを感じていた。

「ねえ、やっぱり耳が弱いのね。……耳だけでイケる?」

 そうして、長くてピンとそそり立つ耳介を、まるで性器を口淫するかのように、ツーっと舌で舐め上げては唇でしごき上げ、甘噛みしながら空いた方の耳を指で撫でさすると、

「ひぁあっ……やめっ……あぁあっ!」

 低めの声が一際高くなり、ギュッと私の背中を抱きしめつつ顔を胸の谷間に押し付けて、お腹で自慰でもされているかのように擦り付けられている性器がビクンビクンと震えるのを感じたのだった。

 不意に覗き込んだお湯の中に、フワッと白い液が混じったのを見ると、私は「ふふふっ」と笑みがこぼれ、欲情して潤んだアメジストの瞳を見つめながら、覆いかぶさるように唇を合わせた。

「…はぁっ……ちょ…まっ……」

 イッたすぐ後で、少し力ない声になっていたが、私は構わず唇を重ね合わせてやると、一瞬ビクリと体が揺れる。
 私はそんな彼の反応を確かめながら、左右の耳を指で擦り扱いては、薄く開いた口腔に舌を差し込んで、ピクリと反応を返すイイ所を容赦なくまさぐった。

「んちゅ……あぁ…マイ………」

 言葉が切れ切れになっているだけだとわかっているが、そこで名前を切られると、本名を呼ばれているようで胸が切なくなる。
 私は、少しだけ唇を外して、ヨナさんの綺麗な瞳を見つめて微笑み、もう一度…今度はより深く口づけると…そっと…それでもしっかりと抱きしめられたので、なんだか仄かに胸が温かくなった気がした。

 そうして、ドラゴンの湯口から流れる水音が反響する浴室で、飽きもせずにクチュクチュと互いの舌を絡め合い、貪るようにキスをしながら、徐々に力を取り戻し、再びそそり立った性器を右手で擦り上げて更なる怒張を促した。
 最初の頃は何をしてもただただビクビクと反応しているだけだったのに、流石に刺激に慣れて来たのか一度放った後の余裕からか、時々深いため息のような息を吐いて気を紛らわせながら、私の腰から背中にかけてツツーーっと指を立てて逆撫でしてはお尻を揉みこんでくるので、敏感な部分のイイ所を撫で上げられると、思わずビクリと腰を浮かせてしまう。
 私がその様な反応を繰り返していると、徐々にコツを掴んできたのか、絡ませ合う舌の動きはそのままに、下肢を蠢く指の動きが大胆になってくるのを感じて焦る。
 男性らしい大きな手なのに、細長くて繊細な動きをする指で、後ろの窄まりから蜜口まで指を這わされるため、口づけの息継ぎの合間に感じる所をなぞられて、

「ふっ……あっ…」

 と、熱い吐息を漏らすことが増えて来たような気がする。

 そして、長いキスを終えた唇が、首筋を辿って耳元にたどり着き…

「小さくて、丸い……可愛い耳…。滑らかで芳しい肌…はぁ…たまらない…」

 と、艶めいた低い声で囁かれながら、耳介を舌で辿られ、耳朶を甘噛みされるのでたまらない。

「……ぁんっ……くすぐったい……」

 と、目の前の首元に顔を埋めようと抱き着くのだが……ぬるぬると蠢く舌は容赦なく耳介を舐め擽るのでゾワゾワと背筋を這いあがる悪寒に背を反らせてしまう。

「ふふ…お返し……手が止まってますよ?」

 さっきまで、されるがままだったくせに…余裕なの? 何それ?

 そう思って、少しムッとしたが、口から出るのは 「ぁンっ」という、か細い喘ぎ声だけで…。
 私は、湯舟の中でヨナさんの腿に乗り上げつつ、固い性器に腰を擦り付けながら、されるがままに声を上げた。

「はぁ…やっぱり、いい匂い……」

 首筋に、耳裏に鼻をこすり付けては息を吸い込まれ、それだけでもビクビクと体が反応を返し、ハッハッと息を切らせながら、もっとイイ所を擦ってほしいと腰が蠢くのを止められない。

「はは…腰が物欲しそうに動いて……湯の中でもわかる位に、花弁がヌルついている…もう、欲しいですか? …もっとも、私もそれ程我慢できそうにありませんが…」

 首筋をゾロリと舐め上げながら、腰に響く低い声で囁かれ、熱くて固いソレを隘路に添わす様に挟んで、ゆっくり焦らす様に前後に動かれると、もう、ソレを入れてもらう事しか考えられない。
 私は、切なく蠢いて蜜を滲ませるソコに当たる熱いモノを押し付け、

「ん……お願い、欲しいの……」

 と、腰を軽く反らせながら哀願すると、彼はニヤリと笑みを深め、大きくて温かな両手で腰のあたりをなぞった後、グイと持ち上げた。

 お湯の浮力がその動きを助け、私の体はふわりと少しだけ浮かび…蜜口を焦らす様に固い先っぽでなぞられて

「あぁんっ…入れてっ……」

 と、涙を浮かべながら、希うように相手の唇をペロペロと舐めながら求めてしまう。
 もどかしさの余りギュッと閉じた目ではどんな表情をしているのかまでは見られなかったが、

「はぁ……ちょっ……ヤバ……」

 と、少し焦ったような声が聞こえて来たものの、膣孔に固くてツルリとした亀頭がグッと押し当てられたと思ったら、こじ開けられるような抵抗の後、グイっとその切っ先が押し込まれていくのを感じて……

「はぁんっ……」

 と、衝撃と共に待ち焦がれていた物が与えられ、思わず胸元にある頭を抱きしめた。
 
「あっ…ぁあっ……くるし……あああっ」

 いくら濡れに濡れていたとはいえ、やはり慣らしもしない孔では、相手の方の負担も大きいのだろうか。
 ヌルつきながらも、まだ馴染まない蜜孔に少しずつ固い性器を押し込んでいるヨナさんの息遣いも乱れ、「はっ……んっ……」と、時折苦しそうな声が漏れ聞こえて来るのだが…

「大丈夫…ですか?」

 全てを収めた後であっても、急に動くことはせずに心配そうな顔でジッと下から見上げて来たので、私はそんな優しさが嬉しくて、

「…ン…大丈夫…動いていいよ…」

 と、微笑んで返した瞬間、

「ちょ……その顔、ダメですって……」

 と呟きながら顔を胸の谷間に伏せられ、ヨナさんの白い耳が真っ赤に染まったと思った。

 …そして、ガッガっと急に激しく突き上げられて、「やぁんっ」と悲鳴のような声を上げながら、振り落とされないよう夢中になって、再び頭にしがみ付いた。

「もう…なん…なんですか…それ……っ」

 ザブザブと音を立てながらお湯が波打ち、浮力で浮き上がりそうになる体を引き戻されながらゴンゴンと突き上げられるので、

「あっあっあぁっ…」

 と、思わず目の前の耳に吸い付いては、衝撃に攫われないよう目の前のものにしがみ付くも、お湯の浮力で容易く流されそうな気がして、離されないよう腰に足を絡ませ…

 ああ…これ…“だいしゅきホールド”ってやつだ……

 なんて、うっすら思ったが…、こんなに必死にしがみ付くものじゃないだろうと思うと、違う気がした。

 そうして、彼の乱れた息遣いと自分の喘ぎが、浴室に反響するので、より一層興奮して

「はぁんっ…やっ…もっと、もっと…」

 と、自分からもグイグイと腰を押し付けて、更なる刺激を強請ってしまう。

「はっ…あっ…ちょ……たまらないっ…」

 ヨナさんはまるで余裕のない声を上げた後に、私を貫いたままザバッと浴槽から立ち上がり、浴室の床に私を仰向けに寝かせて体位を変えると、自分は湯舟の中で立ち上がったそのままの位置で私を責め立て始めた。

「あああんっ……奥…もっと、奥まで突いてっ…」

 浴室の床は滑らかで、背中がこすれても痛くはないが、滑りやすいため突き上げの衝撃が逃がされやすい。
 しかし、ヨナさんはそんな私の足を両肩に乗せ、腰をしっかり両手で掴んで密着させると、パンパンと音が響くほどの勢いで激しく腰を打ち付けた。

「ふぁっあっあっあああっ、イク、イッちゃうぅっ」

 私は両手を口にあて、頭を左右に振りながら生理的な涙を湛えて嬌声を上げるのだが、それに応える声はなく、

「ハッハッハッ…」

 と、いう余裕のない息遣いだけが響き……

「んぁーーーーっ!!」

 と、両手の中で微かに絶叫して、ビクンビクンと全身を痙攣させつつ絶頂を極めた時に

「あっ……イクっ……ンぁっ…」

 という声を聞いたかと思ったが……達した衝撃と、お風呂での逆上せですっかり意識を消失していたため、ヨナさんが一緒のタイミングでイッたかどうかを確認することはできなかったのだった。




 …とまあ、浴場で欲情すると命取りだよっ★ …ていう話なのは、いいんですけど―――いや、よくないかもしれないけど
 それはともかく、ホントに聞きたい。
 何で私、両手を鎖に繋がれてベッドで寝てるの?

 そう問いかけようと思って、傍らで私を見下ろしながら微笑むヨナさんを見上げたのだったが、その笑顔があまりにも幸せそうで、それでいて何を考えているのかわからないような深みを感じて……

 思わずその言葉を飲み込んだ。
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