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その後のお話編:彼女にまつわるエトセトラ
異世界お宅訪問編 エルフさんのお宅から ⑩ ※※
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薄暗く静かな部屋の中央で、決して睡眠する事だけを目的としない大きなベッドはキシキシと音立てて、その上で絡まり合う二人の振動を受け止める。
そして、グチュッグチュッ…と、規則正しいリズムを奏でる濡れた音とともに、鼻にかかった女の甘い嬌声混じりの悲鳴も、ベッドが軋む音と共に小さく響き渡った。
「あんっあんっあんっ……やっ……もっ……やだッ…」
「ふふっ………こんなにズッポリ咥えこんでおいて、何言ってんだよ……」
顔の横で両手を押さえつけられ身動きもままならない状態で、上から貫かれる様に穿たれながらイヤイヤと首を振る。そのクセ甘えるようにゆらゆらと腰を揺らす姉の姿は、淫らなメスそのもので。
そのいやらしい喘ぎっぷりには思わず嗤いすら浮かんだ。
鼻にかかった女の高い嬌声なんてあまり好きではなかったはずなのに、ずっと妄想するだけだった姉を犯して啼かせているという事実に、震えが来るほど興奮が立ち上る。
反射的に洩らす拒絶の言葉に反して、自ら胎内の奥まで迎え入れようとする姿を見るだけで挿入する快感以上の支配欲を刺激されるため、背筋をゾクゾクさせながら、俺は本能に任せて上下に激しく腰を振った。
これまで――弱っている俺に魔力を与えるという名目上だったとは言え――、かなり際どい所まで触れることを許しておきながら、最後の一線を超えること―――すなわち挿入だけは決して許さなかった姉である。
しかし――互いにアルコールの影響下だったとは言え―――いざ挿入してしまえば、これまでの拒絶が建前だったと思えるほど、抵抗は弱々しいものになっていた。
いや、むしろこのシチュエーションにのめり込んでいるのは姉の方ではないかと邪推する程の乱れっぷり。
「……ぁっ…いや……やめて……姉弟でなんて……あぁんっ」
まるで使い古されたエロ漫画の様なセリフだな…と、忙しなく腰を動かしながらも冷静に俯瞰している自分が嘲笑する。
でもさ、なけなしの矜持を繕って形ばかりの抵抗してるくせに、「もっと気持ちよくして」って言わんばかりに見上げられれば、その口先の建前をどうにか剥がしてやりくなるのもテンプレだろ?
そんな風に強がって、嫌がれば嫌がるほどあえて酷く責め立てて、その虚勢がどこまで続くか見たくなるもんなんだよなぁ。
ヌプヌプと抽挿を続ける腰の動きはそのままに、ニヤリと嗤いながら腕の下で藻掻く姉を見下ろした。
口だけの抵抗なんて、むしろ男の嗜虐心を刺激するばかりだと今更知らないわけもないだろうに……。
「くくっ…そんなに嬉しそうに喘ぎながらイヤイヤ言われてもなぁ……。
何? 実はもっと酷くしてって言ってんなら……ご期待に添って激しくするけど?
さっきまで寝てたから、まだまだイケるし」
耳元に唇を押し当てて、低く響く声で囁きながら指で探り当てたイイ所を、グリグリとカリの先端で擦れば、キュウっとナカが収縮した。しかし、狭くなる内部に構わず強めにゴリゴリと擦り付けると
「あぁんっ!…やっ、あっ……奥っ…ダメぇッ!」
姉は大きな嬌声を上げてブルブルと腰を揺らし、俺のガン勃ちしたチンコを貪るように、ナカをキュウキュウと締め上げてくる。
「…っぁっ……やべっ…」
いやマジな話、実はこれだけで余裕にイケる程、姉ちゃんのナカが名器すぎてヤバいので―――少し油断するだけでもってかれそうになってたりする。
そんな情けないこと、絶対に言わないけど。
責める言葉とは裏腹に、ドS気取っている内に呆気なく放ってしまう惨事を全力で堪えながら腰の動きを止め、ちんこを抜かずに両足を広げたまま、ベッドへ下ろすと、圧迫から開放された安堵から、ホウっと小さく吐息が聞こえた。
…………ふぅ……あぶね…。まだこんなに早くイカされるわけにいかねぇし……
内心ヒヤヒヤしながら下半身のクールダウンを図りつつ、俺は姉ちゃんの頭を抱き寄せ耳元で囁く。
少しの体の動きでナカに収めたちんこが擦れるので、その都度キュッと収縮する動きも気持ち良すぎたけど。
「っ……姉弟が嫌なら…俺のこと弟なんて思わなくてもいいじゃん?
……だって、ここには父さんや母さんどころか……知り合い一人いないんだしさ…。
もういいだろ、麻衣? もう、『お姉ちゃん』じゃなくても―――…誰も咎めたりしない」
そう言葉をかけながら汗の滴る首筋をねっとりと舐めあげ、ハメたまま動かずに、快楽に耐えながら震える細い体を抱き寄せた。
「……で、でも……ぁっ」
それでもまだ反論する様な気配を見せたので、言葉を封じるようにグリっと腰を抉り、耳介を口に含んで舌で愛撫すれば、麻衣の―――姉の矜持は脆くなっていく。
「やっ……んぁぁっ!」
少しの刺激を与えるだけで、俺の言葉を否定する語調だった言葉を嬌声に変え、麻衣はビクッと一際大きく腰を跳ね上げた。
そして薄く開いた口を塞ぎながら、ズチュンパチュンと後から後から蜜を流す穴を激しく穿っていけば、ただただ快楽を受け入れる様に、鳴きながら全身で俺に絡みついてきた。
そうして、どちらともなく互いに抱き合い全身でとろけ合う一体感に、流石に俺の方も限界が間近に迫ってくるわけで……。
「あっ…あっ……も、ダメッ…奥だめっ…あっ……イッちゃうっ……あぁっ」
「んっ……俺も…も、だめ……」
ラストスパートとばかりに一心不乱に腰を揺らし、姉弟の境界を壊す勢いで姉の膣穴を―――快楽に降りてきた子宮口を押し開くようにゴンゴンと貫く。
そして―――
「あっあっあぁあぁ―――っ!!」
一際大きく悲鳴のように鳴いて、姉は全身を弓なりに反らしながら絶頂し―――その余韻でキュウゥっと絞り上げてくる膣のナカ、俺も溜まりに溜まった白濁をぶち撒けた。
その後しばらく余韻に浸りながら抱き合って、息を整えていたのだが―――俺は胸元に額を当てて黙り込んでいる麻衣の様子を、恐る恐る伺っていた。
俯いているため姉の表情は見えず、かと言って積極的に話しかけるには、イク寸前まで高まっていた気持ちのテンションが―――絶頂を過ぎ去ってから戻ってこない。
……怒ってんのかな……いや、悲しんでるのかもしれないな……
酔った勢いで弟と致したなんて……やっぱ、普通じゃねぇもんな……
賢者モードに至ってみれば、浮上できる要素が思い当たらず、身動きもしない姉の後頭部を見つめているだけで、不安ばかりが襲って、心臓ばかりが激しく鼓動を繰り返す。
そして、ふと姉が顔を上げた時、ドキンっと大きく胸が鳴り、その虚ろな表情にゴクリと息を呑みつつ続く反応を…言葉を待った。
「うん……。もう、おねえちゃんじゃなくても…いいのかもしれないね」と、嬉しそうに微笑みを返す姉の言葉を受け、俺は腕の中の存在を強く抱きしめた―――。
――――――なーんて、妄想していた時期が、俺にも有りました。
ああ、うん。まぁ、甘い妄想から一気に現実に引き戻される展開も一つのテンプレっていうか何ていうか……。
いや、ね。
現実はそんなにスィートにはできないって……知ってた。
むしろ塩多めな塩飴位に甘じょっぱいって……わかってた。
甘みも…まぁ、強いけど、今はそれを凌ぐほど塩気が強い―――ていうか、甘みも塩味も全てが濃すぎて、喉が渇いて仕方ないというか……遣る瀬なくてもどかしい。
……言ってること、伝わるかなぁ……って、誰に話しかけてんだって話だけど。
それはそう、まるで今現在上から顔面にボタボタと降り注いでくる、姉の涙と鼻水の如く……濃厚なものだって言っても、よくわかんねーよな。
…俺だって実は何でこんなことになったのか…よくわからんし。
一つだけ分かっていることは―――俺を男として意識させるための念願が叶った瞬間に、カオスが訪れた事……だろうな。
「ゔぁあぁぁぁ~~~~んっ……ぞゔだの…ゔぁかぁっっ!」
ぐちゅっぐちゅっぐちゅっ…
空前絶後の大号泣。
……そんな風に名付けてもいいほど、冷静さを欠いた姉は大声で泣きじゃくっていたのであるが……それに伴い、粘つくようなジュポジュポ音が部屋に響けば、問題は姉だけでは収まっていないことを理解していただけるだろうか?
下半身で繋がっている俺たちの間で、姉が俺のちんこを絞り上げるように責め立てれば、されてる側のダメージが半端ない。
嫌な作用反作用の法則である。
「んっんっんっ……ぁっ。…ゔゔゔ……ぁあんっ! おねえちゃんがいいのにぃっ!」
「いやっ……だからって……これは…くっ……違うだろっ……ぁっ……」
ぱちゅっぱちゅっ……ボタボタボタ…………
いやもう、上からも下からも聞こえる水音が何なんだか俺もよくわからないけども……取り敢えず、顔に降ってくるものが塩っぱくて生温かいことだけは断言できる。
「あっ…ちくしょっ……先っぽばっか……やめっ……ぁっ……」
そして、微妙にイキ所を外した自分本意な腰使いも、もどかしいばかりに焦れったくて……正直焦らされ続けている気分になり、おかしくなりそうになるので、マジで勘弁してほしい。
――――――ようやく念願の結合が叶った直後、酔いと快楽とその他諸々の感情の波に飲み込まれた挙げ句、弟とヤッてしまった現実に耐えきれず、姉の理性は崩壊した―――のだろうか?
ただ、それだけだったらまだ良かった……とは身勝手な言い分だと分かっているが―――その心の動きはまだ理解できたし、想定の範囲内だった。
弟である俺に挿入された衝撃は大きかったとはいえ、そこで逃げ出したり、攻撃してくるならまだ解る。
非難や罵倒を正面から受け止める覚悟も気合も充分あった。
けれども――突然ギャン泣きしたかと思うと、逃げるどころかイヤイヤ言いながらも、挿入した状態のまま魔力で俺を押し倒し……そこから騎乗位でおっぱじめるのはどういうことなのか。
本当に、どういうムーブからこうなったのだろうかと、むしろこっちが姉に問いたい。
酔っぱらいの泣き上戸でド淫乱って―――あの夫と称する男たちがどう対応していたのか、癪にさわるが知りたくなる案件だ。
元々、体に内包する魔力量の差は歴然としており、俺の燃費の悪さを補うために姉の魔力を間借りしている身としては、魔力押しで押さえつけられれば跳ね返す力はない。
そもそも、そのことは魔力の扱いを覚える内に、誰から教わるわけでもなく肌で感じていたのだが、今までも「嫌だ」「やめて」などと言われても、なんだかんだとなし崩し的に事に及んでいたのは……結局姉が拒否しきれない程、俺に甘かったからだ。
だから、弟の特権とばかりにそこにつけこんできた自覚はある。
しかし、挿入したままその場に居座ってシクシク泣いていたかと思うと、一層動物的に…情熱的に激しく腰を振って快楽を追求しながらも号泣するという状況に、戸惑いつつ翻弄された。
ていうか、……これ、『壊れた』って言わないよな?
一つの可能性に行き当たり、俺の上で腰を振る姉の姿を目にすると、今まで見たことが無いほど狂乱する姉の姿に、今までにないほど求められる興奮と共に―――少々薄ら寒いものを感じていた。
そして、グチュッグチュッ…と、規則正しいリズムを奏でる濡れた音とともに、鼻にかかった女の甘い嬌声混じりの悲鳴も、ベッドが軋む音と共に小さく響き渡った。
「あんっあんっあんっ……やっ……もっ……やだッ…」
「ふふっ………こんなにズッポリ咥えこんでおいて、何言ってんだよ……」
顔の横で両手を押さえつけられ身動きもままならない状態で、上から貫かれる様に穿たれながらイヤイヤと首を振る。そのクセ甘えるようにゆらゆらと腰を揺らす姉の姿は、淫らなメスそのもので。
そのいやらしい喘ぎっぷりには思わず嗤いすら浮かんだ。
鼻にかかった女の高い嬌声なんてあまり好きではなかったはずなのに、ずっと妄想するだけだった姉を犯して啼かせているという事実に、震えが来るほど興奮が立ち上る。
反射的に洩らす拒絶の言葉に反して、自ら胎内の奥まで迎え入れようとする姿を見るだけで挿入する快感以上の支配欲を刺激されるため、背筋をゾクゾクさせながら、俺は本能に任せて上下に激しく腰を振った。
これまで――弱っている俺に魔力を与えるという名目上だったとは言え――、かなり際どい所まで触れることを許しておきながら、最後の一線を超えること―――すなわち挿入だけは決して許さなかった姉である。
しかし――互いにアルコールの影響下だったとは言え―――いざ挿入してしまえば、これまでの拒絶が建前だったと思えるほど、抵抗は弱々しいものになっていた。
いや、むしろこのシチュエーションにのめり込んでいるのは姉の方ではないかと邪推する程の乱れっぷり。
「……ぁっ…いや……やめて……姉弟でなんて……あぁんっ」
まるで使い古されたエロ漫画の様なセリフだな…と、忙しなく腰を動かしながらも冷静に俯瞰している自分が嘲笑する。
でもさ、なけなしの矜持を繕って形ばかりの抵抗してるくせに、「もっと気持ちよくして」って言わんばかりに見上げられれば、その口先の建前をどうにか剥がしてやりくなるのもテンプレだろ?
そんな風に強がって、嫌がれば嫌がるほどあえて酷く責め立てて、その虚勢がどこまで続くか見たくなるもんなんだよなぁ。
ヌプヌプと抽挿を続ける腰の動きはそのままに、ニヤリと嗤いながら腕の下で藻掻く姉を見下ろした。
口だけの抵抗なんて、むしろ男の嗜虐心を刺激するばかりだと今更知らないわけもないだろうに……。
「くくっ…そんなに嬉しそうに喘ぎながらイヤイヤ言われてもなぁ……。
何? 実はもっと酷くしてって言ってんなら……ご期待に添って激しくするけど?
さっきまで寝てたから、まだまだイケるし」
耳元に唇を押し当てて、低く響く声で囁きながら指で探り当てたイイ所を、グリグリとカリの先端で擦れば、キュウっとナカが収縮した。しかし、狭くなる内部に構わず強めにゴリゴリと擦り付けると
「あぁんっ!…やっ、あっ……奥っ…ダメぇッ!」
姉は大きな嬌声を上げてブルブルと腰を揺らし、俺のガン勃ちしたチンコを貪るように、ナカをキュウキュウと締め上げてくる。
「…っぁっ……やべっ…」
いやマジな話、実はこれだけで余裕にイケる程、姉ちゃんのナカが名器すぎてヤバいので―――少し油断するだけでもってかれそうになってたりする。
そんな情けないこと、絶対に言わないけど。
責める言葉とは裏腹に、ドS気取っている内に呆気なく放ってしまう惨事を全力で堪えながら腰の動きを止め、ちんこを抜かずに両足を広げたまま、ベッドへ下ろすと、圧迫から開放された安堵から、ホウっと小さく吐息が聞こえた。
…………ふぅ……あぶね…。まだこんなに早くイカされるわけにいかねぇし……
内心ヒヤヒヤしながら下半身のクールダウンを図りつつ、俺は姉ちゃんの頭を抱き寄せ耳元で囁く。
少しの体の動きでナカに収めたちんこが擦れるので、その都度キュッと収縮する動きも気持ち良すぎたけど。
「っ……姉弟が嫌なら…俺のこと弟なんて思わなくてもいいじゃん?
……だって、ここには父さんや母さんどころか……知り合い一人いないんだしさ…。
もういいだろ、麻衣? もう、『お姉ちゃん』じゃなくても―――…誰も咎めたりしない」
そう言葉をかけながら汗の滴る首筋をねっとりと舐めあげ、ハメたまま動かずに、快楽に耐えながら震える細い体を抱き寄せた。
「……で、でも……ぁっ」
それでもまだ反論する様な気配を見せたので、言葉を封じるようにグリっと腰を抉り、耳介を口に含んで舌で愛撫すれば、麻衣の―――姉の矜持は脆くなっていく。
「やっ……んぁぁっ!」
少しの刺激を与えるだけで、俺の言葉を否定する語調だった言葉を嬌声に変え、麻衣はビクッと一際大きく腰を跳ね上げた。
そして薄く開いた口を塞ぎながら、ズチュンパチュンと後から後から蜜を流す穴を激しく穿っていけば、ただただ快楽を受け入れる様に、鳴きながら全身で俺に絡みついてきた。
そうして、どちらともなく互いに抱き合い全身でとろけ合う一体感に、流石に俺の方も限界が間近に迫ってくるわけで……。
「あっ…あっ……も、ダメッ…奥だめっ…あっ……イッちゃうっ……あぁっ」
「んっ……俺も…も、だめ……」
ラストスパートとばかりに一心不乱に腰を揺らし、姉弟の境界を壊す勢いで姉の膣穴を―――快楽に降りてきた子宮口を押し開くようにゴンゴンと貫く。
そして―――
「あっあっあぁあぁ―――っ!!」
一際大きく悲鳴のように鳴いて、姉は全身を弓なりに反らしながら絶頂し―――その余韻でキュウゥっと絞り上げてくる膣のナカ、俺も溜まりに溜まった白濁をぶち撒けた。
その後しばらく余韻に浸りながら抱き合って、息を整えていたのだが―――俺は胸元に額を当てて黙り込んでいる麻衣の様子を、恐る恐る伺っていた。
俯いているため姉の表情は見えず、かと言って積極的に話しかけるには、イク寸前まで高まっていた気持ちのテンションが―――絶頂を過ぎ去ってから戻ってこない。
……怒ってんのかな……いや、悲しんでるのかもしれないな……
酔った勢いで弟と致したなんて……やっぱ、普通じゃねぇもんな……
賢者モードに至ってみれば、浮上できる要素が思い当たらず、身動きもしない姉の後頭部を見つめているだけで、不安ばかりが襲って、心臓ばかりが激しく鼓動を繰り返す。
そして、ふと姉が顔を上げた時、ドキンっと大きく胸が鳴り、その虚ろな表情にゴクリと息を呑みつつ続く反応を…言葉を待った。
「うん……。もう、おねえちゃんじゃなくても…いいのかもしれないね」と、嬉しそうに微笑みを返す姉の言葉を受け、俺は腕の中の存在を強く抱きしめた―――。
――――――なーんて、妄想していた時期が、俺にも有りました。
ああ、うん。まぁ、甘い妄想から一気に現実に引き戻される展開も一つのテンプレっていうか何ていうか……。
いや、ね。
現実はそんなにスィートにはできないって……知ってた。
むしろ塩多めな塩飴位に甘じょっぱいって……わかってた。
甘みも…まぁ、強いけど、今はそれを凌ぐほど塩気が強い―――ていうか、甘みも塩味も全てが濃すぎて、喉が渇いて仕方ないというか……遣る瀬なくてもどかしい。
……言ってること、伝わるかなぁ……って、誰に話しかけてんだって話だけど。
それはそう、まるで今現在上から顔面にボタボタと降り注いでくる、姉の涙と鼻水の如く……濃厚なものだって言っても、よくわかんねーよな。
…俺だって実は何でこんなことになったのか…よくわからんし。
一つだけ分かっていることは―――俺を男として意識させるための念願が叶った瞬間に、カオスが訪れた事……だろうな。
「ゔぁあぁぁぁ~~~~んっ……ぞゔだの…ゔぁかぁっっ!」
ぐちゅっぐちゅっぐちゅっ…
空前絶後の大号泣。
……そんな風に名付けてもいいほど、冷静さを欠いた姉は大声で泣きじゃくっていたのであるが……それに伴い、粘つくようなジュポジュポ音が部屋に響けば、問題は姉だけでは収まっていないことを理解していただけるだろうか?
下半身で繋がっている俺たちの間で、姉が俺のちんこを絞り上げるように責め立てれば、されてる側のダメージが半端ない。
嫌な作用反作用の法則である。
「んっんっんっ……ぁっ。…ゔゔゔ……ぁあんっ! おねえちゃんがいいのにぃっ!」
「いやっ……だからって……これは…くっ……違うだろっ……ぁっ……」
ぱちゅっぱちゅっ……ボタボタボタ…………
いやもう、上からも下からも聞こえる水音が何なんだか俺もよくわからないけども……取り敢えず、顔に降ってくるものが塩っぱくて生温かいことだけは断言できる。
「あっ…ちくしょっ……先っぽばっか……やめっ……ぁっ……」
そして、微妙にイキ所を外した自分本意な腰使いも、もどかしいばかりに焦れったくて……正直焦らされ続けている気分になり、おかしくなりそうになるので、マジで勘弁してほしい。
――――――ようやく念願の結合が叶った直後、酔いと快楽とその他諸々の感情の波に飲み込まれた挙げ句、弟とヤッてしまった現実に耐えきれず、姉の理性は崩壊した―――のだろうか?
ただ、それだけだったらまだ良かった……とは身勝手な言い分だと分かっているが―――その心の動きはまだ理解できたし、想定の範囲内だった。
弟である俺に挿入された衝撃は大きかったとはいえ、そこで逃げ出したり、攻撃してくるならまだ解る。
非難や罵倒を正面から受け止める覚悟も気合も充分あった。
けれども――突然ギャン泣きしたかと思うと、逃げるどころかイヤイヤ言いながらも、挿入した状態のまま魔力で俺を押し倒し……そこから騎乗位でおっぱじめるのはどういうことなのか。
本当に、どういうムーブからこうなったのだろうかと、むしろこっちが姉に問いたい。
酔っぱらいの泣き上戸でド淫乱って―――あの夫と称する男たちがどう対応していたのか、癪にさわるが知りたくなる案件だ。
元々、体に内包する魔力量の差は歴然としており、俺の燃費の悪さを補うために姉の魔力を間借りしている身としては、魔力押しで押さえつけられれば跳ね返す力はない。
そもそも、そのことは魔力の扱いを覚える内に、誰から教わるわけでもなく肌で感じていたのだが、今までも「嫌だ」「やめて」などと言われても、なんだかんだとなし崩し的に事に及んでいたのは……結局姉が拒否しきれない程、俺に甘かったからだ。
だから、弟の特権とばかりにそこにつけこんできた自覚はある。
しかし、挿入したままその場に居座ってシクシク泣いていたかと思うと、一層動物的に…情熱的に激しく腰を振って快楽を追求しながらも号泣するという状況に、戸惑いつつ翻弄された。
ていうか、……これ、『壊れた』って言わないよな?
一つの可能性に行き当たり、俺の上で腰を振る姉の姿を目にすると、今まで見たことが無いほど狂乱する姉の姿に、今までにないほど求められる興奮と共に―――少々薄ら寒いものを感じていた。
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