【R18】「いのちだいじに」隠遁生活ー私は家に帰りたいー

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その後のお話編:彼女にまつわるエトセトラ

異世界お宅訪問編 エルフさんのお宅から ⑨※※

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「あー…、もう。流石にこんな欲情しきった顔してしがみつかれてると、辛抱たまんねぇ。
 なんかやたらムラムラするっつーか、姉ちゃんもヤリ足りねえみたいな顔してるし………取り敢えず、今日こそ抱くわ」

 ほろ酔い加減でヨナとイタしてる最中に、この男によって爆破衝撃と共に寸止めされた。その爆音によって思考停止に陥った私の中に、ビュクッと注がれたモノの熱さとは裏腹に、私の方の熱はイキ場を失い溜め込んだままだった。そして、欲求を発散するタイミングを失って混乱している所に、足元も定まらず覚束ない状況―――からの転移帰宅という急展開に戸惑っていると、開口一番にそう告げられた。
 流石に横抱きにまではされなかったけれども、身長差が20cm近くある弟に半ば抱えるように連れられて、フラフラと全身寄りかかったまま移動した。
 腰に回された手が、肩に乗せられた手が…やけにじっとりと熱を持っている様に感じる。

「…んんっ……ぁ? あれ? ここ…家?」

 これらの目まぐるしい状況変化の連続に、私の脳の処理能力は著しく低下しており、自分の環境の変化にはかなり鈍かったと思う。そのくせ、確かに体の奥の方で熱が燻っているのを感じ、骨ばった手に触れられるだけで熱い吐息を洩らす程、体の疼きを持て余していた。
 そのため、自宅の寝室のどデカイ寝台の上に押し倒されても、未だに状況を掴めていないくせにやたらとキュンキュン疼く下腹部がやけに切ない。

「そう。あんたの家。流石によく知らない国から国を跨いで長距離跳べる気がしなかったから、取り敢えずそこに有る魔道具使ってもらったわ」

 そう言って、颯太は私の右上腕に嵌っている魔道具の留め具をパチリと外し、見せつけるように口づける。
 上から見下ろしてくる顔に影がさし、嬉しそうに笑う顔が知らない人のように見えた。
 腕に装着されている私専用の魔道具を、何故颯太が解除できたのか…という点の不可解さにも、まるで違和感が働かないまま、私はただただ颯太の姿や動きをぼんやりと見守っていた。

 …ていうか、なんてエロい格好してんのよ、この子。

 ふわふわした気分に浸りながら周囲に関する関心というものを失っていた私であったが、流石に弟が白くて光沢の有るスケスケナイトローブなんかに身を包んでいれば、思わずなけなしの正気を取り戻してガン見してしまうというもので。

 あ、パンツはいつもの普通のやつだ。

 見慣れていると言う程弟の下着なんて知ってるわけじゃないが、何気に見たことの有るボクサーパンツだったので、それがあっちの世界のものであることは流石に気がついた。

 世間から隔絶した山の中で過ごしているためか、時々周囲の反応構わず突っ走る人達だとは言え、流石世間ずれしてない聖職者集団。そこは不可侵領域として認められたらしい。

 このエロさ際立つナイトローブも多分、あの神官さん達に着せられたんだろうな……とは容易く想像がついたけれども、辛うじての一枚が守られていたことに、身内としてはホッとした。…結構ギリギリな格好させられてたけど。

 しかし、そんな私のなんとも言えない視線に気づいたのか、颯太は「ちっ」と忌々しそうに小さく舌打ちをして、乱暴に上着を脱ぎ捨てた。
 そして自分で床に叩きつけた衣装を見下ろし、気を取り直す様に大きく息を吐くと、私の頬に優しくキスを落としながら首のチョーカーなどの装飾品を外し始めた。

「ちょっとした宝石までついてて、結構重いのな……ガラスじゃねーんだろうし」

 なんて耳元で囁きながら、露出された首を指先でそろりと撫でたかと思うと、反対の手でそっと手の甲を撫でながら口元に引き寄せた指先から指輪を口で抜き―――って、いちいちエロい感じ作りながら装着物外していくの、やめてくれないかな……。妙な雰囲気醸し出てて、こっちが恥ずかしい。

 その芝居がかった仕草にゾワゾワと背筋を這い上がる気色悪さの様なものを感じつつ、身も蓋もなく考えた。
 しかし率直な思いとは裏腹に、再びモヤがかかってボンヤリした思考で薄く目を開けながら、ソフトタッチで触れられる部分のこそばゆさに、熱い吐息を洩らす。
 どんなに理性が受け入れがたい物を感じていようとも、感覚を高められた全身は、何をされても快感を拾ってしまう仕様になっており、いちいち敏感に反応して相手を愉しませた。

「その腕輪、俺の魔力で操作できそうだったんだけど……なんか半端なく吸われそうだったからやめたわ。
 ……帰ってからまた子供になっちまうんじゃ意味ねえし―――姉ちゃんが素直に言うこと聞いてくれて、助かったぜ」

 そう言ってそっと唇を頬に押し当てながらスルリと2つ目の腕輪を抜き去ると、子供の頃と変わらない可愛らしい笑顔で宣った。
 そっと優しく触れられる事に、徐々に心地よさを感じていた私は、段々抵抗していく気持ちが無くなっていき―――頬にあたる吐息のこそばゆさも相まって、

「へへへ……くすぐったい……」

 呟かれた言葉の意味も理解せず、なんとなく曖昧に笑い返してしまっていた。

 絶頂寸前からの突然の開放と、唐突な環境変化に対応しきれてない内に、颯太に導かれるまま自分で魔道具を起動して帰ってきた……らしいけど。
 本当に自分がやったことなのか、遠い過去の記憶のように朧げで、えへへと愛想笑いで覚えていない事を誤魔化してみる―――じゃなくて。
 少しずつ魔石の護りを外されて、これからどうやって逃げるのか…とか。ふとした時に理性が戻る瞬間はあったのに、次々と与えられる刺激に思考は散らされ、警戒心も散漫になってしまう。

「じゃあ、他の男の匂いや体液が移った服も、脱ぎ脱ぎしようなー…」
「ん~~…」

 普段の少し感情の籠もらない言い方とは違って、幾分気遣うように優しく囁かれながら、私は促されるまま無抵抗にうつ伏せになった。そして、ワンピースの後ろについたホックを外され、シャー…とゆっくりファスナーを下ろされる音を聞いて初めて、私は漸く何かがおかしいと気がついた。

 さっきまで履いていたはずのパンツが、いつの間にか無くなっている気がする。
 アレはエロかわいい路線で攻めたお気に入りのパンツなんだけど……自分で脱いだ覚えもないのに、何故?
 ていうか、体位を変える瞬間に抜き取られているとか、匠の技か?

 たかが脱衣とはいえ、こんな時にもこれまでの経験値を活かしてくる弟の技巧の高さには驚愕するしかない。ウチの子天才か?

「―――って………いや、待って、颯太…くん? ちょっと、あなたなんで私の服まで剥いでるの?」
「いやいや、ほら、外から帰ってきたら汚れた服はちゃんと洗いに出した方がいいだろ? 
 ここ、精霊ランドリーサービスも充実してるし。ちゃんと恥ずかしい汁でベトベトに濡れたパンツも出しといたぜ?」
「恥ずかしい言うな……って、いやいやいや、一人になったら自分で脱ぐし、パンツ脱がしてブラのホックまで外してくれなくても―――って、…ひゃんっ」

 あくまで穏やかな口調でやたらスムーズに強引に脱衣を進めていく弟に、何とか抵抗を試みていたけれども、突然お尻を撫でられ、顕になった項をぺろりと舐められたので、思わず小さな悲鳴を上げた。

「ははっ…体も股もやらしー液でヌルヌル。
 ……あの潔癖そうな美人神官長も普通に女とヤレば精液とか出すんだなぁ……」

 なんて、耳を塞ぎたくなるようなセリフを吐いたかと思ったら、小さく「清浄魔法クリーン」と呟く声が聞こえる。そして数秒の後、私の体にまとわりついていたベトつきが、まるで全身をタオルで拭われた様に、綺麗になっていくのを感じていた。
 胎内に留まっていた温かい精液が蜜口からじわりと零れ、ヌルついてむず痒くなっていた感覚さえ無くなっているのだから、何度使っても未だにこの魔法のデタラメな便利さに感心する。使い勝手の良さを思えば、地味にチート魔法だ。

「おおー…すっかりお肌サラサラじゃん。…ホント、魔法って便利だよなぁ。あっちでも使えればいいのになぁ。
 キスマークはちょっと残ってるけど、ポーション使うと消えるって言っても…このエロい状態も解除されるからなぁ。……まぁ、その都度上書きするのも楽しそうだけど。
 ……てか、ついさっきまで他の男に入れられてたとこにツッコむとかないわーとか思ってたのに、いざヤルとなると…意外とすっげー興奮すんのな……くくっ」

 ……いや、何いってんの?

 悦に入ったように嗤いながら独り言を呟く弟の言葉に、思わず反射的にツッコんでしまいそうになったが、昏さの混じった低い声の不気味さに、思わず言葉を飲み込んだ。

 そして内に籠もった笑い声を響かせながら、全開にされ顕になった背中から滑り込ませた両手で直接胸を掴まれ、思わず「ひぁっ」と悲鳴を上げ、背中を丸めてベッドに両肘を突く。
 頭上に投げ出されて枕の端を掴んでいたはずの両手は、思わず悲鳴を堪えるように顔に当てられ、口を塞ぐ格好になった。

「ひぁっ…あぁんっ! やらっ…やらっ…ンっ…」

 むにゅむにゅと感触を確かめるように、下からそっと差し入れられた両手に揉みしだかれるだけで、堪えきれない声が漏れた。

「…やだって言っても、ちゃっかり揉まれやすいように体浮かしてんじゃん……。
 なに?ブラジャーはそのままだったし、胸はあんまりイジってもらえなかった? 
 ふふっ……触る前から乳首ビンビンにしてたのに、可哀想に。
 ……乳首いじられんの、泣いちゃう位大好きなのになぁ…」
「……………」

 あんまヨナさんのエロさ舐めてんじゃねぇぞ、小僧!
 そんなこととっくに知ってるに決まってんだろがいっ!
 毎回しつこくこねくり回されて、ヨガリ狂っとるわっ!! お互いに!!

 ……なんて、相手を煽るような過激なセリフは吐かない方がいいと直感的に理解して、私は何も言わずに沈黙を守った。

 その間も含み笑いを零しながら、背後から粘つくように囁かれ、体の震えに合わせて揺れる胸の真ん中の尖りを指先でクニュクニュ弄ばれる度、言葉通り涙を流しながらアンアンと鳴かされた。
 お察しの通り、確かに固く膨れて敏感になりすぎてた乳首はブラが擦れる刺激にも疼いてたけど、それを外部に悟られないようにする程度の理性は保っていたのに……

 てか、ちょっと接しただけで、なんでわかるのよ、この子ぉ……っ!?

 その悪魔的な察しの良さと的確に弱い所を責めてくる容赦の無さに、思わず性的に与えられる刺激と違った意味で戦慄した。

「あっあっ……んっ……ひぁんっ! ンっ…んンーーっ」

 しかし、密かに胸の内を走る動揺を他所に、花魁のように引き下げられていたワンピースの襟をブラジャーごと胸元まで下ろされ、顕になった背中に優しくキスを落とされれば、声を堪えることもできなくて。
 そして、ビクリと一際強く反応を返す部分を中心に、焦らされてると感じるほど丁寧に舌を這わされるだけで、「はぁ…」と熱い吐息混じりの声が漏れた。
 また同時進行で、重力に従って下を向く乳房を下から持ち上げる様に両手で揉まれ、痛いほど敏感になった乳首を乳輪ごとクニュクニュと捏ねられれば、スカート越しに押し当てられる熱の硬さも相まって、キュンキュンと下腹部の奥の方が疼いて堪らない。

「ぁあんっあんっ…ぁっ……やぁんっ…!」

 酒精による興奮の残滓か、先程までヨナととイタしていた余韻のせいか……常に無いほどの急速な快感の高まりに、私の理性は脆くも瓦解する。
 ヤワヤワと下から掬い上げては揉みしだき、尖りきって敏感になった乳首をプルプルと弾かれるだけで抵抗する意志も消え失せた。

「ふふっ……固くなった乳首、プニプニ……。俺のチンポに自分から物欲しそうに尻押し当ててるってわかってるよな? 
 姉ちゃんの愛液と俺の我慢汁でお漏らししたみてーに、俺のパンツ濡れてんだけど…めっちゃアガるわー。
 てか、…体支える力もなくなって腕ガクガクしてきてるし……そろそろイッちゃう?」

 などと嗤いながら耳元で囁かれ、左右の胸の尖りを同時に指先で引き絞られれば、ビクンッと一際大きく背を反らす。
 その強すぎる刺激に、ガクガクと腰も砕け―――

「…ぁっ……それダメっ………やっ……イっちゃうぅっ!」

 恥ずかしげもなく大きな声を張り上げて、弟の言葉通りに容易く絶頂まで導かれていった。



 達した余韻に力なくベッドに突っ伏しながら、ハァハァと息を乱している最中も、首筋を辿って滴る汗をペロリと舌で拭われるだけで、その些細な刺激にすら体が震える。
 指一本動かせないような絶頂に達した後の気怠さと共に、新たに蜜口から溢れる蜜がトロリと腿を伝ってベッドを濡らしていくのを感じていたが―――

「まだまだ、これからが本番なんだから、もう少ししっかりしてくれよ、おねーちゃん♡」

 語尾に架空のハートをつけながら吐かれたセリフに不穏な気配を感じ、恐る恐る肩越しに仰ぎ見ると、あざとい程可愛らしい颯太の笑顔が目に入り―――その昏い笑顔の禍々しさに、火照る体とは裏腹にゾクリと背筋が凍るような悪寒が全身を駆け抜けた。




 グチュッグチュッ…チュプ…

 静かな部屋の中に粘ついた水音が響くけども、それが互いに深く口吻け合い、唾液を零しながら舌を絡ませ合う音なのか―――それともドロドロに蕩けた蜜孔に指を根本まで差し込まれ、止めどなく溢れ出る蜜を混ぜられている音なのか……最早そんなことを気にする思考は熱に溶けた。

 腕枕に固定され、後頭部から回された手で目隠しするように顔を覆われてしまえば、逃れられない快楽に深く溺れていく。

「んっんっ……ふぁっ……ぁっ…んぷっ……」

 そして他に気を逸らす術も無いまま、ただただ夢中になって流し込まれる唾液を啜り、舌を絡め合った。
 互いの口腔内でクチュクチュと淫らな音が響く中、濃厚な交わりの合間にどちらともなく溢れた吐息が耳を打つ。

 後ろから散々胸を弄られ、露出した背部を余す所なく舐め辿られて乱れている内に理性を失い、いつの間にか仰向けに寝かされていた。
 そして体位を変えるタイミングで辛うじて纏っていた衣服も剥ぎ取られ、背後に差し込まれた腕に固定されるように抱えられていると気づいた時にはもう手遅れだった。
 後ろから回す様に顔を覆う手に視界を奪われ、チュプチュプと舌を扱きながら吸われる口吻くちづけの気持ち良さに溺れていれば、全裸で弟の視線に晒されていることに羞恥を覚える暇もない。
 そして、空いた右手で太腿をそっと押し開かれ………シーツに滴るほどの蜜を溢れさせていた蜜口は―――慣らしもされていないのに―――無抵抗にジュプリと颯太の3本の指を飲み込んだ。

「あぁんっ! んっんっ……」
「ははっ…すっげ。 解しもしてないのに、ヌルヌルしながら俺の指食ってるわ……」

 耳元で響く声にゾクッと体を震わせるが、全身を駆け抜ける快感に脳も支配され、卑猥な言葉に対する反論は一言も出ない。
 ヌプッヌプッ…と、耳を覆いたくなるほど、蜜を纏わせ出入りする淫らな音が耳に入る。しかし、切ないほどキュンキュンと収縮する蜜孔は、不埒な動きに合わせて異物を咥え込み、貪欲な動きで与えられる快楽を貪った。

 そして時折気まぐれに項から耳裏に舌を這わされ、蜜孔の少し上で固く凝りきっていた陰核を親指や掌で潰され捏ねられれば、

「やっやぁっ…もういやぁっ……なんか出ちゃうっ」

 イヤイヤと涙を零しながら頭を振って、過ぎた快楽を逃がそうとする。しかし、コレまでの経験上、この鬼畜な弟がそんなことで許してくれるはずもなく―――

「ははっ…まだナカでイッてないだろ? イイとこ擦ってやるから、もう少し頑張ってよ―――お姉ちゃん?」
「もっ…やめっ……ああぁっ!」

 蜜孔の深い奥まで差し込み、ジュクジュクと粘つく音を立ててバラバラに動かしていた指の一つが、すっかり開発された私のナカの良い所を擦った刺激に、ビクンッと大きく体を震わせた。

「………あ、ここ? この辺りがイイわけか……」

 その激しい反応に、『我が意を得たり!』…とでも言いたげな声の明るさと反比例して、私は自分の危機を瞬時に悟った。

 …だからと言って、今更逃げ出せるわけもなく―――

「あっあっ…やっ…だめっだめっ……そこヤぁっ…やぁっ――っ!」

 陰核の真下や子宮近くのイイ所を容赦なく責め立てる弟の指使いに、声も絶え絶えになる程喘ぎ続け………
 同時にコリッと乳首を甘噛された瞬間、悲鳴のような嬌声をあげて絶頂する―――のだが。半ば意識を失うように、四肢を投げ出して脱力しているのに……胎内では果てた余韻を残すように、ビクッビクッと浮かせた腰を震わせながら、膣内を探るようにしつこく蠢く指をキュウキュウと締め上げ続けた。

 もう、イキ過ぎて辛い……。

 半ば自棄になりながら涙やら汗やらヨダレやらを拭いもせずに転がって…クールダウンに専念していたが、不意にフッと…寄り添っていた温もりが離れていくのを感じてホッする。
 まるで全身スライムにでもなったように、自分の体がドロドロに蕩けてしまいそうになりながら、私は一人で見慣れた天井を仰いでハァハァと息を切らせた。

 イキ狂った後の、指一本自分で動ける気がしないほどの虚脱感が全身を襲っている。そのため、その横で体を起こして嗤いながら見下ろす弟の姿を目にしても、視線しか動かせない。
 これ以上の行為に進む前に逃げなきゃいけない事はわかっているのに…脳から発した危険信号は体には何も伝達されず、ピクリとも動く事ができなかった。

「ははっ……すっげーエロい眺め。…姉ちゃん、もう色々汁まみれでグッショグショじゃん……。
 でもさ、悪いけど俺はほら、もうガン勃ちして痛い位なんだわ。……俺、よく入れずにここまで頑張ったよなぁ…ってマジ思うわ」

 うっせぇわ

 無邪気とも呼べるような表情で笑いながら熱り立った性器を見せつけ、邪悪な動きで責め立ててくる弟の言葉に、反射的に浮かんだ単語はあるものの、これ以上何と罵り…言葉をかけたものか。
 そんな弟と言えば、黙って見上げる私の怒りや恐怖の混じった表情を目にしてもお構いなしに……どころかむしろ嬉しそうに、いそいそとボクサーパンツを脱ぎ捨て―――言葉通りギンギンに勃起した性器がブルンと飛び出す様に、危機的状況を瞬時に悟り、私は「ひっ」と声を漏らした。

 いやっ…やだっ……やめて…………そんなの何か違うからっ

 そんな言葉が頭の中をグルグル回ったけども、恐慌状態に陥った様に混乱してしまい、言葉は口に登らなかった。
 夫や恋人以外の男に触れられる生理的嫌悪感とか、姉弟で致す禁忌とか、家族を裏切る罪悪感とか―――そう言うものの類じゃないと、強く思う気持ちだけはあったけど、その気持を上手く言語化できる程、今は冷静にはなれなくて。


 それなのに颯太は、いっそ優しいほど穏やかな眼差しで、混乱の最中にいる私を見下ろし―――

「……そろそろ……抱くよ? もう、いいだろ?……俺も結構限界だし―――…。
こんなチャンス……この先いつ来るかわかんねーからな……」
「…なに言って……?」

 そう言って、返答も待たずに仰向けに寝転がる私の膝を立てて左右に割り開く。そして入り口に押し当てて確かめるように、切っ先に蜜を絡ませるようにユルユルと上下に動かし、濡れそぼつ隘路に馴染ませた。
 そして角度を調整するように慣れた動きで腰を持ち上げたと思ったら、お尻まで蜜を零す膣口を押し開くようにググッと腰を押し進め……

「ぁっ…ぁっ……」

 グププ…と固くて太いモノが私の蜜孔を押し開き、侵入してくる圧迫感に「ひぃんっ」と悲鳴を上げた。
 しかし、私の声なき声に…イヤイヤと首を振る動作にも構わず押し入られ―――反射的に涙が溢れる。

「ん……ぁあっ……すっげ……。これが姉ちゃんのナカか……。
 …ヌルついてるくせにキュンキュン締め付けてくるし……入れただけでイキそ……」

 上から聞こえる吐息の様な小さな声はあまりにもあけすけで、耳を覆いたいのに……やけに切ない表情も垣間見えて……ズクンっと心臓が大きく鼓動する。
 それでもねちっこい愛撫に何度もイカされ、滑りきっている蜜孔は、本人の思惑を裏切って抵抗らしい抵抗も見せずに颯太の性器を飲み込んでいき……根元まで入り込んだカリの先端でグリッと奥を抉られた瞬間、

「ぅうう…もういやぁ―――っ!! 颯太のばかぁ―――っ!!」

 決壊した堤の様に私の涙腺は崩壊し―――控えめに言ってギャン泣きした。
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