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2章 花の匂い
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「ねえ、貴方好きな花は何なの?」
彼女は暇になると僕によくなにか訪ねてくる。
「好きな花…ですか?
実物を見た事はありませんが、東洋にある「彼岸花」と呼ばれる花を写真で見た時は綺麗だと思いましたよ」
「ひがんば…な?聞いた事ないわ。写真どこにあるの?」
「僕の部屋の図鑑にあります。取ってきますよ」
そう言って僕はティールームを出て自室に向かった。
たまにしか見ない本棚に飾ってある写真立てに、ふと目が止まった。
まだもう少し幼い頃、何処かの花畑で撮った僕とお嬢様の写真だ。綺麗な花畑の中で、無邪気に笑っている僕と彼女が其処に映っていた。
もうすぐ会えなくなる。
春の芽吹きを一緒に見たら、もうお忍びで海に遊びに行く夏にも心地良い秋にも2人で暖炉の前で暖まる冬にも、僕の隣に彼女はいない。
それが巡ったら、もう1年過ぎても彼女には会えない。
それが分かっていても、僕にはもうどうしようもできないことが腹立たしくて、僕の気なんて知れずに今日も変わらず僕の隣で笑っている彼女に、なんだか少し腹が立ってしまった。
「おーい、まだなの?」
気が付いたら当初ここに来た理由なんて忘れて、1人本棚の前に立ち尽くしていた。
お嬢様が心配そうに僕の部屋のドアを開けてこちらを覗いていた。
「ごめんなさい待たせてしまって、図鑑ならここに…」
「あら、その写真懐かしいね。何処に行った時だったっけ?」
つい先程まで僕を苦しめていた写真の存在に気付きこちらに入ってきて写真立てを手に取るお嬢様。
彼女はこの写真を見ても何も感じていないことにまた自分の心を少し抉られてしまった気がした。
「随分昔の写真ですね、さあ戻りましょう。
召使い達が心配してしまいます」
「それもそうね、何も言わずに来ちゃったし戻ろうか」
その後花々の写真を眺める彼女は心底楽しそうに笑っていたが、僕は上手く作り笑い出来ているか分からなかった。
彼女は暇になると僕によくなにか訪ねてくる。
「好きな花…ですか?
実物を見た事はありませんが、東洋にある「彼岸花」と呼ばれる花を写真で見た時は綺麗だと思いましたよ」
「ひがんば…な?聞いた事ないわ。写真どこにあるの?」
「僕の部屋の図鑑にあります。取ってきますよ」
そう言って僕はティールームを出て自室に向かった。
たまにしか見ない本棚に飾ってある写真立てに、ふと目が止まった。
まだもう少し幼い頃、何処かの花畑で撮った僕とお嬢様の写真だ。綺麗な花畑の中で、無邪気に笑っている僕と彼女が其処に映っていた。
もうすぐ会えなくなる。
春の芽吹きを一緒に見たら、もうお忍びで海に遊びに行く夏にも心地良い秋にも2人で暖炉の前で暖まる冬にも、僕の隣に彼女はいない。
それが巡ったら、もう1年過ぎても彼女には会えない。
それが分かっていても、僕にはもうどうしようもできないことが腹立たしくて、僕の気なんて知れずに今日も変わらず僕の隣で笑っている彼女に、なんだか少し腹が立ってしまった。
「おーい、まだなの?」
気が付いたら当初ここに来た理由なんて忘れて、1人本棚の前に立ち尽くしていた。
お嬢様が心配そうに僕の部屋のドアを開けてこちらを覗いていた。
「ごめんなさい待たせてしまって、図鑑ならここに…」
「あら、その写真懐かしいね。何処に行った時だったっけ?」
つい先程まで僕を苦しめていた写真の存在に気付きこちらに入ってきて写真立てを手に取るお嬢様。
彼女はこの写真を見ても何も感じていないことにまた自分の心を少し抉られてしまった気がした。
「随分昔の写真ですね、さあ戻りましょう。
召使い達が心配してしまいます」
「それもそうね、何も言わずに来ちゃったし戻ろうか」
その後花々の写真を眺める彼女は心底楽しそうに笑っていたが、僕は上手く作り笑い出来ているか分からなかった。
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