ライバル悪役令嬢に転生したハズがどうしてこうなった!?

だましだまし

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9 ヒロイン視点

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私が転生者だと気付いたのはママだった人が死んじゃった時だった。

ローデン伯爵家のメイドをしていたママは伯爵のお気に入りだった。
時々夜の相手もしていて、他のメイドたちより優遇されていたし、伯爵は私のことも優遇してくれたから私は伯爵の子じゃないかってずっと噂されてた。
そんな噂のせいで伯爵家の息子たちには少し冷たく扱われたけど、伯爵夫人は夫との関係に冷めきっていたらしくて、煩わしい閨ごとを任せられるとママに時折化粧品を下げ渡していたくらいだった。

入学前の冬、そんなママが熱病に侵された。
そして呆気なく死んでしまったのだ。
私もショックのせいか、ママの熱病が移っていたのか高熱で倒れた。
その熱が下がった時、ハッと気付いたのだ。
ここは私がもの凄くハマってプレイしていたゲーム、セイント☆ストーリーの世界じゃないかと!
鏡の中の私はパッケージカラーのピンク髪、名前はデフォルト設定のマリア!間違いない!
ピンク髪の炎属性なら王太子ルートもクリアしやすいしラッキー!

憧れの世界に歓喜する間もなく私の回復を聞きつけた伯爵に尋ねられた。
手には2つの誕生石。
一つは安物の天然石みたいに透明度ゼロの黄色い石、一つはピンクがかった輝かんばかりに美しい真珠だ。
「こちらがママ、こっちが私です」

伯爵から渡されたのは私の誕生石とゲームで見たヒロインが付けてる髪飾りの石が付いていないもの。
ママが毎日付けていた伯爵からのプレゼントの髪飾りだ。
この石と髪飾りをくっつけたのがヒロインの『母の形見の髪飾り』の正体ってエピソードは大商人の息子マツト・コギストのルートで出てくる。

ママの誕生石はトラスト・カジー先生ルートでヒロインが話していた通り伯爵が管理したいというので譲ってあげた。
どれもゲームでヒロインが話してた展開だ!
本当は渋ったのを説得されたっぽいけど私はいらないもん。
快く譲ってあげた。

熱が下がったあと、元の使用人として働く事無く療養させてもらえたので暇だしゲーム通り石と髪飾りをくっつけた。
私はマリアだけどどうも前世の思考が強い。
そのせいか元のマリアと違って今の私じゃ不器用だから難しかったしあまり上手くできなかったけど仕方ない。
私の一番の推し、シークレットのあの人に「伯爵の気が変わって髪飾りも奪われないよう自分でくっつけた」って話を成立させるために自分でした方がいいもんね。

そうこうしてる間に珍しい真珠の誕生石について調べてたローデン伯爵が聖属性は真珠として現れることをやっと知ったらしく養女に迎えられる事が決まった。

フフフ、本当に何もかもゲーム通りの展開!

これは何もしなくてもきっとディルアーナとぶつかって攻略対象に会えるわ!
一番会いたいのはもちろんシークレットのあの人!
大ボス、リュシルファ・ツィルフェール公爵令嬢の執事、ジグス・サーディス!
彼は王太子ルートを選択して、かつ隠されている他の攻略対象全員とのイベントをこなし全員の好感度が一定以上の状態、いわゆるハーレムルートを3年生進級時に達成出来ているとやっと出てくるシークレットキャラだ。

勝負は1年と2年!
特にパートナーが固定されてない1年での行動は重要だ。
ここでどれだけ好感度を上げておけるかが鍵になる。

難しいのはイベントの少ない第二王子キュレイと攻略難易度が高めの氷の騎士セルディ、あと宰相子息バルムは選択ミスした時に好感度の下がり幅が大きいから気をつけなくっちゃ!
ゲームみたいにやり直しが出来ないものね。

他は散々プレイしてるしそんな難しいと思わなかったから大丈夫でしょっ!
ジグス様!待っててくださいね!


こうして期待に胸を膨らませ、憧れの聖・王立学園の入学式を迎えた。
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