追放したんでしょ?楽しく暮らしてるのでほっといて

だましだまし

文字の大きさ
28 / 28

28 エピローグ

しおりを挟む
王宮の広い廊下を5人で歩く。
今日の公務は終わり、あとは休むだけだ。
「ディボラ様、明日から例の日ですね」
ウキウキと声をかけると「楽しみね」と良い笑顔を返して頂けた。


王子妃付き側仕えになる予定だった私達はディボラ様が王籍に入ったことで王女付き側仕えとなった。
セドム王子が居ない以外、あまり変わりなくほぼ予定通りの人生を歩んでいる。

あの断罪のあと、王家は白紙となったディボラ様の結婚先をいたく気にしていた。
なんせ影から魔法の威力を聞いている。
だが血縁の公爵家は既婚者ばかり、親戚筋の侯爵家は年齢の合う未婚の者がいなかった。
「ディボラ嬢はこの国の宝とも言える人物。なんとか王家と縁を繋げておきたい。男ならば公爵を叙爵しても良いのに…こうなれば法を変えるか…」
こんな事まで言い出す始末だった。

今までのサポートがディボラ様の功績と知った王太子様はそこで父王に進言したのだ。
「セドムはいなくなったが私はディボラ嬢のサポートを変わらずに受けたい。なのでセドムの持っていた王族の権利をそっくり与えては如何ですか?王籍を与え私の妹とするのです。そうすれば嫁いでも王家と縁があるままです。養子でなく王籍を与えるだけなので侯爵家へ帰るのも自由とすればエムセイノ侯爵家も頷いてくれませんかね?」
エムセイノ侯爵家としては元々嫁がせる予定だったので侯爵家の娘だが王籍となる事に異論無かったらしい。
ディボラ様が王女になってもご結婚される時に紹介される両親はエムセイノ侯爵夫妻のままになるらしいのだ。

しかしディボラ様が頷かなかった。
「私は追放された身なのでほっといてもらって構いませんわ」
まさかの返しに焦ったのは王様である。
「どうすれば王籍に入ってくれる?私に叶えられることなら何でも叶えてみせよう。だから我が国の為にこれからも力を貸して欲しい」



「今回こそ名前を間違えないで下さいね?私はサナ!ラナはラーナですからね?アリーはわかってるかなー?」
同じくウキウキとしたサマナにからかわれる。
彼女は最近弓にハマっている。
隠密の基礎を学んでいるだけあって中々の上達ぶりだ。

ディボラ様の出した条件は年に一度、1ヶ月の追放生活だった。
その間の私達は平民のアリー、サナ、ラーナ、レリー、そしてディーという冒険者になるのだ。
何者にも縛られない自由な生活。
住まいはもちろんあの小屋。
毎回再起動してから使うので足りないベッドは折り畳みを持参している。
もちろんあの鞄に入れて。

小屋は定期的に使うようになったので使わない間に他の人が入れないようディボラ様の土魔法で入口は塞ぐようになった。
パッと見は崩れそうなボロ小屋が岩に支えられて残っているように見えるので誰も近付いてないらしいが時々影の人が様子見に行ってくれている。
そんなことしなくても魔道具だし見つけても殆どの人にはどうにも出来ないんだけどね。


「実家に探してきてくれって薬草リスト渡されちゃいましたの…仕入れ扱いだと思いません?」
レリアーナの口調はボヤキだが表情は楽しみを隠せていない。

「私はあのクリームの店に行きたいですぅ…へへへ」
ラナ…表情が緩むのが早い。


私たちの絆が深まった追放生活。
きっかけは断罪だったけど年に一度のお楽しみ。
好きな相手を選んでいいからそろそろ結婚を…なんて言われちゃうけど私は今の生活が止められない。
弟にも呆れられてしまったけれど、つい
「楽しく暮らしてるのでほっといて!」
って言っちゃった。
セドム王子、様々!なんちゃってね。






おしまい


予定よりかなり長くなり「どこいくんだ?」ってなった時も実はありましたがここまでお付き合い下さりありがとうございます!
しおりを挟む
感想 9

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(9件)

雪那
2025.03.30 雪那
ネタバレ含む
2025.03.30 だましだまし

最後までお読み下さりありがとうございます!
女性は組むと強いですよね(笑)

ラストは…彼女と別居したことが国にバレるとリーナは死罪となるので…死罪として罰されなくても生き抜くのは彼女には難しいでしょうし遅かれ早かれ自分の逃亡で彼女を殺すことになってしまうのです…

解除
にゃあん
2023.12.28 にゃあん
ネタバレ含む
2023.12.28 だましだまし

お読みいただきありがとうございます!

面白かったと言っていただけるのが一番嬉しいです!
確かに里帰り的なお楽しみですね♪
旦那様…たしかに…遠くない未来!
スペック高めな女性を嫁に出来た果報者たちなのできっと優しく見守ってくれるでしょう!(ついてってませんね(笑)

にゃあん様も良いお年を!

解除
alex
2023.12.19 alex

面白かった~(^^♪
ヒロインが無敵っぽいし、お嬢様方が徒党を組んでヒロインと一緒に行動するのが爽快でした。
面白いお話を作ってくださってありがとうございます(^^♪

2023.12.19 だましだまし

お読みいただきありがとうございます!
面白かったと言っていただけ感無量です✨
こちらこそありがとうございます!

解除

あなたにおすすめの小説

婚約破棄に乗り換え、上等です。私は名前を変えて隣国へ行きますね

ルーシャオ
恋愛
アンカーソン伯爵家令嬢メリッサはテイト公爵家後継のヒューバートから婚約破棄を言い渡される。幼い頃妹ライラをかばってできたあざを指して「失せろ、その顔が治ってから出直してこい」と言い放たれ、挙句にはヒューバートはライラと婚約することに。 失意のメリッサは王立寄宿学校の教師マギニスの言葉に支えられ、一人で生きていくことを決断。エミーと名前を変え、隣国アスタニア帝国に渡って書籍商になる。するとあるとき、ジーベルン子爵アレクシスと出会う。ひょんなことでアレクシスに顔のあざを見られ——。

学園首席の私は魔力を奪われて婚約破棄されたけど、借り物の魔力でいつまで調子に乗っているつもり?

今川幸乃
ファンタジー
下級貴族の生まれながら魔法の練習に励み、貴族の子女が集まるデルフィーラ学園に首席入学を果たしたレミリア。 しかし進級試験の際に彼女の実力を嫉妬したシルヴィアの呪いで魔力を奪われ、婚約者であったオルクには婚約破棄されてしまう。 が、そんな彼女を助けてくれたのはアルフというミステリアスなクラスメイトであった。 レミリアはアルフとともに呪いを解き、シルヴィアへの復讐を行うことを決意する。 レミリアの魔力を奪ったシルヴィアは調子に乗っていたが、全校生徒の前で魔法を披露する際に魔力を奪い返され、醜態を晒すことになってしまう。 ※3/6~ プチ改稿中

愛する妹が理不尽に婚約破棄をされたので、これからお礼をしてこようと思う

柚木ゆず
ファンタジー
※12月23日、本編完結いたしました。明日より、番外編を投稿させていただきます。  大切な妹、マノン。そんな彼女は、俺が公務から戻ると部屋で泣いていた――。  その原因はマノンの婚約者、セガデリズ侯爵家のロビン。ヤツはテースレイル男爵家のイリアに心変わりをしていて、彼女と結婚をするためマノンの罪を捏造。学院で――大勢の前で、イリアへのイジメを理由にして婚約破棄を宣言したらしい。  そうか。あの男は、そんなことをしたんだな。  ……俺の大切な人を傷付けた報い、受けてもらうぞ。

聖女が降臨した日が、運命の分かれ目でした

猫乃真鶴
ファンタジー
女神に供物と祈りを捧げ、豊穣を願う祭事の最中、聖女が降臨した。 聖女とは女神の力が顕現した存在。居るだけで豊穣が約束されるのだとそう言われている。 思ってもみない奇跡に一同が驚愕する中、第一王子のロイドだけはただ一人、皆とは違った視線を聖女に向けていた。 彼の婚約者であるレイアだけがそれに気付いた。 それが良いことなのかどうなのか、レイアには分からない。 けれども、なにかが胸の内に燻っている。 聖女が降臨したその日、それが大きくなったのだった。 ※このお話は、小説家になろう様にも掲載しています

【完結】婚約者も両親も家も全部妹に取られましたが、庭師がざまぁ致します。私はどうやら帝国の王妃になるようです?

鏑木 うりこ
恋愛
 父親が一緒だと言う一つ違いの妹は姉の物を何でも欲しがる。とうとう婚約者のアレクシス殿下まで欲しいと言い出た。もうここには居たくない姉のユーティアは指輪を一つだけ持って家を捨てる事を決める。 「なあ、お嬢さん、指輪はあんたを選んだのかい?」  庭師のシューの言葉に頷くと、庭師はにやりと笑ってユーティアの手を取った。  少し前に書いていたものです。ゆるーく見ていただけると助かります(*‘ω‘ *) HOT&人気入りありがとうございます!(*ノωノ)<ウオオオオオオ嬉しいいいいい! 色々立て込んでいるため、感想への返信が遅くなっております、申し訳ございません。でも全部ありがたく読ませていただいております!元気でます~!('ω')完結まで頑張るぞーおー! ★おかげさまで完結致しました!そしてたくさんいただいた感想にやっとお返事が出来ました!本当に本当にありがとうございます、元気で最後まで書けたのは皆さまのお陰です!嬉し~~~~~!  これからも恋愛ジャンルもポチポチと書いて行きたいと思います。また趣味趣向に合うものがありましたら、お読みいただけるととっても嬉しいです!わーいわーい! 【完結】をつけて、完結表記にさせてもらいました!やり遂げた~(*‘ω‘ *)

妹が聖女に選ばれました。姉が闇魔法使いだと周囲に知られない方が良いと思って家を出たのに、何故か王子様が追いかけて来ます。

向原 行人
ファンタジー
私、アルマには二つ下の可愛い妹がいます。 幼い頃から要領の良い妹は聖女に選ばれ、王子様と婚約したので……私は遠く離れた地で、大好きな魔法の研究に専念したいと思います。 最近は異空間へ自由に物を出し入れしたり、部分的に時間を戻したり出来るようになったんです! 勿論、この魔法の効果は街の皆さんにも活用を……いえ、無限に収納出来るので、安い時に小麦を買っていただけで、先見の明とかはありませんし、怪我をされた箇所の時間を戻しただけなので、治癒魔法とは違います。 だから私は聖女ではなくて、妹が……って、どうして王子様がこの地に来ているんですかっ!? ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

宮廷から追放された聖女の回復魔法は最強でした。後から戻って来いと言われても今更遅いです

ダイナイ
ファンタジー
「お前が聖女だな、お前はいらないからクビだ」 宮廷に派遣されていた聖女メアリーは、お金の無駄だお前の代わりはいくらでもいるから、と宮廷を追放されてしまった。 聖国から王国に派遣されていた聖女は、この先どうしようか迷ってしまう。とりあえず、冒険者が集まる都市に行って仕事をしようと考えた。 しかし聖女は自分の回復魔法が異常であることを知らなかった。 冒険者都市に行った聖女は、自分の回復魔法が周囲に知られて大変なことになってしまう。

薄幸ヒロインが倍返しの指輪を手に入れました

佐崎咲
ファンタジー
義母と義妹に虐げられてきた伯爵家の長女スフィーナ。 ある日、亡くなった実母の遺品である指輪を見つけた。 それからというもの、義母にお茶をぶちまけられたら、今度は倍量のスープが義母に浴びせられる。 義妹に食事をとられると、義妹は強い空腹を感じ食べても満足できなくなる、というような倍返しが起きた。 指輪が入れられていた木箱には、実母が書いた紙きれが共に入っていた。 どうやら母は異世界から転移してきたものらしい。 異世界でも強く生きていけるようにと、女神の加護が宿った指輪を賜ったというのだ。 かくしてスフィーナは義母と義妹に意図せず倍返ししつつ、やがて母の死の真相と、父の長い間をかけた企みを知っていく。 (※黒幕については推理的な要素はありませんと小声で言っておきます)

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。