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後日談
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あれから10年ーー
ルアは無事、フィリンと結婚しジャルナク辺境伯婦人として暮らしている。
可愛い子供たちが銀髪に産まれることは無く、フィリンと同じか祖母のレイナ子爵婦人と同じ髪色をしていた。
将来、この子供たちの誰かがレイナ子爵家を継ぐことになっている。
王家はまだ当時の国王陛下が現役で頑張っていた。
王太子は変わらずケンシーのまま。
王太子代理として実直な性格の弟が政務を補助している。
そして時期国王予定のケンシーの次代はこの弟の息子のどちらかにと内々では言われており、王子ではないが帝王学などを学ばせられているらしい。
そしてケンシー
彼は王太子の座を弟に譲りたいと願い出ていたが通るはずもなく今も呪いに苦しんでいる。
全身が軋み、痛み、呼吸すら辛いと嘆く日々だ。
しかし眠れないわけではない。
食事も老人向けのもののように柔らかなものなら食べられる。
死なず殺さずの苦しみは強い痛み止めを飲んだ時だけ軽減されるが、多用していると精神が蝕まれるらしく廃人のようになるのも遠くなさそうだという。
「遠くない未来、孫がもう少し育てば私は退位し、ケンシーに王位を譲る」と国王陛下が王都で役職に就いている高位貴族たちに宣言したと、辺境伯であるフィリンは報告書で知った。
「あのケンシー様が王様に…この国は大丈夫なのかしら?」
相も変らぬ美しいレアがため息と共に夫に不安を漏らす。
「大丈夫じゃないかな?再来年辺りに予定されているらしいからその年には私達も王都に出向くことになるけど…ほら」
そういって手渡されたのは辺境伯など領地を離れにくい立場の者に、先んじていつ頃どれだけ滞在して欲しいと知らされる大まかな予定を知らせた手紙だった。
「えと…え?ふふふっ。たしかに大丈夫そうね。でも一旦帰るか長く滞在するか迷いそうだわ」
「私は仕事の状態によって帰るがレアは子供たちと実家でゆっくり過ごすのも良いんじゃない?」
「いいの?それならそうさせてもらおうかしら」
「王都のおじい様とおばあ様のおうちに行くの?」
「わーい!いつー?」
子供たちも混じって家族の団らんは続く。
ハラリと落ち、手紙に目をやった執事は内容をそっと見て「なるほど」と得心した。
予定表にかかれていた王都召集の名目は「王位継承式及び戴冠式」
それが1年のうちに2回。
「国王様、上手くお孫様を守られましたな」
フィリンとレアの子供たちを心の内で孫の様に慈しんでいる老齢の執事は手紙を執務室に保管するためそっと団らんの部屋を後にした。
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お読み下さりありがとうございました!
ルアは無事、フィリンと結婚しジャルナク辺境伯婦人として暮らしている。
可愛い子供たちが銀髪に産まれることは無く、フィリンと同じか祖母のレイナ子爵婦人と同じ髪色をしていた。
将来、この子供たちの誰かがレイナ子爵家を継ぐことになっている。
王家はまだ当時の国王陛下が現役で頑張っていた。
王太子は変わらずケンシーのまま。
王太子代理として実直な性格の弟が政務を補助している。
そして時期国王予定のケンシーの次代はこの弟の息子のどちらかにと内々では言われており、王子ではないが帝王学などを学ばせられているらしい。
そしてケンシー
彼は王太子の座を弟に譲りたいと願い出ていたが通るはずもなく今も呪いに苦しんでいる。
全身が軋み、痛み、呼吸すら辛いと嘆く日々だ。
しかし眠れないわけではない。
食事も老人向けのもののように柔らかなものなら食べられる。
死なず殺さずの苦しみは強い痛み止めを飲んだ時だけ軽減されるが、多用していると精神が蝕まれるらしく廃人のようになるのも遠くなさそうだという。
「遠くない未来、孫がもう少し育てば私は退位し、ケンシーに王位を譲る」と国王陛下が王都で役職に就いている高位貴族たちに宣言したと、辺境伯であるフィリンは報告書で知った。
「あのケンシー様が王様に…この国は大丈夫なのかしら?」
相も変らぬ美しいレアがため息と共に夫に不安を漏らす。
「大丈夫じゃないかな?再来年辺りに予定されているらしいからその年には私達も王都に出向くことになるけど…ほら」
そういって手渡されたのは辺境伯など領地を離れにくい立場の者に、先んじていつ頃どれだけ滞在して欲しいと知らされる大まかな予定を知らせた手紙だった。
「えと…え?ふふふっ。たしかに大丈夫そうね。でも一旦帰るか長く滞在するか迷いそうだわ」
「私は仕事の状態によって帰るがレアは子供たちと実家でゆっくり過ごすのも良いんじゃない?」
「いいの?それならそうさせてもらおうかしら」
「王都のおじい様とおばあ様のおうちに行くの?」
「わーい!いつー?」
子供たちも混じって家族の団らんは続く。
ハラリと落ち、手紙に目をやった執事は内容をそっと見て「なるほど」と得心した。
予定表にかかれていた王都召集の名目は「王位継承式及び戴冠式」
それが1年のうちに2回。
「国王様、上手くお孫様を守られましたな」
フィリンとレアの子供たちを心の内で孫の様に慈しんでいる老齢の執事は手紙を執務室に保管するためそっと団らんの部屋を後にした。
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