19 / 35
可愛い彼女と夏祭り
19話
しおりを挟む
「これで良し!」
夏祭り当日。私はレンタルした綺麗な薄ピンク色の浴衣をお母さんに着せてもらっている。
今までは菫色の浴衣しか着たことが無かったから少し新鮮な気持ちがする。
「うん! 可愛い!」
お母さんは私の肩に手を置いてそう言った。
「か、可愛いって……」
正直浴衣姿を可愛いと言われて物凄く嬉しい。それがたとえお母さんが言ったお世辞だったとしても。
「でもどうしてこの色なの? 菫色の浴衣お気に入りだって言ってたじゃない」
確かに私は昔から菫色が大好きだ。だから浴衣を買ってもらう時にも菫色の浴衣を選んだ。
でも、今日着ていく浴衣の色は薄ピンク色。決して菫色が嫌いになったわけじゃないし、初めて買ってもらった浴衣は今も気に入ってる。
「内緒」
私は人差し指を口元へと持っていきそう言った。
「何~、教えてよ~。まぁどうせ蒼汰くんが関わってるんだろうけど」
「なっ!」
「本当に陽愛って分かりやすいよね~」
お母さんは私を揶揄うようにして笑った。
そんなお母さんに対して、私は頬を膨らませて「もう!」と怒る。
「ごめん、ごめん。それよりも時間は大丈夫?」
お母さんに時間を指摘され、私は壁に掛けられている時計に目を配る。
「あっ! もう時間ない!」
蒼汰と約束している集合時間まで残り十分しかない。
幸い、ここから集合場所の駅まではそこまで遠くはないので急いで行けば間に合うだろう。
私は「ごめん、もう行かないと!」って言って飛び出した。
「あっ! ちょっと待ちなさい陽愛」
お母さんは急ぐ私の手を掴んで止めた。
「な、何? 本当に遅れちゃうよ」
「でもほら、髪ちゃんとしないと」
そう言ってお母さんは私の髪を整えて、ピンク色の花の形をした髪飾りを付けてくれた。
私は持っている手鏡で確認する。
私にはもったいないくらい可愛い髪飾り。綺麗でこの浴衣にも似合っている。
「これで蒼汰くんもイチコロねっ! 楽しんできなさいね。お父さんには夏祭りの事言っておくから、夜遅く帰って来ても良いからね。でも危険な事はしちゃダメよ? 待ってるからね」
そう言ってお母さんは笑顔で私に手を振ってくれた。
「髪飾りありがとう。言ってくるね、お母さん」
私はそう言ってお母さんに手を振り返した。
そして、もう一度蒼汰との待ち合わせの場所へと向かって歩き出す。
駅の近くに行くにつれ、浴衣を着たカップルや子連れ親子が沢山いる。
「そ、蒼汰はどこ」
駅について周りを見渡す。
もしかしてまだ着ていないのかな? そう思った時、ベンチから立ち上がろうとしている蒼汰の姿を見つけた。
蒼汰を呼ぼうと口を開いたが、直ぐに口を閉じた。
少し不安だった。蒼汰は私の浴衣姿を見て可愛いって思ってくれるのか。でもお母さんも可愛いって言ってくれたんだもん。大丈夫だよね。
「やっほー、蒼汰」
夏祭り当日。私はレンタルした綺麗な薄ピンク色の浴衣をお母さんに着せてもらっている。
今までは菫色の浴衣しか着たことが無かったから少し新鮮な気持ちがする。
「うん! 可愛い!」
お母さんは私の肩に手を置いてそう言った。
「か、可愛いって……」
正直浴衣姿を可愛いと言われて物凄く嬉しい。それがたとえお母さんが言ったお世辞だったとしても。
「でもどうしてこの色なの? 菫色の浴衣お気に入りだって言ってたじゃない」
確かに私は昔から菫色が大好きだ。だから浴衣を買ってもらう時にも菫色の浴衣を選んだ。
でも、今日着ていく浴衣の色は薄ピンク色。決して菫色が嫌いになったわけじゃないし、初めて買ってもらった浴衣は今も気に入ってる。
「内緒」
私は人差し指を口元へと持っていきそう言った。
「何~、教えてよ~。まぁどうせ蒼汰くんが関わってるんだろうけど」
「なっ!」
「本当に陽愛って分かりやすいよね~」
お母さんは私を揶揄うようにして笑った。
そんなお母さんに対して、私は頬を膨らませて「もう!」と怒る。
「ごめん、ごめん。それよりも時間は大丈夫?」
お母さんに時間を指摘され、私は壁に掛けられている時計に目を配る。
「あっ! もう時間ない!」
蒼汰と約束している集合時間まで残り十分しかない。
幸い、ここから集合場所の駅まではそこまで遠くはないので急いで行けば間に合うだろう。
私は「ごめん、もう行かないと!」って言って飛び出した。
「あっ! ちょっと待ちなさい陽愛」
お母さんは急ぐ私の手を掴んで止めた。
「な、何? 本当に遅れちゃうよ」
「でもほら、髪ちゃんとしないと」
そう言ってお母さんは私の髪を整えて、ピンク色の花の形をした髪飾りを付けてくれた。
私は持っている手鏡で確認する。
私にはもったいないくらい可愛い髪飾り。綺麗でこの浴衣にも似合っている。
「これで蒼汰くんもイチコロねっ! 楽しんできなさいね。お父さんには夏祭りの事言っておくから、夜遅く帰って来ても良いからね。でも危険な事はしちゃダメよ? 待ってるからね」
そう言ってお母さんは笑顔で私に手を振ってくれた。
「髪飾りありがとう。言ってくるね、お母さん」
私はそう言ってお母さんに手を振り返した。
そして、もう一度蒼汰との待ち合わせの場所へと向かって歩き出す。
駅の近くに行くにつれ、浴衣を着たカップルや子連れ親子が沢山いる。
「そ、蒼汰はどこ」
駅について周りを見渡す。
もしかしてまだ着ていないのかな? そう思った時、ベンチから立ち上がろうとしている蒼汰の姿を見つけた。
蒼汰を呼ぼうと口を開いたが、直ぐに口を閉じた。
少し不安だった。蒼汰は私の浴衣姿を見て可愛いって思ってくれるのか。でもお母さんも可愛いって言ってくれたんだもん。大丈夫だよね。
「やっほー、蒼汰」
0
あなたにおすすめの小説
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが
akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。
毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。
そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。
数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。
平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、
幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。
笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。
気づけば心を奪われる――
幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!
俺が宝くじで10億円当選してから、幼馴染の様子がおかしい
沢尻夏芽
恋愛
自他共に認める陰キャ・真城健康(まき・けんこう)は、高校入学前に宝くじで10億円を当てた。
それを知る、陽キャ幼馴染の白駒綾菜(しらこま・あやな)はどうも最近……。
『様子がおかしい』
※誤字脱字、設定上のミス等があれば、ぜひ教えてください。
現時点で1話に繋がる話は全て書き切っています。
他サイトでも掲載中。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる