隣の席の美少女お嬢様の彼氏のフリをした日から、何故かお嬢様が甘々に

月姫乃 映月

文字の大きさ
5 / 10
お嬢さまの彼氏役

5話

しおりを挟む
 私は家に帰ると、直ぐに自分の部屋……では無くシャワールームへと向かった。
 私は学校から帰ってきたらまず初めにシャワーを浴びることにしている。
 勿論、寝る前には浴場で体を温める。
 
「はぁ、気持ちいい」

 シャワーを浴びながらそう口にする。
 そして、さっきまでの出来事を思い出す。
 私はパパ以外の異性と二人っきりで出かけたことが無かった。つまり家族以外では遥翔が初めて。
 
「あれって、完全にデート……よね?」

 別に遥翔とデートするのが嫌ってわけじゃない。
 でも、あれがデートって言えるなら私は初めてデートをしたことになる。
 初めてばっかり。

「遥翔、本当に嫌じゃなかったのかしら」

 遥翔はああ言ってくれたけど、少しだけ不安になる。
 遥翔の貴重な時間を半強制的に私の我儘に付き合わせちゃったわけだし。
 
「でも、楽しかったな」
 
 私は放課後、クラスメイトの皆みたいに友達とどこかに出かけるのに少し憧れていた。
 その私のちょっとした夢が叶って嬉しかった。
 そのうえ、食べたかったパフェを遥翔と一緒に食べれて良かった。
 遥翔は私にとって少し特別な人。
 私と学校でも普通に接してくれる。他の子とは違う。
 私をあまりお嬢様として見ない。
 そんな遥翔だから一緒に居て心地いい。
 私はシャワーを止め、体を拭いた。
 




 フリルの付いたワンピースの部屋着に着替えた私は自分の部屋へと向かった。
 そしてスマホを取り出し、今日撮った写真を遥人に送る。

「ふふ。なによ遥人の顔」

 遥翔と撮ったツーショットの写真を見て口角が上がった。
 遥翔もまさか私がツーショット撮るとは思ってもいなかったみたいね。

「それにしてもパフェ大きいわね。私の顔少し隠れちゃってるじゃない」

 すると突然誰かが私の部屋をノックしてきた。

「はい」

 私は短く返事をする。

「失礼します。お嬢様、今日のお夜食は何時頃にしましょうか」
「玲奈、早いわね。何時もと同じで良いわよ」
「かしこまりました」
 
 そう言って玲奈は私にお辞儀をした。
 
「だから頭なんて下げなくてもいいって言っているじゃない」
「いえ、何度も言いますがそれはできませんよ」
「私達何年一緒に居ると思っているのよ」

 私が幼稚園に通っていた頃から玲奈とは一緒だった。
 幼稚園の頃に私の我儘をなんでも聞いてくれて、優しくて遊んでくれる玲奈が大好きだった。勿論今も大好きだけれど。
 そんな、もう何十年も一緒に居るのに対応は変わらない。少し距離のあるように感じて私は嫌いだった。
 もっと友達のように接してほしいと思っている。
 
「そう言われましても、お嬢様にそのような事は……」
「分かったわよ。じゃあパパに玲奈が私に友達のように接しても構わないか聞いてみるわね」

 もしパパが玲奈に私にこういった接し方をしろと言っているなら説得してみようと思っている。
 でもパパはそう言った事を言うような人じゃない。
 メイドの皆はパパに慎重に接しているけれど、パパはメイドたちに命令等はしないで友達のように、いや、家族のように接している。
 ママも一緒だ。

「まぁ、冗談よ。無理に直せなんて言わないわよ。玲奈の好きにしていいわ」

 長年こうして接してきたから、染みついちゃっているのかもしれないしね。

「ありがとうございます。お嬢様」

 そして再び玲奈は頭を下げた。

「あ、そうだ。玲奈、車の中で遥翔に変な事聞いてないでしょうね?」
「へ、変な事……ですか?」
「そうよ、変な事。学校での私の事とか色々よ」

 私はカフェからここに来るまでの道で、遥翔に玲奈にはカフェに行ってパフェを食べたのは内緒にしてほしいと言った。
 遥翔、異性と二人っきりでカフェにパフェを食べに行っていることがバレたら私に彼氏ができたと勘違いされてしまうから。別に遥翔が彼氏なのが嫌なわけじゃない。恥ずかしいだけ。
 遥翔を信じていないわけじゃないけど、念のため。

「はい。そのような話はしていませんよ」
「なら良いのだけれど」
「聞かれてはいけない事でもあるんですか?」
「な、ないわよ!」
「そうでしたか。そういえば、遥翔様。結構イケメンでしたね」
「し、知らないわよ」

 確かに遥翔は普通にイケメンだとは思っている。
 遥翔は自覚していないと思うけれど……

「もしかして、お嬢様。遥翔様の事を想っているのですか?」
「お、想ってなんか! …………ない、わよ…………」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

付き合う前から好感度が限界突破な幼馴染が、疎遠になっていた中学時代を取り戻す為に高校ではイチャイチャするだけの話

頼瑠 ユウ
青春
高校一年生の上条悠斗は、同級生にして幼馴染の一ノ瀬綾乃が別のクラスのイケメンに告白された事を知り、自身も彼女に想いを伝える為に告白をする。 綾乃とは家が隣同士で、彼女の家庭の事情もあり家族ぐるみで幼い頃から仲が良かった。 だが、悠斗は小学校卒業を前に友人達に綾乃との仲を揶揄われ、「もっと女の子らしい子が好きだ」と言ってしまい、それが切っ掛けで彼女とは疎遠になってしまっていた。 中学の三年間は拒絶されるのが怖くて、悠斗は綾乃から逃げ続けた。 とうとう高校生となり、綾乃は誰にでも分け隔てなく優しく、身体つきも女性らしくなり『学年一の美少女』と謳われる程となっている。 高嶺の花。 そんな彼女に悠斗は不釣り合いだと振られる事を覚悟していた。 だがその結果は思わぬ方向へ。実は彼女もずっと悠斗が好きで、両想いだった。 しかも、綾乃は悠斗の気を惹く為に、品行方正で才色兼備である事に努め、胸の大きさも複数のパッドで盛りに盛っていた事が発覚する。 それでも構わず、恋人となった二人は今まで出来なかった事を少しずつ取り戻していく。 他愛の無い会話や一緒にお弁当を食べたり、宿題をしたり、ゲームで遊び、デートをして互いが好きだという事を改めて自覚していく。 存分にイチャイチャし、時には異性と意識して葛藤する事もあった。 両家の家族にも交際を認められ、幸せな日々を過ごしていた。 拙いながらも愛を育んでいく中で、いつしか学校では綾乃の良からぬ噂が広まっていく。 そして綾乃に振られたイケメンは彼女の弱みを握り、自分と付き合う様に脅してきた。 それでも悠斗と綾乃は屈せずに、将来を誓う。 イケメンの企てに、友人達や家族の助けを得て立ち向かう。 付き合う前から好感度が限界突破な二人には、いかなる障害も些細な事だった。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件

遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。 一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた! 宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!? ※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。

隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが

akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。 毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。 そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。 数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。 平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、 幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。 笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。 気づけば心を奪われる―― 幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!

失恋中なのに隣の幼馴染が僕をかまってきてウザいんですけど?

さいとう みさき
青春
雄太(ゆうた)は勇気を振り絞ってその思いを彼女に告げる。 しかしあっさりと玉砕。 クールビューティーで知られる彼女は皆が憧れる存在だった。 しかしそんな雄太が落ち込んでいる所を、幼馴染たちが寄ってたかってからかってくる。 そんな幼馴染の三大女神と呼ばれる彼女たちに今日も翻弄される雄太だったのだが…… 病み上がりなんで、こんなのです。 プロット無し、山なし、谷なし、落ちもなしです。

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話

家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。 高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。 全く勝ち目がないこの恋。 潔く諦めることにした。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...