隣の席の美少女お嬢様の彼氏のフリをした日から、何故かお嬢様が甘々に

月姫乃 映月

文字の大きさ
8 / 10
お嬢さまの彼氏役

8話

しおりを挟む
 そう言って俺と愛奈の間に入って来たのは瑠香だ。
 俺が言いたいことを先に変わりに言ってくれた。
 正直本人の目の前で可愛いからと言うのは少し恥ずかしい助かった。

「私が? 可愛い?」

 あ、本当に自覚ないの?
 
「そうよ。桜咲さん可愛いから一緒に居るだけでも目立つの。それに変な噂にもなってるんだから」
「変な噂?」

 そんなものは聞いていない。
 さっき俺と愛奈が並んで歩いていたからか? いや、それにしては噂になるのが早すぎる。
 
「あれ? 昨日言わなかったっけ?」
「言ってねぇよ。急に電話切ったじゃねぇか」
「そうだっけ?」

 瑠香は人差し指を顎に当てて知らないふりをした。
 可愛いのは間違いないんだが、少しイラっとする。

「てか、噂ってなんだよ」
「色々あるわよ。昨日桜咲さんと一緒に帰ってたでしょ? それを見た生徒が色々話して一日で広まったらしいのよ」
「一つじゃないのかよ……」

 それにしても、噂が流れるのは早すぎる。
 昨日の出来事がもう噂として広まっているとか怖すぎだろ。

「まぁ、一番多いのは二人の関係よ。恋人だとか、実は遥翔は桜咲さんの付き人だとか、奴隷だとか」
「最後のは酷いだろ……」

 まぁ、聞いた限りありきたりな噂だろうな。

「だから昨日急に電話で聞いてきたのか?」

 俺がそう聞くと瑠香は軽く頷いた。
 別に俺が噂になるのは気にしないんだけど、愛奈はどう思っているのか分からないからな。

「ごめんな、愛奈。変な噂になっちゃって」
「私の方こそごめんなさい。私が我儘言ったばかりに」
「いや、俺だって良いって言っちゃったからね。てか瑠香、皆に噂は間違っているって言ってくれよ」
「もう言ったよ。でもまだ半信半疑らしいの。実際に見た子は特にね」
「じゃあもう放っておくか。どうせ噂なんて直ぐ消えるだろ」
「い、良いの? 遥翔くん」

 俺と愛奈が噂は間違っていると言ったところで信じない奴は信じないだろうし。
 言ったところで意味がない。
 時間の経過が一番楽で一番良い。

「で、私桜咲さんに聞きたかったんだけど」

瑠香はそう言うと、愛奈の耳元でこそこそと話し始めた。

「遥翔とは本当に何もないのよね?」
「え、ええ。遥翔くんにお願いして一緒にカフェに行ってもらっただけよ?」
「それなら良いんだけど」

 たった数秒話をして瑠香は自分の席へと戻って行った。

「ね、ねぇ。なんか瑠香さん怖いのだけれど」

 今度は俺と愛奈が誰にも聞こえないように話しをする。

「ああいう奴なんだよ。なんか知らんけど俺にはああいう対応をするんだよ」
「私にも同じような対応だったのだけれど。嫌われているのかな……」
「そんなことはないと思うぞ。結構良いやつだし」
「そう……」

 愛奈がそう言うと同時に教室にチャイムが響き渡った。
 
「朝のホームルームを始めるわよ。席について~」

 担任の教師が号令をかけ、ホームルームは始まった。
 
「う~ん。特に伝えることは無いかなぁ~。あ、でももうすぐテストあるでしょ? 順位も出るからしっかり勉強しておいてね」

 そうだ。もうすぐテストがあるんだった。
 現実を突きつけられて溜息を吐く生徒も沢山いる。
 
「テストか……」
「別に良いじゃないテストくらい。遥翔くんだって困らないでしょ?」
「まぁ、そうだけど……なんか気分って言うの? テストって単語聞くだけで気分が下がる」
「それは少しわかる気がするわ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

付き合う前から好感度が限界突破な幼馴染が、疎遠になっていた中学時代を取り戻す為に高校ではイチャイチャするだけの話

頼瑠 ユウ
青春
高校一年生の上条悠斗は、同級生にして幼馴染の一ノ瀬綾乃が別のクラスのイケメンに告白された事を知り、自身も彼女に想いを伝える為に告白をする。 綾乃とは家が隣同士で、彼女の家庭の事情もあり家族ぐるみで幼い頃から仲が良かった。 だが、悠斗は小学校卒業を前に友人達に綾乃との仲を揶揄われ、「もっと女の子らしい子が好きだ」と言ってしまい、それが切っ掛けで彼女とは疎遠になってしまっていた。 中学の三年間は拒絶されるのが怖くて、悠斗は綾乃から逃げ続けた。 とうとう高校生となり、綾乃は誰にでも分け隔てなく優しく、身体つきも女性らしくなり『学年一の美少女』と謳われる程となっている。 高嶺の花。 そんな彼女に悠斗は不釣り合いだと振られる事を覚悟していた。 だがその結果は思わぬ方向へ。実は彼女もずっと悠斗が好きで、両想いだった。 しかも、綾乃は悠斗の気を惹く為に、品行方正で才色兼備である事に努め、胸の大きさも複数のパッドで盛りに盛っていた事が発覚する。 それでも構わず、恋人となった二人は今まで出来なかった事を少しずつ取り戻していく。 他愛の無い会話や一緒にお弁当を食べたり、宿題をしたり、ゲームで遊び、デートをして互いが好きだという事を改めて自覚していく。 存分にイチャイチャし、時には異性と意識して葛藤する事もあった。 両家の家族にも交際を認められ、幸せな日々を過ごしていた。 拙いながらも愛を育んでいく中で、いつしか学校では綾乃の良からぬ噂が広まっていく。 そして綾乃に振られたイケメンは彼女の弱みを握り、自分と付き合う様に脅してきた。 それでも悠斗と綾乃は屈せずに、将来を誓う。 イケメンの企てに、友人達や家族の助けを得て立ち向かう。 付き合う前から好感度が限界突破な二人には、いかなる障害も些細な事だった。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件

遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。 一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた! 宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!? ※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。

隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが

akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。 毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。 そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。 数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。 平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、 幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。 笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。 気づけば心を奪われる―― 幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!

失恋中なのに隣の幼馴染が僕をかまってきてウザいんですけど?

さいとう みさき
青春
雄太(ゆうた)は勇気を振り絞ってその思いを彼女に告げる。 しかしあっさりと玉砕。 クールビューティーで知られる彼女は皆が憧れる存在だった。 しかしそんな雄太が落ち込んでいる所を、幼馴染たちが寄ってたかってからかってくる。 そんな幼馴染の三大女神と呼ばれる彼女たちに今日も翻弄される雄太だったのだが…… 病み上がりなんで、こんなのです。 プロット無し、山なし、谷なし、落ちもなしです。

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話

家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。 高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。 全く勝ち目がないこの恋。 潔く諦めることにした。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...