隣の席の美少女お嬢様の彼氏のフリをした日から、何故かお嬢様が甘々に

月姫乃 映月

文字の大きさ
9 / 10
お嬢さまの彼氏役

9話

しおりを挟む
「失礼します。お嬢様」

 玲奈は私の部屋を二度ノックをして入って来た。
 時刻は夜の十時。
 夕食を食べ、お風呂に入り終えて少しした時間帯。

「どうかしたの? こんな時間に」
「今日のお仕事は終わりましたので、お嬢様のお話しのお相手になろうかと」
「そんなこと言って、玲奈が私とお話ししたいだけでしょ?」
「あら、バレてしまいましたか」
「何年一緒に居ると思っているのよ。それくらい分かるわよ」
 
 私は机から離れ、ベッドに腰を下ろした。

「玲奈も座りなさいよ」
「いえ、私は結構です」
「立ってたら疲れるじゃない。良いから座ってよ」

 私は玲奈と友達感覚で居たい。
 だから私はベッドのを掌で叩いて座るようにいう。

「お嬢様がそう仰るのなら」

 玲奈は渋々私の隣に座った。
 
「もしかしてお勉強の途中でしたか?」

 玲奈はさっきまで私が座っていた場所を見ながらそう聞いてきた。
 机の上には参考書とノートを広げたままだった。

「ええ、もうすぐテストがあるから」
「すいません。勉強の邪魔をしてしまいました」

 玲奈はまた直ぐに立ち上がって謝ってきた。

「だからそういうの良いわよ。謝る必要なんてないわ。私が勉強していることなんてこの部屋に居る限り分かりっこないもの。それに、少し休憩したかったから丁度いいわ」
「ありがとうございます、お嬢様。なるほど……もうすぐテストなのですね、だから宮家みやけ様がいらっしゃっていたのですね」

 宮家は私の家庭教師をしてくれている。
 一流の大学を卒業していて、パパの知り合い。
 宮家には小さなころから勉強を教えてもらっている。
 
「宮家は私と友達感覚で接してくれるのになぁ~」
「宮家様はご主人様のお知り合いですし、私とは立場というものが違いますから」
「別に変わらないと思うのだけれど」
「変わりますよ。それよりお嬢様、肝心なアレは聞けましたか?」
「それがね、聞けなかったのよ」
「聞けなかった、ですか?」

 遡ること一日前。
 私が玲奈に遥翔の事を想っているのかと聞かれた後。

「お嬢様、分かりやすすぎますよ。バレバレです」
「なっ!」
「可愛いですよ、お嬢様」
「か、可愛くなんかないわよ! そ、それよりも本当に想ってなんかないんだからねっ!」

 私は両手をぶんぶんと振りながら必死に訴えるが、玲奈は私を見てクスクスと笑うばかり。
 
「な、なんで笑うのよ!」
「す、すいません。あまりにも可愛かったので」
「か、かわ…………」
「大丈夫ですよ、お嬢様。このことは誰にも、ご主人様にも内緒にしますので」
「あ、ありがとう……って、違うわよ! 今のは言葉の綾というか、とっさに出たお礼で」
「流石にもう分かっちゃいましたよ」

 私って本当にバカだ。
 
「私はお嬢様の味方ですよ。まずは遥翔様と沢山かかわることから始めてみてはどうでしょうか?」
「例えば?」
「そうですね……お昼を一緒に食べるとか、一緒にお勉強とかをしてみてはどうでしょうか?」
「昼食とお勉強ね~」
「お嬢様。男の人は手作りのお弁当でイチコロです!」

 玲奈はウィンクをしてそう言ってきた。
 お弁当か……私料理したことないのよね……
 でも、教えてもらいながら作るしかないわよね。

「なので、明日遥翔様からお好きな食べ物を聞いてみてはどうでしょうか? 遥翔様のお好きな食べ物をお嬢様がお作りし、遥翔様に食べてもらう。きっと遥翔様もイチコロですよ」


 それが一日前の出来事。
 私はちゃんと朝に遥翔に聞いた。
 わざわざ遥翔が登校するまで車の中で待って、タイミングを合わせてまで聞き出そうとした。けれど遥翔は私が思っていた回答とは全く違う回答をした。
 私はその事を玲奈に伝えた。

「なるほど……遥翔様はまだ特別美味しいと思った食べ物がないのですね」
「そうみたいなの。まぁ、私も好きな食べ物は沢山あるから」
「でもお嬢様、逆にチャンスではありませんか?」
「チャンス?」
「そうです。遥翔様の特別美味しい料理をお嬢様の料理にしちゃえばいいのです。お嬢様が遥翔様にそう思わせてしまえば、もう遥翔様はお嬢様を意識するに決まっています。昔から男をつかむなら胃袋を掴めと言いますし」

 なるほど、玲奈の言いたいことは分かった。
 けれど私は本当に料理未経験者。
 いくら私の家が雇っている料理人に教えてもらいながら作ると言っても、結局作っているのは私なのだから、美味しく作れるかは別問題。
 
「大丈夫ですよ、お嬢様ならできますから。何年お嬢様と居ると思っているのですか?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

付き合う前から好感度が限界突破な幼馴染が、疎遠になっていた中学時代を取り戻す為に高校ではイチャイチャするだけの話

頼瑠 ユウ
青春
高校一年生の上条悠斗は、同級生にして幼馴染の一ノ瀬綾乃が別のクラスのイケメンに告白された事を知り、自身も彼女に想いを伝える為に告白をする。 綾乃とは家が隣同士で、彼女の家庭の事情もあり家族ぐるみで幼い頃から仲が良かった。 だが、悠斗は小学校卒業を前に友人達に綾乃との仲を揶揄われ、「もっと女の子らしい子が好きだ」と言ってしまい、それが切っ掛けで彼女とは疎遠になってしまっていた。 中学の三年間は拒絶されるのが怖くて、悠斗は綾乃から逃げ続けた。 とうとう高校生となり、綾乃は誰にでも分け隔てなく優しく、身体つきも女性らしくなり『学年一の美少女』と謳われる程となっている。 高嶺の花。 そんな彼女に悠斗は不釣り合いだと振られる事を覚悟していた。 だがその結果は思わぬ方向へ。実は彼女もずっと悠斗が好きで、両想いだった。 しかも、綾乃は悠斗の気を惹く為に、品行方正で才色兼備である事に努め、胸の大きさも複数のパッドで盛りに盛っていた事が発覚する。 それでも構わず、恋人となった二人は今まで出来なかった事を少しずつ取り戻していく。 他愛の無い会話や一緒にお弁当を食べたり、宿題をしたり、ゲームで遊び、デートをして互いが好きだという事を改めて自覚していく。 存分にイチャイチャし、時には異性と意識して葛藤する事もあった。 両家の家族にも交際を認められ、幸せな日々を過ごしていた。 拙いながらも愛を育んでいく中で、いつしか学校では綾乃の良からぬ噂が広まっていく。 そして綾乃に振られたイケメンは彼女の弱みを握り、自分と付き合う様に脅してきた。 それでも悠斗と綾乃は屈せずに、将来を誓う。 イケメンの企てに、友人達や家族の助けを得て立ち向かう。 付き合う前から好感度が限界突破な二人には、いかなる障害も些細な事だった。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件

遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。 一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた! 宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!? ※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。

隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが

akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。 毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。 そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。 数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。 平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、 幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。 笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。 気づけば心を奪われる―― 幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!

失恋中なのに隣の幼馴染が僕をかまってきてウザいんですけど?

さいとう みさき
青春
雄太(ゆうた)は勇気を振り絞ってその思いを彼女に告げる。 しかしあっさりと玉砕。 クールビューティーで知られる彼女は皆が憧れる存在だった。 しかしそんな雄太が落ち込んでいる所を、幼馴染たちが寄ってたかってからかってくる。 そんな幼馴染の三大女神と呼ばれる彼女たちに今日も翻弄される雄太だったのだが…… 病み上がりなんで、こんなのです。 プロット無し、山なし、谷なし、落ちもなしです。

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話

家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。 高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。 全く勝ち目がないこの恋。 潔く諦めることにした。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...