雲みたいな愛

KEMURI

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別れ

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「別れて欲しい。」

電話の向こうのサキは声を震わせて、だけどハッキリした言葉で俺に話した。

「貴方とのこれからが見えなくなったの。だから、別れよう。」

信じられなかった。今まで付き合った彼女は必ず俺から振っていた。そんな言葉生きているうちに聞くとは思ってもなかった。

「なんで?すごい急じゃないか。」

「私の中では急なんかじゃない。貴方は女性にだらしない節があるし、我慢していたの。」

あぁ、何を言ってももうダメなんだな。俺はそう思い、彼女の意向を飲んだ。

「って訳で今日からフリーになったんだよ。」

「まじ?!仲良かったのにな。実際に会わなくてよかったのか?」

親友のアキラに振られた一部始終を話し終えて俺はなんだか気持ちが楽になった。

「にしても残念だな。サキちゃんめっちゃ美人で人気だったのに。セックスしたの?」

「やめろよそんな話。」

「悪い悪い。辛いよな。でも、サキちゃんがなんでお前のこと好きになったんだろうな。特別イケメンってわけでもねぇし」

そう。クラスで1番とまでは言わないが元彼女のサキは容姿端麗で異性からとても人気があった。

そんなサキが俺。つまり、山谷 隼太(ヤマタニ ハヤタ)になんで告白なんかしてきたのだろう。

「したよ。」

「え?何がだよ。」

「聞いてきたのはアキラだろ。したよ、セックス。」

「まじかよ!どんなだった?」

こんな馬鹿なアキラのおかげで俺は今日も生きられてる。また新しい恋に向けて傷心し、息をすることが出来ている。

サキが別れ際に言ってた通り俺は異性の友達が大勢いた。飲み会やカラオケでサキとのデートをすっぽかすなんてのは日常茶飯事だ。これが不味かったんだろうなととてもよく分かってる。

「何やってんだよお前ら!探したぞ!」

「悪い悪い。ハヤタの失恋話に花が咲いてて。」

「え、ハヤタ別れたのか?ドンマイじゃんw」

「おい、ぶっ飛ばすぞサイ」

北沢 才(キタザワ サイ)とてつもなくピュアで悪気なんてないことは分かっている。こいつの素直さがたまに妙にむかつく。

「これでアキラも俺たちと同じ非リアだな!」

「そうだよ。いつでも遊びに誘ってくれよ。合コンなんかあればすぐ行くよ」

「そうだ!来週の木曜にあるんだけど1人人数足りなくって来てくれよー。」

「まじ?タイムリーだな!いくいく!」

俺は本当にサキの事が好きだったんだろうか。別れを告げられた翌日には来週の合コンに向けて胸を躍らせてる。

別れてよかったんだな。心底感じた。

「じゃあまたな!アキラ!辛くなったらいつでも集まろう!今度はシュウゴも連れて!」

「だな!また連絡するよ!サイもありがとうな!」

俺はみんなと別れて家路についていた。
するとスマホがLINEの通知を俺に知らせた。

『ねぇ、今から家来ない?飲もう』

ハルだ。
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