バツイチアラフォー女とUMA (未確認生物)の同居生活

京川夏女

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#5【元旦那】

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「お金貸ーして」
「!?」

休日の早朝のインターホンモニターにニッコリ笑って、ヒラヒラと手を振る優男が映っている。元旦那だ。

寝起きで頭が回っていなかった私の心臓がドクドクと鳴りだす……この数ヶ月平和に過ごせていたのに… 家族にも友人にも口止めしておいたはずなのに…

まだ一言も発してない、ドアも開けていないし、うん、全然セーフだな。

と思い直し、気持ちを落ち着けた。
奴の存在は疫病神と同意だ。私は何の感情もない表情のまま、インターホンの[オープン]ボタンの2つ隣にある[終了]ボタンを押した。臭いものには蓋である。

『出ないのか?』
「んっ?今、何かあった?」
『無かったことにしたな。』
「明らかに不利益を与える人間の相手をする必要はないでしょう。」

穏やかに諭したように言う私を見て、UMAは

『別れた元妻に金を借りに来るなんて、聞きしに勝るクズっぷりだな。』

呆れ過ぎてもはや感心したように言う。この数ヶ月、UMAには元旦那の愚痴を散々語って来ている。

「はぁ~」

大方、離婚原因となった時の女に捨てられたのだろう。元旦那は一見すると害の無い優男タイプ。目鼻立ちはしっかりしているが濃すぎることはなく、均等のとれた整った顔立ちをしている。
口が上手く、相手のペースに乗っかり相手を褒めるのが得意で人を否定することもしない。好きな時に好きな事をし、独特な空気感を纏っている。

当時の私はそれを[包容力のある人][可能性を秘めた人][ミステリアスな人]などと捉えてしまっていた。そして何よりも外見がタイプど真ん中だった。

「はぁ~~」

溜息が出る…全くもって見る目がない。世間知らずも良いところだ…私は出会って3週間で電撃入籍をした。というか、出会った日から当時住んでいた1LDKの私のマンションに転がり込み、帰らなくなったのだが…その後、無理して3LDKのマンショに引っ越した。家族が更に増えるかもと思って……

だが、結婚して生活を共にすると本来の人となりが見えて来た。全てにおいて薄っぺらいのだと。調子が良いとというか何というか…まぁ、誠意がない。先々を考えていない。仕事は続かず、お金も散財、女の影も絶えなかった。それは何年経っても変わらなかった。ふわふわして中身がないのが真正の性質なのだろう。

「はぁ~~~」

当時を思い出して更に深い溜息が漏れる…

ピンポーン

再度インターホンが鳴った。

「お金ダメなら、泊~めて」

ピッ

迷わず[終了]ボタンを押す。
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