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#19【案外、似た者同士?】雅視点
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※ 18話を雅視点で綴った内容になります
幼馴染の咲とは学生の頃から恋バナをして来た。恋愛小説や漫画の主人公に自分達を重ねてはしゃいだり、思春期以降は自分達の彼氏の話しで盛り上がって来た。
だが、私達の恋バナが二次元から三次元に変わって行った時に不意に感じたのは、咲の恋愛偏差値が極めて低い事だった。殊更、恋情に関しては皆無と言っても良い程に…
咲には今まで何人もの彼氏が居たし、旦那も居た事がある。どいつもこいつもクズだったけど…それは置いておいて…どの相手に対しても、咲から相手を恋慕うという感じはしなかった。
咲にとって[愛・恋=SEX]だった。依存症とは違い、本能ですべき事と思っているようで、其処に相手や自分の感情を慮る様子が見られないのだ。私がどんなに体を大切にするようにと窘めても、その時は「分かった」と返答するが心底では理解出来ていないようだった。
…なので、アールさんの話を聞いて良かった。咲の魂年齢が極めて幼稚な事が分かり、すごく納得した。ようやく咲の行動について理解出来た。咲はつまり子孫を残す手立てとしか考えていない野生動物のようであり、人間のように恋情による体の繋がりが理解出来ていない。
咲はどうしようもない程思慮が浅くて、馬鹿な行動ばかりとる。私はそんなどうしようもない咲が大切でならない。この子の心を育む事が自分の使命なのではないか?と小学5年生の時には感じ、その頃から教師を目指した。
そんな咲から思いもよらない相談を受けた。なんとアールさんの事を名前で呼べなくて困っていると言う。あの咲が?!人見知りを知らない幼な子が、羞恥心という感情を知ったのだ!私は咲を叱責しながらも、内心では凄く喜んでいた。
そうこう話していると咲の体が突然飛び上った。私は驚き問いかける。
「何々?!突然っ!何跳ねてるの!?」
驚いて聞いた私に咲は一瞬「面倒臭いな」と言った表情を浮かべたが、その思いを私に悟られないよう表情を戻してから答えて来た。
「ユ、ア、、あいつが来たのっ!」
咲は吃りながら答えた。アールさんの名を呼ぼうとしたけど呼べなかったようだ。
(名前が呼べないなんて…そんな初心な気持ちを私の前で見せたらどうなるか—ふふ、教えてあげる)
「あいつ?元旦那?」
私はウキウキと心の中で小躍りしながら咲に問いかける。「さぁ、呼んでごらんなさい」とばかりに私は某塾講師の手真似をして咲を促す。
「違うっ、…UMAっ!」
咲が返答する。(チッ、本当に手がかかるわね…)と思っていると咲の隣に突然アールさんが現れた。私はしめたもととばかりにアールさんに挨拶する。
「あー、アールさんこんばんはー」
「何故こんな所で話をしている?」
「あー、それは…」
私の視界に入っている咲は小鹿のように震えている。私は獲物に狙いをつけた肉食獣のように瞳の奥を光らせる。
「咲がアールさんのこと未だに名前で呼べないって相談されてたんですよー。何か、恥ずかしいんですってー。」
私の言葉に咲の目は細まり遠くを見つめだした。
(ふふふ、楽しくなって来た)
—私の瞳の奥が更に輝く—
「認識出来れば名など何でも構わないが?」
私の言葉にアールさんは何が問題なんだ?と言った様子だ。その横で咲がうんうん頷きながら同意している。「ふふふ」私は楽しくてつい笑みが溢れる。
「何でも良いなら、決めた名前で呼ぶのも構わないって事だよね?」
私の言葉に咲は目を開き、更に私の次の言葉を予想したのか、咲の喉が緊張でコクリと鳴った。私はニッコリと笑って咲が予想したであろう言葉を紡ぐ。
「じゃ、呼んで?今」
咲は「やっぱり来たー」と言う風に目を固く瞑り、やがて観念したように口を開いた。
「…………………アール」
名前を呼んだだけなのに咲の顔は赤く、口元は恥ずかしさからかモニョモニョと動いている。
(えぇ~、何その反応!初心いっ!!)
私の心中は先程の小躍りからカーニバルに変わる。私は更なる高みを望む為、掌を前にかざし咲を追い込む。
「いや、私の名前は雅なんで。アールさんに向かって言ってくれる?」
咲は羞恥心で泣きそうになりながらも、私からは逃れられないと諦めたようだ。視線を落としながらアールさんの方を向き、ゆっくりと目線を上に上げて口を開いた。
「アール」
アールさんの名前を呼んですぐに私の方に目線を戻し、「今度こそ良いでしょっ」と顎を突き出して来た。咲の顔は真っ赤だ。
(初心いっ!名前呼んだだけだよ?)
しかし、私の視界はもう一人のターゲットも的確に捉えていた!始めはどうでも良さそうな雰囲気を醸し出していたアールさんだったが、名前を呼ばれる流れになった時に何処か落ち着かない様子になったのを私は見逃さなかった。
咲は名前を呼んだ瞬間に私に視線を戻してしまったから分からなかっただろうが、名前を呼ばれた瞬間、アールさんは手で自身の顔を覆った。その為、表情は分からなかったが…だか!確実にその耳はほんのり赤みを帯びていた!!
(きゃーっ!!見てるこっちが恥ずかしいわっ!何々、二人ともその反応っ!可愛い過ぎでしょっ!初恋?初恋なのっ?!)
私の脳内がブラ○ルに飛ぶ。際どいビキニを着て、羽根を大量に飾り、カーニバルの先頭で踊り狂う自分が居た。
(大好物のじれじれ両片想いを生で拝めるなんて!!)
私は魂年齢0歳児の友人に感謝する。そして咲の隣に座るこの世のものとは思えない程に眉目秀麗なアールさんを見て不意に思う。
(……アールさんも恋愛経験はなさそう…)
地球の生物の誕生から携わって来たアールさんは地球上の生命に対して義務感なり、親心なりは持っているように感じる。だが、色恋となると正直疎そうだ。
(あれ?これ案外、似た者同士なんじゃない?)
早くくっついて初心な二人のやりとりを見たい一方、じれじれ両片思いも間近で見ていたい……私は今後の展開が楽しみでウキウキが止まらない。
(取り敢えず、釘は刺しておくか。)
「まぁ、いいでしょう。って事で、アールさんを今後UMAって呼ぶの禁止ね。」
恥ずかしがって呼び名が戻らないようにしておく。名前を読んだ直後の二人に密着していたいが、私は魂も器も大人なので後は若い二人に任せる事にする。私は通話を終了し、一人微笑む。
(今度遊びに行く時は赤飯でも差し入れしよう~)
ルンルン気分でクッ○パッ○を開く。
幼馴染の咲とは学生の頃から恋バナをして来た。恋愛小説や漫画の主人公に自分達を重ねてはしゃいだり、思春期以降は自分達の彼氏の話しで盛り上がって来た。
だが、私達の恋バナが二次元から三次元に変わって行った時に不意に感じたのは、咲の恋愛偏差値が極めて低い事だった。殊更、恋情に関しては皆無と言っても良い程に…
咲には今まで何人もの彼氏が居たし、旦那も居た事がある。どいつもこいつもクズだったけど…それは置いておいて…どの相手に対しても、咲から相手を恋慕うという感じはしなかった。
咲にとって[愛・恋=SEX]だった。依存症とは違い、本能ですべき事と思っているようで、其処に相手や自分の感情を慮る様子が見られないのだ。私がどんなに体を大切にするようにと窘めても、その時は「分かった」と返答するが心底では理解出来ていないようだった。
…なので、アールさんの話を聞いて良かった。咲の魂年齢が極めて幼稚な事が分かり、すごく納得した。ようやく咲の行動について理解出来た。咲はつまり子孫を残す手立てとしか考えていない野生動物のようであり、人間のように恋情による体の繋がりが理解出来ていない。
咲はどうしようもない程思慮が浅くて、馬鹿な行動ばかりとる。私はそんなどうしようもない咲が大切でならない。この子の心を育む事が自分の使命なのではないか?と小学5年生の時には感じ、その頃から教師を目指した。
そんな咲から思いもよらない相談を受けた。なんとアールさんの事を名前で呼べなくて困っていると言う。あの咲が?!人見知りを知らない幼な子が、羞恥心という感情を知ったのだ!私は咲を叱責しながらも、内心では凄く喜んでいた。
そうこう話していると咲の体が突然飛び上った。私は驚き問いかける。
「何々?!突然っ!何跳ねてるの!?」
驚いて聞いた私に咲は一瞬「面倒臭いな」と言った表情を浮かべたが、その思いを私に悟られないよう表情を戻してから答えて来た。
「ユ、ア、、あいつが来たのっ!」
咲は吃りながら答えた。アールさんの名を呼ぼうとしたけど呼べなかったようだ。
(名前が呼べないなんて…そんな初心な気持ちを私の前で見せたらどうなるか—ふふ、教えてあげる)
「あいつ?元旦那?」
私はウキウキと心の中で小躍りしながら咲に問いかける。「さぁ、呼んでごらんなさい」とばかりに私は某塾講師の手真似をして咲を促す。
「違うっ、…UMAっ!」
咲が返答する。(チッ、本当に手がかかるわね…)と思っていると咲の隣に突然アールさんが現れた。私はしめたもととばかりにアールさんに挨拶する。
「あー、アールさんこんばんはー」
「何故こんな所で話をしている?」
「あー、それは…」
私の視界に入っている咲は小鹿のように震えている。私は獲物に狙いをつけた肉食獣のように瞳の奥を光らせる。
「咲がアールさんのこと未だに名前で呼べないって相談されてたんですよー。何か、恥ずかしいんですってー。」
私の言葉に咲の目は細まり遠くを見つめだした。
(ふふふ、楽しくなって来た)
—私の瞳の奥が更に輝く—
「認識出来れば名など何でも構わないが?」
私の言葉にアールさんは何が問題なんだ?と言った様子だ。その横で咲がうんうん頷きながら同意している。「ふふふ」私は楽しくてつい笑みが溢れる。
「何でも良いなら、決めた名前で呼ぶのも構わないって事だよね?」
私の言葉に咲は目を開き、更に私の次の言葉を予想したのか、咲の喉が緊張でコクリと鳴った。私はニッコリと笑って咲が予想したであろう言葉を紡ぐ。
「じゃ、呼んで?今」
咲は「やっぱり来たー」と言う風に目を固く瞑り、やがて観念したように口を開いた。
「…………………アール」
名前を呼んだだけなのに咲の顔は赤く、口元は恥ずかしさからかモニョモニョと動いている。
(えぇ~、何その反応!初心いっ!!)
私の心中は先程の小躍りからカーニバルに変わる。私は更なる高みを望む為、掌を前にかざし咲を追い込む。
「いや、私の名前は雅なんで。アールさんに向かって言ってくれる?」
咲は羞恥心で泣きそうになりながらも、私からは逃れられないと諦めたようだ。視線を落としながらアールさんの方を向き、ゆっくりと目線を上に上げて口を開いた。
「アール」
アールさんの名前を呼んですぐに私の方に目線を戻し、「今度こそ良いでしょっ」と顎を突き出して来た。咲の顔は真っ赤だ。
(初心いっ!名前呼んだだけだよ?)
しかし、私の視界はもう一人のターゲットも的確に捉えていた!始めはどうでも良さそうな雰囲気を醸し出していたアールさんだったが、名前を呼ばれる流れになった時に何処か落ち着かない様子になったのを私は見逃さなかった。
咲は名前を呼んだ瞬間に私に視線を戻してしまったから分からなかっただろうが、名前を呼ばれた瞬間、アールさんは手で自身の顔を覆った。その為、表情は分からなかったが…だか!確実にその耳はほんのり赤みを帯びていた!!
(きゃーっ!!見てるこっちが恥ずかしいわっ!何々、二人ともその反応っ!可愛い過ぎでしょっ!初恋?初恋なのっ?!)
私の脳内がブラ○ルに飛ぶ。際どいビキニを着て、羽根を大量に飾り、カーニバルの先頭で踊り狂う自分が居た。
(大好物のじれじれ両片想いを生で拝めるなんて!!)
私は魂年齢0歳児の友人に感謝する。そして咲の隣に座るこの世のものとは思えない程に眉目秀麗なアールさんを見て不意に思う。
(……アールさんも恋愛経験はなさそう…)
地球の生物の誕生から携わって来たアールさんは地球上の生命に対して義務感なり、親心なりは持っているように感じる。だが、色恋となると正直疎そうだ。
(あれ?これ案外、似た者同士なんじゃない?)
早くくっついて初心な二人のやりとりを見たい一方、じれじれ両片思いも間近で見ていたい……私は今後の展開が楽しみでウキウキが止まらない。
(取り敢えず、釘は刺しておくか。)
「まぁ、いいでしょう。って事で、アールさんを今後UMAって呼ぶの禁止ね。」
恥ずかしがって呼び名が戻らないようにしておく。名前を読んだ直後の二人に密着していたいが、私は魂も器も大人なので後は若い二人に任せる事にする。私は通話を終了し、一人微笑む。
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