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#21【対峙-元旦那 再来-】
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ピンポーン
(ん?)
日中でも肌に空気の冷たさを感じる様になって来た今日この頃。休日のお昼下がり——我が家の外玄関ではなく、内玄関のインターホンが突如鳴る。モニターを見るとヒラヒラと手を振る優男が写っている。元旦那だ。
(どうしたものか……私は溜息を吐きながら考える。)
ナニしに来るのかが判明した今、不安感しかなかった以前よりは心に余裕がある。ただ、ここで応答すると後々(主に雅が)面倒だ。
私は悩む。何故か奴は既に外玄関を突破し、部屋のドア前までやって来ている……私はオートロック物件の防犯設備に疑念を抱く。
ピンポーン
再度インターホンが鳴る——
コンコン
「咲ちゃーん、居ないのー?」
すると奴は直接ドアをノックし、呼び掛けて来た。ご近所に聞こえてしまうではないか!この傍迷惑男めっ!
『いつまでも居留守を使う訳にも行かないだろう——』
UMA改めてアールが意を決した様に呟き、雅に先ずは連絡し、日取りを決めてから出直す様に伝えろと言って来た。完全に仕切られている事は癪だが、私は頷きその通りにする。
雅は「やっぱり来たか!」「今すぐ向かう!」と言って来た。一体…いつから臨戦態勢に入っていたのか?やはり彼女を敵に回すべきではないと改めて思う。
その間も元旦那はインターホンを鳴らしたり、ドアをノックしては此方の様子を伺っている。雅の家から我が家まで電車で30分はかかる。ドアtoドアで50分…いや、1時間は見ておいた方が良いだろう。奴には更にプラス30分して伝えておこう!
私はインターホンモニターの[応答]を押し、元旦那に伝える。
「近所迷惑になるからやめてくれる?」
「ふっ、やっぱり居たんだね。ね、開けて?」
私の言葉に奴は余裕そうに微笑むと、首を傾けながら柔らかな笑顔を向けて来た。
(っ!………顔が良いっ……負けるな私っ!)
「これから雅が来るから、彼女が一緒なら開けても良いよ。」
すると奴は初めて動揺を見せる。
「……雅ちゃんか…」
あいつが雅を苦手としている事は何となく気付いていた。雅が居るとあいつはばつが悪そうにするのだ。
「あと1時間半くらいで雅が来るから、あんたは其れ迄何処かで時間潰してて?」
「……1時間半…其れなら…まぁ、済ませられるかな…久しぶりだからたっぷりしたかったけど…」
私の言葉にあいつは口元に手をあてブツブツと呟いている。ナニが済ませられるかとナニをたっぷりするかは置いておこう。
「雅ちゃんが来る前に僕の用は済むから、開けてくれる?」
だから、ナニが済むかは置いておこう。私の煩悩がナニを想像してゴクリと喉を鳴らす。しかし、やはり雅が怖い。
「雅に貴方と会う時は自分を同席させる様に言われてるの。もうすぐ来るし、約束破ったら絶対バレる!」
「そうか………彼女…君と違って聡いからな…」
はい、ディス入りましたー。ブツブツと呟いてますけど、全部聞こえてますよー。私は目を細めて、インターホンの[終了]を押す。
※※※※※
ピンポーン
奴が一時退却してから何分も経たない内に外玄関のインターホンが鳴る。
(あいつ、一階に戻ってすぐインターホン押したなっ!)
怒り気味にインターホンモニターを覗いた私は目を見開く。そこには体裁が悪そうな奴と共に雅が映っている。
(っ!!早いっ!まだあの電話から10分程度しか経ってないのに!?)
「雅っ!何でっ!?早くないっ?!」
「待機してた!」
(っ!!…いつから?…毎週末?!怖っ!!)
流石だけども、心強いけども、雅の臨戦態勢の周到さに恐怖を感じる。思わず私の肩の上辺りを浮いているアールを見ると、私を憐れむ様なアールの視線とぶつかる。
アールは「お前なんだから、仕方ないだろ」と言う風に無言で頷き、私からそっと視線を外し遠くを見つめた。雅は私の親友だ。深く考えてはイケないと、私はその思考にそっと蓋をする。
※※※※※
部屋のドアを開けた瞬間に奴は不意に止まり周囲を見渡す。訝しそうに首を傾けながら靴を脱ぎ、周囲を警戒しながら部屋の中に歩みを進めて行く。奴は常に余裕そうで、何に対しても我関せずな様子なのでこんな姿はとても珍しい。
二人をリビングに通すと、ソファには大きくなったアールが座っていた。其れを見た元旦那が呟く。
「あー………そう言う事ね」
——それから、テーブルを挟んでアールの向かいに雅が座り、右側(部屋の奥)に私、左側(入り口付近)に元旦那が座った——
(ん?)
日中でも肌に空気の冷たさを感じる様になって来た今日この頃。休日のお昼下がり——我が家の外玄関ではなく、内玄関のインターホンが突如鳴る。モニターを見るとヒラヒラと手を振る優男が写っている。元旦那だ。
(どうしたものか……私は溜息を吐きながら考える。)
ナニしに来るのかが判明した今、不安感しかなかった以前よりは心に余裕がある。ただ、ここで応答すると後々(主に雅が)面倒だ。
私は悩む。何故か奴は既に外玄関を突破し、部屋のドア前までやって来ている……私はオートロック物件の防犯設備に疑念を抱く。
ピンポーン
再度インターホンが鳴る——
コンコン
「咲ちゃーん、居ないのー?」
すると奴は直接ドアをノックし、呼び掛けて来た。ご近所に聞こえてしまうではないか!この傍迷惑男めっ!
『いつまでも居留守を使う訳にも行かないだろう——』
UMA改めてアールが意を決した様に呟き、雅に先ずは連絡し、日取りを決めてから出直す様に伝えろと言って来た。完全に仕切られている事は癪だが、私は頷きその通りにする。
雅は「やっぱり来たか!」「今すぐ向かう!」と言って来た。一体…いつから臨戦態勢に入っていたのか?やはり彼女を敵に回すべきではないと改めて思う。
その間も元旦那はインターホンを鳴らしたり、ドアをノックしては此方の様子を伺っている。雅の家から我が家まで電車で30分はかかる。ドアtoドアで50分…いや、1時間は見ておいた方が良いだろう。奴には更にプラス30分して伝えておこう!
私はインターホンモニターの[応答]を押し、元旦那に伝える。
「近所迷惑になるからやめてくれる?」
「ふっ、やっぱり居たんだね。ね、開けて?」
私の言葉に奴は余裕そうに微笑むと、首を傾けながら柔らかな笑顔を向けて来た。
(っ!………顔が良いっ……負けるな私っ!)
「これから雅が来るから、彼女が一緒なら開けても良いよ。」
すると奴は初めて動揺を見せる。
「……雅ちゃんか…」
あいつが雅を苦手としている事は何となく気付いていた。雅が居るとあいつはばつが悪そうにするのだ。
「あと1時間半くらいで雅が来るから、あんたは其れ迄何処かで時間潰してて?」
「……1時間半…其れなら…まぁ、済ませられるかな…久しぶりだからたっぷりしたかったけど…」
私の言葉にあいつは口元に手をあてブツブツと呟いている。ナニが済ませられるかとナニをたっぷりするかは置いておこう。
「雅ちゃんが来る前に僕の用は済むから、開けてくれる?」
だから、ナニが済むかは置いておこう。私の煩悩がナニを想像してゴクリと喉を鳴らす。しかし、やはり雅が怖い。
「雅に貴方と会う時は自分を同席させる様に言われてるの。もうすぐ来るし、約束破ったら絶対バレる!」
「そうか………彼女…君と違って聡いからな…」
はい、ディス入りましたー。ブツブツと呟いてますけど、全部聞こえてますよー。私は目を細めて、インターホンの[終了]を押す。
※※※※※
ピンポーン
奴が一時退却してから何分も経たない内に外玄関のインターホンが鳴る。
(あいつ、一階に戻ってすぐインターホン押したなっ!)
怒り気味にインターホンモニターを覗いた私は目を見開く。そこには体裁が悪そうな奴と共に雅が映っている。
(っ!!早いっ!まだあの電話から10分程度しか経ってないのに!?)
「雅っ!何でっ!?早くないっ?!」
「待機してた!」
(っ!!…いつから?…毎週末?!怖っ!!)
流石だけども、心強いけども、雅の臨戦態勢の周到さに恐怖を感じる。思わず私の肩の上辺りを浮いているアールを見ると、私を憐れむ様なアールの視線とぶつかる。
アールは「お前なんだから、仕方ないだろ」と言う風に無言で頷き、私からそっと視線を外し遠くを見つめた。雅は私の親友だ。深く考えてはイケないと、私はその思考にそっと蓋をする。
※※※※※
部屋のドアを開けた瞬間に奴は不意に止まり周囲を見渡す。訝しそうに首を傾けながら靴を脱ぎ、周囲を警戒しながら部屋の中に歩みを進めて行く。奴は常に余裕そうで、何に対しても我関せずな様子なのでこんな姿はとても珍しい。
二人をリビングに通すと、ソファには大きくなったアールが座っていた。其れを見た元旦那が呟く。
「あー………そう言う事ね」
——それから、テーブルを挟んでアールの向かいに雅が座り、右側(部屋の奥)に私、左側(入り口付近)に元旦那が座った——
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