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#26【赤飯】
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「はい、これ、お赤飯。」
「何でっ!?」
玄関のドアを開けたと同時に手に持っていた紙袋を渡しながら雅が口を開く。紙袋を覗くと中にはタッパーが見える。どうやら赤飯が入っているらしい。更には、紙の取り皿と割り箸が数人分入っていた。流石は雅、準備がいい!!
「ふふ、そろそろ何かあったかなー?と思ってっ。」
リビングまでの短い廊下を歩きながら、雅は肘で私を小突きながらニマニマとご機嫌に言って来た。
「何で分かるのっ!?」
「やっぱり、あったのね!」
流石は雅、先日のナツとのやり取りを何処からか仕入れて来たようだ。恐るべし!
今のマンションは廊下にキッチンがある為、雅を先にリビングに通し、私は廊下に残りお茶の準備をする。リビングにはアールが大きくなってソファに座っている。
「ふふふ、アールさん、こんにちはー。でで?どうなったのー?」
雅はアールの向かいに座りながらアールに話しかける。そんな姿を廊下から横目で見ていて、不意に気付く。思えば雅の方がお客さんなのに、毎回床に座ってもらっていて申し訳ないな…と。
「今更だけど、雅の方がお客さんなんだから、アールが床に座るべきじゃない?」
「俺が?床に?」
アールは信じられないという顔をしている。(何でだよっ!)と、心の中でその顔に突っ込む。
「良い良い、私は全然こっちで良いから、あんた達がソファに座りなさいよー」
「いや、流石に私までソファに座ったら可笑しいでしょーよ…」
私は運んで来たお茶を雅と自分の場所に置く。真ん中に赤飯を置き、雅が持って来てくれた取り皿と箸を配る。
「手作りのお赤飯なんておばあちゃんが生きてた頃以来だわー、嬉しいっ!」
自分の取り皿に盛り盛りと赤飯を取り、食べ出す。
「美味しいっ!凄いね、雅っ!!」
「そーお?クッ○パッ○のお蔭だけどねー。アールさんは食べないの?取り皿とお箸、アールさんの分もあったでしょ?」
(っ?!考えもしなかった!)
「アールって何か食べられるの?!」
「あぁ、食べられるが、食べなくても問題はない。」
(知らなかった!)と驚きの表情でアールを見ていると雅が呆れたように言って来る。
「あんたは…一緒に暮らしてて今まで一人で食べてた訳?食事に誘うとか考えないの?」
「……考えませんでした。」
「はぁ~、せっかく一緒に居るんだから、食事くらい一緒にとったら良いと思うけど?」
雅は眉尻を下げ呆れたように言って来たが、その瞳は優しい。私はアールと食事や晩酌をする姿を想像してみる……脳内で小さなアールが醤油皿でご飯を食べたり、ティースプーンでお酒を飲む姿に思わず笑みが溢れる。
「そうだね、その方が楽しいね!」
私も雅に同意した。アールを見ると少し驚いた様子だが、嫌そうではない。と言うか、何処となく喜んでいるように見えて私の胸は弾んだ。
私は早速アールに取り皿と箸を渡し、湯呑みが足りないのでカップにお茶を注ぎ渡す。そして、アールが緑茶と赤飯を食べる姿を見て考える。
(…何というか…シュールな絵面だな…)
ローマ時代のような一枚布を纏い、銀髪に金眼の眉目秀麗な姿のアールが緑茶を啜り、赤飯を箸で普通に食べている。
(…アール、お箸も使えたんだね…)
今度、アールの分の食器も買い足そう。と考えていると、雅が言って来た。
「アールさんのお口に合うかな?」
「味は分かるが、それについての感情はない。」
「そうなんだー、じゃ、気に入ったかどうかは?」
「悪くはない。ただ、こういう風に食べる事は…良いな。」
「ふふ、それは良かった。咲とこれから毎日してねー」
「そうだな。」
雅とアールの会話を聞きながら、不意に脳内で想像していた[一緒に食事をするアール]の大きさを今、目の前にいるアールの大きさにしてみる……
(うっ)
すると、私の心臓がギュッと収縮し痛んだ。私はその痛みを紛らわせるように胸を鷲掴む。雅はそんな私の姿を見ながらいつぞやのニマニマ顔で言って来る。
「で?色々詳しく教えなさいよー」
何故に雅はそんなに嬉しそうなんだ?と私は疑問に思いながら赤飯を食べる——そして不意に気付く。
(この赤飯!まさかお祝い事って意味!?)
どうやら雅はナツがマンションを私名義で購入していた事を喜んでくれているようだ。意外だ、雅はてっきり反対すると思っていた。しかし、わざわざ赤飯まで炊いて持って来るとは…
私は一人頷きながら、そして口を開く。
「雅は元のマンションに戻るのに賛成って事ね。まー、私も家賃払わなくて済むし正直、ナツの話には惹かれてはいたんだよねぇ。」
そう言うと雅は今世紀最大のキョトン顔を見せて来た。
(えぇぇ~、そちらから話しを振って来てたよね?何?そのキョトン顔?)
私は思わずキョトン顔返しをする。すると雅はパチパチと瞬きしながら首を傾げて聞いて来る。
「元のマンションに戻るって何?」
いやいやいや、こちらが疑問なのだけど?と、思いながら、私は雅に[赤飯]の疑問を一気に伝える。
「だから、実はナツがヒモどころか、お店幾つも経営してる富裕層で、私の元居たマンションを私名義で買い戻してて、いつでも戻って来てって鍵渡してくれてたのを喜んで[赤飯]炊いてくれたんじゃなかったの?」
「はっ!!??」
雅は目を見開きテーブルに両手を勢いよくつく。バンッという音と共にお皿に置いていた箸が揺れて転がり落ちた。
(えっと…そのご様子からすると……違うのね…?)
「何でっ!?」
玄関のドアを開けたと同時に手に持っていた紙袋を渡しながら雅が口を開く。紙袋を覗くと中にはタッパーが見える。どうやら赤飯が入っているらしい。更には、紙の取り皿と割り箸が数人分入っていた。流石は雅、準備がいい!!
「ふふ、そろそろ何かあったかなー?と思ってっ。」
リビングまでの短い廊下を歩きながら、雅は肘で私を小突きながらニマニマとご機嫌に言って来た。
「何で分かるのっ!?」
「やっぱり、あったのね!」
流石は雅、先日のナツとのやり取りを何処からか仕入れて来たようだ。恐るべし!
今のマンションは廊下にキッチンがある為、雅を先にリビングに通し、私は廊下に残りお茶の準備をする。リビングにはアールが大きくなってソファに座っている。
「ふふふ、アールさん、こんにちはー。でで?どうなったのー?」
雅はアールの向かいに座りながらアールに話しかける。そんな姿を廊下から横目で見ていて、不意に気付く。思えば雅の方がお客さんなのに、毎回床に座ってもらっていて申し訳ないな…と。
「今更だけど、雅の方がお客さんなんだから、アールが床に座るべきじゃない?」
「俺が?床に?」
アールは信じられないという顔をしている。(何でだよっ!)と、心の中でその顔に突っ込む。
「良い良い、私は全然こっちで良いから、あんた達がソファに座りなさいよー」
「いや、流石に私までソファに座ったら可笑しいでしょーよ…」
私は運んで来たお茶を雅と自分の場所に置く。真ん中に赤飯を置き、雅が持って来てくれた取り皿と箸を配る。
「手作りのお赤飯なんておばあちゃんが生きてた頃以来だわー、嬉しいっ!」
自分の取り皿に盛り盛りと赤飯を取り、食べ出す。
「美味しいっ!凄いね、雅っ!!」
「そーお?クッ○パッ○のお蔭だけどねー。アールさんは食べないの?取り皿とお箸、アールさんの分もあったでしょ?」
(っ?!考えもしなかった!)
「アールって何か食べられるの?!」
「あぁ、食べられるが、食べなくても問題はない。」
(知らなかった!)と驚きの表情でアールを見ていると雅が呆れたように言って来る。
「あんたは…一緒に暮らしてて今まで一人で食べてた訳?食事に誘うとか考えないの?」
「……考えませんでした。」
「はぁ~、せっかく一緒に居るんだから、食事くらい一緒にとったら良いと思うけど?」
雅は眉尻を下げ呆れたように言って来たが、その瞳は優しい。私はアールと食事や晩酌をする姿を想像してみる……脳内で小さなアールが醤油皿でご飯を食べたり、ティースプーンでお酒を飲む姿に思わず笑みが溢れる。
「そうだね、その方が楽しいね!」
私も雅に同意した。アールを見ると少し驚いた様子だが、嫌そうではない。と言うか、何処となく喜んでいるように見えて私の胸は弾んだ。
私は早速アールに取り皿と箸を渡し、湯呑みが足りないのでカップにお茶を注ぎ渡す。そして、アールが緑茶と赤飯を食べる姿を見て考える。
(…何というか…シュールな絵面だな…)
ローマ時代のような一枚布を纏い、銀髪に金眼の眉目秀麗な姿のアールが緑茶を啜り、赤飯を箸で普通に食べている。
(…アール、お箸も使えたんだね…)
今度、アールの分の食器も買い足そう。と考えていると、雅が言って来た。
「アールさんのお口に合うかな?」
「味は分かるが、それについての感情はない。」
「そうなんだー、じゃ、気に入ったかどうかは?」
「悪くはない。ただ、こういう風に食べる事は…良いな。」
「ふふ、それは良かった。咲とこれから毎日してねー」
「そうだな。」
雅とアールの会話を聞きながら、不意に脳内で想像していた[一緒に食事をするアール]の大きさを今、目の前にいるアールの大きさにしてみる……
(うっ)
すると、私の心臓がギュッと収縮し痛んだ。私はその痛みを紛らわせるように胸を鷲掴む。雅はそんな私の姿を見ながらいつぞやのニマニマ顔で言って来る。
「で?色々詳しく教えなさいよー」
何故に雅はそんなに嬉しそうなんだ?と私は疑問に思いながら赤飯を食べる——そして不意に気付く。
(この赤飯!まさかお祝い事って意味!?)
どうやら雅はナツがマンションを私名義で購入していた事を喜んでくれているようだ。意外だ、雅はてっきり反対すると思っていた。しかし、わざわざ赤飯まで炊いて持って来るとは…
私は一人頷きながら、そして口を開く。
「雅は元のマンションに戻るのに賛成って事ね。まー、私も家賃払わなくて済むし正直、ナツの話には惹かれてはいたんだよねぇ。」
そう言うと雅は今世紀最大のキョトン顔を見せて来た。
(えぇぇ~、そちらから話しを振って来てたよね?何?そのキョトン顔?)
私は思わずキョトン顔返しをする。すると雅はパチパチと瞬きしながら首を傾げて聞いて来る。
「元のマンションに戻るって何?」
いやいやいや、こちらが疑問なのだけど?と、思いながら、私は雅に[赤飯]の疑問を一気に伝える。
「だから、実はナツがヒモどころか、お店幾つも経営してる富裕層で、私の元居たマンションを私名義で買い戻してて、いつでも戻って来てって鍵渡してくれてたのを喜んで[赤飯]炊いてくれたんじゃなかったの?」
「はっ!!??」
雅は目を見開きテーブルに両手を勢いよくつく。バンッという音と共にお皿に置いていた箸が揺れて転がり落ちた。
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