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第3章 異世界で溺愛剣士の婚約者!?
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「……どうした? もしかして高いところが怖いのか?」
「いや! そういうんじゃなくって! 何さらっとご両親に挨拶とか言ってんの!? 連れて行かねぇよ!?」
息子が異世界に行っていた上に、男を連れ帰ってきたら俺の親、絶対に卒倒するから!
「……しかし結婚するとなればご両親に挨拶をしてソウシを嫁にもらう許可を得なければならないだろう。長い付き合いになるんだ。そういうことはちゃんとしないと」
「いかにも正論って感じで言うな!」
まるでわがままを言う恋人を優しさでもって言い諭す、愛しさに溢れた笑みが腹立つ!
しかも言っていることは、相手が俺でなければ誠実に満ちた正論なのが一層腹立たしい。
「……ソウシの世界では嫁にもらう時、ご両親に挨拶はしないのか?」
不思議そうに首を傾げるドゥーガルドに頭が痛くなる。
「そういうことじゃなくて……」
「貴様を親に会わせたくないということだ。それくらいも分からないのか」
俺の腕の中からクロがドゥーガルドの方を見上げながら、鼻で笑う。
ああ、またクロが余計なことを……。
俺は額に手を当てて溜め息を吐いた。
今、クロは子犬くらいの大きさになっている。
王都に入る時に、大きな獣は首輪の形をした魔法道具をつけて小型にしなければならないという決まりがあるためだ。
最初こそその愛くるしい姿に可愛いとデレデレだった俺だが、やっぱりどんなに小さくなろうとクロはクロだった。
挑発的な物言いに、また頭痛の種が増えた。
「……何だと?」
眉間に皺を寄せてドゥーガルドが剣呑な空気を醸し出す。
面倒な展開になりそうな予感に慌ててクロの口を塞いだ。
「クロ、余計なことは言わなくていいからっ」
「むがっ、なぜだ? 本当のことだろう? こういう男にははっきりものを言わないと都合のいいように解釈されてしまうぞ」
「た、確かにその通りだけど……」
まさしく正論ではあるけれど、言い方の問題、いや言う人間の問題だ。
ドゥーガルドはクロのことをやたら敵対視している上に、小型になって俺に抱っこされているこの状況が面白くないらしく、クロに対する悪感情が最高潮になっているのが目に見えて分かる。
そんなクロに、事実とはいえ、いや事実だからこそ、口を挟まれて不愉快にならないはずがない。
「……お前は黙っていろ。これはソウシと俺、夫婦の問題だ」
「俺たちいつ夫婦になった!?」
「ソウシの言う通りだ。いつ夫婦になったと言うのだ。ソウシは私の番だ。重婚は認めん」
「俺は誰とも結婚してねぇ!」
前からも後ろからも勘違い男に挟まれて、ますます頭が痛くなってきた。
「……そうだな、ソウシと俺はまだ結婚していない。婚約の段階だ」
「そういう問題じゃねぇから!」
結婚か婚約かとかそんな小さい違いじゃなくて、もっと大きな、根本的な間違いだから!
「フッ、独りよがりな妄想に取り憑かれて哀れな男だ。ところで、ソウシ。ご両親は肉と魚、どちらが好みだ? 挨拶の際は私が狩ったものを手土産に持って行こう」
「いや! そんな血生臭い手土産いらねぇから!」
というか、お前も挨拶行く気満々か!
頼むから元の世界に帰る時は一人静かに帰らせてくれ……!
「ふむ、肉と魚は駄目か。なら、木の実や果物にするか」
「そういうことじゃなくって……」
突っ込むことすら疲れてきて、俺はがくりと項垂れた。
「いや! そういうんじゃなくって! 何さらっとご両親に挨拶とか言ってんの!? 連れて行かねぇよ!?」
息子が異世界に行っていた上に、男を連れ帰ってきたら俺の親、絶対に卒倒するから!
「……しかし結婚するとなればご両親に挨拶をしてソウシを嫁にもらう許可を得なければならないだろう。長い付き合いになるんだ。そういうことはちゃんとしないと」
「いかにも正論って感じで言うな!」
まるでわがままを言う恋人を優しさでもって言い諭す、愛しさに溢れた笑みが腹立つ!
しかも言っていることは、相手が俺でなければ誠実に満ちた正論なのが一層腹立たしい。
「……ソウシの世界では嫁にもらう時、ご両親に挨拶はしないのか?」
不思議そうに首を傾げるドゥーガルドに頭が痛くなる。
「そういうことじゃなくて……」
「貴様を親に会わせたくないということだ。それくらいも分からないのか」
俺の腕の中からクロがドゥーガルドの方を見上げながら、鼻で笑う。
ああ、またクロが余計なことを……。
俺は額に手を当てて溜め息を吐いた。
今、クロは子犬くらいの大きさになっている。
王都に入る時に、大きな獣は首輪の形をした魔法道具をつけて小型にしなければならないという決まりがあるためだ。
最初こそその愛くるしい姿に可愛いとデレデレだった俺だが、やっぱりどんなに小さくなろうとクロはクロだった。
挑発的な物言いに、また頭痛の種が増えた。
「……何だと?」
眉間に皺を寄せてドゥーガルドが剣呑な空気を醸し出す。
面倒な展開になりそうな予感に慌ててクロの口を塞いだ。
「クロ、余計なことは言わなくていいからっ」
「むがっ、なぜだ? 本当のことだろう? こういう男にははっきりものを言わないと都合のいいように解釈されてしまうぞ」
「た、確かにその通りだけど……」
まさしく正論ではあるけれど、言い方の問題、いや言う人間の問題だ。
ドゥーガルドはクロのことをやたら敵対視している上に、小型になって俺に抱っこされているこの状況が面白くないらしく、クロに対する悪感情が最高潮になっているのが目に見えて分かる。
そんなクロに、事実とはいえ、いや事実だからこそ、口を挟まれて不愉快にならないはずがない。
「……お前は黙っていろ。これはソウシと俺、夫婦の問題だ」
「俺たちいつ夫婦になった!?」
「ソウシの言う通りだ。いつ夫婦になったと言うのだ。ソウシは私の番だ。重婚は認めん」
「俺は誰とも結婚してねぇ!」
前からも後ろからも勘違い男に挟まれて、ますます頭が痛くなってきた。
「……そうだな、ソウシと俺はまだ結婚していない。婚約の段階だ」
「そういう問題じゃねぇから!」
結婚か婚約かとかそんな小さい違いじゃなくて、もっと大きな、根本的な間違いだから!
「フッ、独りよがりな妄想に取り憑かれて哀れな男だ。ところで、ソウシ。ご両親は肉と魚、どちらが好みだ? 挨拶の際は私が狩ったものを手土産に持って行こう」
「いや! そんな血生臭い手土産いらねぇから!」
というか、お前も挨拶行く気満々か!
頼むから元の世界に帰る時は一人静かに帰らせてくれ……!
「ふむ、肉と魚は駄目か。なら、木の実や果物にするか」
「そういうことじゃなくって……」
突っ込むことすら疲れてきて、俺はがくりと項垂れた。
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