9 / 10
あくまで序章に過ぎない
一人一殺友情大作戦と最期のわがまま
しおりを挟む
「一人一殺友情大作戦、大成功だな」
ダサ男がぼそっと呟いた。一人一殺友情大作戦って何?
「このヤンスの格好で分かると思うが、俺、ここで結婚式を開くつもりだったんだよ」
「ヤンスじゃなくてゴワスでごわす」
「やんす顔だから間違えんだよ」
ダサ男もやんす顔だと思ってたのか。発想が同じなんて悔しい。
「で、愛する妹の想いに決着をつけるためにも結婚式に呼ぶつもりだったんだが、普通に開いたら修羅場になるかもしんねえと思って」
スルーされた。ダサ男の癖に。バーカバーカ。
「こいつらにやっつけるぞ的な雰囲気出して、枝階段に突っ立ってろって頼んだのさ。他の奴は分かんねえけど、妹なら必ず助けるって確信があったからな」
あれ、全然反応しない。ダサ男は何も聞こえてないみたいに話を続けている。
「人は共通の敵がいれば、一致団結するものだ。俺たちが明確な敵になれば、てめえらは友になれると踏んだのさ」
こっちを全然見ない。どうして反応してくれない。
「だからてめえらを枝階段から落として死んだように見せたり、無様ってけなしててめえを怒らせたんだよ」
ダサ男は使子に視線を合わせた。あれはわざと怒らせたのか。
はっ! 分かったぞ。ナレーションを無視しているのは、怒らせるつもりだからだ。
ふっふ、無敵のナレーションを罠にかけようなんて一日早い。
「まぁ、ゴワスが英雄の彼女さんを落としたときは焦ったが」
「申し訳ないでごわす」
「いいさ。結果的には良い方向に向かったからな。ちなみにてめえらが生きてんのは、ウワンが涙芽で落下の衝撃を吸収したからだ」
ツッコミポイントを無視された。うぅ。
「要は元カレの結婚相手を好きになったら、多少はショックも和らぐだろうと、こんな真似したってことだ」
「あなたがた元カノと今カノの仲が深まったと確信したら、我々が邪魔した結婚式を再開させるつもりでした」
「篭狼殿は、比翼連理の丘で愛を誓うと永遠になれるという伝説を聞いて、あなた方を連れてきたのだ」
うわああああああああああん!
「いきなり泣いてんじゃねぇ」
ようやく反応してくれた。嬉しい。
「急に笑うんじゃねえよ。情緒不安定かてめえは」
ナレーションを無視するダサ男が悪い。すっごく悲しかった。寂しかった。傷ついた。乙女の心を弄ぶなんて最低だ。
「俺、弄んだか?」
何回も可愛いって言った。
「事実だろ」
そういうところが弄んでるって言うんだ。バーカバーカ。
「ナレーションさん、顔ニヤけてますよ」
使子の指摘に、顔が真っ赤になった。表情に出るなんて恥ずかしい。
「心の声が漏れてるのは、恥ずかしくないあるか」
恥ずかしい、超恥ずかしい。でも心の声を止めることはできない。気持ちを伝えるのもナレーションの仕事だから。
「何俺のこと好きなの?」
…………。
「何無言になってんだよ」
あまりの衝撃に空いた口が塞がらなかった。"私"はあろうことか、ダサさを体現した男に好意を抱いてしまったらしい。
「ダサさを体現した覚えはねぇけどな」
バカな子ほど可愛いというのは本当だった。あくびをした姿が可愛かったことはポイントが高い。軽口の応酬が心地良かったことも理由の一つだ。
でも一番の理由は、"私"が実体化する前から女だと気づいていたことにある。単純に嬉しかった。
「えっ?」
使子は驚いている。気づいてたっけと言わんばかりの顔だ。
結婚式を邪魔したとき、ダサ男は言っていた。女をいたぶる趣味はないと。"私"に手を出すわけには行かないとも。あのとき、すでに女と気づいていたに違いない。
「てっきり私は実体がないから何もできないって意味かと思ってました」
と、思っていた時期もありました。
「おい」
気づいていたのか、気づいていなかったのか分からない。勘違いだったら恥ずかしい。
「俺が気づくわけねえだろ。モテルンダが女だって知らなかったんだから」
乙女心を弄びやがってキーック。ダサ男の急所を狙ってやる。
「水色か。意外と可愛らしいな」
ぎゃっ、言葉だけで蹴りを止めるとは。無敵のナレーションもビックリだ。
「そんな目で睨んでも可愛いだけだぞ」
もうやだ。顔が火照ってきた。"私"はシバールにぎゅっと抱きつく。彼女はよしよしと頭を撫でてくれた。優しい。
「さて、世界の英雄さん、こっからはてめえの仕事だ」
ダサ男は力男の背中を押した。彼は視線をさ迷わせ、彼女たちの前に立つ。
「君たちと過ごした時間が、僕を英雄に押し上げてくれた。君たちと出会っていなかったら、僕はきっと天使大王に勝てなかった。ありがとう、僕を強くしてくれて。ありがとう、僕を助けてくれて。ありがとう、使子さんの力になってくれて」
力男は深々と頭を下げた。
「僕は使子さんと結婚する」
力強い宣言に一瞬だけ顔をゆがめ、彼女たちはおめでとうと言った。ふっきれたのだろうか。幸せになって欲しいと思う。
「てめえはこれから先も女を泣かせそうな気がすんな」
ダサ男は憎憎しげに舌打ちし、力男と使子を並ばせ、その前にゴワスを立たせた。
「てめえら、結婚式に参加するか?」
ダサ男は彼女たちに問いかけた。気を使っている。参加したくないなら、去っても良いと言わんばかりに。
「ミーは参加するよ」
「オレもだ」
「わらわもじゃ」
「私もあるね」
愛した男の結婚式に参加する。それはどんな気持ちなんだろう。経験がないから分からない。
けどあいつが結婚する姿をテレビ中継で見たら、イヤだなと思う。自分と関係なく、進むのは我慢ならない。
それなら呼んで欲しい。諦めがつくだろうから。
「何のために?」
一瞬だけ、ダサ男が"私"に目を向けた。すぐに彼女たちに視線を移す。心を見られた気がした。
「友のために」
彼女たちの視線の先には、使子がいた。
「兄は嬉しいぞ。愛する妹が成長して。皆様は良い方向に変わったか?」
彼女たちは何も言わずに微笑んだ。ダサ男はほっと息を吐き、力男と使子に視線を合わせる。
「世界の英雄さんと彼女さん、いろいろと悪かった。俺のわがままで結婚式をぶち壊して」
ダサ男は地面に膝をつき、頭を下げた。力男と使子は戸惑っている。
「責めたいわけじゃなかった。人生に別れってものはつきものだ。過去に付き合った相手のことを考えてたら切りがないって頭では分かってる。けど、妹の悲しんでる姿を見たら、いてもたってもいられなくなった。てめらには悪いことをしたと思ってる。これは俺の最期のわがままだ」
ダサ男は立ち上がって、ゴワスの肩に手を回した。
「てめえらの晴れ舞台を祝う手伝いをさせてほしい」
ダサ男がぼそっと呟いた。一人一殺友情大作戦って何?
「このヤンスの格好で分かると思うが、俺、ここで結婚式を開くつもりだったんだよ」
「ヤンスじゃなくてゴワスでごわす」
「やんす顔だから間違えんだよ」
ダサ男もやんす顔だと思ってたのか。発想が同じなんて悔しい。
「で、愛する妹の想いに決着をつけるためにも結婚式に呼ぶつもりだったんだが、普通に開いたら修羅場になるかもしんねえと思って」
スルーされた。ダサ男の癖に。バーカバーカ。
「こいつらにやっつけるぞ的な雰囲気出して、枝階段に突っ立ってろって頼んだのさ。他の奴は分かんねえけど、妹なら必ず助けるって確信があったからな」
あれ、全然反応しない。ダサ男は何も聞こえてないみたいに話を続けている。
「人は共通の敵がいれば、一致団結するものだ。俺たちが明確な敵になれば、てめえらは友になれると踏んだのさ」
こっちを全然見ない。どうして反応してくれない。
「だからてめえらを枝階段から落として死んだように見せたり、無様ってけなしててめえを怒らせたんだよ」
ダサ男は使子に視線を合わせた。あれはわざと怒らせたのか。
はっ! 分かったぞ。ナレーションを無視しているのは、怒らせるつもりだからだ。
ふっふ、無敵のナレーションを罠にかけようなんて一日早い。
「まぁ、ゴワスが英雄の彼女さんを落としたときは焦ったが」
「申し訳ないでごわす」
「いいさ。結果的には良い方向に向かったからな。ちなみにてめえらが生きてんのは、ウワンが涙芽で落下の衝撃を吸収したからだ」
ツッコミポイントを無視された。うぅ。
「要は元カレの結婚相手を好きになったら、多少はショックも和らぐだろうと、こんな真似したってことだ」
「あなたがた元カノと今カノの仲が深まったと確信したら、我々が邪魔した結婚式を再開させるつもりでした」
「篭狼殿は、比翼連理の丘で愛を誓うと永遠になれるという伝説を聞いて、あなた方を連れてきたのだ」
うわああああああああああん!
「いきなり泣いてんじゃねぇ」
ようやく反応してくれた。嬉しい。
「急に笑うんじゃねえよ。情緒不安定かてめえは」
ナレーションを無視するダサ男が悪い。すっごく悲しかった。寂しかった。傷ついた。乙女の心を弄ぶなんて最低だ。
「俺、弄んだか?」
何回も可愛いって言った。
「事実だろ」
そういうところが弄んでるって言うんだ。バーカバーカ。
「ナレーションさん、顔ニヤけてますよ」
使子の指摘に、顔が真っ赤になった。表情に出るなんて恥ずかしい。
「心の声が漏れてるのは、恥ずかしくないあるか」
恥ずかしい、超恥ずかしい。でも心の声を止めることはできない。気持ちを伝えるのもナレーションの仕事だから。
「何俺のこと好きなの?」
…………。
「何無言になってんだよ」
あまりの衝撃に空いた口が塞がらなかった。"私"はあろうことか、ダサさを体現した男に好意を抱いてしまったらしい。
「ダサさを体現した覚えはねぇけどな」
バカな子ほど可愛いというのは本当だった。あくびをした姿が可愛かったことはポイントが高い。軽口の応酬が心地良かったことも理由の一つだ。
でも一番の理由は、"私"が実体化する前から女だと気づいていたことにある。単純に嬉しかった。
「えっ?」
使子は驚いている。気づいてたっけと言わんばかりの顔だ。
結婚式を邪魔したとき、ダサ男は言っていた。女をいたぶる趣味はないと。"私"に手を出すわけには行かないとも。あのとき、すでに女と気づいていたに違いない。
「てっきり私は実体がないから何もできないって意味かと思ってました」
と、思っていた時期もありました。
「おい」
気づいていたのか、気づいていなかったのか分からない。勘違いだったら恥ずかしい。
「俺が気づくわけねえだろ。モテルンダが女だって知らなかったんだから」
乙女心を弄びやがってキーック。ダサ男の急所を狙ってやる。
「水色か。意外と可愛らしいな」
ぎゃっ、言葉だけで蹴りを止めるとは。無敵のナレーションもビックリだ。
「そんな目で睨んでも可愛いだけだぞ」
もうやだ。顔が火照ってきた。"私"はシバールにぎゅっと抱きつく。彼女はよしよしと頭を撫でてくれた。優しい。
「さて、世界の英雄さん、こっからはてめえの仕事だ」
ダサ男は力男の背中を押した。彼は視線をさ迷わせ、彼女たちの前に立つ。
「君たちと過ごした時間が、僕を英雄に押し上げてくれた。君たちと出会っていなかったら、僕はきっと天使大王に勝てなかった。ありがとう、僕を強くしてくれて。ありがとう、僕を助けてくれて。ありがとう、使子さんの力になってくれて」
力男は深々と頭を下げた。
「僕は使子さんと結婚する」
力強い宣言に一瞬だけ顔をゆがめ、彼女たちはおめでとうと言った。ふっきれたのだろうか。幸せになって欲しいと思う。
「てめえはこれから先も女を泣かせそうな気がすんな」
ダサ男は憎憎しげに舌打ちし、力男と使子を並ばせ、その前にゴワスを立たせた。
「てめえら、結婚式に参加するか?」
ダサ男は彼女たちに問いかけた。気を使っている。参加したくないなら、去っても良いと言わんばかりに。
「ミーは参加するよ」
「オレもだ」
「わらわもじゃ」
「私もあるね」
愛した男の結婚式に参加する。それはどんな気持ちなんだろう。経験がないから分からない。
けどあいつが結婚する姿をテレビ中継で見たら、イヤだなと思う。自分と関係なく、進むのは我慢ならない。
それなら呼んで欲しい。諦めがつくだろうから。
「何のために?」
一瞬だけ、ダサ男が"私"に目を向けた。すぐに彼女たちに視線を移す。心を見られた気がした。
「友のために」
彼女たちの視線の先には、使子がいた。
「兄は嬉しいぞ。愛する妹が成長して。皆様は良い方向に変わったか?」
彼女たちは何も言わずに微笑んだ。ダサ男はほっと息を吐き、力男と使子に視線を合わせる。
「世界の英雄さんと彼女さん、いろいろと悪かった。俺のわがままで結婚式をぶち壊して」
ダサ男は地面に膝をつき、頭を下げた。力男と使子は戸惑っている。
「責めたいわけじゃなかった。人生に別れってものはつきものだ。過去に付き合った相手のことを考えてたら切りがないって頭では分かってる。けど、妹の悲しんでる姿を見たら、いてもたってもいられなくなった。てめらには悪いことをしたと思ってる。これは俺の最期のわがままだ」
ダサ男は立ち上がって、ゴワスの肩に手を回した。
「てめえらの晴れ舞台を祝う手伝いをさせてほしい」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生先はご近所さん?
フロイライン
ファンタジー
大学受験に失敗し、カノジョにフラれた俺は、ある事故に巻き込まれて死んでしまうが…
そんな俺に同情した神様が俺を転生させ、やり直すチャンスをくれた。
でも、並行世界で人々を救うつもりだった俺が転生した先は、近所に住む新婚の伊藤さんだった。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
『25歳独身、マイホームのクローゼットが異世界に繋がってた件』 ──†黒翼の夜叉†、異世界で伝説(レジェンド)になる!
風来坊
ファンタジー
25歳で夢のマイホームを手に入れた男・九条カケル。
185cmのモデル体型に彫刻のような顔立ち。街で振り返られるほどの美貌の持ち主――だがその正体は、重度のゲーム&コスプレオタク!
ある日、自宅のクローゼットを開けた瞬間、突如現れた異世界へのゲートに吸い込まれてしまう。
そこで彼は、伝説の職業《深淵の支配者(アビスロード)》として召喚され、
チートスキル「†黒翼召喚†」や「アビスコード」、
さらにはなぜか「女子からの好感度+999」まで付与されて――
「厨二病、発症したまま異世界転生とかマジで罰ゲームかよ!!」
オタク知識と美貌を武器に、異世界と現代を股にかけ、ハーレムと戦乱に巻き込まれながら、
†黒翼の夜叉†は“本物の伝説”になっていく!
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる