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21裏(とある双子視点)
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せっかくの祝日ですので、小話を一つ。
ヒーローでもヒロインでもない視点です、苦手な方は飛ばしていただいて大丈夫です。
いつも、作品に目を通してくださりありがとうございます。感謝の気持ちを込めて。
____________________________________________________
私は目を疑った。
紙の上でしか会えない存在だと思っていた。
私には兄が3人いるのです。一番上の兄は後継。二番目の兄は剣や銃が好きで父の反対を押し切って辺境の防衛最前線の軍に入隊しました。
半年程してから、身体中に傷をつくり、療養の為に帰ったきました。
そして、言った言葉が
「傷を癒して早く辺境へもどる。」
でしたわ。
三人目の兄はその言葉を聞いて涙を流しました。なぜそこまでして国を守るんだと、俺たちにそこまでする義理はないだろうと。二番目の兄は
「ブライトン上官のそばにいたい。正直国なんかどうでも良い。あの美しく強い兄妹の瞳に映りたい。」
そう言って、辺境での生活の話をしてくれました。
兄はおとぎ話の様に話してくれたわ。でも、きっと本当は辛いことの方が多いんだろうな、と思ってはいました。生きてることが当たり前ではないし、怪我をすれば痛い。
昨日一緒にご飯を食べた仲間が今日はいないかもしれない。
そんな話の中で異彩を放っていたのが
シーラ・ブライトン
ランドルフ・ブライトン
の二人。兄は人より戦闘能力が低かったらしく戦場に出て、一番に逃げ遅れ、もう、ダメだと思ったらしい。
その時、舞い降りてきたのが金色の獣だったそうだ。
「逃げろ!!」
もう、俺もここで…と諦めかけたその時、崖の上から上官であるシーラが降ってきた。着地するなり退路とは逆の追っ手の方に向かって走っていった。
手に持つ大剣を思い切り振ると先頭にいた2人の兵士が吹っ飛んだ。そして、壁に激突したまま動かなくなった。
後続の兵士がほんの少し後ずさった隙に、シーラは踏み込み容赦なく斬りかかった。
相手が剣で受け止めたが既にバランスを崩していた彼に勝ち目はなく、あっさりと押し負ける。
腰を抜かした俺を仲間達が助けに来た。
俺だけを逃がそうとした彼に俺は
「上官を置き去りにできない!!!!」
と生意気にも言った。すると、迎えにきた仲間は
「俺たちは、邪魔なんだ!!!」
と怒鳴った。じゃ…じゃま?
そのまま、言うがままに退避することにした。
少し離れた場所で彼は足を止めた。そして、こう呟いた。
「見ろ」
恐る恐る振り返ると、シーラ上官は本当に暴れていた。次々と敵を薙ぎ倒している。後ろから斬りかかられれば剣を背に回して防ぎそのまま回し蹴りを喰らわせる、左右同時に攻められればどうやって飛んだの?ってくらいにジャンプして避けた。行き場をなくした二人はそのまま衝突し、シーラ上官に踏まれる。
そして、俺を迎えにきた兵士がピーと笛を吹いた。
その合図で崖の上に小型の大砲の様な銃器をもった小柄の男性が姿を現した。
それと同時にシーラ上官が後退を始めた。
突然の動きに敵が一瞬戸惑い動きを止めた、その瞬間崖の上の狙撃手はここ、と言う絶妙な場所に一発打ち込んだ。
爆弾の様な爆発を起こし、ものすごい砂煙が巻き起こった。しばらくして、砂煙が晴れると追っ手が全員倒れていた。一人、その中に立つのは、シーラ上官。そして、崖の上には細く長い銃身の銃を構える狙撃手。
「カッコいい!!」
それしか思い浮かばなかった。俺は、その景色を忘れられなかった。その景色が…これだ。
そう言って兄は2枚の紙を差し出した。兄には戦闘の能力がなかった代わりに絵の才能があったそうで、狙撃手で参謀のランドルフ・ブライトンにその才能を買われ、地図や作戦図の作成を担っていたらしいのです。
その傍ら、二人の英雄の絵姿を描いては仲間達に売り捌いていたそうです。
さすが、商売で名を上げた伯爵家の次男。
かなりの稼ぎを上げたそうですわ。
その絵姿に、私は一瞬で目を奪われたわ。
凛々しく、美しいお顔。長い手足、本当に、お顔がカッコいい語彙力を失ってしまったのかしら、カッコいいのです。シーラ・ブライトン様。
そして、もうお一方は可愛らしいの。肩までの白金の髪につぶらなクリクリの目、少し低めのこぶりなお鼻に可愛らしいぷっくりとしたお口。シーラ様よりも低い背をピンと伸ばしている。ランドルフ・ブライトン様。
兄の話と美しい絵姿を見て勝手に憧れていた存在が、なぜか今!!目の前にいる!!!
あぁ!お近づきになりたい!!チラッと兄を見れば、目が輝いている。輝きすぎてビームでも出ているかの様に光っている。
彼女は凛々しい所作で以前から交流があった、シリル・トラティリアの隣に座った。婚約者って!!シーラ様?!あなた、シーラ様と婚約したの?!なんて事。
婚約したことは聞いていたけど、シーラ様が相手とは聞いていないわよ。
よくやったわ!!シリル。
私と兄は喜びを隠し、彼らに近づく。
ハイネ伯爵家の全てを使ってでも、シーラ様とシリルの側にいることを、今誓うわ。
ヒーローでもヒロインでもない視点です、苦手な方は飛ばしていただいて大丈夫です。
いつも、作品に目を通してくださりありがとうございます。感謝の気持ちを込めて。
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私は目を疑った。
紙の上でしか会えない存在だと思っていた。
私には兄が3人いるのです。一番上の兄は後継。二番目の兄は剣や銃が好きで父の反対を押し切って辺境の防衛最前線の軍に入隊しました。
半年程してから、身体中に傷をつくり、療養の為に帰ったきました。
そして、言った言葉が
「傷を癒して早く辺境へもどる。」
でしたわ。
三人目の兄はその言葉を聞いて涙を流しました。なぜそこまでして国を守るんだと、俺たちにそこまでする義理はないだろうと。二番目の兄は
「ブライトン上官のそばにいたい。正直国なんかどうでも良い。あの美しく強い兄妹の瞳に映りたい。」
そう言って、辺境での生活の話をしてくれました。
兄はおとぎ話の様に話してくれたわ。でも、きっと本当は辛いことの方が多いんだろうな、と思ってはいました。生きてることが当たり前ではないし、怪我をすれば痛い。
昨日一緒にご飯を食べた仲間が今日はいないかもしれない。
そんな話の中で異彩を放っていたのが
シーラ・ブライトン
ランドルフ・ブライトン
の二人。兄は人より戦闘能力が低かったらしく戦場に出て、一番に逃げ遅れ、もう、ダメだと思ったらしい。
その時、舞い降りてきたのが金色の獣だったそうだ。
「逃げろ!!」
もう、俺もここで…と諦めかけたその時、崖の上から上官であるシーラが降ってきた。着地するなり退路とは逆の追っ手の方に向かって走っていった。
手に持つ大剣を思い切り振ると先頭にいた2人の兵士が吹っ飛んだ。そして、壁に激突したまま動かなくなった。
後続の兵士がほんの少し後ずさった隙に、シーラは踏み込み容赦なく斬りかかった。
相手が剣で受け止めたが既にバランスを崩していた彼に勝ち目はなく、あっさりと押し負ける。
腰を抜かした俺を仲間達が助けに来た。
俺だけを逃がそうとした彼に俺は
「上官を置き去りにできない!!!!」
と生意気にも言った。すると、迎えにきた仲間は
「俺たちは、邪魔なんだ!!!」
と怒鳴った。じゃ…じゃま?
そのまま、言うがままに退避することにした。
少し離れた場所で彼は足を止めた。そして、こう呟いた。
「見ろ」
恐る恐る振り返ると、シーラ上官は本当に暴れていた。次々と敵を薙ぎ倒している。後ろから斬りかかられれば剣を背に回して防ぎそのまま回し蹴りを喰らわせる、左右同時に攻められればどうやって飛んだの?ってくらいにジャンプして避けた。行き場をなくした二人はそのまま衝突し、シーラ上官に踏まれる。
そして、俺を迎えにきた兵士がピーと笛を吹いた。
その合図で崖の上に小型の大砲の様な銃器をもった小柄の男性が姿を現した。
それと同時にシーラ上官が後退を始めた。
突然の動きに敵が一瞬戸惑い動きを止めた、その瞬間崖の上の狙撃手はここ、と言う絶妙な場所に一発打ち込んだ。
爆弾の様な爆発を起こし、ものすごい砂煙が巻き起こった。しばらくして、砂煙が晴れると追っ手が全員倒れていた。一人、その中に立つのは、シーラ上官。そして、崖の上には細く長い銃身の銃を構える狙撃手。
「カッコいい!!」
それしか思い浮かばなかった。俺は、その景色を忘れられなかった。その景色が…これだ。
そう言って兄は2枚の紙を差し出した。兄には戦闘の能力がなかった代わりに絵の才能があったそうで、狙撃手で参謀のランドルフ・ブライトンにその才能を買われ、地図や作戦図の作成を担っていたらしいのです。
その傍ら、二人の英雄の絵姿を描いては仲間達に売り捌いていたそうです。
さすが、商売で名を上げた伯爵家の次男。
かなりの稼ぎを上げたそうですわ。
その絵姿に、私は一瞬で目を奪われたわ。
凛々しく、美しいお顔。長い手足、本当に、お顔がカッコいい語彙力を失ってしまったのかしら、カッコいいのです。シーラ・ブライトン様。
そして、もうお一方は可愛らしいの。肩までの白金の髪につぶらなクリクリの目、少し低めのこぶりなお鼻に可愛らしいぷっくりとしたお口。シーラ様よりも低い背をピンと伸ばしている。ランドルフ・ブライトン様。
兄の話と美しい絵姿を見て勝手に憧れていた存在が、なぜか今!!目の前にいる!!!
あぁ!お近づきになりたい!!チラッと兄を見れば、目が輝いている。輝きすぎてビームでも出ているかの様に光っている。
彼女は凛々しい所作で以前から交流があった、シリル・トラティリアの隣に座った。婚約者って!!シーラ様?!あなた、シーラ様と婚約したの?!なんて事。
婚約したことは聞いていたけど、シーラ様が相手とは聞いていないわよ。
よくやったわ!!シリル。
私と兄は喜びを隠し、彼らに近づく。
ハイネ伯爵家の全てを使ってでも、シーラ様とシリルの側にいることを、今誓うわ。
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