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夜明けの鏡
夜明けの鏡
しおりを挟むあれから、だいぶ経った。
私は家で療養している。尚輝は久米さんとあの時何があったのか調べている。
もちろん、警察も光明寺博士の研究所が爆発したり、神殿が壊れたりしたことを調べている。
青木町と小倉町の古ビルは消えてしまい空き地になってしまい、みんなその訳がわからず不思議に思っている。
私は何日かはずっとベッドの中だったけど、今はごはんの時は起きている。
「今日はサンドウィッチを作ろうかな」
尚輝はいつも、ごはんを作っていたけど、今は私は晩ごはん以外は自分で作っている。
「ただいま」
尚輝が帰ってきた。最近はいつも、けわしい顔なのに、すごい嬉しそうな笑顔。どうしたんだろう。
「かの子、わかったよ。光明寺博士が組織を作って世界平和を唱えながら悪の限りを尽くしたことが」
尚輝が私にそういう。そのことは尚輝も知っているんじゃなかったっけ。
私は不思議そうに尚輝の顔を見ていた。
「どうしたの?ああ、あの話。奴らは某国の組織と組んで自分たちの科学力や知性をいいことにあらゆる人達を殺して理想的な国を作ろうとしていた。警察もかの子は巻き込まれただけで無罪だって言っていた」
尚輝はそういうとニコッと笑った。
みんなにもあの人達の企てがわかったんだ。でも、某国の組織と組んでいたなんて知らなかった。
「急に話変わるけど、あとね、話があるんだ」
「なんの話?」
私はキョトンとして尚輝を見ていた。尚輝はニカっと少年のような笑顔で語りだした。
この笑顔久しぶりに見る。
「どこか、2人でゆっくり暮らせるように、どこかに引っ越そう。かの子の身体のこともあるしね」
そう、あの後、私は自分の身体に重いものが入り込んでくるのを感じた。その後、私は倒れた。私はまた病気になった、いや病気がまた私に戻ってきたとわかった。
だから、また病院で調べてもらったら再発と言われた。でもこれでいいんだ。私は自分の犯したことはどんなことがあっても許されないんだ。神様はきっと、何か意味があるからそうされたんだ。
それに病気は私の手の届かない、どうしようも無いもの。受け入れて生きていくしかないよ。
「かの子、どうしたの?」
「うん?何もない。どこに引っ越すの?」
私がそう言うと尚輝はパンフレットを広げて説明を始めた。
「昔、行ったよね、ここ、大きな山が見えて、近くに小さな小川が流れてて。ここに、ほら、この家を買ったんだ」
「尚輝のお仕事はどうするの?」
私がそういうと尚輝は私の肩を抱いて、
「ここのペンションで働くよ。もう話は決まってるんだ」
「そっか。ここに住むのか。真希や静佳とはお別れだね」
私が寂しそうにそういうと尚輝は私のほうを向いて
「やっぱり嫌?嫌ならやめてもいいよ」
「いいわよ。行きましょう」
私は精一杯の笑顔で尚輝にそう言った。尚輝はだったら連絡をしなくてはとペンションの管理人さんに連絡を入れている。
話が終わりスマホをテーブルに置くと尚輝が言った。
「サンドウィッチ!おいしそう。いただきます。あ、でも、かの子これからも無理はダメだよ」
私は黙ってうなずいた。尚輝はニコッと笑うとおいしそうにサンドウィッチを食べている。私も残りのサンドウィッチを食べて、たわいない話で2人で盛り上がった。
その夜、私は目が覚めた。あまり眠れてない。
私は大きな鏡のある部屋に行った。
鏡には私が映っている。
「ねえ、鏡の中のかの子。私、引っ越しするのよ。このおうちには、もうすぐさよならするの。寂しい?私も寂しいよ。でも向こうのお家に行ってもまたお話しできるわ。だから寂しくないよ。鏡の中のかの子」
私は鏡に向かってそう独り言をつぷやいた。
やがて外が明るくなってきた。私は窓のカーテンを開けた。
徐々に明るくなっていく空に夜明けを知らせる太陽が登ってきた。太陽の光りは鏡の中のかの子がいる鏡を照らし、鏡はまぶしくきらめいていた。
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