魔王が最弱でスライムが最強の世界!?

クソニート

文字の大きさ
23 / 156
第1章最弱魔王は魔界で頑張ると決めたそうです

第25話 もう失いたくない

しおりを挟む
「メル・・・絶対にまた会おうね・・・」

 ラエルが家に入ろうとした時、夜空で何かがキラリと輝いた。

「あれは・・・?」

 ラエルがそう呟いた時、リエノア村が爆発がした――。



「な・・・!?」

 リエノア村が次々と爆発し出す。サタンとメルは燃え上がるリエノア村を見つめていた。

「一体何が・・・」
「お母さんっ・・・!」

 サタンが呆然としているとメルは一目散にリエノア村へと向かって走った。

「待て! メル!」

 サタンがメルを止めようとするがメルにはサタンの声が届いていない。

「クソ!」

 サタンも慌ててメルの後を追いかけた。


(うっ・・・何が起こったの・・・? どうしていきなり爆発なんて・・・)

 爆風でとばされたラエルは顔をあげて目の前の光景に息をのんだ。

 リエノア村が激しく燃え盛り、次々と聞こえてくる人々の悲鳴。

「ひどい・・・誰がこんなこと・・・」
「あなたが、ユウキ・ラエルさん、ですか?」

 倒れたままのラエルに近づく謎の声。

「そう・・・だけど・・・」
「やはりそうでありましたか!」

 ラエルの前に立つ王城の制服を着た男。

「とてつもなく美人と聞いていたのですぐに分かりましたよ」
「私に何か用なの・・・?」
「いえ・・・王様からある事を頼まれましてね」
「ある事・・・?」
「ええ・・・あなたの暗殺をね」

 ニヤリと笑う王城の制服を着た男。

「な・・・!? どうして・・・!?」
「さぁ? ですがこんなにもお美しい人をすぐに始末するなんてもったいないですね・・・先ずは私を楽しませてもらいましょうかね・・・」

 不気味な手の動きをしながらラエルへと近づいていく王城の制服を着た男。

「おい、お前達、もうそのへんでいい。目標は見つけた」

 王城の制服を着た男は部下であろう者達に言った。
 部下であろう者達はリエノア村を爆破するのを止める。

「では、失礼しますよ・・・」

 ヘヘヘと笑いながら近づいていく。目は完全に変質者の目。

「いや、来ないで・・・」

 ラエルは恐怖し後ろへと後ずさる。しかし、止まる様子のない王城の制服を着た男。

「来ないで――って、言ってるでしょ!」

 ラエルは叫んだ。すると王城の制服を着た男の体が突然震えだした。

「な・・・体が・・・震えが止まらない、ですと・・・」

 見るとラエルの目は片目だけ白く光っていた。

「何を・・・したんですか・・・!? 一体何を・・・いえ、それよりもあなたも能力《ちから》を持っていたんですね・・・でしたら、話は別です。理由はどうであれ楽しむなんて言ってないで私は頼まれた暗殺を続けましょう」

 そう言うと王城の制服を着た男の腕がドリルへと変わった。

「そろそろ体の震えも止まってきましたし死んでもらいましょう」

 王城の制服を着た男がラエルへと近づきドリルの腕を突き上げた。

(・・・っ・・・メル・・・! ゴメンね・・・! 最後に会いに来てくれてありがとう・・・!)
「では、さようなら」

 王城の制服を着た男がラエルに向かってドリルの腕を振り下ろした――。

「ヤメローーーー!!」

 ラエルにドリルが突き刺さる――瞬間、ラエルとドリルの間に大剣を持ったメルが走り込む。

「な・・・!?」

 メルは大剣でドリルをふさぎ、弾き返した。

 弾き返された王城の制服を着た男は反動で後ずさる。

「お母さん! 大丈夫!?」
「メル・・・どうして・・・?」
「どうしてって・・・爆発が聞こえたからに決まってるよ――!」


 サタンよりも一足先にリエノア村に戻り着いたメル。メルはその光景に圧倒させられる。

 何の罪もない人達の村が理由もなく爆発させられている。

「っ・・・!」

 メルは爆破している奴等に斬りかかろうとしたがハッとした。

(お母さん・・・!)

 メルは辺りを見回してラエルの姿を探す。そして、ラエルに近づく男を見た。

(アイツは・・・)

 その男がドリルを高らかと掲げ、ラエルに向かってドリルを振り下ろした。

 メルは足に力を込めて走った。そして、大剣を腰から引き抜きラエルの前に立った――。


「それは・・・そうだよね・・・」
「アイツは誰!? どうしてお母さんを狙ってきたの!?」

 メルは大剣を構えながらラエルに聞く。

「分からない・・・!?」
「そう・・・でも、もう安心して! お母さんは私がきっと守るからね!」

 メルは王城の制服を着た男を睨みつけた。

「ダメよ! 今すぐ逃げなさい! 私のことはいいから早く!」
「イヤ!!」
「メル・・・」
「もう二度と家族を失いたくない! それに・・・ここでお母さんを守れなくちゃ何のために勇者になったのか分からないよ・・・!」

 メルは大剣を前に突き出しながら王城の制服を着た男に走り向かっていく。

「ヤァァーーー!」

 メルは大剣を振り下ろした。

「なかなかやりますね、ですが――まだまだ甘いですよ!」

 王城の制服を着た男は大剣を交わし、メルを蹴り飛ばした。

「くっ・・・」
「メルっ!」

 王城の制服を着た男はメルへと近づく。

「あなたはメルさん、ですね? あなたは保護対象ですので殺しはしませんが、少々痛めつけるくらいならいいでしょう! ほら」

 王城の制服を着た男はメルを軽々と蹴り飛ばす。

「メル!」

 ラエルと叫ぶ。

「ラエルさ~ん、少々黙っていてくれませんか? 私は今、少し怒っているんですよ」

 王城の制服を着た男はメルを蹴り続ける。メルの着ている制服は次第にボロボロとなっていく。

「う・・・!」
「あなたも美人ですけど少しもの足りませんね」

 王城の制服を着た男はメルの少し残念ね胸を見下ろして言った。

「もう少し痛めつけてもおもしろそうですが、そろそろ飽きましたね。少々お楽しみがほしいで、す、ね!」

 ビリィーと王城の制服を着た男はメルの制服を破りすてた。

「あ~あ~やっぱりまだまだお子ちゃまですね~成長するところも僅かですし・・・まぁ、いい眺めに変わりはないので気分はいいですが」
「やめて・・・!」

 メルが可愛い声を漏らす。

「はは・・・可愛いですねぇ」

 王城の制服を着た男はメルの下着へと手を伸ばす。

「お願い、します・・・」

 メルが手で胸を隠そうとするが王城の制服を着た男がメルの手を掴む。

「まぁまぁ、いいじゃないですか、減るもんじゃないですし」

 王城の制服を着た男の手がメルの下着に触れそうになる。その瞬間、王城の制服を着た男の頭に何かが当たった。

「痛っ・・・! 何ですか?」

 王城の制服を着た男の頭からポロッと石が落ちる。

「な、に、を、するんですか~ラエルさ~ん」

 ラエルの方を振り向く王城の制服を着た男。

「その子に・・・メルにそれ以上触れたらあなたを殺すわ・・・!!」

 ラエルが王城の制服を着た男を睨み言う。

「分かったらメルから今すぐ離れなさいっ!」
「へぇ~、いい度胸ですね、ラエルさん・・・」

 王城の制服を着た男はメルから離れラエルの方へ歩く。

「お前達! メルさんを頼みましたよ」

 王城の制服を着た男の部下がメルを押さえつける。

「ラエルさ~ん、あなた、この状況がどういうことか分かってないようですね? やれやれ、メルさんには残酷なところを見せてしまいますが仕方ないですね」

 残りの部下達がラエルの体を起こし宙吊りにする。

「では、ラエルさん、本当にさようならです。あ、メルさんのことは私がしっかりとドアベルガルへ連れていきますので安心して死んでください」

 王城の制服を着た男が手をドリルに変える。

「嫌・・・止めて・・・」

 メルがじたばたと暴れるが部下達が押さえて動けない。

「止めてーーーー!!」

 メルが叫ぶ。

「では――」

(メル・・・私とエメの間に生まれてくれてありがとう・・・! これで、本当にバイバイね。エメ・・・私も今からそっちに――)

 ラエルは目を瞑りその時を待った。


 しかし、いくら待ってもラエルは体に何かあるような異変を感じない。ラエルは恐る恐る目を開けた。

「ガハッ・・・!」
「サ、タン、君・・・?」

 ラエルの前に立っているサタン。

「サタン・・・サタンっ!」

 メルがサタンの名を呼ぶ。

 サタンはラエルの変わりにドリルで体を貫通されていた。

「間に合っ――ガアァァァ・・・!」

 サタンの体からドリルが引き抜かれサタンは地面へ薙ぎはらわれた。

「グアッ!」

 サタンは口から血を吐き出し、ドリルに貫通された体からは大量の血が流れ出ている。

「一体、あなたは何なんですか・・・?」
「さあ・・・?」
「ふざけているんですか!? 次から次へと私の邪魔をして!! 死ね死ね死ねーーーーっ!」

 王城の制服を着た男はドスドスとサタンの体にドリルを突き刺す。

「グ・・・!」
「余計な死体がまた一つ増えてしまいますねぇ!」
「もう止めて!」

 ラエルが叫んだ。

「もう止めて・・・! その子は関係ないでしょ! 早く、早く私を殺してこの場から消えて・・・!」
「はは、泣かせますね~ラエルさん。こんな関わりのない子のために自ら死を言うなんて」

 王城の制服を着た男は手で涙を拭く。

「ですが、もう遅いですよ。彼は死にました」
「そんな、サタン君・・・!」

 サタンはピクリとも動かなかった。

「安心してください、今すぐあなたも殺してさしあげましょう」
「サタン君・・・ごめんね・・・! 私のせいで・・・」

 ラエルは悔し涙を流す。

「ええ、本当に彼も馬鹿ですねぇ。あなたを助けに入らなければ死なずにこれからも生きていくことが出来たのに。本当に馬鹿だと同情してしまいますよ。ではラエルさん、今度こそ、本当にさようなら」

 王城の制服を着た男はドリルを後ろ引いて突き出す準備をする。

「お母さーーーん!」

 メルが悲鳴を上げる。
 その時、サタンの体が起き上がった――。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

キモおじさんの正体は…

クラッベ
ファンタジー
乙女ゲームの世界に転生し、ヒロインとなったナディア。 彼女はゲーム通りにいかない悪役令嬢のビビアンに濡れ衣を着せ、断罪イベントの発生を成功させる。 その後の悪役令嬢の末路は、ゲーム通りでは気持ち悪いおっさんに売られていくのを知っているナディアは、ざまぁみろと心の中で嘲笑っていた。 だけどこの時、この幸せが終わりを迎えることになるとは、ナディアは思っても見なかったのだ。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...