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第2章最弱魔王はクラスメートのために頑張るそうです
第31話 新たな召喚されしもの
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かつてサタンが暮らしていた世界で一つの命が消えた――
「今――そっちにいくよ・・・お兄ちゃん・・・」
◇
ここは、神界《シンカイ》、神達が集う神聖な場所。
「サタン、君もなかなか頑張っているようだね」
プタが見下ろしているのは、魔界・天界・人間界の三つに分けられた世界。今日もサタンはなんとか頑張っているようだ。
と、そこへある若々しい男が現れた。
「何見てるんだプタ?」
彼の名は――ゼウス。想像神であり、神の頂点に立つ男。雷を得意とする男。若いのに髪は真っ白。因みに、染めているのではなく、天然モノだ。
「やぁ、ゼウス」
ゼウスはプタと一緒に三つの界を見下ろす。
「あ~なるほどな、アイツが、この前言っていた、魔王になった少年サタンって奴か」
「そうだよ」
「あんな壊滅寸前の魔界の奴等なんかに世界を任せてよかったのか?」
厳しく判断をするゼウス。その瞳は全てを見通しているようにも見える。
「サタンで良かったんだよ。君も知っているだろ? あの世界が今どうなっているかを」
「それは――もちろん知っている・・・が、どうして残り二人だけの界――魔界なんだ?」
「それでいいんだよ。それに、今は仲間がサタンにいる――これで少なくとも二人だけってのはなくなったね」
「はっ――たかが極少数の人間と悪魔に何が出来るというんだ?」
「彼等ならやってのけるさ。・・・それに――」
プタが後ろを振り返った。神界の地に一つの召喚陣が浮き上がる。
「僕からのプレゼントも贈るしね」
プタが召喚陣を見つめる。
「な・・・プタ、お前――」
プタは華麗な笑みを浮かべた。
(――ここは、どこ・・・? 天国? ・・・・・・っ!? 声が、出ない・・・!)
召喚陣から召喚されたものにプタが声をかける。
「やぁ」
(――・・・・・・~~っ! だ、誰!? いきなり何!?)
「いきなり驚かしてごめんね」
召喚されたものはプタに驚き、体をビクッとさせる。
「君にはこれからある人を助けてほしいんだ」
(――な、なんで突然!?)
召喚されたものは不満を言おうとするが声が出ない。
「悪いけど、君に拒否権はないんだ」
(――そ、そんな・・・)
召喚されたものは冷酷に言うプタに恐怖する。
「じゃあ、行ってらっしゃい」
(――え、そんな、誰か助けてよっ!)
召喚されたものは助けを求め手を伸ばそうとするが手の感覚を感じない。
「あ、そうそう。一つ言い忘れてたけど君にはある呪いをかけておいたからそれを解いてもらってその人を助けてあげてね」
召喚されたものが神界の地から落ちていく。
「ちょっ、プタ!」
ゼウスがプタの肩を掴む。
「何?」
「何? じゃないだろ! いきなり何してるんだよっ! 神が人間や悪魔、天使に手を貸す事は硬く禁じられてるだろう!」
「ああ・・・そう言えばそんなルールもあったね。ふふ・・・あはははは・・・」
プタは高らかに笑い出す。
「プ、プタ・・・?」
「ねぇ、ゼウス・・・君はいつまでもそんなつまらないルールに縛られているつもりかい? 一体誰が何のために作ったのかも分からないのにいつまでも守っているなんてバカがする事だよ。僕はこれからそういうのを変えていくことにするよ」
プタの目は鋭く光っていた。それはゼウスさえもが恐怖を覚えるものだった。
「プタ・・・お前・・・」
「ん?」
ゼウスが言った時には既にプタはいつもの調子に戻っていた。
◇
う~ん・・・そろそろ金を増やさないとヤバそうだな・・・
サタンは今所持している金を見て悩んでいた。最初は結構金があった。しかし、メルとラエルの生活品等を買ったら金が底をつきそうになっていた。
さて、どうするか・・・?
サタンが悩んでいると玄関からアズラの声が聞こえた。
「皆さん外に来てください!」
アズラの声が急いでいる。
「アズラ! どうした!? 何かあったのか?」
サタンは急いでアズラのもとへ行った。
「サタンさん、大変ですこれを見てください」
アズラがサタンを外に引っ張っていった。
メルとラエルも外に出てくる。
「こ、これは・・・」
ニャーニャーとダンボールから聞こえてくる。
「・・・猫だな」
「猫ですね」
「猫ね」
「はい、猫ちゃんです」
それはダンボールに入れられている可愛らしい猫だった。全身青色の毛並みが綺麗に整っている。今にも死んでしまうかのようにぷるぷると震えている。
「けど、どうしていきなり猫なんだ?」
「実は・・・私が先程外を掃除していると――」
「――ランラランララ~今日もお掃除頑張りましょ~――ってあれは何でしょう?」
アズラは城の前にポツンと置かれているダンボールに気づき歩いていく。中を開けるとそれは可愛い可愛い猫。
「――そして、その可愛さにやられて私は皆さんを呼んでいたのです」
「そうか。ん? 中に何か入ってるな」
サタンはダンボールの中に猫と一緒に入っていた一枚の紙切れを取り出した。
「え~何々・・・『どうかこの子のことを拾ってください。お願いします』だってよ・・・」
「ひどいです! こんなにも可愛い猫を捨てるなんて」
メルが猫が捨てられた事に怒る。
「チッチッチ・・・おいでおいで~」
ラエルはダンボールから猫を取り出して抱き上げた。
「はぁぁぁぁ~気持ちぃいい~」
その猫の毛並みにラエルはもうメロメロだ。
「お母さんずるい! 私にも抱かせて!」
「はいはい」
ラエルは猫をメルへと渡した。メルの腕の中でニャ~ンとか細い声で鳴く猫。
何かがメルの心臓を射抜く。
「こ、この可愛さは世界崩壊レベルです・・・! サタン、この猫を飼ってあげましょう!」
「そうくると思ったよ・・・」
サタンは何となくこうなるパターンを予測していた。
でも、どうするんだよ・・・確かに可愛いし可哀想だから飼ってやりたい・・・やりたいけど――
「やっぱり、飼うのは難しい・・・」
「何でですかぁ!? こんなにも可愛いのに!」
「それはな・・これ以上は金が底を尽きるからだよっ!」
言い終えてからもサタンは思った。
魔王のくせに何を言ってるんだ俺・・・
「サタンさん・・・」
「それは・・・そうですけど・・・」
「ごめんね。私のせいでお金がますますなくなっているのよね・・・」
しょんぼりと肩を落とすラエル。
「い、いやラエルさんのせいじゃないですよ! 元々お金が少なかっただけです。な、アズラ?」
「そ、そうなんです私達には最初から余りお金がなかったんですよ! だからラエルさんのせいじゃありません」
「本当に優しいね二人とも・・・」
しばらく全員が黙りこむ。
「だったら・・・人間界の仕事《クエスト》をしてお金を稼ぎましょう!」
メルが言い出した。
「仕事《クエスト》・・・そんなのがあるのか?」
「ええ、しかも今なら相当な額が稼げる仕事《クエスト》があるらしいですよ。行きましょう、サタンとアズラと私で」
「私は賛成です」
「アズラは決まりですね。後はサタンだけですがどうですか?」
サタンは正直嫌だった。働く事なんてメンドクサイからだ。けど――。
「サタン」
「サタンさん」
「サタン君」
「う~ん・・・ん?」
サタンが悩んでいると猫がサタンを見つめて鳴いた。
「ニャ~ン・・・」
「ク・・・分かったよ・・・その猫を飼おう!」
結局サタンも猫の可愛さにやられて飼うことにした。
「ヤッターー! ありがとうございます、サタン!」
「サタンさん!」
「メルがゴメンね・・・けど、ありがとうねサタン君」
大いに喜びはしゃぐアズラ、メル、ラエル。
「とりあえず中に入らないか?」
サタンはやれやれと思いながら城の中に戻った。
「では、早速この子の名前を決めましょう!」
アズラからの提案で早速猫の名前決めが始まった。
「はい!」
メルが手を上げる。
「メルさん」
「ブルーニャイズキューティクル!!」
メルのダッサイ名前に誰も反応しなかった。
「はい」
今度はラエルが手を上げる。
「ラエルさん」
「太郎」
ラエルの出した名前にも誰も反応しなかった。
「・・・・・・・・・はい、次サタンさん」
アズラは無理矢理次へと進行した。
「え、俺!? う~ん、そうだな・・・アオニャン・・・」
サタンが出したダサイ名前にも誰も反応しなかった――。
「はい、決定しました! この子の名前はアオニャンです!」
と、思ったら、サタンが出した名前に決まった。
「ちょっ、ちょっと、アズラ。なんで私とお母さんの名前は無視したのにサタンの名前で決まっちゃうんですか!?」
「だって失礼ですけど・・・お二人ともネーミングセンスがないからです! 特にメルさんがです!」
「ぐっ・・・そ、そんなのサタンが出した名前だって私と同じくらいダサイじゃないですか!」
「サタンさんが出した名前は可愛いらしい名前なのでOKです!」
指をピンと立ててうんうんと頷くアズラ。
(っ・・・この悪魔は本当にサタンに甘いんですから!)
「で、ですがアオニャンですよ!? アオニャン!」
「メルさんのブルーニャイズキューティクルよりは数倍ましです!」
(そこは私もアズラちゃんに賛同するわ・・・)
ラエルは心の中で思った。
「くぅ~こ、こうなったら猫に選んでもらいましょう! 私が出した名前がいいのか、お母さんが出した名前がいいのか、サタンが出した名前がいいのかお!」
「じゃあそうしますか?」
「俺はいいぞ」
「私も」
サタンとラエルも返事する。
「じゃ、猫ちゃん、いい名前の所へ行ってください」
皆の視線が猫に集まる。そんな中猫はサタンの所へ行くとサタンの足を頭でスリスリした。
「はい、アオニャンに決まりました!」
サタンはアオニャンを抱き上げた。するとアオニャンはサタンの頬を舌でペロペロと舐めた。
「どうやらアオニャンもサタンさんが出してくれたお名前が気に入ったようですね」
「そんなぁ~・・・」
「ドンマイよ、メル」
ガーンと肩を落としたメルを励ますラエル。
「お母さ~ん」
「よしよし」
メルはラエルに頭を撫でてもらった。
「サタンさんこれから可愛がってあげましょうね」
「ああ、せっかく飼うんだし精一杯お世話するよ」
「ニャァーー!」
こうして、サタンにはまた一人(一匹)の家族が増えた。
本気で人間界の仕事《クエスト》を頑張らないとな・・・・・・生活のため、金のために!
そして、サタンは金のために一人燃えるのだった。
「今――そっちにいくよ・・・お兄ちゃん・・・」
◇
ここは、神界《シンカイ》、神達が集う神聖な場所。
「サタン、君もなかなか頑張っているようだね」
プタが見下ろしているのは、魔界・天界・人間界の三つに分けられた世界。今日もサタンはなんとか頑張っているようだ。
と、そこへある若々しい男が現れた。
「何見てるんだプタ?」
彼の名は――ゼウス。想像神であり、神の頂点に立つ男。雷を得意とする男。若いのに髪は真っ白。因みに、染めているのではなく、天然モノだ。
「やぁ、ゼウス」
ゼウスはプタと一緒に三つの界を見下ろす。
「あ~なるほどな、アイツが、この前言っていた、魔王になった少年サタンって奴か」
「そうだよ」
「あんな壊滅寸前の魔界の奴等なんかに世界を任せてよかったのか?」
厳しく判断をするゼウス。その瞳は全てを見通しているようにも見える。
「サタンで良かったんだよ。君も知っているだろ? あの世界が今どうなっているかを」
「それは――もちろん知っている・・・が、どうして残り二人だけの界――魔界なんだ?」
「それでいいんだよ。それに、今は仲間がサタンにいる――これで少なくとも二人だけってのはなくなったね」
「はっ――たかが極少数の人間と悪魔に何が出来るというんだ?」
「彼等ならやってのけるさ。・・・それに――」
プタが後ろを振り返った。神界の地に一つの召喚陣が浮き上がる。
「僕からのプレゼントも贈るしね」
プタが召喚陣を見つめる。
「な・・・プタ、お前――」
プタは華麗な笑みを浮かべた。
(――ここは、どこ・・・? 天国? ・・・・・・っ!? 声が、出ない・・・!)
召喚陣から召喚されたものにプタが声をかける。
「やぁ」
(――・・・・・・~~っ! だ、誰!? いきなり何!?)
「いきなり驚かしてごめんね」
召喚されたものはプタに驚き、体をビクッとさせる。
「君にはこれからある人を助けてほしいんだ」
(――な、なんで突然!?)
召喚されたものは不満を言おうとするが声が出ない。
「悪いけど、君に拒否権はないんだ」
(――そ、そんな・・・)
召喚されたものは冷酷に言うプタに恐怖する。
「じゃあ、行ってらっしゃい」
(――え、そんな、誰か助けてよっ!)
召喚されたものは助けを求め手を伸ばそうとするが手の感覚を感じない。
「あ、そうそう。一つ言い忘れてたけど君にはある呪いをかけておいたからそれを解いてもらってその人を助けてあげてね」
召喚されたものが神界の地から落ちていく。
「ちょっ、プタ!」
ゼウスがプタの肩を掴む。
「何?」
「何? じゃないだろ! いきなり何してるんだよっ! 神が人間や悪魔、天使に手を貸す事は硬く禁じられてるだろう!」
「ああ・・・そう言えばそんなルールもあったね。ふふ・・・あはははは・・・」
プタは高らかに笑い出す。
「プ、プタ・・・?」
「ねぇ、ゼウス・・・君はいつまでもそんなつまらないルールに縛られているつもりかい? 一体誰が何のために作ったのかも分からないのにいつまでも守っているなんてバカがする事だよ。僕はこれからそういうのを変えていくことにするよ」
プタの目は鋭く光っていた。それはゼウスさえもが恐怖を覚えるものだった。
「プタ・・・お前・・・」
「ん?」
ゼウスが言った時には既にプタはいつもの調子に戻っていた。
◇
う~ん・・・そろそろ金を増やさないとヤバそうだな・・・
サタンは今所持している金を見て悩んでいた。最初は結構金があった。しかし、メルとラエルの生活品等を買ったら金が底をつきそうになっていた。
さて、どうするか・・・?
サタンが悩んでいると玄関からアズラの声が聞こえた。
「皆さん外に来てください!」
アズラの声が急いでいる。
「アズラ! どうした!? 何かあったのか?」
サタンは急いでアズラのもとへ行った。
「サタンさん、大変ですこれを見てください」
アズラがサタンを外に引っ張っていった。
メルとラエルも外に出てくる。
「こ、これは・・・」
ニャーニャーとダンボールから聞こえてくる。
「・・・猫だな」
「猫ですね」
「猫ね」
「はい、猫ちゃんです」
それはダンボールに入れられている可愛らしい猫だった。全身青色の毛並みが綺麗に整っている。今にも死んでしまうかのようにぷるぷると震えている。
「けど、どうしていきなり猫なんだ?」
「実は・・・私が先程外を掃除していると――」
「――ランラランララ~今日もお掃除頑張りましょ~――ってあれは何でしょう?」
アズラは城の前にポツンと置かれているダンボールに気づき歩いていく。中を開けるとそれは可愛い可愛い猫。
「――そして、その可愛さにやられて私は皆さんを呼んでいたのです」
「そうか。ん? 中に何か入ってるな」
サタンはダンボールの中に猫と一緒に入っていた一枚の紙切れを取り出した。
「え~何々・・・『どうかこの子のことを拾ってください。お願いします』だってよ・・・」
「ひどいです! こんなにも可愛い猫を捨てるなんて」
メルが猫が捨てられた事に怒る。
「チッチッチ・・・おいでおいで~」
ラエルはダンボールから猫を取り出して抱き上げた。
「はぁぁぁぁ~気持ちぃいい~」
その猫の毛並みにラエルはもうメロメロだ。
「お母さんずるい! 私にも抱かせて!」
「はいはい」
ラエルは猫をメルへと渡した。メルの腕の中でニャ~ンとか細い声で鳴く猫。
何かがメルの心臓を射抜く。
「こ、この可愛さは世界崩壊レベルです・・・! サタン、この猫を飼ってあげましょう!」
「そうくると思ったよ・・・」
サタンは何となくこうなるパターンを予測していた。
でも、どうするんだよ・・・確かに可愛いし可哀想だから飼ってやりたい・・・やりたいけど――
「やっぱり、飼うのは難しい・・・」
「何でですかぁ!? こんなにも可愛いのに!」
「それはな・・これ以上は金が底を尽きるからだよっ!」
言い終えてからもサタンは思った。
魔王のくせに何を言ってるんだ俺・・・
「サタンさん・・・」
「それは・・・そうですけど・・・」
「ごめんね。私のせいでお金がますますなくなっているのよね・・・」
しょんぼりと肩を落とすラエル。
「い、いやラエルさんのせいじゃないですよ! 元々お金が少なかっただけです。な、アズラ?」
「そ、そうなんです私達には最初から余りお金がなかったんですよ! だからラエルさんのせいじゃありません」
「本当に優しいね二人とも・・・」
しばらく全員が黙りこむ。
「だったら・・・人間界の仕事《クエスト》をしてお金を稼ぎましょう!」
メルが言い出した。
「仕事《クエスト》・・・そんなのがあるのか?」
「ええ、しかも今なら相当な額が稼げる仕事《クエスト》があるらしいですよ。行きましょう、サタンとアズラと私で」
「私は賛成です」
「アズラは決まりですね。後はサタンだけですがどうですか?」
サタンは正直嫌だった。働く事なんてメンドクサイからだ。けど――。
「サタン」
「サタンさん」
「サタン君」
「う~ん・・・ん?」
サタンが悩んでいると猫がサタンを見つめて鳴いた。
「ニャ~ン・・・」
「ク・・・分かったよ・・・その猫を飼おう!」
結局サタンも猫の可愛さにやられて飼うことにした。
「ヤッターー! ありがとうございます、サタン!」
「サタンさん!」
「メルがゴメンね・・・けど、ありがとうねサタン君」
大いに喜びはしゃぐアズラ、メル、ラエル。
「とりあえず中に入らないか?」
サタンはやれやれと思いながら城の中に戻った。
「では、早速この子の名前を決めましょう!」
アズラからの提案で早速猫の名前決めが始まった。
「はい!」
メルが手を上げる。
「メルさん」
「ブルーニャイズキューティクル!!」
メルのダッサイ名前に誰も反応しなかった。
「はい」
今度はラエルが手を上げる。
「ラエルさん」
「太郎」
ラエルの出した名前にも誰も反応しなかった。
「・・・・・・・・・はい、次サタンさん」
アズラは無理矢理次へと進行した。
「え、俺!? う~ん、そうだな・・・アオニャン・・・」
サタンが出したダサイ名前にも誰も反応しなかった――。
「はい、決定しました! この子の名前はアオニャンです!」
と、思ったら、サタンが出した名前に決まった。
「ちょっ、ちょっと、アズラ。なんで私とお母さんの名前は無視したのにサタンの名前で決まっちゃうんですか!?」
「だって失礼ですけど・・・お二人ともネーミングセンスがないからです! 特にメルさんがです!」
「ぐっ・・・そ、そんなのサタンが出した名前だって私と同じくらいダサイじゃないですか!」
「サタンさんが出した名前は可愛いらしい名前なのでOKです!」
指をピンと立ててうんうんと頷くアズラ。
(っ・・・この悪魔は本当にサタンに甘いんですから!)
「で、ですがアオニャンですよ!? アオニャン!」
「メルさんのブルーニャイズキューティクルよりは数倍ましです!」
(そこは私もアズラちゃんに賛同するわ・・・)
ラエルは心の中で思った。
「くぅ~こ、こうなったら猫に選んでもらいましょう! 私が出した名前がいいのか、お母さんが出した名前がいいのか、サタンが出した名前がいいのかお!」
「じゃあそうしますか?」
「俺はいいぞ」
「私も」
サタンとラエルも返事する。
「じゃ、猫ちゃん、いい名前の所へ行ってください」
皆の視線が猫に集まる。そんな中猫はサタンの所へ行くとサタンの足を頭でスリスリした。
「はい、アオニャンに決まりました!」
サタンはアオニャンを抱き上げた。するとアオニャンはサタンの頬を舌でペロペロと舐めた。
「どうやらアオニャンもサタンさんが出してくれたお名前が気に入ったようですね」
「そんなぁ~・・・」
「ドンマイよ、メル」
ガーンと肩を落としたメルを励ますラエル。
「お母さ~ん」
「よしよし」
メルはラエルに頭を撫でてもらった。
「サタンさんこれから可愛がってあげましょうね」
「ああ、せっかく飼うんだし精一杯お世話するよ」
「ニャァーー!」
こうして、サタンにはまた一人(一匹)の家族が増えた。
本気で人間界の仕事《クエスト》を頑張らないとな・・・・・・生活のため、金のために!
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